2017年2月26日日曜日

いよいよシビックがやってくる。そして全てが変わる!?

  北米で大ヒット驀進中。さらに北米COTYも堂々の受賞。アメリカ政府に愛される日本メーカーが企画する「アメリカ発のグローバルセダン」つまりアメ車・・・。果たして日本の街並に合うのか!?もよくわかりませんが、3ボックスタイプ(セダン)の北米量販タイプを狭山工場に新造したラインで生産し、ハッチバックの「typeR」はイギリスの工場から逆輸入するということで、待望の日本へのフルラインナップによる本格復帰が実現するというホンダ・シビック。

  このクルマはバブル以降も続いた狂ったように歪な「物質文化」の中で居場所を失い、押し流される格好で日本からフェードアウトしていましたが、再び「北米ナンバー1・Cセグ車」の看板を引っさげて堂々の凱旋となりそうです。相変わらず悪辣なK沢M宏氏などは早くも「Cセグなんて絶対に売れない!!」とまで断言しておられますが、メルセデスAクラスやボルボV40などそこそこのロングヒットを続けているなど、Cセグを取り巻く環境も以前とは変わってきたようですし、ホンダの仕掛け次第ではいろいろな展開があるんじゃないかと思います。

  まだ日本での販売価格も発表されていないですし、ベースモデルと「typeR」に加えて、北米スポーツグレードの「MT」モデルも入ってくるのか? などなど今後の展望はなにも見えないですが、とりあえずホンダにとって「シビック」という名称を使った歴代の車がどんな意味を持っていたか!?それがよーくわかっているクルマ好きのみなさんならば、今回のホンダの英断をとりあえずは大歓迎していることだと思います。「何かが起こる」という期待感とともに。

  何がどーなっているのかさっぱりカラクリがわからないですが、日本のカーメディアはなぜか「CセグハッチバックといえばVWゴルフだ!!」と口を揃えます。ゴルフこそが「世界のベンチマーク」だなんて散々に吹聴するものだから、ゴルフがCセグのオリジナルなのだと本気で思ってしまっている人すら多いみたいで困ったものです。ジウジアーロデザインの初代ゴルフが登場したのは1974年ですが、それよりもさらに遡る1972年に初代シビックは登場しました。さらにホンダよりも四輪車で先行しているトヨタは1966年にカローラを、マツダはアクセラの前身となるファミリアを1964年に発売しています。

  ファミリアはのちにフォード傘下でフォーカスの原型となるので、4大Cセグ車ことカローラ、シビック、ゴルフ、フォーカス(累計販売順)の中ではVWゴルフは最後発といってもいいくらいなんですけどね・・・。この4台の中でシビックだけがデビュー当時にはブランドのフラッグシップを務めることを課せられ、ホンダの技術が詰め込まれたハイテクなクルマでした。さらに1970年代のホンダは世界が認める偉大な「ライジングサン」で、北米のマスキー法を1972年に世界で初めて突破!!1973年にはマツダも少々ズルをして突破。しかし多数派である北米ビッグ3がクリアできずにマスキー法そのものの実施が延期され、ホンダの名前が世界に轟きました。

  そんなイケイケのホンダがカローラもファミリアも(サニーもベレットも)なぎ倒してやる!!とばかりにハイスペックに仕上げたのが初代シビックです。もっと正確に書くとホンダには「ホンダN360」というマイクロカーで大成功したのちの1969年に投入された「ホンダ1300シリーズ」というものがありました。このシリーズは同時代のポルシェ911(901B型)とまではいかないものの、もしずっと続いていたら「日本のポルシェ911」になっていたかもしれないというくらいに、ホンダの野望を表現するようなバカ高い理想を掲げたクルマでした。おそらく開発者は「打倒!プリンス・スカイライン」くらいの腹づもりはあったと思います。

  しかし「1300シリーズ」は四輪に参入したばかりのホンダにとってはハードルが高過ぎたようで、発売直後から故障が多発した上に、本田宗一郎、藤沢武夫両氏の自伝によると既存メーカーによるホンダへの嫌がらせみたいなこともあったらしいです。苦境に立たされたホンダは「1300」という大風呂敷をあっさりと畳み、スカイラインやポルシェではなく、カローラやファミリアを蹴散らす「シビック」へとその積み上げた技術を注ぎ込んで、新たなフラッグシップとしました。「4輪独立懸架」をCセグに使うというアイディアは、シビックに始まりファミリア→フォーカス→ゴルフ→カローラ(欧州向け)へと伝播して、いまではプリウスにも採用されるくらいの定番スペックになりました。あれ!?自称「世界のベンチマーク」はどーした?(ちなみに4輪独立懸架・・・現行シビックとゴルフは使ってなかったりします)

  本来は日本の自動車産業の「象徴」と言ってもいいくらいの「シビック」シリーズなんですけども、いざ国内市場に舞い戻って来るとなると、トヨタにとってもそしてVWにとっても、なにかと「不都合な点」が出て来るクルマでもあります(巨大メーカーに風穴を開けるのがホンダ)。そしてかつて煮え湯を飲まされたマツダにとってもファミリアの時代からの天敵・・・。今ではマツダとともに日本車Cセグの重要な担い手となったスバルにとっても、日本が世界に誇るスポーツカーとして国内ユーザーの支持を受けてきた「スバルWRX」の強烈なライバルとなるシビックtypeRの完全復活は寝耳に水・・・いくらランエボが消えた穴を埋めるとしても、下手すると国内市場で共倒れということもありそうです。

  K沢M宏氏を始めとして、カーメディアは長年ホンダの活躍を「封印」してきました。VTEC搭載エンジンが海外ではBMW、アルファロメオ、アウディといったエンジン屋よりも速いピストンスピードを実現し、偉大なるエンジンのカリスマとして君臨してきた事実を全く無視してきました。北米シビックに配備されている1.5L直3ターボで178psを捻り出し、BMWの2Lターボとほぼ同等のスペックを誇るホンダの次世代ターボが日本に入ってきたら・・・誰もが絶賛してきたBMWの虚構が音を立てて崩れ落ちるかもしれません(いやもうすでにバレてるって!!)。

  日本のクルマ好きならば、ポルシェ911やスカイラインと同じように半世紀近い年月を世界のトップランナーとして歩んできた歴代シビックが見せた「世界の頂点」がどんな技術であったのかを大いに語り、さらなるホンダのチャレンジを讃えつつも、おそらくこのクルマの存在をも「黙殺」するであろう、あるいはネガキャンすらするであろう、クソなカーメディアを徹底的にウェブ空間で吊るし上げる準備をして待ちましょう!!いろいろな意味で今後が楽しみだなー!!


2017年2月18日土曜日

マツダなら「バカ」から入ろう!!

  前々回、前回に引き続き「マツダ批判」です。最近リコールが多いですね。先代モデルからも現行モデルからも・・・エアバックか!?と思いきや現行では違うところから発生しているようです。スカイアクティブ以降のモデルは予定を早めて発売しているものが多く、検証する時間が十分にとれなかったのかもしれません。そのリスクを承知で勝負したのはマツダであり、リコール出たら出たで誠実に対応すればいいわけですが・・・。

  マツダ首脳部にとって今の状況は想定の範囲内なのでしょうか?①2012年からの経営再建&巻き返しが思いの他に上手くいったこと。②某欧州メーカーによるディーゼル疑獄事件以降は国内販売が低迷したこと。③CX5を皮切りにスカイアクティブ第二弾のスケジュールは予定通りなのか? ・・・とはいっても最初からスカイアクティブは計画通りのスケジュールではないですけども。トヨタとの包括的な技術提携と、稼働し始めたメキシコ工場で北米トヨタのOEM車を作る仕事を貰ったものの、新大統領の方針に戦々恐々ではあると思います。

  「マツダは3%のユーザーを相手にすればいい!!」と宣言しておいて、北米シェアトップを争うトヨタにクルマを納入するんですかい!?フォードから離れて10年近くが経ちますが、荒海に小舟(失礼)で乗り出すもやはり「寄らば大樹」!?なんだかトヨタとの提携に有利なディーゼルやらSUVやらプレミアム化やら割と大資本向きな開発が目立ちます。トヨタ、ルノー日産、GM、ヒュンダイ・キア、VW、フィアット、PSA、フォード、ホンダの9大グループが凌ぎを削るど真ん中に13位くらいのマツダが乗り出す意義って何ですか?マトモなコトは北米にプレミアムブランドを構えるくらいの巨大グループに任せておけばいいんじゃないの?

  ちょっと「アレ」なコト言います・・・
「もしマツダがロードスターだけを発売するメーカーなったら?」 

  コイツ何もわかってねーな!!で結構ですけども、これって案外「アリ」なんじゃないかと思います。「MAZDA FANBOOK」の第一号にもありましたが、マツダ内部では、ロードスターの開発担当主査というのは、他の車種とは完全に別格の存在みたいです。この役職だけは「心・技・体」に優れた逸材を後継に指名して、代々受け継ぐものらしいです。それだけの「重み」があれば、やはり下手な仕事はできないようで、NDロードスターの1.5Lエンジンのチューンや、リトラクタブルハードトップ機構のデザインなど、見るべきものが多いですね〜。

  もういっそのことロードスター用に開発されたFRシャシーだけを使ってブランドを構築したらどうですかね。プライド持って作れるクルマだけを売ったらいいんじゃないの!?せっかく年間40万台も売れるようになったCX5はあっさり放棄するのか?うーん。

  一つ言えるのは「SUV屋」という商売がこれからもずっと続くとは思えないということです。もし「SUV屋」が可能ならば、すでに「ミニバン屋」という業態のやや特殊なメーカーが1つくらいあってもいいはずです。他のメーカーよりもミニバンについて研究して世界最良のミニバンを企画するメーカーはなんで無いのか!?結局のところは自動車メーカーは単細胞の男の集まりで、「カッコいいクルマを作る」というスタンスを崩さないからなのかな。

  誰もが思うことですが、「カッコいいクルマの中のさらにカッコいいクルマを作ろう」という意識に溢れたメーカーがマツダだと思います。世界広しといえども、廉価な量産車を「20世紀の名デザイン・ベスト20(英国雑誌選定)」に押し込んでくるブランドはマツダだけでしたから(もちろんFD3Sです)。

  近作のマツダ車ではロードスターだけは別次元の納得の出来映えです!!スポーツカーなんて「エゴと個性の塊」ですから当たり前といったらそれまでなんですけど、マツダのファンを「やっぱりマツダは素晴らしい!!」と唸らせるという意味でもロードスターの存在意義はデカいわけです。これがトヨタの場合はV6エンジンと静粛性にファンは感動しているわけです。トヨタに寄せて3代目アテンザを仕上げてみたら何か起こったか?・・・どうでしょう。もしアテンザがFRに生まれ変わったら(回帰したら)!?

  マツダにとっては、やはり「スポーツカー屋」が一番似合う。SUVを作っても無駄とは言いませんが、やはりポルシェのようにスポーツカーに主軸を置いて、そのブランドが手掛けるSUVやセダンですよ!!っていう商品力を高める手法がマツダには合っていると思います。これが「ミニバン屋」や「SUV屋」となってしまうと、なかなか「マツダらしさ」を見せ付ける部分が少なくなります。・・・じゃあプレマシーはどーなんだ!!おっと。

  ロードスターのシャシーでプレマシーを作ったらいいじゃん!!・・・はあ!?何をバカなコト言ってんの!?いやいやもはや現行プレマシーが既にバカに片足を突っ込んでいた(=ユニーク)モデルだったのでは?そもそも「走りのミニバン」っていう愚直なコンセプトは誰得なの!? 結局のところは同クラスのミニバンの中で最も廉価な設定をしつつも、ミニバンの常識を越えたハンドリングを備えてスポーティなキャラクターを印象づけた効果で、多くのユーザーが選んだ理由を「安いから!!」ではなく「スポーティだから!!」と説明できた!!っていうところがこのクルマのミソだったと思うのですよ。

  しかしその後にもっと低価格な3列シート車であるプチバン(シエンタ、フリード、ソリオ)が出て来てしまって、この作戦は成立しなくなりプレマシーはあれよあれよという間に市場から消えていきました・・・。スポーティという購入理由を掲げていたユーザー達はどこへ消えたのか!?もしかしてG'sのヴォクシーを買っているのか!?それともBMW2erグランツアラーへと流れたのか!?

  残念ながらプレマシーの後継車はSUVになるそうですが、なんだかなー・・・やっぱり「バカ」やってくれるマツダが見たいなー。バブルの頃にはマツダがフルサイズセダン(センティア)やフルサイズクーペ(コスモ)を作っていたわけですけども、そのことを若い世代のクルマ好きはもう知らないみたいです。BMW大好きな20代の子に「E38の7erは、ホンダ(レジェンド)とマツダ(センティア)のパクリだぜ!!」って言ったら全く信じてもらえなかった!!

  マツダ全車にロードスターの設計を使うべきか?はともかく、FF横置きがメインで成功しているプレミアムブランドなんてあったけ?・・・果たして第一号はボルボになるのかマツダになるのか。BMWやメルセデスのように廉価モデルだけFF横置きで済ますというならわかりますけども・・・