2015年11月17日火曜日

マツダ・アクセラXD 「究極に合理的!でも究極に矛盾・・・」

  「クリーンディーゼル」はもはや「ロータリー」に変わるマツダの新しい代名詞になった感がありますが、ちょっと端から見ていて気になるのが、「マツダの意図」と「カーメディアの解説」と「ユーザーの理解」がしばしばズレが生じたまま展開されているのではないか?ということです。果たして1〜2年使ってみての顧客満足度はどれほどのものか?老婆心ながらやや心配になります。マツダ車に対する期待がそもそも間違っているのでは?と感じられる言動に触れる機会が結構あります。

  とりあえずここ数年のマツダが新製品を紹介するスタンスなんですが、メディア戦略が他の日本メーカーよりも群を抜いて巧みです。デザインや乗り味に対する評価の高さに加えて、「国内生産にこだわる姿勢」や「欧州車への露骨な対抗心」などなど、このメーカーへの興味を惹かせるさまざまな要素が散りばめられています。もちろんそれはここ数年に限った取り組みではなく、バブル崩壊後の苦しい時代から広島を中心として「地域」との連携など、一貫してブレない姿勢があってその上に見事に咲いたの「マツダ人気」ということもできます。

  ただしマツダ車を冷静に分析すると、カーメディアで一般に解説されるような、日本メーカーと欧州メーカーの「いいとこ取り」といったスーパーな存在ではないことは確かです。マツダが掲げる「運転が楽しい(Be a driver)」は、裏を返すとトヨタやホンダよりも「乗りにくい」という意味にもなります。時速60kmを越えての速度域での操縦安定性に関しては、他の日本メーカーよりも定評がありますが、街中の混雑をマツダ車で長時間走ると、低速域でのアクセルやブレーキの操作感ではトヨタ車に完敗しますし、ディーゼル・ガソリン問わずに低速ギアからハンドルを伝わる振動の不快さは、日本で売られているクルマ(国産・輸入を問わず)を見渡して、もしかしたら最低レベルかもしれません。

  そんな特性を考えると、マツダ車は、アルファロメオやプジョー、欧州フォード、VWといった日本車要素が比較的薄い欧州メーカー車に近いポジションです。よっぽどメルセデス、BMW、ボルボの最近のモデルの方がトヨタっぽい大人な立ち振る舞いのクルマが作れていて、いわゆる「いいとこ取り」ができていると感じます。けれどもこの3ブランドは、日本車風の乗り味になってから、クルマ好きの間では人気がガタ落ちしています。まあ日本のクルマ好きなんて「ただのバカ」ですからマトモに相手にする必要なんてないですけどね(高齢者が安心で快適に乗れるクルマ作ってくれればそれでいいです!)。

  誤解を恐れずに言いますと、トヨタとマツダを両方所有していると、両者の対照的なクルマ作りにあれこれと気がつきます。走る・止まる・曲るに関してはマツダの過激なセッティングが浮き彫りになるくらいに方向性が違っていて、マツダの方が安心してスピードが出せるのは間違いないです。基本性能に関してはマツダが優位という結論をしてしまいそうですが、マツダ車はスムーズに走れなくなる(渋滞にはまる)ととたんにつまらなくなるので、これまで何度か「面倒くさいな・・・」という思いをしました(理由は上に書いたとおりです)。

  ちょっと動いて止まるという動作においては、マツダ車の挙動には変速ショックがアクセルONとブレーキ時につきまとってあまり気分がよくないです(VWなんかも同様です)。その点トヨタ車は角が取れた加速感とブレーキフィールなので、渋滞でもそれほど不快ではないです。こういったマツダの欠点は現行モデルにおいてもそのまま受け継がれています。まあキャラクターなので変えようがないのでしょうけども、そんな街中が苦手なクルマをデザインだけで納得して買っていった人は、後からどういう印象を受けているのでしょうか?「案外ダメだな・・・」という感想は正直だと思います。

  マツダはマツダで2012年以降のクルマでも、ことごとく開き直りの姿勢が現れていています。デミオのCVTを廃止したり(トルコンATに戻る)、都市部では使い勝手に困るMTを新規車種の全てに投入したりするなど、主導権を持つトヨタやホンダに対し完全に「逆張り戦略」を採っています。「CVTは嫌い!」とか「ハイブリッドは元が取れない!」とか言ってる人はマツダのステマです(笑)! まあでもこの戦略はマツダの規模で生き残りを模索するならば妥当ではあります。それを象徴するかのように、アクセラにはトヨタから調達したハイブリッドがありますが、これが全く売れませんでした。今や都市部のお迎え車といえば、「渋滞燃費最強」のハイブリッドが当たり前ですが、どうやらマツダの読み通りで典型的な都市部の住民からはマツダは支持されていないようです。

  アテンザXDにMTが設定された!!という「非常識」な戦略もまたマツダの存在をアピールする上では効果があったと思います。何が「非常識」かというと、先代のアテンザから採っているコンセプトは「世界最良の高速ツアラー」というもので、高速での操縦安定性とCD値(空気抵抗係数)クラストップ、そして車内の静音性もレクサスを凌駕する水準(FFの方が静かですから)に作り込んでいて、単なるフラッグシップではなく、用途を厳密に考えた上での「専門車」として作り込まれています。衝突安全性の高さなども考慮すると高速道路での安全性に関しては相当な競争力があるクルマです。そんな長距離を走るためのクルマになんでわざわざMTを選ぶのだろう?というのが矛盾です・・・。まあディーゼルを搭載すること自体は、100km/h走行での低回転で騒音がそれほど酷くはならないので、決してデメリットではないですけども。

  べつに運転が楽しければMT(3ペダル)でいいじゃないか!・・・という勢いでアテンザをMTで買ってしまう人の気持ちもよくわかるんですけど、実際に東京〜京都を往復してみると「何とかなるな・・・」と思いつつも、次は東京〜広島を往復してみたい!とは絶対に思わないはずです。東京〜広島だったら飛行機か新幹線を使うだろ!という極めてマトモな思考の持ち主ならば、ホイールベースが2830mmまで肥大化したアテンザXDよりも、2700mmのアクセラXDの方が運転して楽しいのではないか?ということにも気づくはずです。

  アテンザXDよりも400mmも全長が短く、車重も100kg近く軽くなっているアクセラXDは、アテンザの高速走行の安定感と引き換えに、よりスポーティなハンドリングが得られます。最近では300psを越える超絶スペックにMTを組み合わせたために、神業的なシフト操作が要求される「バカ・スポーツカー」が増えているそうですが、日本メーカーが大挙して発売している「MT」搭載モデルは、軽量ボディに限界まで使える適度なスペック(120~200ps)のものが多いです。定番の「ロードスター」「フィットRS」「スイフトスポーツ」「CR-Z」といったモデルが車重1000~1100kgに130ps前後といったバランスです。「デミオ1.5」「カローラ1.5」「ヴィッツ1.5」が1000kgに110psでやや控えめなスペックです。これに対して「アクセラ1.5」は1240kgに111psですからちょっと鈍足で、「アクセラ2.0」は1280kgに155psなのでロードスター、フィットRS、スイスポに匹敵するレシオです。

  これよりもさらに過激なモデルとして「86/BRZ」や「フェアレディZ」があるわけですが、これら一級品の戦闘力を持つスポーツカーに伍する実力を秘めているのが「アクセラXD」です。ディーゼルでスポーティと言い切るマツダに一抹の不安は感じますけども、マツダが自棄糞気味に追い求めている「新しい世界観」に辿り着いたクルマであることは間違いないです。

  ポテンシャルは十分!あとはどう使うかだけですよ!なんともマツダらしいと思います。使い方は自分で考えてください!我々は「Be a driver」としか発信しません!・・・「これまでに無いクルマ=正義」だと考えるなら究極に合理的!だけどその設計は矛盾に満ちていて、長く乗り続けられるかどうかユーザーを試すクルマ?なのかもしれません・・・「渋滞の時にかったるいって? ウチはマツダですよ!そんなの当たり前じゃないですか!(ランボとかポルシェとかで渋滞になったら地獄ですよ!)」なんて開き直ったらマツダは本物だと思います。


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2015年10月24日土曜日

スズキ・エスクード 「実力派らしいCM展開?」

  国産車も輸入車もまるで競うように「新型・MC・グレード追加・イヤーモデル発表」が連日連夜もの凄い勢いで発表されています。東京モーターショーで主役になるため?か日本メーカーは宣伝に余念がないようで、ボケーっとしてても新車情報が入ってきてしまいます。各メーカーはわざわざご丁寧にホームページに詳細な情報を上げていて、なんでも知りたがりのマニア体質なので見始めてしまうとどんどん時間が・・・、休みの日の半日くらい平気でネットしていたりでちょっとヤバいなと感じています。

  そんな中で登場してきたのが、スズキ「エクスード」というこのブランドの中でもっとも高級な部類に入るSUVで、ちょっとわかりにくいフルモデルチェンジが行われました。日産のエクストレイルやスカイラインでも行われていましたが、先代モデルを一部残したままで併売が行われています。エクストレイルの場合はディーゼル搭載モデルを残すという主旨だったのですが、このエクシードは2.4L(直4)の先代モデルと1.6L(直4)の新型モデルの同時展開になっていて、先代モデルを残した意味は2.4LエンジンとMTを残すことにあるようです。

  エンジンのダウンサイジング(自然吸気です!)によって新型は、先代と比べて約2倍のモード燃費を誇るようになりました。さらにATの6段化(先代は4AT)もかなり燃費に効いているようです(BMW方式!)。新型には新たにFFが登場し、AWDも選択可能ではあるものの、このクルマの魅力であった?MTが新型では設定されていません(追加されるかも)。

  先代モデル(3代目)が登場したのが2005年なのですが、あまり見かけないクルマということもあるかもしれないですが、10年前のデザインとは思えない鮮度にビックリです。スイフトと並んでスズキの近年の傑作デザインと言っていいですね。CX5が売れてヴェゼルが売れたのに、このエスクードが売れなかったのは、ディーゼルやらHVやらの飛び道具がなかったことで話題性に乏しかったのもあるでしょうけど、何といっても発売時期が悪かったですね・・・。同時期に発売されたBMW3シリーズなどは結構イケイケの状態だったようですが(ローンを上手く展開した?)、その裏でリーマンショックに震災が続いて、日本メーカーは何ら展望が持てない状況でした。

  2005〜2009年頃に発売された日本車は国内ではほとんど売れずに苦境に立たされましたが、おそらく10年後くらいに「これはいいクルマだった!」なんて特集が組まれるようになりそうな名車が揃っています。V36スカイライン、レクサスIS-F、GHアテンザ、V8エンジンを搭載したフーガとレクサスGSなどなど・・・。その中にこの3代目エスクードも入っていいと思います。他にもGT-R、エボX、先代WRXといったAWDスポーツなどがあります。

  先代のエスクードは発売当初はV6が搭載されていて、当時のインプレを見ても静粛性が高く、SUVながらも機敏なハンドリングと優れた快適性を両立させた、ちょうどCX5のようなSUVでした(今も直4モデルがありますが)。内装もジムニーやスイフトから連想されるスズキ車のシンプルなインパネとは全く違っていて、現行のマツダやスバルの上級モデルを彷彿させる機能美が湧き出るような洗練されたものになっています(新型よりも良いかも!)。内装って面白いもので、メーカーの本気度が一番よくわかる場所だと思います。車両価格が1000万円を軽く越える超高級車でも、インテリアデザイナーの執念が伝わってくるものと、そうではないものがありますが、先代エスクードに注がれたスズキの情熱はハンパじゃないと感じられます。

  2.4Lの自然吸気にAWDで本体価格が200万円台前半というのは、他の日本メーカーやジープの同クラスと比べてもありえないくらいにお買い得です。しかもMTまで選べるなんて!いくらスズキでも安売りし過ぎだと思うので、販売が停止されてしまうのも時間の問題でしょうか。新型(1.6L)のAWDモデルよりもわずかに安い価格を維持するカラクリは一体何?と勘ぐってしまうくらいです。・・・買っておくべきか!!! しかし新型がリッター18kmに対して、完全に旧世代を想像させるリッター10kmというモード燃費が悩ましいところですが、MTを操って郊外の林道を駆け抜ける!といった用途ならば・・・燃費はそれほど問題ではないかも。もちろん買い物にも行けますし、スズキのフラッグシップ車ですから堂々と都心に繰り出すのもOKですね。

  それに対して今回発売された新型は、MTなんかに執着するクルマ好きを完全にバッサリと切っていて、ターゲットはレヴォーグにするかエクシーガにするか迷っている善良な2ペダル限定ユーザーにしたようです。ヴェゼルやCX5のヒントとなっただけで、完全に「早過ぎ」てブームに乗れなかった先代エスクードは、スズキにとっては口惜しかったはずです(ハスラーである程度は晴らした?)。ホンダやマツダのマーケティング手法にヒントを得たかどうかわかりませんが、ヴェゼルのようなエッジの効いたエクステリアの面構成と、マツダ車のような見る人を惹き付けるビビットなカラーリング(アトランティックターコイズパールメタリック!)を使ってきました!

  ヴェゼルとCX5のいいとこ取り!といった安易な結論は、開発者に対して失礼かもしれないですが、スズキの本格SUVとして開発されてきたエスクードの車名をそのまま使って、方向性を変えてしまった!?のは確かなようです。三菱がアウトランダーの派生車に「パジェロ」と名付けたり、トヨタがRAV4の後継車に「ランドクルーザー」と名付けちゃったような、「やっちまった感」がちょっとあります。それでも三菱やトヨタよりもスズキに頑張ってほしい気持ちは日々高まっています。ヴェゼルやCX5を追うような新型エスクードを手頃な価格で作ってくれるのもいいですけど、先代エクスードの理念を引き継ぐモデル・・・新型ユニットにMT&AWDそしてセンスのいい内装!というのも期待したいですね。

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↓これ3代目!かっけー!!!

  

  

2015年10月11日日曜日

カローラアクシオ・5MT という選択もいいかも!

  「86」と「アルファード」くらいに別々のベクトルならば「クルマの価値の多様化」で片付く話なんですけども、トヨタの「ミライ」と「アクア」はどっちがエコなんだろうか?なんて考えたところで素人レベルでは皆目見当もつかないです・・・、それでも待ったなし!で自動車産業は日々進化を遂げています。バブルの頃とは大きく違ってクルマの優劣に結論を出す事がとっても難しいわけですが、完全にお手上げになってしまったらもうメーカーの言いなりなので、やはりこんな時代でも「クルマの価値」をどんどん定義していく必要はあるのかな?と感じています。・・・ある人は軽自動車が一番経済的だと言うし、またある人は「命のコスト」を考えたら軽自動車は究極の割高だ!と言っている世の中ですから。

  人気のある最新鋭のクルマを選んでおけば、とりあえず間違いないのか?というと決してそうでも無いようで、なんだか良くわからないけど、日本の道路を走るのにランフラットタイヤが装着されていて、スペアタイヤも修理キットも無いから、そのままではスタッドレスが選べません!なんて意味不明で怪しげな高級車がドイツメーカーだけでなく、日本メーカーからも発売されている始末です。高級セダンは足回りに余計と感じる運転補助機能があれこれ付いてきて、なんだかかったるい(すっきりしない)乗り味、エンジニアリングを共有する高級スペシャリティカーも高級スポーツカーもなんだか良くわからないクルマに・・・。そりゃ500psも出してしまえばまともに前に走れなくなるからいろいろ「制御」が必要なんでしょうけど。

  高級セダン、ラグジュアリークーペ、スーパースポーツ、クルマの金額だけ聞くとビックリしますけど、いざ乗ってみると興奮は次第に冷めていって、クルマ自体はどれもこれもなんだか退屈・・・。こんなクルマに1000万円以上も費やす人々は、さすがにだいぶ減ってきたようですけど。クルマはとりあえず目的に合わせて選んでおけばいいのでは・・・。1000万円以上するクルマを購入するくらいなら、用途の異なる気に入った2台を所有したほうがきっと楽しいはず。

  最近、ちょっとした朗報があって、クルマをつまらなくしている「元凶」だったのではないかと思っていた世界最大手のサプライヤー・ボッシュが、VWとの仕事に置いて取り返しのつかない大失態を組織ぐるみでやっていたことが明らかになりました。このサプライヤーが傘下に世界中の部品メーカーを収めて、巨大なサプライヤー・コンツェルンを形成し始めた当初から、ドイツ車を中心のクルマのレベルがどんどん下がっていたので、これは怪しいなと感じていたのですが、やはり不正にまで手を染めてしまいました。

  サプライヤーに限った話ではもちろんないですが、企業グループがコンツェルン化することの弊害は歴史が証明してきましたし、大手商社が製造業の再編などに手を染めたところでろくな結果が出ないことは多いです。大きなシェアを獲得して独占状態になった瞬間に、利益率を高める経営原理が働きその部品の精度は著しく落ちます。まあライバルがいない売り手市場ですし、これ以上高い研究費を払ってまで高機能なパーツを作る必要もなく、ライバルが出現したら営業力とダンピングを駆使して潰せばいい話。たとえばコンツェルンではありませんが、日本のタカタはエアバックの部品で独占的な地位にあったサプライヤーで、外部が勝手なことを言うのもなんですが起こるべくして「事」が起こっています。

  ボッシュ・グループとその大口の取引先になるドイツメーカーの製品だけの問題ではなく、同じような状況下に置かれているのがボッシュと対峙する関係になっている、トヨタグループ系列部品メーカーのデンソーやアイシン精機で、これらはすでに単体でマツダやスバル、パナソニックやソニーをも上回る3兆円規模の売り上げ規模を誇っています。それら巨大化したサプライヤーが生み出す部品で組み上げられるトヨタ車は一体どうなんだ?と言われたら、たしかに「コンツェルン車」らしい要素が満載な感は否めません。どの車種でも選択の幅がほとんどなくCVTばかりが無条件で押し付けられるミッションなど、不満な要素はいろいろあります。

  ちょっと前まではトヨタのラインナップは国内専売モデルばかりだったので、日本メーカーの伝統である「車種ごとの作り込み」の精度は非常に高く、いろいろとその市場の顧客ニーズに合わせた仕様が存在したのですが、最近ではアジア市場との併売モデルがやたらと増えてきて、やれターボだとか、AWDは省略だとかいった「作り手市場」の新型車が多いです。全国ネットのCMで堂々と宣伝されていても雪国の人の利便性が考慮されておらずに現実味がない新型モデル(それでも売れる!)への不満もあちこちで聞かれます。

  それでも国内最大手のトヨタですから、伝統の「カローラ」シリーズにはAWDもあればMTもしっかりとあります!・・・あれAWD&MTは無いのか!どうやら資本関係にあるスバルのインプレッサに用意がある「雪国スペシャル」のAWD&MTと市場を分け合うというグループ内の取り決めがあるようです。スバルとの協業が進められるようになった途端に、カローラの国内モデルはインプレッサと同等の車格からダウンサイジングされたことを考えると、現行のカローラが日本市場向け戦略車として重要なポジションにいることが分ります。

  現行カローラはトヨタのCセグ向けプラットフォームから、ヴィッツと共通のシャシーに変更されたため、発売当初はかなり批判的な意見が多かったのも事実です。これまでの熟成が進んでいて、いかにもトヨタらしい快適な乗り味がかなり薄れ、レンタカーのヴィッツのようなガサガサした乗り味になってしまい、それに失望したカローラファンもかなりいたのではないでしょうか。けれどもその辛辣な評価の裏にはカローラという重すぎる車名を引き継いでしまったことによる不幸も多分にあったと思います。

  トヨタの狙いはBセグでのグローバル制覇を狙うホンダ・フィットの快進撃を日本市場で潰すために、ヴィッツ、アクア以外にも多くの「選択肢」を投入することで「フィット包囲網」を張る作戦?だと思われます。ホンダ勢も効果的にフィット派生モデルを増やしていて、ヴェゼル、グレイス、シャトル、CR-Zという鉄壁の布陣はトヨタのヴィッツ派生車よりもそれぞれのキャラが立っていてトヨタに立ち向かうホンダの気迫を存分に感じられます。トヨタ陣営は、信頼性の高さとHVユニットの効率の良さと何より営業力で主導権を握っていますが、こだわって指名買いをするとなるとヴィッツやカローラにしてみようという要素が少ないのですが、ヴィッツ、アクシオ、フィールダーに何気なく設定されている5MTは、希少となっているマニュアルがリーズナブルな価格で選べるという長所もあります。

  アクシオの5MTの場合、車重は1050kgだそうで、109psの1.5Lの自然吸気(レギュラ対応)で引っ張ることを考えると、VWのゴルフやポロの売れ線グレードなどよりもよっぽど軽快に走れます。10月22日に全国のマツダで発売開始になるデミオの競技用車両「15MB」が車重1000kgで116ps自然吸気(ハイオク指定)なので、アクシオ5MTのポテンシャルの高さはなかなかのものがあります。本体価格はデミオ15MBもアクシオ5MTどちらも150万円程度なので、クルマ好きの若者に向けたスイフトスポーツ(136ps)が170万円、フィットRS(132ps)が190万円もいいですが、よりコスパに優れた選択肢になりそうです。

  ガサガサの乗り味・・・は運転の楽しさの代償と考えましょう。もちろんMT車ですから長距離に使うクルマではないですし、高速道路を巡航をしない!と割り切ってしまえば、Bセグでもそれほど安全面を気にすることもないです。5ナンバーで1500mmを越える車高となると、横風の影響は無視できなくなりますし、1.5L前後のエンジンで高速巡航すると高回転になって風切り音と相まって騒々しいですし、長く運転していると耳がおかしくなります。高回転域を使って巡航するエンジンにもかなりの負荷がかかりますから、高速道路を走るなら3ナンバーの中型車でターボの有無に関わらず1.8L以上を選んでおきたいです。

  都心に住んでいると箱根や碓氷峠に繰り出すにも高速を使わなきゃいけないので、なかなか選べないとは思いますが、クルマで20~30分走れば信号がほとんどなくなるドライブロードに到達できる辺りの郊外地区ならば、買い物もドライブ趣味もアクシオ5MTで楽しめます。トヨタ純正オプションともいえる、TRDのフロントスポイラー(塗装済み43000円)を装着すれば、アクシオでも立派なこだわりのクルマに見えますし、休日の量販店の屋上駐車場に颯爽と現れれば、レヴォーグやらエクスワイアやらCX5やらで賑わう中でもしっかりと存在感が示せます。趣味全開のエクステリアにカスタマイズしたアクシオをゴルフの隣りに停めて「日本人ならカローラだろ・・・」と心の中で呟いてみたいですね。

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2015年9月26日土曜日

日産シルフィ にスペシャルグレードが登場してますよ〜!

  「シルフィってどんなクルマ?」・・・正直いってこれが本音ですよね。プリウスもアクセラもインプレッサも知ってるけどシルフィは・・・完全に「幻のクルマ」です。街中で見かけた日はハッピーで、「おお〜」・・・ちょっとテンション上がるくらいにレアな存在です。ブルーバードシルフィの後継モデルとしてCセグメント3ナンバーセダンというなかなかちょうどいいサイズで誕生したクルマですが、他メーカーのユーザーが名指しで乗り換えてくるようなクルマでもないようで、多くはセドリック/グロリア/ローレルなどからのダウンサイズ乗り換えか、プリメーラやブルーバードからの乗り換えがメインだと思われます。

  アメリカではそこそこ売れているみたいですが、日本ではプリウスの牙城が崩せないばかりか、アクセラやインプレッサよりも明らかにコスパが悪い(割高感あり!)ので、メーカーも売る気があまりないのかもしれません。ユニットは1.8L自然吸気のみで、ベースグレードの本体価格が200万円で、最上級の「G」が250万円という価格設定自体は魅力的なんですが、アクセラやインプレッサといった欧州でドイツ車に対抗してバリバリ売っているモデルと比べると中身が少々見劣りします。ルノー車と足回りが共通なので、フランス車が良く使う「トーションビーム」という簡易型のサスペンションがリアに使われているのがクルマ好きからウケない理由となっています。フランス車のドンガラ感が好きな人には特に気にならないでしょうけど・・・。

  ワインディングロードで無理気味に走ったり、箱根や奥多摩などの高低差がある峠でパフォーマンスを追求したりしない限りは、特に困ることもないです。なのでもっと売れていいのでは?と思うのですが、よくよく考えてみると居住性よりも車高が低めで走行安定性を重要視するユーザーが気にすることって結局はパフォーマンスですよね・・・。アメリカや中国みたいにこのタイプのクルマが当然に売れる市場ならいいですけど、日本でアクセラやインプレッサに注目するユーザーは、ハンドリングやアクセルフィールに納得して選んでいます。とりあえずアメリカでバカ売れいているカローラ(1.8L)やシビック(1.8L)をそのまま日本に持ってくれば売れるか?というと、目新しさによる初期需要こそあるかもしれないですが、構造的に人気車種にはならないでしょう。あくまで軽自動車やコンパクトカーが無いアメリカ市場だから最も手軽なクルマとして成立しています。

  日本で売れるCセグは一芸に秀でていることが必須!と言っていいと思います。トヨタ・オーリスは現行モデルの最初からその事を強く意識して設計されたようで、アルファロメオを思わせるモダンなエクステリアをアピールしつつも、特別仕様車として「シャア専用オーリス」なるモデルを発売して話題を呼びました。なんと今回さらにパワーアップして第二弾が発売されることになったことからも、自動車ファンから色モノとして見られつつも企画自体はかなり手応えがあったようです。

  日産もシルフィをなんとか日本市場に根付かせようということでしょうか、日本スペシャルとも言える特別仕様車を作ってきました。ラグジュアリー志向で新たな最上級グレードに設定されたのが「G・ルグラン」で、本体価格がおよそ270万円で本革シートと革張りのドアトリムが付いてきます。プレミアムブランドのクルマでも革張りドアトリム採用はそれほど多くないですけど、最近の日本車の内装の水準はとんでもないレベルに到達していて、ハリアーでもヴェゼルでもガンガン採用されています。最近は日本車が高くなったと言われてますが、大幅値上げされたハリアー、アテンザ、スカイラインが先代を凌ぐヒットを遂げていて、小型SUVのヴェゼルがなんと乗り出し300万円越えでも非常に良く売れてますが、内装の満足度はほんとに良く実感できます。

  日産の高級感を売りにしたコンパクトカーにジュークとノートメダリストがあります。どちらもインテリアの色調でセンスの良さを演出できていますが、コンソールにレザー素材が使われていますがトリム部までは及んでいません。メルセデスの新型Cクラスがレザートリムを大胆に取り入れてきましたが、「G・ルグラン」は日本版のCクラス?ですね。

  もう1台は「S・ツーリング」(250万円)というグレードで、インパネ全体に広がる木目調パネルを敢えて外して、代わりにサイバー調のハイセンスなパネルを使ったモデルです。先日発売されたオーリス1.2Tがインテリアをブラッシュアップしたセット価格250万円で発売されましたが、木目調パネルしか選べずに若いユーザーにはちょっとウケないのではと危惧されてました。シルフィも日本仕様は木目調パネルだけの展開だったので、これはなかなか嬉しいグレード設定と言えます。

  さらにこの「S・ツーリング」の特徴はエクステリアの専用エアロパーツです。元々が「幻のクルマ」ですから、「G'sアクア」や「ノート・ニスモ」のように個性的な存在である必要もないわけですけど(笑)。しかしこのエアロパーツはかなり効いてます!これによってなかなか冴えなかった風貌がガラリと変わってメリハリが加わっています。レア車ゆえにパーツもほとんど発売されずで、カスタムしたくてもなかなか手が出せないクルマでした。しかし4600mmを越える立派な車体ですからいろいろとパーツ映えしますし、塗装映えもするでしょう。「シルフィ・ニスモ」なんてのもあっていいかもしれません。

  ちょっと残念だなと思うのは、シートが一番下のグレードで使われる「スエード調コンビ」だけしか選べない点ですね。このシートの表面加工はさすがにちょっとダサいです。この「S・ツーリング」にレザーシートが選べて、さらにレザートリムまで追加できたなら、いよいよCクラスに迫る室内空間を持つ極上プライベートカーとして注目かもしれません。たとえ本体価格が300万円だったとしても、内容の充実ぶりを知ったならば、欲しいという人が結構出てくるのではないでしょうか? 

  さらに装備を充実させていけば、某国産メーカーのように一気に突き抜けることも可能だと思います。後席エアコンも付いてますし、さらに全席にシートヒーター、リアウインドーにサンシェードを付けて、リアシートを倒してエアマットを敷くと車中泊もできる!みたいなアピールをすれば、クルマに関心がなかった若者もふと振り向くかもしれないです。AWD仕様も作って日本中を「ツーリング」できるクルマ!ってのはどうですか?

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↓Cクラスはさすがです!日本車の内装レベルの飛躍的向上を想定していた?



  

2015年9月24日木曜日

トヨタG'sアクア わかりやすいコンセプトが一番!

  VWを代表する大ヒットシリーズで、日本でも輸入車販売台数1位に輝くゴルフから500万円を僅かに下回る価格でプラグインハイブリッドの日本発売が発表されました。確か新型パサートのプラグインハイブリッドがドイツやイギリスでは600~700万円くらいするようなので、499万円と言われるとなんだか安いのか高いのか少々判断が・・・とりあえずスカイライン350GT買えちゃいますけどね。アメリカでちょっと炎上中のVWなので、人気回復の起爆剤として大幅値下げを発表したりするかも。

  VWを励ますというほどではないですが、VWゴルフは「コンパクトカー=小型車」でありながらその本来の姿を絶えず変革しようとしてきたパイオニアでした。ハッチバック車にスポーティなイメージを与えるモダンなデザインと、高性能車用のエンジンを搭載してアウトバーンの追い越し車線を走れるモデル「GTI」を作るなどの試行が他のメーカーにも様々な影響を与えました。ゴルフは現行モデルで7代目になるのですが、6代目・7代目といった辺りから進化があまり感じられなくなったのも事実で、チャレンジ精神を失ったVWグループの中でゴルフも色褪せていきました。WCOTYを受賞したメーカーは低迷する・・・新しいことをやらないから!そんな典型的な転落例になってしまったのは皮肉です。



 
  さてネット広告にやたらと登場するのがトヨタの「アクアG's」です。昨年度(2014年度)の販売台数で日本市場のトップに立ち、有名になりすぎたので、さすがに同じコンセプトのままで売り続けるのに限界を感じたようです。もともとコンパクトカーの中では車高が低いデザインなので、ライバルのフィットや同ブランドのヴィッツよりもスポーティなルックスをしています。アクアのデビューは2011年の12月でした。今でも割とハッキリ覚えているのですが、実家を離れて一人暮らしをしていたマンションのポストに珍しく自動車広告のポスティングがありました。そのトヨタ・ネッツの広告を見て、新型ハイブリッド車が100万円台でしかもなかなかのデザイン!ということで「クルマでも買おうかな?」なんて思いが沸々と湧いてきました。

  その後にネットで検索したら、どこから見てもHV車には見えない中型セダンの「カムリHV」に興味が移りました。HVに見えないデザインなんて今では当たり前ですけど、当時は「燃費がいいのは魅力だけどデザインがな・・・」といった印象が普通で、アクアとカムリHVのデビューによって、実家を離れてからクルマを全く必要としない生活を送ってきた自分が、再びクルマへの興味をかき立てられました。来年で仕事を定年となる母親を乗せることも多いだろうと、後席が広いカムリHVにしようと思ったのですが、トヨタも予想外の大ヒットだったようで値引きが渋かったですね。その後マツダに行って、生産中止直前のGHアテンザに試乗したところ、あまりの走りの良さの前にカムリHVへの熱は冷めてしまいましたが・・・。

  やっぱりトヨタが産み落とした1台のHV専用コンパクトカー「アクア」の洗練されたコンセプトは、クルマを買う予定でなかった人を振り向かせるくらいにすっごいインパクトだったと思います。アクアに関しては特筆すべきはやはり車高を抑えたデザインです。おそらく初代ゴルフ(1974年)のデビュー時も同じようなインパクトを与えていたんじゃないでしょうか。ゴルフとアクアのそれぞれのデビュー時の状況は似ていて、オイルショックと東日本大震災というそれぞれに燃料価格の高騰が予想され小型車に注目が集まるタイミングで、当時の小型車のトレンドとは真逆のデザインを持ってくる「革新性」という意味で非常によく似ています。

  さて衝撃的なデビューから時は経ち、今度はゴルフGTIがやったような、小型車の枠(低スペック)を打ち破る性能面での革新が求められたようです。アウトバーンの国・ドイツでは200km/h超でメルセデス車と同等の巡航性能を誇るゴルフGTIが「アウトバーンの民主化」として脚光を浴びたようですが、100km/h巡航までの道路しかない日本においては、要求されるものはやはり「峠」踏破性能でしょうか。日本の観光道路の多くは風景がよくみえる稜線をたどるワインディングロードです。アップダウンある中での加速・制動性能や狭い車線を正確にトレースできるハンドリングだったり、あるいはそういった道をどこまでも楽しくドライブできる良好なフィーリングが備わったアクアはどうですか!というちょっとややこしいコンセプトです。果たしてクルマを必要としない人々へどれだけ訴求できるのでしょうか?

  ホンダはフィットのホイールベースを詰めてCR-Zを作っていますし、BMW(3シリ→Z4)もメルセデス(Cクラ→SLK)もアウディ(A3→TT)も日産(スカイライン→フェアレディZ)などなど改造スポーツカーはまずホイールベースを弄るのが鉄則なわけですが、VWゴルフとトヨタアクア(あと日産のマーチNISMO、ノートNISMO)はベース車のユーティリティを損なうことなく仕立てるという方法を採っています。クルマ好きは2ドアが好きかもしれないですが、一般人の視点ではドアが4枚あって居住性が確保されていて、突然に結婚してもクルマを買い替える必要はなくチャイルドシートも余裕で装着できる!というのは、ホイールベース云々よりも高い商品性として写るようです。

  実際にG'sアクアは近所でよく見かけるようになりました。ユーザーはビックリするほどにことごとく若いですよ!プジョーとかジュークとかデミオとかCX3とかアホ臭いほどにチャラいデザインのユーザーはオッサンばっかりですけど、ヴェゼルやアクアみたいなコンサバ系は比較的に若者にウケている印象です。230万円でスペシャル感が付いてくるG'sアクアは若者にとっては嬉しい選択肢です。あと100万円頑張れば「86」も選べる!なんだかんだでトヨタユーザーが増えて行くようになってます。他のメーカーももっと若者を囲い込めるクルマを用意してほしいものです。・・・スイ=スポでは「次」がないですし、ロードスターやS660は車庫必須なのでちょっとハードルが高いですよ!

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↓地味にトヨタ車の内装レベルは世界最高水準だと思います!

  

2015年9月17日木曜日

スズキ・新型ソリオ の超絶スペックが凄過ぎる!!!

  スズキ・ソリオがフルモデルチェンジされ、「バンディット」なる新グレードとマイルドHV車を追加してスズキの新型車が発売されました。今回のソリオはスズキが社運をかけた!といっていいくらいに手をかけているフラッグシップ・トールワゴン(プチバンではない!)ですが、同時期に発売されて話題沸騰の新型シエンタとの比較記事がカーメディアで展開されることもないようで、スズキの気合いも虚しくいまいち認知されていないようです。

  大胆なデザインで注目を集めたシエンタに比べて、インパクトに欠ける・・・いやいやバンディットのフロントデザインもなかなか整っていて、マツダなどに負けない精悍な顔つきです! シエンタはCMにハメス=ロドリゲスを起用して、国内専売車に有りがちな安っぽいイメージを排除し、まるでグローバル車のような演出をしています。対するソリオはTOKIOを5人まとめて起用し、先代までと同じく20~40歳代の若者が楽しく使うイメージを展開しています。

  トヨタは週末に大人しくサッカー観てるような善良な小市民タイプのファミリー層にハメス=ロドリゲスで訴えかけます。メッシでもネイマールでもなく、真のスポーツマンシップを持つジェントルマンとして知られる選手を選んでいるところはさすがです。サッカー選手と自動車メーカーのコラボはバブル期から脈々と続いていて、ちょっと古い話で恐縮ですが、1990年代の初頭にACミランの知名度とともに日本市場に参入したオペル(現在は撤退)も、アルベルティーニやドナドーニといったクリーンなイメージの選手を好んで起用していました。

  一方でスズキは、こちらも自動車メーカーにとってはもっとも強烈な販促キャストとして知られるジャニーズを起用してきました。特にジャニ=タレは小型車の販売に強く、キムタクを起用したカローラランクスやカローラフィールダーであったり、嵐・二宮を起用した日産ノートが印象的です。ソリオはデビュー当初からジャニーズを起用していましたが、ここにきて活動歴が長いTOKIOを使ってきました。単純にアラサーの鉄腕ダッシュを見ていた世代への訴求力に狙いを定めたようです。鉄腕ダッシュを熱心に見ていた層って案外スズキ車を相性が良さそうな気もします。田舎暮らしの相棒といえばワゴンR、アルトターボRS、ジムニー、ハスラー、ソリオ、スイフトなどバリエーション豊富なスズキ車がピッタリです。

   トヨタもスズキもあくまでファミリーカー・メーカーに過ぎないと言われればそれまでなんですが、最近のモデルを見ているとクルマ作りのアプローチが明らかに真逆なので面白いなと思います。まずトヨタの大衆モデルは若者〜中年の様々な層をターゲットにしてデザインコンセプトに非常に力を入れています。多様というか千差万別になった若者のライフスタイルをしっかりと研究し、彼らの好みにあったクルマを四方八方に向けて作っている印象です。押し出しの強いヤンキー好みな「bB」だったり、アニメ大好きなガンダムとコラボした「オーリス」だったり、そしてごくごく真っ当でさわやかなライフスタイルを好む人々へは「アクア」や「シエンタ」だったり、高級感を求める人には「ハリアー」や「エクスワイア」ですね。

  まずライフスタイルを分析して、それにマッチしたデザインコンセプトを決め、大まかな価格を含めた規格を煮詰めると、デザインに使った手間のしわ寄せがパワーユニットのコストに及ぶので、スペックの割にちょっと価格が高めだなと感じるグレードが多くなっています。まあスペック料ではなくデザイン料なんでしょうけど。それでも居住性の良いインテリア作りは世界最高水準ですから、総合的に高い満足感が得られるクルマに仕上がっているとは思います。スペックからクルマの価値を決めてしまうようなクルマ好きからは、しばしば不評だったりするようですが、「走り」のクルマではないですから、経済性が高ければ十分なんですね・・・。

  一方でスズキはというと、まず最初に「パワーユニットと車重」の具体的な目標を決めてから他の部分の細かい設計をしている様子が伺えます。まるでBMWかマツダのような設計方法を採ってますが、スズキも欧州で非常に高い評価を受けるブランドですから同じアプローチなのは当然のことかもしれません。ソリオも全てのグレードのパワーウエイトレシオがほぼ10km/psに収まっていて、この数値はプレミアムカーのメルセデスAクラスやBMW1シリーズの売れ線グレードに匹敵する値です。とりあえずメルセデスA180ならばソリオの全グレードで十分にカモれるスペックになっています。

  スズキは他のモデルでも積極的に軽量化を推し進めていて、アルトターボRSも約10kg/psですし、スイフトスポーツは100万円台の本体価格にもかかわらず8kg/ps(スカイライン200tに匹敵)を誇ります。誤解を恐れずに言うと、トヨタ、メルセデス、BMWが投入している最近のモデルは、車重はなかなか減らせずにエンジンだけをダウンサイジングする傾向にあるので、「走り」はどんどん遅くなっていますが、スズキ車に関しては逆に速くなっています。

  トヨタ、メルセデス、BMWは最新の装備がたっぷり積まれているからなかなか軽くできないのも仕方ないところかもしれませんが、全グレードが車重1トンを切るという珍しい登録車となったソリオも、これらのブランドと同等にサイドエアバッグは全車標準装備です。さらに前席のシートヒーターまで標準で付いてきます!すげ〜レクサスみたいじゃん!さすがはスズキの実質的なフラッグシップモデルですね!さらにスバルのアイサイトと同じカメラ(同じサプライヤーのもの)を使った自動ブレーキシステムまで用意されています(オプション価格がなんと5万円と超格安!)。100万円台の本体価格の大衆車でここまでやってくれているクルマはなかなか無いですね・・・。

  ソリオは5人乗りなので7人乗りのシエンタと同列に扱うのはちょっと違うのかもしれないですが、シエンタ以上に衝撃的なクルマがこの8月にひっそりと発売されたわけです。カーメディアの小型車枠はすっかりシエンタが占拠し、発売2週間で3万8千台を受注した!なんて景気の良過ぎるニュースも上がっていました。年内に引き渡せば間違いなく車種別の年間1位を獲りますね・・・。アクアやヴィッツのユニットで7人乗りボディを引っ張るのですから、シエンタの走りはある程度は想像が付きますけど、こんなノロノロのクルマが大挙して観光道路に押し寄せるのか・・・できれば元気に走れるソリオにしてほしいな。

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2015年8月26日水曜日

ホンダCR-Z が 86/BRZよりも優れている点

  レクサスから待望の2ドア車・RCが発売されて、ほぼ大方の予想通りレクサスISのシェアを半減させました。レクサス(トヨタ)としてはISに比べて利幅が大きいであろうRCが売れることはウェルカムでしょうから、RCの日本投入は商売的にも悪くない結果と言えます。「2ドア車=スポーツカー」と安直に断じてしまうには違和感がありますが、RCの成功が2ドア車やスポーツカーの販売に懐疑的だったと伝えられる日本の各メーカーにとって、開発に踏み切るハードルはかなり低くなってくれればクルマ好きには嬉しい限りですが・・・。

  例えば「BMW220iコンバーチブル」といったモデルは、日本メーカーには見られない、いい具合に力が抜けたスペシャリティモデルなども、まったく皮肉無しに日本で使うには良さげで非常に好印象です。やがてこのモデルは3気筒化されFF化されて、BMW版の「ゴルフカブリオレ」みたいなクルマへと収束するかもしれないですが、本体価格が300万円台まで下がってくれるならば、ひょっとしたら日本市場に「スペシャリティカー」の一大ムーブメントを引き起こすかもしれません。とりあえず日本の至るところの観光地でレンタカーとして使われれば人気になりそうです。

  そもそも300万円台で個性的なクルマを作るなんて、ホンダやマツダにしてみたら朝飯前なわけですが、これらのメーカーはなぜか、フィットRSのルーフと内装を特別仕様にしたり、ロードスターのシャシーを4座にするみたいな小手先なことをやたらと嫌います。まあBMWがどんなクルマを作ろうがこの両メーカーにはどうでもいいことでしょうし、やはりNSXやRX7で「直球勝負」してきた歴史に泥を塗るような「軽い」クルマは作れません!という保守的体質による「やりにくさ」は今も脈々とあるようです。

  そんなホンダのラインナップの中で、少々浮いているのが「CR-Z」というモデルです。世界的な量販コンパクトカーであるフィットのシャシーを切り詰めたものに、同じくフィットのハイブリッドユニットをそのまま積んだ2ドアクーペスタイルのHVスポーツカーです。もちろんハンドリング性能を上げるためにベース車よりも車幅が拡大され5ナンバーサイズを超えた1740mmとなっていてフィットベースとは思えないほど威風堂々としています。2010年の発売直後は少々騒がれましたが、2012年にトヨタ86が発売されると残念ながら完全に忘れ去られた存在になってしまいました。
  
  不人気車といえども中古車価格は2010年モデルがまだまだ150万円と高止まりしていて、セカンドカーとしてこのレアなモデルに手を出すのはちょっと躊躇われます。S2000を彷彿させるフロントマスクは個人的にはかなり好きですし、HV車ですから当然ですが20km/Lを突破しているモード燃費も満足ですし、レクサスやBMWやプジョーのスペシャルティカーと違って内装もベース車とは全く違う専用のインパネが用意されている点も満足度が高いです。1100kg台の車重も峠を走るのに向いていますし、実際に奥武蔵グリーンラインなどの首都圏近郊の林道ルートでもしばしば見かけます。

  それでも住む場所にもよるかもしれないですが、例えば首都圏近郊の地域でコンパクトなスポーツカーを所有する意義というのは年々上がっていて、「買い物車」と「ドライビングカー」という二つのニーズをどちらも満足できるレベルで満たすことができる手頃でスポーティなセダンが減っているのもそれに拍車をかけています。この前買い物に付き合って埼玉県にある関東有数の規模を誇る「入間アウトレット」に生きましたが、そこの駐車場で見る限り、「お買い物車・86」の浸透度は予想以上に高いです。

  スポーツカー専用シャシーをわざわざ設計し、その非日常な着座位置で欧州のユーザーを歓喜に巻き込んだ「86」ですが、やはりトヨタが狙うマーケットは「普段の足」だったりするわけで、試乗時にその少々複雑な「ギャップ」に気がついてしまった多くの人々からは、「いろいろ気が利いているけど、スポーツカーとして買うには・・・」といった歯切れの悪さが聞かれます。もちろんトヨタの企画も実車も非常に良い出来映えですし、むしろこういうクルマを日本メーカーが力を合わせて作り上げたことを誇らしく思います。けれどもふと気がつくと「86」に向けている関心は「BMW220iコンバーティブル」に向けるそれを同じベクトルだと気がつくわけです。

  ベースグレードの本体価格は、ホンダCR-Zとトヨタ86(スバルBRZ)どちらもおよそ250万円です。マツダロードスターも当然にここに並べて来ましたので、競争はさらに激しくなっています。最古参のCR-Zにとっては非常に苦しい状況なのは当たり前ですが、パワーなら86、軽さならロードスターと両面が抑えられ、他は全てFRの専用シャシーなのに対し、フィットのFFシャシーに手を加えて使う「改造普通車」仕様ですから、買う側としてはいささか気になってしまうところです。

  「CR-Zという選択はない!」と言い切れそうな気がしますが、「86やロードスターは完璧か?」と考えると、あれ?ちょっと待てよ・・・と。まず86やロードスターのような古典的なスポーツカーに対する評価は高くなりがちですから、その点をしっかりと見据える必要があります。古典的でない=邪道と切り捨てるのではなく、ポルシェ918やBMWi8が登場する前に「モーター」をスポーツカーに持ち込んだCR-Zの先駆性には敬意を持ちたいです。古典的な頭には「モーター」なんて邪道ですが、日本の新幹線はガソリンでもディーゼルでもなくモーターで動いている訳ですし、乗り味が悪くなるクソ・ターボに頼って規制をクリアするぐらいなら、いっそモータートルクで解決する方が完全に理にかなっています。

  さて実際にCR-Zに乗ってみると、とりあえず狭い・・・いやタイトで運転に集中できる空間作りという意匠では86やロードスターよりも趣があります。発進時のトルクはなんといってもHVですから、ガソリンNAの86やロードスターに遅れをとることはありません。ハンドリング自体はHVのハンデを感じさせないほどにとてもナチュラルで、ホンダのコンパクトカーに有りがちな、「戻り」の悪さなども無いです。そもそも中型車でないので、ハンドルを開放してゆったりと運転するクルマでもないですけど・・・。そしてブレーキは86よりもよく効いてます。車重が100kg軽いというだけではない、マツダ・三菱・ホンダの高性能車に共通する安心感のあるフィールです。

  ロードスター、86、CR-Zのどれにしても、走りにこだわるユーザーならば、黙ってMTを選ぶと思いますが、やたらと多方面から評判がいいマツダ内製MTに負けないくらいにホンダ内製MTも操作フィールがなめらかで好感触です。86のものはちょっとクセが強い(と感じる)スバル製MTで、ハンドルもかなり重めなので女性やMTに慣れない人がシフト操作するのはちょっと大変かもしれないですね(この辺もラリースト社長のこだわりか?)。

  一方で2ペダルの限定オーナーの選択としては、マツダ・トヨタの採用するATか、ホンダのCVTの比較になるのですが、CR-Zが採用している「パドル付きCVT」は、CVT特有の踏み応えの無さを、ホンダが知恵を絞ったアプローチで「コントロール不能」の難物をスポーティといえる水準まで仕上げていて、同じくCVTを使うスバルよりも現時点では上手くやってくれています。とりあえずCVTの特性で0~40km/hくらいまでの実用域ではATよりも加速がいいです。トルクの細いガソリンNAとステップATの組み合わせは、やはり立ち上がりのダルさが最大の急所で、1200kgを超える86だと無視できない緩さが実際にあります。AWD車を主体とするため車重が嵩むスバルがATを使わない一因はこの辺にあるようです。

  個人的には2ペダルを買うならば、86やロードスターよりもCR-Zを推したいです。さらにCVTのCR-Zにはモーターチャージャーボタンが付いていて、バッテリー残量に応じて3LガソリンNA車に匹敵する加速が一定時間の間持続します。この機能も無意識の内に古典的なものを愛するスポーツカー好きからは「邪道」のレッテルが即座に貼られたようですが、これがなかなか使い勝手がよかったりします。たとえば国道1号「箱根新道」を小田原から登る際に、前を行く大型トラックが登坂車線に入った時にスイッチオンして、後続の「輩(やから)」な高性能車をブッチ切るなんてことも可能です(その後エンドレスな追撃戦になるかもしれませんが・・・)。まだ試したことはないですが、1.5Lにダウンサイジングしたロードスターは中速域からの加速や高い負荷がかかる状況での加速には、1000kg未満とはいえちょっと神経を使うようです。

  最大の懸案なのが、フィットの足回りをそのまま使ったために後輪サスがトーションビームになっている点です。しかしこれもアウディTTのようにマルチリンクでガッチリと安定した乗り味を作ることが、必ずしもスポーティな乗り味には貢献しない部分もあります。確かに箱根の芦ノ湖大観から熱海へ下る中速コーナーのワインディングをトーションビーム車でいくと、カルフォルニアにあるラグナセカ(サーキット)のコークスクリューを彷彿させる「3Dコーナー」では接地感が急激に失われて血の気が失せる瞬間もあるでしょうが、それも込みで楽しむのが208GTiやポロGTI、RCZといった「トーションビームスポーツ」の醍醐味とも言えます。

  トヨタ86もマツダロードスターも幾度となく所有が頭を過るくらいに素晴らしいクルマですが、スポーツカーに対する古典的な価値観や、高級セダンに向けられるべき判断基準をすべて取っ払って考えたときに、スポーツカー的なホイールベースを持ち、スマートにパワーの出し入れが出来て、車重もHVを感じさせない水準まで抑えられているCR-Zの魅力も非常に光ります。このクルマがもっと注目されればいいなと思います。

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2015年8月16日日曜日

マツダは新型エンジンでいよいよ「プレミアム」宣言か?

  マツダの国内販売台数が4ヶ月連続!ウハウハの前年比50%越えだそうです!!!前年といえば増税直後ですからまあそれほど驚く結果でもないわけですし、デミオ、CX3、ロードスターの3台が追加されたわけですから、これくらい売れてくれないと困るというのが本音かもしれません。とりあえず国内の他のブランドは微増・微減の範囲に収まっていてハッキリと苦戦モードなので、今や完全にマツダの一人勝ちと言っていい状況になっています。

  そんな絶好調のマツダが早くも次の一手を仕掛けてくるようで、すでに市販時期がほぼ確定しているコンセプトモデル「越(こえる)」を9月のフランクフルトMSで公開するようです。現時点で解っていることは、このクルマはアテンザベースのクロスオーバーモデルだということだけです。・・・簡単に言ってしまえば、ここ数年で北米で最も好調だったスバルの屋台骨である「レガシィ・アウトバック」のコンセプトをそのまま頂戴したものです。

  そんな二番煎じの高級ファミリーカーがそう簡単に売れるか?という懸念ももちろんありますが、しかしマツダにはスバルがなかなか日本に投入しようとしない無い「アレ」があります(フラットディーゼルはいつになったらやってくる?)! 既にどこが一番に作るのか期待して待っている人も多いようですが、いよいよ「3列シート&クリーンディーゼル」を装備した次世代ファミリーカーがマツダから登場するみたいです!形式上ですがまさかの一番乗りはBMWとなったわけですが、あれはダメですね・・・なんだ!?あのやる気の無いキャプテンシートは!日本メーカーが切磋琢磨して育んだ「3列シート文化」をバカにしてんのか?

  マツダの新たなる野望が一体どのくらいのスケールなのかはまだまだ伺いしれませんが、日本市場における「ミニバン/ピープルムーバー」といったジャンルで台頭するにはやはり価格が大きなポイントになりそうです。果たしてブランド最大級のボディにディーゼルエンジンを奢って、乗り出し300万円以下に収めることができるのか?アルファードよりも高い価格設定で売るとなると、それなりの(相当の)覚悟が必要だと思います。マツダが持てるシート設計技術の全てを動員し、活躍が目覚ましいインテリアデザイナー陣がさらなる期待以上の仕事をしたとしても、「アル/ヴェル」が既に築きあげているシェアを奪うのは非常に難しいでしょう。MSアクセラでシビックtypeRを凌駕するよりもずっと大変なことだと思います。まあ何を仕掛けてくるのか楽しみではありますが・・・。

  さてマツダはディーゼル以外にも北米向けに用意された2.5Lガソリンターボがすでに完成しているそうで、今後は複数の車種に追加設定されるみたいなことをマツダの人が言っていました。基本的には重量車向けにはトルク重視の240ps程度に抑えたものを用い、MSアクセラのようなスポーティなモデルには、高回転型の300ps近いハイチューンという作り分けも可能だそうです(・・・そんなことは今となってはどこのメーカーでもやってることではありますけど)。それにしてもディーゼルがあるのになんでガソリンターボで低速トルク重視しなきゃいけないのかな?北米でもさっさとディーゼル売ればいいじゃん!という気もします。・・・・ということは最初からスポーティ路線を完全に視野に入れたガソリンターボ開発が進んでいるのでしょう!と思いたいです。やはりMSアクセラは出る?

  さてMSアクセラやMSアテンザのライバルとなるクルマの現状を見てみると、ドイツ勢もスバルもレクサスも4気筒は「2L」ターボで決まり!みたいな横並び状態です。先行報道の通り300ps前後を発揮する高性能車部門に参入するとしたら、マツダだけがやや異彩を放つ2.5Lターボにしているところが興味深いです。この500ccの余裕が「マツダらしいガソリンターボ」の味わいを見事に演出してくれるのではないか?・・・なんてやや強引な想像(期待)を膨らましています。

  現行のスバルWRX S4、BMW328i(今度は330i)、VWゴルフGTIといったクルマはいずれも2Lターボを使っていて、出力200~300psとやや幅があるものの、各メーカーがクルマの性格に合わせたチューンをしています。しばしばこれらのクルマが語られるときに、多くの自動車評論家は、「このエンジンは3L6気筒の自然吸気と同等の性能だ!」なんて調子の良い事を書いていますが、この表現にはいつもいつも違和感を感じてしまいます。実際に乗ってみると2Lターボのいずれのモデルも高回転域が使えない(限定的)ですし、ミッションもちょっとエンジン音が変わったなと思ったらすぐにシフトアップしてしまうので、アクセルフィールが妙な抜ける感じが連続的に訪れます。底打ち感なのか不安定な出力感なのかやや判断が付きにくいですが、要するに「いっぱいいっぱい」です。

  もちろん3車ともにマニュアルモードがありますから、2速に固定して引っ張ることもできるのですが、5000rpm頃にはトルクが萎んで、今度はパワーの頭打ち感をハッキリと感じてしまいます。やはり2000cc前後という排気量は市販車用の過給器(ターボ)を使った程度では高性能車向けとしてはあくまで「最低限」でしかありません。直噴、ロングストローク&ターボ化で瞬間最大風速としての高スペックこそ実現しているように錯覚しますが、それは決して高級車らしい「余裕」のエンジンフィールではないので、結果としてクルマの格からすれば、エンジンのマナーは悪いですし、なんだか余裕が無い「安っぽい」エンジンになってしまっています。

  実際この3車で比べると、出力こそ最も低いですが、車重が軽いゴルフGTIが一番生き生きとしていてクルマのバランスという意味では最も好感が持てます。ゴルフGTIのボディサイズは今やマツダ車においてはデミオやCX3に最も近いものであり、それよりもハッキリと大きいアクセラ以上の車格のクルマに新たにターボを導入しようとしているマツダとしては、ゴルフGTIよりも「シケた」走りをするMSアクセラやMSアテンザを作って墓穴を掘るようなことは絶対に避けたいはずです。そして「マツダらしい走り」を保ちつつ、ライバルメーカーのハイパワーモデルに無理なく対抗できるスペック・・・という要求から導き出された結論が「2.5Lの直4ガソリンターボ」だと思います。

  マツダの好調を支えているディーゼルターボに対して、販売面ではこの新型ガソリンターボには何ら大きな期待はしていないと思います。よって2Lか?2.5Lか?の選択でモード燃費をいくらか改善することは全くもって重要ではなく、あくまでディーゼルターボのフィールが受け入れられない!というユーザーに向けた、レスポンスや噴け上がりに優れたパワーユニットになるはずです。

  さらにターボ化されるとなると、ノッキング対策としてハイオク化はほぼ避けられないでしょう。しかし日本では発売されていないハイオク仕様のスカイアクティブGは、レギュラー仕様とは全く違う「センセーショナル」なエンジンなんだそうです(私ももちろん未体験です!)。無過給でも爆発的なトルクとキレを見せる高性能なエンジンをベースに、さらに過給器追加によって幅広いレンジで楽しめるスポーティなユニットへと仕上げることで、マツダのブランド価値をさらに押し上げることが最大の目的だと想像できます。

  かつての盟友フォードにはマスタングも使い始めた2.3Lガソリンターボがあります。300psオーバーまでパフォーマンスを追求したツインターボなので、燃費に関してはさっぱり稼げていないようで、V8モデルのマスタングとあまり変わらず高速でも10km/Lに乗せるのがやっとのくらいだそうです・・・。燃焼効率を高めたスカイアクティブをベースにしているとはいえ、このマツダの新型2.5Lターボもまた、フォードの2.3Lと同じく世界的に見てもやや珍しいポジションのユニットで、もはや「ダウンサイジング」エンジンとは言えないかもしれません。

  排気量だけで比較すると、アウディにもTT-RS(本体915万円!)に使われる直5の2.5Lツインターボ(360ps)というVWの旧世代になる直5を直噴化して高出力に耐える素材に変更した横置き用の「マニアック」な特別チューンエンジンがあります。フォードの2.3Lターボもアウディの2.5Lターボも開発時には「あるエンジン」に対抗するために、かなり技術的に無理をして出力を上げた仕様になっているそうですが、どちらも「最大トルク450Nm/最大出力250kw」(トルク45kg・m 馬力330psくらい!)程度を視野に入れていたそうです(フォードは未達成)。つまりBMWの象徴ともいえるあの「直6ターボ」を仮想ライバルとしているそうです。

  なんとなくマツダが狙っているものが見えてきたような気がします。ひと昔前に日産が新型の自然吸気V6エンジンで、BMWの直6を叩き潰すことに成功し、インフィニティ・ブランドを大きく打ち上げました。アウディが、マスタングが、そしてマツダが、グローバルに展開するプレミアムブランド(プレミアムカー)としてさらに羽ばたくためには、スカイライン(インフィニティG/Q50)が歩んでいった「通過儀礼(BMと直6に負けないエンジンを作る)」がやはり必要なのだと思います。MSアクセラやMSアテンザももちろん楽しみですが、マツダが作る「TT対抗車」なんてのもちょっと見てみたいですね!

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2015年7月19日日曜日

トヨタ・シエンタ は素晴らしい!日本車もとうとうここまで来たか!

  トヨタは普通車日本市場で唯一商売になっている国内メーカーです。あまりのファミリーカーへの傾倒ぶりにクルマ好きからやたらと敬遠されていて、かくいう私もトヨタのミニバンやSUVなんてなんとも思ってなかったわけですが、ここ数年のトヨタのミニバンは作り手のメッセージがハッキリと感じられて、「道具」から「工芸品」へと進化しつつある印象を受けます。

  トヨタともなるとミニバンの種類はラグジュアリーなものからお手軽なプチバンまで豊富で、毎年どれかのモデルのフルモデルチェンジがやっている?といった印象なのですが、新型モデルの話題が絶えることがほとんどないです。改めて思うのが、これだけたくさんのモデルが作られても、どれも特に失敗作という話は聞かないですし、これって結構スゴいことじゃないですか? 

  ミニバンに対して全くマイカーとしての関心を持たない私でも、トヨタのミニバンが他のメーカーを圧倒していることは何となく解ります。特にどんな点で勝っているのか? 簡単に言ってしまうと、トヨタのピカピカの新型ミニバンは乗っている家族を周囲に対して幸せそうに見せる効果が高いように思います。トヨタのミニバンは子どもも奥様もニコニコして乗っているイメージですが、これがホンダ、日産、マツダ、スバルのミニバンは、走りたいお父さんに家族が付き合わされている感じが・・・。

  スカイアクティブ化される前のマツダ・プレマシーなんて、バランスシャフトも付いてないショートストロークのエンジンを「ジージー」(BMWみたいな音なんです)言わせて、市街地だろうが高速だろうがお構いなしにすっ飛ばしているのを見ると、お父さんのストレス発散ドライブにしか見えない!そして近くで見るとドライバーはお母さんだったりするのですが・・・。とにかくミニバンはそういった運転にはそぐわないですし、ファミリーカーとしての豊かさイメージを見事にぶっ壊しています。一方で分別のあるトヨタのお父さんはアルファードとは別に走りに満足できるクルマを所有してそうな感じの余裕ぶりが伺える走り?(そうじゃない人もいますけど)

  とにかくトヨタ以外のミニバンってそもそも作っている側の人間がこのクルマの理想型が見えていないのでは?と思ってしまうものが多いですね。もちろん経営上の判断からスカイラインのシャシーを使わなくてはならなかった初代エルグランドだったり、先ほどのプレマシーをそのままOEMしていたラフェスタ・ハイウェイスターだったり、ブランド内のターボユニットをそのまま流用したエクシーガGTだったり、中型車のシャシーとVテックエンジンをそのまま引き継いだオデッセイやストリームなどなど・・・。それぞれに苦しい台所事情はわからないでもないですけど、それってそもそもミニバンを自信を持った商品にしよう!という土台が無いわけですから、トヨタに勝てるわけがないですよね。

  ちょっと話がややこしくなりますが、新型アルファードHVの制動距離がなんと48mくらいだそうで、なかなかふざけた運動性能(というより運動オンチ)っぷりなんで、他ブランドのミニバンユーザーが「そんな危ないクルマに乗れるか!」という意見も解ります。レジェンドやアテンザといったフラッグシップ級セダンが39m程度に収まっているのに、あまりにも酷い数字です。ちなみに40m以下の制動距離をコンスタントに発揮できるクルマはポルシェ、マツダ(アテンザ、ロードスターのみ)、ホンダ(レジェンドのみ)と極めて限られているので、ほとんどのクルマはアルファードと同程度に酷いわけですが・・・。

  そもそもホイールベースは間延びして、重心も高いミニバンを公道で暴走させるという、極めて致死性の高い「エクストリームスポーツ」ごっこに関しては法律で飲酒運転並みに厳しく罰するべきじゃないかと・・・。トラックに付いている95km/hのリミッターを装備して混雑時に高速の追い越し車線に出てこれないようにしたらどうですかね。100km/hからのフルブレーキングで他のクルマから大きく遅れをとっているのだから。高速道路で前方にミニバンが見えたら要注意ですね。レーンチェンジでトラック並みにバランス崩すクルマ多いですし。いつもコイツが倒れたらこっちに逃げようなんて考えながら走ってます。高速道路でサイドウォールにヒットしているクルマはなぜかミニバンが多い!運転が単調で眠くなるのかな?

  ちょっと話が横道にずれましたけど、トヨタは「アルファード/ヴェルファイア」のFMCに続いて「エクスワイア」が新設され、さらに「シエンタ」のFMCが発表されました。いやー!どのモデルもやたらと納得の出来映えですね(ブレーキ問題はともかく)。ちょっと失礼な言い分かもしれないですが、クラウン/マークX/カムリのトヨタセダン勢よりも断然に輝いて見えます!作っている人達の気合いが違うのでしょうか? ここまで完成度の高いモデルを揃えられては、トヨタと提携しているスバルやマツダがミニバン事業を閉店して、3列SUVによる新型ファミリーカーを企画するのも納得です。

  ホンダはまだまだ対抗心が挫けていないようですが、もはやよっぽどのホンダファンでないとオデッセイとステップワゴンの違いが理解できないですし(NAの有無?)、オシャレなことが大好きな日本のファミリー層をちょっとナメてませんか? "アブソルート"や"ワクワクゲート"など何となくやりたいことは解るし、ミニバン市場の中で違いを生み出そうとしている努力は認めます。しかしミニバンとしての基本性能って実は「走り」よりも「パッケージ」よりももっと大事なのが「デザイン」で「ブランド力」であって、結局のところトヨタがやや弱かった「ヴォクシィ」「ノア」のところに「エクスワイア」を投入して「セレナ」と「ステップワゴン」のシェアをがっつり奪った!というのが今年の上半期の推移でした。

  新たに3気筒ターボを日本に持ち込んだホンダとしては、勝負はまだまだこれから!という思いもあるでしょうが、トヨタはさらに下のクラスで人気のホンダ「フリード」のシェアも奪うべく、新型「シエンタ」を投入してきました。これまたデザインからしてとんでもない「力作」ですね! フリードと並べて比べてみれば、9割以上の人が選んでしまいそうなくらいの破壊力です。このクルマに驚異を感じているのはフリードだけじゃなく、新たなファミリーカーとして期待されている「BMW2アクティブツアラー」や「マツダCX3」といったモデルを検討していた層からも、お客が呼び込めそうな出来映えです。

  運転する分にはBMWやマツダの方が断然に楽しいでしょうけど、やはりお父さんの趣味が反映されたファミリーカーというのは、どこか「影」を感じてしまいますね。子育て世帯なのに、PM2.5がたくさん出るガソリン直噴ターボやディーゼルターボを選んでいる親はまるでアホにしか見えません。なんかトヨタの回し者みたいな記事になってしまいましたが、やはりトヨタが考える「日本の豊かな家庭像」とそれを彩るファミリーカーへの情熱は素直に評価してあげたいなと思った次第です。


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2015年6月29日月曜日

インプレッサHV 「いよいよアイサイト以外も始動!今後のスバルに注目!」

  日本でもアメリカでもクルマが売れ過ぎて、生産増強をするべきかの判断に困っている?という目下絶好調のスバル。このメーカーが他の日本メーカーと大きく違う点は、常識破りの「中型車」主義を採用していることです。もともとは軽自動車や小型車から船出したスバルでしたが、2000年代に業績不振に陥ってからの再建策で、完全なる逆張り戦術に出ました。昔ながらのRR機構のまま進化していた軽自動車の開発をやめて、現在手掛けているクルマは全てC/Dセグ相当のモデルだけにするというなかなか思い切った戦略です。今どきBセグを作らない(ダイハツのOEM車トレジアはありますけど)なんてプレミアムブランド以外にはスバルくらいだと思います。

  新たにBセグ車を作ってWRCに再び参戦しろ!というスバルファン(スバリスト)も多かったようですが、経営の後ろ盾と目されているトヨタがラリー好きの社長に引っ張られて?WRC参戦を決めてしまったので、スバルの参戦は当面は実現することは無さそうです。コンパクトカー(Bセグ)以下を持たないラインナップの中で、目下のところ国内市場の稼ぎ頭は「ターボ&AWD&ワゴン」オンリーというマニアックな縛りを持つレヴォーグです。しかも全グレードCVTと全くユーザーへの妥協の姿勢を見せないクルマがここまで大ヒットしたのは、今後の中型車のあり方を大きく左右する「事件」だったと思います。

  「気に入らないなら他のモデルにすれば・・・」と言わんばかりの唯我独尊な設計に、多くのクルマ好きが400万円を用意して列を作ったわけです。燃費なんて決してよくはないですし、ややスムーズさに掛けるCVTを避ける人々もかなりいることを承知の上で、リッター10kmそこそこで、MT設定無し!「欲しい人だけ買って!」と言わんばかりの仕様です。確かに街中で見かけるとどことなく品格があって「プレミアムワゴン」の名にふさわしいクルマではあります。全モデルがターボですから、どうしても本体価格が抑えられないので、販売はかなり苦戦するのでは?と思っていましたが、これだけ売れたわけですから素直に「すいませんでした」と頭を下げるしかないですね・・・。今やスバルは値上げすればするほど売れる!という不思議なゾーンに入り込んでいるかのようです。

  どのクルマもとりあえず乗り出し価格はとりあえず300万円以上・・・、アイサイトが付けられないインプレッサの1.6Lモデルなら200万円台前半で収まりますが、「アイサイト無しはスバル車にあらず!」(STIは除く)みたいな雰囲気すらあって、廉価グレードはさっぱり売れてないのだとか。ダイハツOEMの軽自動車やトレジアを除いたスバル製造の普通車の販売だけならば、平均単価はVWを軽く上回るのではないでしょうか(全くの未確認ですけど)。まあ輸入車ではなくて、あえてスバルを選ぶ人の気持ちもなんとなくわかります。300~400万円くらいで魅力的なほどに高性能でデザインもチャラくないクルマが欲しいという人は実際多いはずです。

  スバルは独自にHVを開発しましたが、いわゆる「マイルドHV」と呼ばれるEVモードが使えないタイプだったために、トヨタやホンダのモード燃費で30km/Lを大きく超える「フルHV」&コンパクトカーに比べると全く注目されませんでした。最初に搭載されたモデル「XV」は現在では世界的に流行の都市型SUVで、比較的ライトなユーザー(オフロードとか走らない)をターゲットにしたために、「燃費」の壁で販売は伸びませんでした。しかしクルマ自体は肩の力がいい感じで抜けていて、スバルらしからぬポップなデザインに仕上がっていて現行ラインナップでも最も好感度が高いクルマではあると思います。

  スバルらしい走破性を望むコアなユーザーからは都市型&HVで敬遠され、ライトなユーザーからはモード燃費のインパクトの無さでウケないという重大な「コンセプトミス」はあったのですが、当時レクサスLS以外には存在しなかった「HV&AWD」という機構を中型車で使ったのは画期的でした。しかしいくらレアな機構だとしても、十分なプロモーション無しにこれは面白そうだ!と反応するには少々時間が必要ですし、認知されるためにはそれなりのプロモーションが必要です。しかし同時期にBMWとマツダが「クリーンディーゼル」で旋風を巻き起こしていましたから、スバル単体で「マイルドHV」をプッシュするだけの基礎体力が無かったとも言えます(タイミングが悪かった・・・)。

  トヨタのようにラインナップに次々とHVモデルを投入することもせず、XVだけで細々と展開する様子から、てっきりスバルの自社開発HVはこのままフェードアウトして、いつの間にかトヨタから供給された燃費の出せる「フルHV」がスバル車でも使われるようになると思っていました。しかしついに沈黙を打ち破り、主力モデルのインプレッサに、この「マイルドHV」を搭載したグレードが突如として出現しました!・・・おおお。

  某カーライターがスバルのHVを評して、燃費を伸ばすHVというより「電気式スーパーチャージャー」だ!といった慧眼を披露されていましたが、レヴォーグによって嵩上げされたスバルのステータスと、このリッチな乗り味を演出する「マイルドHV」の価値がシンクロ(一致)してきた頃合いかもしれません。VWゴルフやマツダCX5がヒットしたことでダウンサイジングターボやクリーンディーゼルがそれなりに普及しましたが、これらが大排気量の高級車エンジンに匹敵するか?というと、むしろ現実は逆で、慣れてしまえば「セコい」は語弊があるかも知れないですが「スカスカ」な乗り味とも言えます。そしてワンランク上の「リッチな乗り味」のユニットが欲しくなるわけです。

  現行モデルでマイルドHVを使うモデルにBMWの「アクティブハイブリッド」シリーズがあります。直6ターボで40kg・mの最大トルクを誇りますが、それにモータートルクをスーパーチャージャーのように全速域でのトルク増幅に使っていて、ただのガソリンターボやディーゼルターボとは完全に一線を画すユニットになっています。フェラーリもこのマイルドHVをスーパーチャージャー的に組み込んで、フェラーリらしいレスポンスを残したままにターボ化する計画が進行しているのだとか。すでにポルシェ918でモータートルクの偉大さが証明されてしまっているので、バッテリーの軽量&低価格化さえ進めば、いずれスーパースポーツカーは全て「マイルドHV&ターボ」もしくは「フルEV」に収束する可能性は高そうです。

  「マイルドHV」をいち早くスポーツカーに転用しようとしたのが、実はホンダでして、CR-Zによって実現した「マイルドHV&スポーツ」はとても先見の明があったのは確かです。しかしブランドイメージがそれを全面的に肯定できるほど力強くなく、MC時に搭載された「出力アップボタン」も特に大きなインパクトが残せませんでした。少々失礼ですが、このクルマに殺到したユーザーにとっては「モード燃費」が示す数値にクルマの価値を左右される部分がかなりあったと思います。グローバル用に3タイプのターボエンジンを完成させたホンダには是非とも「1.5L3気筒ターボ」にマイルドHVを組み合わせて、「レスポンスの鬼」仕様となった新型CR-Zをぜひぜひ期待したいと思います。

  さて話が他ブランドに広がってしまいましたが、スバルの舵取りをしている人々の頭にも、「我々に必要なのは燃費を伸ばすHVではなく、乗り味を良くするためのHVだ!」という考えはあるようです。最新号の自動車雑誌には相も変わらず「燃費と楽しさの両立」といった少々意味不明なタイトルが出ていましたが、このインプレッサHVの始動によって、「アイサイト」に変わるスバルの新しい「価値」として、「マイルドHV」がドラスティックにスバルの乗り味を変える切り札になると思います。WRX/レヴォーグの2LターボにマイルドHVを組み合わせて、「BMWアクティブハイブリッド3」(730万円!)に匹敵する「レスポンス&ターボの衝撃」を期待したいです。


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2015年6月17日水曜日

アイサイトで選ばれるレガシィでいいのか?

  まあ大体言いたいことは分ってもらえると思いますが、自動ブレーキが付いてるからレガシィを選ぶ!そういう時代になってますね。ユーザーがどう捉えるか?ではなくてスバルがアイサイト以外に新機軸を持ち込もうとしないクルマ作りをしてます。安全は確かに大事ですけども、レガシィ買ったユーザーが某メーカーの自動ブレーキを馬鹿にしてたりすると、なんかツッコミを入れたくなります(そんな勇気はないからブログで書くくらいですけど)。「なんでレガシィB4を選んだの?スバルがクルマにあまり興味ない人向けに作ったセダンがそんなに楽しいかい?」。

  400万円近くするクルマを買うからには、何らかの「こだわり」が欲しいんですよね。「400万円くらいで?」みたいなことを無神経に言っちゃう(クソ)セレブはとりあえず無視しておきましょう。たとえ年収が相当にあったとしても、やっぱり家族に何らかの説明をして、「私はどうしてもこのクルマに乗りたいんです!」みたいなことを言う義理ってあると思います。けれども最近では、いろいろなクルマが発売されていますが、そこまでムキになれるクルマはというと・・・相変わらず少ないです。「マツダやスバルがいい感じだから買いたい!」っていう具体性を欠いた理由は、「80年代車がブームだから・・・」とか「SUVがトレンドだから・・・」くらいに軽蔑すべき言い分です。会社でバカにされてるサラリーマンが言ってそうです。こういう人は、どうせ飽きっぽいでしょうから、もうずっとミニバンに乗っておけばいいと思いますけどね。

  スバルが日本人のそういった国民性を見抜いた上で、"アイサイト"レガシィB4を1グレード(内装バリエーションは無視)のみで展開しているならば、いよいよ協力関係にある大手の某メーカーのイヤなところがだんだん似てきちゃってますね。いやむしろスバルの方がしたたかかもしれません。アメリカで売っているB4にはフラット6の設定があって・・・ってまあそれだけなんですけど、ポルシェみたいなフラット6を積んだセダンに乗りたいんだ!くらいのほどよい「こだわり」がなかなか日本では手に入らないんですよ! アメリカ同様にポルシェが大好きな日本ですから、今ならばとっても欲しい!という人は結構いるんじゃないでしょうか。さらにMT設定なんてあれば、「こだわり」を通り越して「自慢」のクルマですね。中古車ならば2代前のレガシィ(BL型)にMTモデルではないですけど、「フラット6」を積んだ3.0Rというグレードがありました。モデル末期の2008年にはスバル初のアイサイトが装備されています(3.0Rアイサイトは販売期間が短いせいか幻の逸品?)。

  この頃のスバルには多くのクルマ好きから大きく注目されるだけの「華」がありました。幻の「3.0Rアイサイト」だけでなく、このレガシィをベースにした「S402」というクルマはスバルSTIのコンプリートカーで最も希少で、今でも検索すると新車時の販売価格を大きく上回る中古価格(BMWが新車で買えるくらい!)が付けられています。海外にまで名前が轟いたインプレッサだけでなく、レガシィにも「スカイライン34GT-R」や「NSX-R」くらいに熱狂的な人気で法外なプレミアが付いたクルマがありました。しかし先代・現行と2代の"高齢者向け"レガシィが続いたことで、そんな事実はもはや完全に風化されてしまい、「レガシィといえば警視庁のパトカー?」くらいの汎用モデルに成り果ててしまいました。アメリカでバカみたいに儲かって・・・そして「魂」を失ってしまったようです。

  もちろんスバルとそのユーザーだけが「微妙」だというわけでなくて、もっとタチが悪いのが、大して根拠もないのに「燃費と安全装備」だけのクルマにやたらと満足してしまっているアホメーカー&アホユーザーですね。「アホ」って言ってしまっているので、もうハッキリと言うことはできませんが、トヨタの同クラスのガソリン車よりも燃費がいい!って喜んでいる方を先日見かけましたよ。失礼ですが、「モード燃費」に躍らされて、なかなかマヌケなこと言っている自分に気が付かないようです。とりあえず「ハイオク」と「レギュラー」の差を忘れているんじゃね?という気が・・・。そしてDCTが日本の道路環境で易々と燃費が稼げるとでも思っているのでしょうか? 伝達効率が良い? ギアチェンジ繰り返すたびに空転しちゃってますけど大丈夫? 欧州のような定速走行がしやすいド田舎にお住まいなら全く結構ですけど、それなら都会人のクルマ選びにいちいち首つっこむな(笑)。

  あとは某国内メーカーなんですけど、現行モデルでは「運転の上手さを測る」とかいう超絶くだらない機械が勝手に付いてくるみたいです。はあ?バッカじゃねーの?基本的に運転がつまらねーからそんな「ゲーム機能」が付いてんの? ポルシェとかの荷重コントロールを測定する機能を、誰でも使いこなせる「カラオケ採点方式」にしてしまったみたいです。なんでもかんでもアイデアを出せばいいってもんじゃないし・・・そもそもンんで標準装備なの?有料オプションにすると誰も付けないからでしょうね。実はこのクルマ散々に試乗したんですけど、この機能で青とか白のランプが光ってうっとおしいし、車線逸脱するとピーピーとアラームが・・・いよいよ「アホ専用のクルマ」になってしまったようですね。このメーカー結構好きだったのにな・・・ご臨終か?

  スバル同様にこのメーカーも気に入らない事を、あれこれブログに書いていたら、ひょっこりと20年ぶりにそのメーカーに乗り換えたとかいう人が現れて、「運転が下手な人にはこのメーカーの良さはわからないよ!」そして「とりあえず買って(そのヘンな機械で)高得点が出せるようになるまで走り込め!」とか言い出すわけですよ。なにそれ!運転が下手くそな私が買ったところでどうやらお金のムダみたいです。なんかムカつくな・・・。そもそも「最初は楽しさがわからないというクルマ」に出会って一体どうしたら買おう!という結論になるんですかね(いいクルマはドア閉めただけでわかる!は言い過ぎかな)。このオッサンも典型的なカーメディアに流されて「このメーカーが今の流行だよ!」とガチで信じちゃっているようです。そんな機械なんてなくても、いつも走り込んでいれば「今のブレーキングはダメだ・・・」とか「進入速度が・・・」とかオシリで分かってくるもんじゃないですかね。なぜそういう判定基準まで機械に委ねてしまうのか? 

  とりあえず何でも「他者の視点」が基準なんでしょうね。評論家がいいというクルマはいい! みんなが面白いと言っているテレビ番組は面白い! そして機械が上手いと言っている運転は上手い・・・。どのメーカーとは言いませんけども、こういうふざけた商売するのって本当に最悪ですよね。まあ機能自体はOFFっておけばいいわけですけど、こういう自分の頭で考えない人と同じクルマに乗るってだけで、テンションはガタ落ちで全く買う気が起きないです。このメーカーは「3%の人に支持されるメーカーを目指す」とか開発主査クラスの人々が口々に言ってますけど、なんだかとんでもない3%を引き寄せちゃってないですか? 


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2015年6月8日月曜日

スバルXV 「オシャレは認めるけど、もっとジムニー的な期待も・・・」

  「カイエン」「X5」「レンジローバー」「メルセデスGL」「ナビゲーター」「グランド・チェロキー」「エスカレード」「レクサスLX」・・・これらの高級SUVを日本で見かけると、あくまで人様の趣味とはいえ、さすがに不必要で大げさではないかと感じます。高級SUV人気のルーツとして知られるのが、欧米セレブのライフスタイルだそうで、普段は都市部でビジーな日々を過ごす金持ち達が、休日には非日常を味わうための別荘を大自然の中に構えることが多く、その別荘まで向かうのに未舗装路を超えていくため、普段使いの高級セダンでは不都合なので、これらの高級SUVが日本でも富裕層に憧れる人々の間で人気なんだそうです。

  欧米ではカンパニーカーとして支給されるアウディやメルセデスをフォーマルカー(ファーストカー)として使うので、私用に「公用車」を使うのは気が引けるという意識もあってか、2台目として全くテイストが違うSUVを持つものらしいですが、全くそんな制度が無い日本ではSUVがそのままファミリーカーの主役の座になっています。日本ではバブル崩壊後は、一般のサラリーマンにとって別荘はあまり現実的な選択ではなく、日常的に都市部しか走らないのに、わざわざ価格が高めのSUVを選ぶ理由なんてないのですけど、ブームというのは恐ろしいもので、渦中にいる人々にはその実態がなにも理解できていなかったりするみたいです。

  しかし日本では、軽井沢や清里など主な別荘地はどこもハイウェイや幹線道路に直結していて、軽自動車でも本格スポーツカーでも難なく到達できるところばかりです。もちろん中には有名な別荘地を避けて、秘境のような場所に別荘を構える人もいるとは思いますが、そういった場所へのアクセスルートとなる日本の一般的な林道は、2m近い車幅を誇る高級SUVには狭過ぎます。軽井沢などではBMWのX3辺りのモデルをよく見かけますが、これくらいのサイズのSUVが日本の別荘ライフには結果的に使いやすいのだと思います。多くの自治体で林道の保全パトロール用に導入されているのがホンダCR-Vで、同サイズとしてトヨタRAV4、日産エクストレイル、スバルフォレスター、マツダCX5、三菱アウトランダーと各社ずらりと用意されていますが、どれもこれも「素晴らしい別荘ライフを演出するんだ!」くらいの気迫があるかというと・・・。

  日本で売れているSUVには大まかに2段階のサイズがあって、ホンダCR-Vと同じサイズの「ファミリーカータイプ」のものと、ホンダヴェゼルや日産ジューク、マツダCX3が属する「引退世代・独身向けタイプ」のものが売れています。前者はミニバンとは違うテイストを求める層に支持され、後者はコンパクトカーよりも一回り大きいゆとりが欲しい層からウケているようです。ただし実際に日本の原野を貫く林道を走りたいという、よりエクストリームな欲求を満たしてくれるクルマとなると、スズキのジムニー/ジムニーシエラがその走破性とスペシャルなサイズ感から、独占的な立場にあるようで、さらに他のメーカーの参入がないことから現行の3代目ジムニーはかれこれ20年近いモデルサイクルを誇っています。

  まったくもって素人目線ではわかりにくいことなんですが、どうやら各メーカーから発売されているSUVのオフロード性能にはかなりの格差が生じているような印象を受けます。日本が世界に誇るオフロードSUVのブランドといえば、トヨタ「ランドクルーザー」と三菱「パジェロ」ですが、この2台のサイズでは日本の林道を走破するには物理的に無理なのが実情です。もちろん運転技術の有無によって状況は大きく変わるとは思いますが・・・。私も林道が大好きなのでノーマルのDセグセダンでしばしば分け入ってみたりするのですが、小さな落石の鋭い断面をみせつけられると、踏んだらパンクしそうだな・・・なんてヒヤヒヤすることも多いです。たとえこれがSUVになったからといってもパンクのリスクがなくなるわけでもなく、全幅1795mmのDセグセダンではさすがに躊躇ってしまうほどの「獣道」だと、それ以上の車幅を持つランクルやパジェロでも無理なことは同じです。入れるのはジムニーだけだな・・・なんて諦めるケースは結構多いです。

  一方でジムニーのスマートな車幅が仇になるケースもあります。その典型例といえるのが雪上での走行で、重心が高いSUVは上屋がフラフラするとすぐにタイヤの接地面が減少してしまいAWDとしての能力が十分に発揮できません。群馬県にある榛名山を雪山シーズンにDセグセダンで超えたことがありましたが、伊香保温泉を過ぎると周囲はジムニーだけになり、さすがにFFセダンでの通行は無謀かと思いましたが、重心が低くてワイドなセダンの方がむしろ安定感があって適正が高いのではないか?というのが実践してみての感想です(間違っているかもしれませんが)。そういえば麓の渋川市では、希少車種のマークXジオがやたらと元気に走っていました。このクルマはマークXという名前なのにFFで、車高を抑えて車幅をしっかり確保していてなかなかスタイリッシュなデザインです。車両価格は別として、実際にこういうクルマが雪の多い地方では使い勝手がいいのかもしれません。

  自動車メーカーが何の説明もなしにSUVブームをひたすらに煽っていて、ユーザーがあくまで自己責任でそれを使うという現状に文句を言う人もいますが、それはちょっと違うと思います。メーカーが何の説明もなくSUVを売りさばくことはどうあれ、このような全く過保護でない状況下で、ユーザーが必死で頭を使ってクルマ選びをすることは非常に「健康的」な世の中だと思います。そんな中でランクル、パジェロ、ジムニー以外に、エクストレイルとフォレスターの2台はそれぞれにメーカーがライバル意識を持って走破性を強調していますし、第三者機関のテストでもその性能が世界最高水準であることが認められています。それと同時に「そんなスペックは不要!」「雪降ったらクルマのらなきゃいいじゃん」なんていう冷めた現実的な意見もあるようです。

  私も以前はそんな「お気楽派」だったのですが、2013/14シーズンに甲信越地方を襲ったドカ雪が、将来的に埼玉県の奥地に別荘でも建てようと画策していた甘い考えを一蹴してくれました。普段からドライブルートとして使わせてもらっている国道299号及び140号周辺も大きな被害を受けていて、正丸トンネルに多くの人が閉じ込められたのは衝撃的でした。これほどの雪はあまり経験が無い埼玉県には十分な除雪能力が無く、群馬や長野に救援を依頼するも、埼玉以上に甚大な被害に見舞われた山梨の除雪が優先されたため、299や140の本道はともかく、周辺の峠ルートは数ヶ月に渡って不通のままでした。3月くらいに周辺の道路へ出掛けてみると、南側斜面は溶けて通行可能でも、峠を超えて北側斜面は全く除雪がされておらず、轍もないことから狭い峠付近でヒヤヒヤと方向転換したりしていました。

  圧雪がされていない上に、凍結部分もあって車体床下へのダメージを危惧して引き返しましたが、大径タイヤを装備しつつもワイド&ローで安定感が保てるクルマなら行けそうだなとも思いました。エクストレイル(1715mm)、フォレスター(1715mm)、ジムニー1680mm)では全高がやや高すぎで、左右の高低差からロール運動が活発化して頭から谷底に落ちそうな気が・・・。1600mm以下まで抑えた本格AWDモデルとして候補に上がるのが「スバルXV」というインプレッサベースのクロスオーバーモデルです。ただしスバルがオフロード性能としてプッシュしているのはフォレスターであり、XVの位置づけとしては、都市型のSUV風乗用車なんだそうです。これは悩ましいですね・・・。全高&全幅から絞り込むとこのクルマこそが、甲信越地方の別荘ライフを力強く支えてくれるような気がします。デザインも非常に優れていますし。スバルにはこのクルマをさらに改良して、オフロード走行の「お墨付き」を出してほしいですね。

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2015年5月27日水曜日

S660 と ロードスター に潜む日本車の闇

  S660とロードスターのレビューを読んでやや違和感が・・・。ホンダやマツダに対しての配慮なんですかね。あまり強いことが言えないカーメディアなんてもはやジャーナリズムではないし、それどころかカーメディアから仕事を頂くライターみんなで示し合わせて絶賛に回っている節すら感じられます(とりあえず福野礼一郎氏は叛旗を翻したが・・・)。とりあえずこの2台に関しては、ちょっとでも購入を検討する人の数は、911やFタイプと比べて桁違いに多いであろうことは予想できます。よって発行部数を多くしたいカーメディアは出来るだけ大切にこの「コンテンツ」を扱ってシーンを温めたい腹の内がなんだか透けて見えます。もちろんブログ書いている立場としても、この2台に関してはできるだけ独自の視点で大げさなまでに褒め称えて、読者にも気分良く共感される記事にしたいなと思うわけですが・・・。

  しかしどうも「違う」気がしてしまうのは、私が少々へそ曲がりだからでしょうか? 「納得できないスポーツカーにお金を払うなんてバカバカしい!」という思いがどうも最初から頭を離れません。もちろんS660コンセプトが発表された東京MSでの注目度の高さも目の当たりにしていますし、歴代のマツダ・ロードスターが世界に日本車の実力を知らしめてきた、偉大なスポーツカーの金字塔だということを重々承知した上です。そしてこの2台のクルマに十分に納得されて、真っ先に予約を入れた人々のお気持ちもよくわかります。

  何が気に入らないのか?というと、この2台の新型スポーツカーはこのご時世に「専用設計した!」ということで納得してしまって、それ以外の部分はややメーカー都合による帳尻合わせだと感じられるところで、どうも気分が冷めてしまうのです。ホンダもマツダも乗用車部門では、常に世界の頂点を視野に入れた「経済性」「パッケージング」「エンジン」などなど、会社の根底には「絶対的なまでの自社技術への信頼」があることを確信したクルマ作りをしています。そんな作り手の想いを汲んでいるので、スポーツカーに限らずホンダやマツダのユーザーはやたらと熱いです。そのフィットやデミオに注がれている情熱と比べたときに、スポーツカーでありスペシャルティカーであるはずの「S660」と「NDロードスター」はこんなものなのか?という疑念が頭から離れないのです。

  あまりの旨味の少なさに日本市場からの撤退すらチラつくホンダとマツダ。そんな2社がわざわざスポーツカーを新造して日本市場にも投入したのだからこれは素直に喜ぶべきだ!といった腫れ物に触るような評論をしばしば見かけますが、それはもはやクルマ評論ではなく、「社交辞令」的なオトナの対応に過ぎないと思います。クルマに関して徹底してオトナな対応ができる人は、スポーツカーよりも断然にプリウスやリーフの方が似合うんじゃないですかね、いっそのこと「新幹線&タクシー」という日本的エクゼクティブな移動手段をノビノビと使った方がいいと思います。それでもクルマ所有に拘った結果、わざわざ珍しいモデルをメーカーが作ってくれたのだから!なんて良い人過ぎるクルマ選びの果てに、7人乗りMPVはBMW製にスポーツカーにはダイハツ製に乗っていたりしてそうです(バイエルン発動機&大阪発動機イェーイ!)。

  S660やロードスターに限った話ではないですけど、近頃はなんだか出てくる新型車を見て嬉しさよりも、なんだかストレスが溜まることの方が多いです(多くないですか?)。いちいち挙げてられないですけど、スバルWRX・S4とレヴォーグ(なぜCVTだけ?)、ジープ・コンパス(このブランドにFFは不要)、トヨタ・オーリス120T(ターボ&CVTというだけで笑える)、ホンダ・オディッセイ(この全高ならもう車名を変えた方が)などなど・・・。クルマ好きに好き勝手な先入観であれこれ文句を言われると自動車メーカーも辛いでしょうけど、それがどういう事情であれ、やっぱり納得できなければこのメーカーはやる気あんの?という疑念が出てきてしまいます。挙げた4車ともにそれなりの値段がするクルマばかりですし。

  S660は正直なところもっと強気な価格設定をしてくると思いました。ミッドシップというレイアウトが日本車で復活するというだけで話題性は十分ですし、200万円が250万円になろうとも売れるだけのポテンシャルは秘めていると思います。一時期話題になりましたが、ケータハムがスズキからエンジンを調達し、軽自動車規格における日本の自主規制を超える80psに仕立てたこともあり、S660にも軽自動車エンジンの枠を超えた出力が期待されました。おそらく64psが200万円に対して、80~90psで250万円〜のグレードが設置されたならば、後者の方にたくさん注文が集まると思うのです。わずか20psに過ぎないパワーアップですが、出力3割増しは決して少ない数字ではないですし、何より日本中に溢れている軽ターボ64psとは一線を画したエンジンを載せることで、スペシャリティカーとしての商品力は桁違いに上がります。まともな発想なら絶対にやると思ったのですが・・・。それをやらないところにホンダ内部ではこのクルマへの評価が決して高くないことを表している気がします。

  ロードスターに関しても最大の懸案はエンジンです。もちろんまだ試乗してません(笑)。ちょっと前までMSアクセラというモデルで、FF最速を狙える超絶スペック(264ps)ながらも1ps=1万円というナイスな価格設定をしていたマツダが、あれよあれよと1.5Lエンジンが乗ったスペシャルティカーを乗り出しが300万円〜ですか・・・。さぞかし磨きぬかれた1.5L直4なんだろうと思いきや、何の躊躇いもなくロングストロークのスカイアクティブGを転用しております。そしてそれの帳尻合わせのように、全長を詰めて車重を低減させて無理矢理にスポーティに仕上げています。それでも車重1000kgのFRスポーツは素晴らしいって? いまやマツダの盟友となったフィアット傘下のアルファロメオからは1100kgでNDロードスターの2倍近くの240psを誇る「4C」が発売されていて、このクルマには伝統の名機1750cc直4ターボのショートストロークエンジンが拘って採用されています。

  以前のマツダだったら、相手がBMWであってもポルシェであっても持てる技術の全てを注ぎ込んで対抗モデルを作ったんじゃないですか? それがいとも簡単にアルファロメオに「ライトウエイトスポーツ」の究極型を宣言されても平気な顔して見て見ぬ振りをしている腑抜けスポーツメーカーになってしまったようです。かつてのマツダだったら「世界最良」を目指して手段を選ばずにライバルを狙って突き進んだはずです。倒産の危機に瀕しているのに、まだまだ本気で「2ドアのロータリースポーツ」を新開発しようとするくらいの「イカれた」メーカーだったわけですから。当時のような情熱が今も社内に燻っているのなら、このロードスターのシャシーに新型ロータリーを実用化したり、旧型MZRを加工するなどして、アルファロメオを叩き潰すような超絶モデルを作ったはずです。それがいつのまにか、「スカイアクティブ」のエンジン製造コストばかりを誇るメーカーへと変貌してしまいました。スポーツエンジンが無くなったマツダなんて・・・。

  今回この2台にゴーサインを出したホンダとマツダの幹部の腹の内はよくわかりません。しかし決定権を持っている役員クラスのオッサンが考えてそうなことを想像すると・・・「これを買うヤツらにとってエンジンは重要ではない」「どうせクラッチ一つ満足に踏めないカッコ付け野郎と勘違いババアだけだ」「バカ相手の商売をしないとスポーツカーは成立しない」くらいのエゲツナイまでの「ユーザー不信」が読み取れてしまうのは、ちょっとやり過ぎでしょうか?

  こんなことをクルマ好きがブログで好き勝手に書いていると、「売れないクルマにカネかけてもしかたないんだよ!」みたいな、想像力が欠如した腐れコンサルタントが言ってそうなことをドヤ顔でコメントしてくる人がいます。本田宗一郎のような常人ばなれした情熱家が一代で築いた自動車資本を、効率的にカネに変えるのがコンサルタントの役割だとは思いますが、彼らの仕事から再びクリエイティブなイノベーションが生まれることなんてないです。畑違いのコンサルが乗り込んでメチャクチャにされ衰退したのが三菱で、敏腕コンサルのような顔をしているけど一流のエンジニアであるピエヒに率いられ成長を続けるのがVW。これが現在の自動車業界で揺るぎない事実ではないかと思うのです。

  先日のトヨタとマツダの提携強化の発表をした席で並んだ豊田章男トヨタ社長と小飼雅道マツダ社長のどっちがクルマ好きに見えましたか? 両者の背負っているものがトヨタとマツダであるという事実を頭に入れても章男社長の方がオーラがあったんじゃないですか?マツダは本当に大丈夫か?なんてことに気を揉んでしまいました。


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2015年5月13日水曜日

トヨタ・マツダ連合で マジェスタ・ディーゼル と アテンザ・次世代スカイPHV が登場?

  GWを挟んでやたらとクルマ関連のニュースが一般メディアを駆け巡っていました。「EV限定の1000円高速制度に応募が集まりません!」なんてニュースはクルマに特に興味がない人々にとってはホントにどうでもいい話題だと思います。まあこのニュースをきっかけにEVの「給電」は実際にどれくらい費用がかかるのかが、少しでも広まったことは良かったです。どっかのライターが悪のりして、EVは安くない!4200円の毎月の充電施設利用料を払い、さらに充電時間に応じて課金が行われ、月額で10000円を超える!などと書いていましたが、大手石油元売りがGS設備を使って手掛ける民間サービスでも月額3000円で無制限!というこれまでの定額サービスが相次いで終了し、今後はかなりシビアな「実費」が請求されることになりそうです。

  これでは「ピュアEV」(エンジン無しのEVで充電しか補給方法無し)を慌てて買った人々にとっては、いろいろと不満が噴出しそうな状況なのかなという気がします。自宅に給電設備を整えていて、近隣を周回するためのクルマならば特に困ることはないのかもしれないですが、都市部のマンション住民にとっては「ふざけんな!」って感じかも。そんな中でかなり「先見の明」があったと思われるのが、PHVつまり「プリウスPHV」や「アウトランダーPHEV」を買った人々なのかもしれません。もちろん「1000円高速」を謳歌するには、月額4200円の充電施設利用会員にならなければいけないみたいですが、それを負担した上でも東京から関西圏までETC割引でも往復で15000円ほどかかるところを、たったの2000円でOKなのは十分に魅力です。リーフなどのピュアEVでは航続距離の問題があり、高速で1時間ほど走ったら30分の充電が必要というトンデモな利用環境なので、「1000円高速」なんて全く意味がありません。

  今やアメリカでは「ノーマルのHV」ではPHV/EV/FCVと区別されて「環境対応車」とは見做してもらえずに、様々な「グリーンカー特権」が享受できないみたいです。トヨタとホンダの奮闘により早くからHV先進国として名を馳せたわけですが、インフラを必要とするPHVの将来性についてはやや懐疑的なメーカーが多かったようで、未だに300万円台の良心的な価格で発売しているメーカーがトヨタと三菱だけなのは少々意外な気がします。さらにトヨタと三菱が開発して商品化へと移した直接的なインセンティブも、自動車メーカーに対してやたらと高圧的で知られるアメリカの連邦政府の「無茶振り」がきっかけだったりするようです。今後継続してアメリカで自動車を一定規模以上販売するメーカーには、そのラインナップに「グリーンカー」を組み入れることを義務づけることが決まっています。

  トヨタは「プリウスPHV」日産は「リーフ」ホンダは「アコードPHV」「フィットEV」 を既に発売済みです。三菱はアウトランダーPHVではなく「iミーブ」を展開しています。残るスズキは北米からの撤退を決めていて、スバルとマツダはアメリカでの商売が生命線ですから開発・製品化を急いでいるようです。スバルは自社開発の3モーター式PHVのコンセプトモデルを既に発表済みです。一方のマツダは水素ロータリーもしくはロータリーをレンジエクステンダーとしたEVをデミオに設定する方針だったようですが、ここに来てトヨタからPHVもしくはFCV技術を移植する方向で交渉に入ったと伝えられました。もちろん好調とはいってもトヨタを下請けにできるほどキャッシュに余裕があるわけでもなく、トヨタに対してクリーンディーゼルを比較的リーズナブルな価格で引き渡すことの見返りとなるようです。

  現行アクセラにトヨタのHVが積まれる契約が締結されたときにも、マツダからトヨタへクリーンディーゼルの供給が一旦決まりかけたそうですが、なんとトヨタはBMWから契約を白紙としてBMWと供給契約を締結しました。この段階では、欧州市場にしっかりとした足場を築くために、VWゴルフを徹底的にマークしたオーリスに複数のバージョンのディーゼルを積むための判断だったようです。3シリーズだけで7種類のディーゼルを取り揃えるBMWのバリエーションの多さに対し、エンジンの製造工程を見直して集約化を図ったばかりのマツダはディーゼルのバリエーションを減らして1.5Lと2.2Lの2系統しか用意しておらず、2.2Lではオーリスに載せるにはオーバースペックと判断したトヨタの苦渋の決断だったと思います。

  しかしその後になって日本国内でマツダのディーゼルが快進撃を続け、さらにレクサスを脅かすように日本向けにメルセデス、ジャガー、マセラティがディーゼルを追加・新導入に踏み切ることが相次いで発表されると、アベノミクスによる高級車市場の活性化をも視野に入れて、トヨタもこれらを迎え撃つ「臨戦態勢」を採る必要が生じたようです。今やトヨタの高級車には全てHVのグレードが設定されていますが、国内販売は思ったほどに良好ではなく、さらに高い商品力を獲得できるユニットとして、静音・制振において非常に優れていて、高級車用ディーゼルとして屈指の実力を持つマツダのディーゼルを採用しよう!という目論見があるように思います。

  アクアやプリウスの販売は好調を維持していて、このクラスにディーゼルを入れるメリットは薄く、レクサスGS/ISとトヨタブランドのマジェスタ/クラウン/マークXへのディーゼル投入こそが、トヨタがマツダに接近する理由のはずです。トヨタとしては、デミオ/CX3用の1.5Lディーゼルではなくて、アテンザ/CX5/アクセラ用の2.2Lディーゼルが欲しい?のだろうと思いますが、一方でマツダのメリットは米国販売継続のためのFCV/PHVに限定されてしまうのか、あるいはトヨタから得るものを応用して、想像を超えるような素晴らしい経済性とドライブフィールを兼ね備えたクルマを開発してトヨタとホンダを驚愕させるのでしょうか。カムリHVに使われている横置きエンジンと組み合わせるHVシステムに、強烈なまでの燃焼効率を実現して実用化の目処も付いているという「次世代スカイアクティブG」を組み合わせることで、マツダの技術者が言うような「究極の高級車用HVユニット」が生まれる可能性も・・・。


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↓最新刊が出ました!北米市場の変化はとても早いですね。

2015年4月23日木曜日

オーリスターボRS始動 「259万円」という意味深な価格は・・・

  オーリスにターボがでたぞぉ〜・・・あれ?思ったほどにメディアが盛り上がってないですね。散々に「日本車は遅れている!」なんて叫んでいたのに、いざホンダがDCTを使って、トヨタがターボ使ってとなると・・・ピタっと何も言わなくなる。私の持論で数年前から一貫して主張していた「日本のコンパクトにダウンサイジング・ターボは要らない!」は未だに少しも揺るがないのですけど、いよいよトヨタとホンダはエンジンの刷新の時期にさしかかったコンパクト〜スモールカーのターボ化を始めたようです。そして早くもトヨタやレクサスからは自社製造のターボユニットを搭載したモデルが発売されました。

  ちょっと興味深いのはトヨタのグレード別の価格設定です。たとえば「クラウン」と「アルファード」には縦置き・横置きの違いこそありますが、3.5LのV6のガソリンNAと2.5Lの直4HVの2種を看板ユニットつまり「ツートップ」に掲げて展開しています。それぞれ排気量は同じエンジンなので、クラウンに積もうがアルファードに積もうが、かかるコストも大きな差はないだろうと思うのですが、クラウン(アスリート)では3.5LのV6の方に、アルファードでは直4HVの方に高い価格が設定されています。正確なことはわかりませんが、クラウンのユーザーは自然吸気エンジンを好み、アルファードのユーザーはハイブリッドを好む傾向にありそうだから、コストとは無関係に価格設定をしている?というのが実際のところのようです。

  クラウンへのハイブリッド導入は先代で行われましたが、レクサス用の高級車向けHVユニットを載せて600万円オーバーという価格設定がかなり敬遠されて惨敗しました。そして現行のデビューとともにHVでは「直4化」を断行して、400万円台での販売に踏み切ったところ一定の成果を残しました。トヨタの価格設定はとてもとても大胆で、売りたいクルマはとことん安くするので、プリウスやアクアは順当に売れています。

  さてこのクラウンとアルファードにもベースグレードを担当する2.5L(V6)と2.4L(直4)を2Lターボに置き換える方針だという情報もあります。クラウンやアルファードのような上級車ではターボはベースグレード専用として使われるようですが、一方でより大衆的なクルマであるオーリスでは、なんと1.2Lターボが最上級グレードになるようです。ここで気になるのが「ターボはいったいどれだけのコスト高を招くのか?」ということです。しかし先ほども申し上げたとおり、トヨタというメーカーはコスト高のクルマは「やせ我慢」で安く売り(プリウス)、コスト安でもボッタたくれるクルマを高く売るという、他社とユーザーを手玉に取る戦略が得意なので、カタログの価格はあまり参考にならないです。

  オーリスターボのキャッチコピーがなかなか胡散臭いもので「1.5Lの燃費で1.8Lの走り」なんだそうですが、そもそもトヨタの従来1.5Lの燃費ってどんなものなんでしょうか? 10年前まではモード燃費で17km/Lくらいだったのですが、CVTの配備が進み現行のオーリス1.5Lでは18.2km/Lくらいまで上がっているようです。そして新登場のオーリス1.2LターボのJC08モード燃費は19.4km/Lだそうです。これがちょうどスカイアクティブGの1.5Lを搭載するアクセラハッチバックと同じです。なるほど!

  とはいっても本体価格176万円のアクセラ15Cと同じく259万円のオーリス120Tで比較すると、トルクこそオーリスが4kg・m程度上回りますが、馬力は7psしか差がなく、アクセラの方がやや軽いためにパワーウエイトレシオもほぼ同じです。はっきり言ってこれでは「1.8L並みの走り」というには語弊があります(トルクは確かに18kg・mですが・・・)。さらにトヨタが価格に拘らないどころか、ライバルメーカーの同クラス車よりも80万円も高く設定することに少々違和感があります。そしてたとえ1.2Lでもやはり4気筒のままではあまり燃費に効果はないようで、これまであらゆる車種でシビアに燃費を追求してきたトヨタが、このタイミングで日本市場でオーリスターボを発売する狙いって一体何でしょうか?。

  無理矢理に理由を考えると、トヨタの企画担当者が、「今のCセグは絶対的にターボが人気!」と思っているから!くらいしか思いつきません。まあ完全にトレンドを履き違えているとまでは言いませんけども、オーリスで259万円ならばナビも標準で付いてくるのか?と思いましたが、どうやら別料金です(販売店がサービスするかもしれませんが)。そのかわりにオシャレなインパネと、前席だけシートヒーターが標準で付いてくるみたいです。マツダアクセラ/デミオ/CX3やホンダヴェゼルが、内装を豪華にして車両価格を上げているのを見てトヨタも真似したくなったのかもしれません。果たしてゴルフのトレンドラインとほぼ互角の価格設定の結果はどうなるのでしょう?


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2015年4月4日土曜日

「トヨタbB」と「BMWミニ」がやはり統合されるらしい・・・。

  日本の自動車好きをザックリ分けてしまう「価値観」の相違として名高いのが、「オラオラ系」と「非オラオラ系」。誤解を恐れずに言ってしまうと「男気!」VS「じぇんとるまん」という"ファッショ"のディスり合いが、路上だけでなくネット上にも日夜続いております。この風潮に商機を見出して真っ先に突き進んだのが「マーケティングの鬼」ことトヨタ自動車で、ミニバンなどの「日本市場専用車」の多い市場で次々に「オラオラ系」のテイストを繰り出して圧倒的なシェアを掴みました。そして同じグループのダイハツも同じ路線でスズキを凌駕するなど若者への浸透度が光ります・・・。

  その一方で、「オラオラ系の風潮がまったく理解できない」という人々も多くいます。やや偏見も含みますが、そんな彼らの多くは「大学に行った」だけで自らを「知的階層」と思い込み、「エリート」「ホワイトカラー」といった昭和な価値観の中に自分を見出して生きていらっしゃいます。そして「オラオラ系」な人々に対して激しい憎悪(軽蔑)の念を持つとともに、トヨタが作るアルファード/ヴェルファイア・ヴォクシィ・bBといった「オラオラ系」なクルマを徹底して嫌うようです。まるで「オラオラ系」へのトラウマ?に苦しんでいるかのような強迫観念を背負っています。「知的階層」ならば当然に日本の民俗学にも一定の知識はあるはずで、そもそも自分達のルーツがどの時代にあり、忌み嫌う「オラオラ系」のルーツがどの時代にあるかを考えれば、自分と同じ主張をする人々が日本では完全に「後付けの異分子」であることは自明です。冗談ついでに言っておくと、元禄期には一大ムーブメントになっていて弾圧を受けた「オラオラ系」と、せいぜい化政期以降に登場した「西洋風インテリもどき」では歴史の重みが違います・・・。

  さらに少々、余計な事を書きますが、有名大学を経てリクルートだか電通だかで仕事して(30過ぎで「肩たたき」にあった?)いたという胡散臭いライター連中が、まるで世の中を全て分ったかのようにあれやこれやと下らんことを「決めてかかって」いるのを見ると、ちょっとイラっとしますね。こんな小者ばかりを大量生産する有名大学なんてもう要らないんじゃないの?という気がしますね。彼らが「マイルドヤンキー」とか勝手に命名して地方の若者をまとめて馬鹿にする風潮が日本を良くするとはとても思えないですし・・・。

  さてそんな不毛な「二項対立」を完全に超越したような展開を見せる異色のブランドが「ミニ」ではないでしょうか。簡単に言うと「シトロエン」と「ネッツ」を混ぜ合わせると「ミニ」みたいな店舗になりそう!ってことです。とってもお上品なルックスの「DS3」とゴテゴテ感をこれでもか!とばかりに追加した「bB」を混ぜると、「ミニ」になるか?は個人の判断に任せるとしましょう。フロントのデザインならば「DS3」に近いエレガンスでスタイリッシュですけど、派生車種の「ミニ・クラブマン」はトヨタの北米ブランドの一つでbBも発売している「サイオン」に近いテイストなので、見る人に「bBみたいだな・・・」というなかなか強烈な印象を与えます。しかしですね・・・この「クラブマン」が近所(「多摩ナンバー」地域)では意外な事になかなか多いんですよ。雑誌「レオン」とか読んでそうで、白髪ヒゲにバンダナを添えてサングラスでキメてる年配者がお乗りになっています。若者が乗っているのは見た事がないですけどね。

  もしかしたら、本当はbBみたいな箱型に乗りたいけど、輸入車率が体感で4〜5割に達する地域なのでそれなりに世間体もあるようで、輸入車版の「bB」として「ミニ・クラブマン」を選んでいるのかな?という気がします。もちろんBMWが開発した「走り」を軽視しない(はっきり言いますが重視はしていない!)設計のシャシーは魅力だったりするでしょう。トヨタとしてはせっかく自らが築いた鉄壁のマーケットの美味しいところ(お金持ちな高齢者)を、ミニに持っていかれるのは面白くないでしょう。ネッツが準備した「bB→ヴォクシィ→ヴェルファイア」という買い換えグレードアップ作戦に高齢者を取込むのはまず無理ですが、トヨタが予想したよりも高い年齢層&高い所得層で「オラオラ系」が意外にウケてしまって、この「予想外」の展開にはさすがのマーケット部門もやや混乱気味なのかもしれません。ランクル70の限定発売などでそれなりに効果的な対応はしているようですが、「変色」クラウンを懲りずに売り続けるのには違和感を感じます。「グリルをあれだけアレンジしたのにリアクションが薄いのはカラーバリエーションのせいだ!」みたいなどっかの部門責任者の迷惑な思い込みでもあるんですかね?(もしやあのアイディア社長の面子か?)

  さてトヨタの「本流」は今後もプリウスとアクアの「スーパー」で「グローバル」な2台が担うことになりそうです。HV専用車が基幹となるメーカーって何だか凄いです・・・、世界で最も個性的な大手メーカーといってもいいんじゃないでしょうか。しばしば「燃費だけ!」とか安易に揶揄されますが、実際のところトヨタ車が選ばれる理由(強み)は「安心感」「居住性(乗り心地・静音性)」「パッケージ」です。「燃費」を含めた経済性を第一に考えるならばスズキ・マツダ・ホンダが今ではトヨタを上回る水準での争いを繰り広げています。業界の先端を走り続けるトヨタが通ってきた路線を、他社が続々と追いかけるというのは、これまでも何度もあったシチュエーションで、ぼんやり見てるとトヨタが燃費競争の中心にいるかのような印象を与えますが、トヨタはすでに他の日本メーカーとは一線を画した新しい展開に踏み出しています。自社の開発資源はハイブリッド(HV)と燃料電池(FCV)の2つに絞った次世代エネルギー車の普及に全て注入し、ガソリンやディーゼルに関しては、「競争力のある提携先」をピックアップした上で資本投下&提携を行い「OEM」車を作らせてトヨタブランドで販売するという「付加価値型」戦略です。

  これまでのところトヨタから直接お声が掛かって提携が実現したメーカーが・・・スバル・マツダ・BMWの3メーカーです。あくまで憶測ですけど、2012年にBMWとマツダが相次いで日本で新世代ディーゼルの販売を開始したのは、トヨタ首脳部へのアピール合戦だったのではないか?という気がします。一旦はマツダのディーゼルが提供されることで決まっていた欧州向けトヨタ車に採用されるエンジン枠が、一転してBMWのものに変わったなんて報道もありました。トヨタ向けにエンジンの増産体制を整えていたであろうマツダは、急遽デミオとCX3による小型ディーゼル販促でなんとか消化しているようです。また既に発表されていますが、トヨタからは当然にそれの「見返り」(迷惑料)が提示されて、メキシコ製デミオが北米トヨタブランド車としてデザインを変えてOEM販売される見通しです。

  一般にディーゼルエンジンに関してはBMWよりも高い評価を受けていたはずのマツダが却下された要因としては、「ドイツでの拡販には地元製造のエンジンを使ったほうがイメージがいい!(現地生産)」という判断と、将来的にBMWの直列6気筒&4気筒が採用される見通しのトヨタスープラ後継モデルやその他のモデルを考慮すると、ボア×ストロークが3、4、6気筒で全て共通で、ガソリンとディーゼルでも同じものを使うBMWの製造行程の方が、トヨタの強みである「数のメリット」をコスト面で大きく生かせるという判断があったのかなと思います。もしくは・・・エンジンとミッションはもはやユニットとして採用される時代なので、マツダの内製ミッションと組み合わせるマツダエンジンよりも、すでに(トヨタ系列の)アイシンAWの6ATが使われているBMWやミニのエンジンを採用すべきという、系列部品メーカーからの強硬な申し入れがあったのかもしれません。そういえば最近ですがトヨタの役員人事で部品メーカー出身者が入閣したという報道もありました。デンソーもアイシンは年間売上2兆円を超えていて、マツダ・スバルを軽く上回る規模となった部品メーカーの影響力がトヨタ内部でも大きくなっているのかもしれません。

  トヨタの系列部品メーカー各社にとっては「BMW」と「ミニ」は身内といっていいくらいにかわいいお得意様ですが、その一方ではジャトコ製CVTを使うスバルや、独自に系列メーカーを抱えるマツダとは安易に合弁が組めない複雑な事情があるようです。そういえば福野礼一郎さんが、BMWi8の乗り味を評して「これはプリウスだ!」なんてとってもブラックで意味深なジョークを吐いてました(i3じゃなくてi8です!)。トヨタ系列の部品がたっぷり使われたi3もそうですが、最近のBMWはファンから期待されているキャラとは違うところに飛び道具を備えたモデルが増えてきたように感じます。プリウスのように軽い車体で、非MスポならばもれなくマークXみたいな乗り味・・・。最近のBMWはクルマ酔いするんですよね。


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2015年3月25日水曜日

スバルWRX・S4にはどうも納得いかない点が・・・。

  昨年にランエボの廃止がアナウンスされて、ひとしきり「これも時代の流れか・・・」とクルマファンはガッカリしたわけですが、このクルマが欧州ではポルシェに匹敵するほどのスーパースポーツとして確固たる名声を獲得してきたことを考えると、三菱がせっかく積み上げてきた「ブランド価値」をあっさりと放棄するのは、メーカーのみならず日本のクルマ文化全体にとっても大きな損失だと思います。「ランエボが無くてもまだインプがあるさ!」という何となく楽天的な空気も感じたりもするのですが、歴代モデルを見比べると、ランエボが最後まで「速さ」という飽くなき進化を求めたのに対して、インプの変遷はどうもファンに甘えているのでは?とやや疑問に思う点が見受けられました。そんなスバルと三菱の決定的に違う開発姿勢から出てきたのが「WRX・S4」という全くのニューモデルなのかもしれません。

  スバルが誇る2Lターボ・300PSの水平対抗エンジンを積んだクルマが、より一般のユーザーにも広く自然に受け入れられる商品展開を考えたときに、出てくる「デザイン」「ボディタイプ」「パッケージ」が結果的にこれだったのだと思います。開発拠点が日本からアメリカのある程度移ったという情報もありましたが、先代のWRX登場時にやたらとプッシュしていたハッチバックをあっさりと切り離した「急展開」には、開発現場の違いだけでは説明出来ない「スバルの迷い」が見て取れます。余談ですが、GT-Rと同じ年に登場した不運もありましたが、先代WRXの出鼻を大いにくじいてしまったやや冴えないハッチバックは、その後にデザイン部門が猛烈に追い込みをかけたようで、その成果が現行の「インプレッサ」と「XV」のスバルらしからぬ精緻なデザインへと進化したようで、ある程度はリベンジを果たせたようですが・・・。

  さてスバルが新たなブランドアイコンに据えようとしているWRX S4ですが、やはり何度乗っても日本メーカーの高性能車とは思えないような「大味さ」が気になります。一般にあれこれ言われているCVTに関しては、スバルも重点的に開発資源を投下したようで、その結果それなりの配慮がしっかり施されていて、CVTとしては出色のフィールではないかと個人的には思います。決してVWの湿式DCTやBMWの8ATから見てフィールが劣るということもなく、逆にVWやBMWのミッションに感じるような、ややガサツで気持ちの悪い加速フィールとは違って、ジリジリとエンジンの余力を探ってグラインドする「スイング感」が再現できていると思います。VWもBMWもスバルもアクセルフィールは、ざっくりと言うと「バーチャル」な方向です。日産・レクサス・マツダが追求するようなリニア感は最初から意図していないようで、ペダル入力でのコントロールの余地は極めて低いです。早めのシフトアップは極めて機械的ですし、ペダルから放たれるインテンシティな動きは、シフト制御コンピュータとターボ機構そしてSIシステムのようなオーバードライブ機構によってとことん角が「丸く」感じられます。

  WRX・S4はレヴォーグとはちがって立派なグローバルモデルですから、アクセルフィールやシフトのタイミングなどは、VWやBMWといった欧州車と同じ方向を向いていてもいいので、個人的には好きではないですが敢えてここでこのクルマの弱点として挙げへつらうこともないかもしれません。しかしスバルは、この退屈な「ヨーロピアン」な味付けにされたパワーユニットとCVTの改良、それから最先端となる車線キープ・自動ハンドリング機構を備えたアイサイトを配備した段階でかなり満足してしまったのかなという気がします。問題視したいのが、それ以外の部分での完成度で、ニューモデルとはいえあまりにも期待を下回りし過ぎる出来映えでした。特にハンドリングがイマイチなのは残念です。今まさに日本メーカーのフラッグシップセダンが挙って取り組んでいるのが、このハンドリングであって、「日本の高級車」ならば絶対に避けては通れないものになっているのですが、スバルはどうもメーカーとしてそのような意識はもっていないようです。

  「日本のフラッグシップ車」とは、まずは大いに意匠を感じるエクステリアを備えています。その上で乗り込んでドアを閉めればその瞬間から外界から隔絶されるような密閉感が味わえますが、それは日本メーカーが誇る最高の組み付け精度によって実現しています。エンジンの音は日本的な静寂に耐える質感に程よくチューニングされていて、運転席に座れば、その包まれるようなインパネの造形に満足しつつ、ずっと座っていたいような居心地の良さを感じるものです。しばしば試乗してドアを閉めてそこに佇むだけで、エンジンをかける前の段階で「このクルマを買おう!」と思ってしまうことすらあるのが、日本のフラッグシップセダンなのだと思います。

  残念ながらスバルWRX・S4はこれらの条件をことごとく満たしていません。ズングリしたエクステリアはやや前近代的な「改造自動車」を連想させ(実際にそうなのですが)、統一感のあるデザインにはなっていません。車体剛性の高さは実感というよりスペック表から頭で理解してしまう部分があり、スバルのルーフは伝統的に高いので着座位置を下げると頭上スペースがややマヌケに感じますから、止まっている限りだと剛性の高さは感じません。同じスバルが作っている86/BRZだとピラーからその固さがビンビン伝わってくるようでしたが・・・。シートはノーマルでもサポートがやや大げさに見えて、なかなか上質でセンスも良いのですが、日本車全般に有りがちな据え付け剛性の低さが見られます。といっても輸入車だからといって目立って固いということもなく、最近乗った中ではレクサスIS350Fスポのシートがとても強固に据えられた印象があるくらいです。

  エンジン音のチューニングも意図が感じられない雑なものです。アイドリングから低回転はややパリパリした音が混じるトリッキーな音質で、高回転になるとエンジン各部の反響音がパフォーンと響きます・・・静音なのかスポーティなのかハッキリしろ!とイライラしそうな音です。インパネの造形なんですが、スバルはここに大量の純正ドレスアップパーツをカタログに盛り込んでいます。その中から選んでチェック柄のカーボンパネルを組み込むと、なんだか最近のBMWミニみたいな世界観になっちゃいそうな気がします。パーツ自体はかなり価格を抑えてくれているので、それほどに負担感はないですが、どれもテイストは小型の輸入車みたいなものが多いです。インテリアデザイナーがミーハーなのでしょうか? 個人的に運転席に座ってすぐに買う気が失せたポイントは左右のドアの前方に付いた三角窓です。慣れ?なんですかね、とてもプライベート感が奪われてしまう意匠だなと感じます。安全面ではとても意義あることだとは思いますが・・・。

  誤解を恐れずに言うならば、「WRX・S4」はアメリカ的な合理主義と複数のクルマ文化がクロスオーバーした「未知のクルマ」だと思います。受け手がクルマ全般に対してどういう「思い込み」をしているか?だったり、どのようなクルマに乗ってきたかにも依るでしょうが、いわゆる「スポーツカー」だったり「高級セダン」だったりの流儀のどれにも当てはまらないクルマなんじゃないかという気がします。ちょうど1997年にプリウスが登場したときに、どこにも分類できないクルマとして安易な比較ができないクルマになったように、この「S4」も他のクルマとの比較がとても難しいクルマなんだと思います。


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2015年3月14日土曜日

アルファード を欧州で売れば メルセデス と BMW は終了するけど・・・

  いよいよ燃料電池車(FCV)の市販に踏み切った「世界のトヨタ」。トヨタ首脳陣が描く「環境とクルマ」の理想を追求するために、これから20年をかけてインフラ整備の働きかけに巨額の費用がかけるというのは、21世紀になってなかなか見られなくなった「壮大なロマン」を感じさせてくれます。しかし大前提として既存の自動車事業枠組みの中でトヨタが今後20年に渡って業界の最先端を走り続ける必要があります。世界規模の金融危機や2011年のような大災害が再び発生するリスクは日本に限らず非常に高いので、かなりの危機管理能力と幸運が備わっているかが大事です。

  そんなトヨタが戦略上持ち得ている最重要「カード」が、HVでもFCVでもなく、3代目がデビューしたアルファード(ヴェルファイア)だと思います。まだトヨタからは何の発表もありませんが、もしかしたらこの3代目を欧州市場へと投下し、世界の高級車の常識を一新するくらいの大規模な転換を狙っている兆候が見られます。日本を上回る勢いの破滅的なクルマ離れが進んでいるドイツなどの欧州主要市場では、自動車業界のイメージを大きく変えるような画期的なモデルが絶えず求められています。そして近年の欧州の自動車業界に明るいニュースをもたらし続けているのが日本メーカー群だったりします。

  自動車に対して淡白なフランスでは低価格でオシャレなクルマが喜ばれる傾向にあるようですが、停滞するシーンに風穴を開けたのが「都市型SUV」と称される小型クロスオーバーのモデルです。クラスレスで洗練された雰囲気は、これまでの重苦しく、古臭いクルマのイメージを吹き飛ばして、フランスの自動車販売を牽引しています。その嚆矢となったのが日産ジュークでした。その後ルノー日産とプジョーシトロエンの2大仏系グループから同様のモデルが次々に発売されました。そして一昨年に豊田章男社長の「肝煎」で販売が開始されたトヨタ86は、専用設計のライトウエイトスポーツということで、発売直後から欧州でも日本以上の大反響があり、一部の金持ちの道楽になっていたスポーツカー趣味を、再び広く大衆的なものへと引き戻す契機となったようです。

  また、これまでの欧州市場は「カンパニーカー制度」にある程度依存するところがあり、メルセデスやBMWの高級セダンが大企業のエクゼクティブに会社から支給されるという構造的な「利権」が存在してきました。この制度が2000年頃から崩壊を始め、メルセデスやBMWにはブランドイメージに固執しない廉価で比較的「粗悪」なモデルがどんどん増えました。そんな中で「利権」という甘い汁に頼らずに、質実剛健なクルマ作りで日本車と対峙してきたVWは、ドイツ国内でも大きな販売減に見舞われることもなく、それと同時に中国市場を牛耳ることに成功しました。「粗悪」と「中国向け」の面白くもなんともない二派の愚作はドイツ車をどんどんツマラナイものにしてしまいました。

  ちょっと話が広がり過ぎてしまいましたが、GT-R、ジューク、86、そして瞬く間にスーパーカー市場の主役となったマクラーレン車を全面的にバックアップする日産系列の開発会社など、欧州のクルマ離れを食い止めるために刺激を与え続ける能力を持ち得ているのが日本の自動車産業です。そしてその存在価値は皮肉なことに、日本よりもむしろ世界の自動車マニアから大いに称賛されています。アルファードも日本国内ではその素晴らしさが十分に伝わっておらず、絶えず激しい賛否両論どころかバッシングされることも多い微妙な存在でした。そんなクルマが新たに自動車の魅力を欧州の人々に伝えるのではないかと思うのです。

  トヨタの膨大なラインナップの中には、後輪サスに「ダブルウィッシュボーン(DWB)」が使われているものが幾つかありますが、これらの多くは欧州市場向けのクルマです。これを装備したオーリス、ウィッシュ、アベンシスといったモデルが欧州でのトヨタの販売の中核を担っています。小型のヤリス(ヴィッツ)やヴァーソS(ラクティス)などにはトーションビームが使われていますが、プリウス、プリウスαを除く中型以上のモデルはDWBです。さて新型アルファードですが、いよいよDWBを使ったシャシーを新造してきました。これはいよいよ欧州に投入への布石?と思いきや現在開催中のジュネーブMSにはまだ登場することはなかったようです・・・。

  いよいよ欧州でも十分に勝負できる足回りと補強されたシャシーを得て、その上に造られる車内のパッケージの良さは、世界の頂点を完全に極めた超絶スペックですから、おそらく投入されれば、欧州の陋習を打ち破り確固たる地位を確立するのは間違いないでしょう。いつでも欧州で仕掛ける準備はしているけど、やはり「武士の情け」という想いがあって踏みとどまっているのかなという気がします。トヨタに健気に技術援助を要請してきたBMWや、1989年に発売されたセルシオを作る際に参考にしたメルセデスを一気に窮地に追い込むような「リーサルウエポン」を投下するのは忍びない・・・。業界の盟主を自認するトヨタがやるべきことではない!という判断かもしれません。

  これまでのアルファードはトヨタの廉価車のシャシーを使ったコストダウン満載の要素が目に付いて、クルマ好きからはかなり酷評されてきましたが、いよいよトヨタが品質向上の方向へ舵を切ったことは率直に嬉しい限りです。業界の盟主の英断が他のメーカーにも確実に好影響を与えてくれるものと期待したいと思います。スカイ=ナンチャラというオブラートに包み込んで部品の簡素化(コストダウン)に励み、広告費をバラまいて業界をアジっている某国内メーカーにもぜひ猛反省して頂きたいと思います。

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