日本のモータージャーナリストは偉い。発売の1年前くらいから「ゴルフ、ゴルフ、ゴルフ」と大合唱を続け、それは大きなうねりとなって日本市場を駆け抜けた。ゴルフをめぐる一連の騒ぎを、何かに例えるなら「ボジョレーヌーボー」みたいなものかもしれない。まだ熟成が足りずにワインとしての価値なんて二足三文の「ボジョレーヌーボー」が日本ではフルボトルで2000円とか平気でする・・・。せいぜい500~600円が相場だろうに。昔になにも知らずに期待して飲んだら、何の感動もなかった。メルシャンの300円のワインと何も変わらない。
ゴルフもまた、VWが今ある技術をシンプルに使って、比較的あっさりとした実用車だ。良く回るエンジンが楽しめるわけでもなく、ハンドリングが冴え渡るでもなく、特筆すべき点は特にはない。それがこのクルマの魅力だ!と自信を持って言える人ならいいのだけど、このクルマを買っている多くの人はひょっとして「ボジョレー」に陥っているのではという気がする。やたらと勧めてくる評論家達は「そんなワイン」は絶対に飲まないのだけど・・・。
ただこれらの評論家の存在が、マツダやスバルを熱くさせているのも事実のようだ。この2社は中型車中心のラインナップということもあり、この「ボジョレー」ことゴルフにおめおめ負けるクルマは作れないという宿命にある。よってゴルフを目一杯分析して、確実にその上を行くクルマを仕上げるようになっている。輸入車のCセグメントの中でなんだかんだで最も高い水準にあるのはゴルフだ。それ以外のCセグ輸入車はまだまだ「めちゃマズのワイン」に過ぎない。
そもそもCセグメントに「プレミアムカー」(高級車)なんて概念が付加されたのはここ数年のこと。それまではひたすらに生産効率のみを追求した「大衆車」しか存在しなかった。このセグメントで最も品質に優れていてグローバルで歴代にもっとも売れたクルマは、ゴルフではなくカローラ。他のクルマは全てカローラよりも低品質というのが常識だった。
しかしスズキを始めとした日本メーカーが欧州でさらに小型のBセグメントのツーリングカーを売るようになると、欧州各社もこれに追従し、M&Aでスズキの技術がGM(オペル)やVWに流出することで、Cセグの「大衆車」としての立ち位置がやや変わり始める。欧州各地でA/Bセグ車が多く売れるようになると、一回り大きいCセグにやや「高級」なイメージが付くようになります。日本でも同じように「インプレッサ」や「アクセラ」がかつての「カローラ」や「シビック」よりもいくらか堂々としているように見えますよね。
そして俄に巻き起こっているのが、ボジョレーならぬ「ゴルフ」騒動だ。まだまだCセグメントは大衆車時代の設計から大きく切り替わっていないので、本格的な高級化はまだまだ先が見えてこない。メルセデスやBMWのCセグなどは、全くと言っていいほどにメーカーのやる気が伝わってこない残念すぎるクルマとして売られている。日本の主力Cセグを一堂に会してマツダやスバルは試乗研修をやっているが、それを受けた人に聞くとゴルフ、インプレッサ、アクセラ以外はハッキリと解るレベルでクルマが悪いらしい。
アクセラHVは内装・外装・クルマの乗り味どれを取ってもレクサスCTを上回ってしまっているようだが、レクサスは最底辺グレードのクルマのことなどいちいち気にしていない。ゴルフ、インプレッサ、アクセラの3台だけがまともであとはメチャクチャヒドい。これがひとクラス上のDセグになるとまったく事情が変わる。もちろんDセグにしたってメルセデス190やBMW3が出来た頃はヒドいものだったそうだが・・・。あと10年もしたらCセグも現在のDセグくらい各社から納得のモデルが出揃うのかもしれない。とりあえず現段階ではVW、スバル、マツダの3つどもえの争いがこのクラスを発展させてくれるだろうけど。
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日本車の良さをなかなか報じてくれないメディアにいらいらしてます・・・。これからも日本メーカーに素晴らしいクルマを作ってもらいたいので、率直な想いを発信してます。
2014年3月19日水曜日
2014年3月12日水曜日
レヴォーグは何が秀でているのか?
どの雑誌を見ても「レヴォーグ!レヴォーグ!レヴォーグ!」なんですけど、評論家の皆様の歯切れが悪い・・・。あくまでも憶測ですけど、スバルのあの店長のゴキゲンも良くない。結構売りにくいクルマみたいですね。まだスバルのオンライン見積もりにすら登場していないので、実際にどれくらいの価格になるか検討も付かないですが、もし買うとするならば「2.0GT-Sアイサイト」の一択なんでしょうけど本体で356万4000円。単純にWRX STI「A-line」で本体315万円ですから、ワゴンボディにこだわらない人にはちょっと手が出しづらい。
レヴォーグはFA20DITという「スクエア」ターボに対してA-lineはひと昔前のEJ25DITで「ショートストローク」ターボ。これは好みの問題なのかもしれないけど40万円の価格差とは無関係の要素に思う。どちらもスバル得意のビルシュタインダンパー。アイサイトの関係でブレンボ製ブレーキが付けられないレヴォーグに対し、A-lineはオプションで装着も可能。まあこれだけ見ると、私のような一般人がスバル車で想像する限りでは、レヴォーグという選択は否定的になってしまいます。
最大のポイントは「アイサイト」などの安全装備と「全車速追従クルコン」といった快適装備なんでしょうが、確かに高速道路移動でのクルコンはもはや欠かすことの出来ない必須機能ですが、A-lineに付いてる旧型のクルコンでも十分に快適なので「全車速追従」まで絶対に必要かと言われれば微妙です。ボディ形状とアイサイトの違いだけで40万円をどう見るか?明らかにクルマの進化の方向性が高齢者へと向かっている気もします。
おそらく売る側の人も買う側の人もどこか釈然としない気持ちを抱えながら商談しているんじゃないですかね。従来のスバルのラインナップはそのほとんどが、価格面でも性能面でも市場での競争力が非常に高く、現行のインプレッサもレガシィも改めて考えるとお買い得なクルマです。モデル末期に近づいていよいよ本領発揮してきたレガシィとFMCからもうだいぶ経ってもベスト10入りを果たすインプレッサも、他社と比べて確実に優位に立つクルマです。スバルは車種を絞って生産するメーカーですが、どのモデルも捨てグレードすら造らないという戦略が徹底されています。
そんなブランドに突如気まぐれのように登場した中間的モデルのレヴォーグは、スバル車らしさがやや希薄なのかなと思います。開発の意図は、現行WRXの不振を受けて設定したATモデルのA-lineをさらに実用性の高いボディへとコンセプトを拡大する狙いからなんでしょうが、そこでスバルがWRX STIの尊厳を守るために敢えて新しい車名を付けて、ブランドの求心力を保とうとした取り繕う姿勢にやや問題がある気がします。
A-lineをさらに拡大するという戦略をアウディRS4アヴァントのような堂々とした姿勢でやれば良いのに、自らの戦略に懐疑的なスバルの偏屈な判断だけが、このレヴォーグというクルマには浮かんでしまいます。そしてA-lineの延長線上にあるならば315万円という価格を前提にすべきなのに、使途不明金のように水増しされた代金には、ドイツ車よりもずっと安い価格なのは十分承知の上でも不信感が残ります。
今年さらにWRX STIの発売が控えていますが、新しいA-lineは一体いくらに設定されるのか?そして1.6LのFB16DITによるWRXも登場するのか?といろいろ興味深い点が多いです。そして何よりホンダやマツダが欧州市場を意識した内装のブラッシュアップに励む中で、スバルはこの流れに反発するかのように、質実剛健をコンセプトとした一見地味な内装にこだわっています。この姿勢も今後の動向の中でどう貫かれるのでしょうか?スバルの戦略の行方を見守りたいと思います。
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レヴォーグはFA20DITという「スクエア」ターボに対してA-lineはひと昔前のEJ25DITで「ショートストローク」ターボ。これは好みの問題なのかもしれないけど40万円の価格差とは無関係の要素に思う。どちらもスバル得意のビルシュタインダンパー。アイサイトの関係でブレンボ製ブレーキが付けられないレヴォーグに対し、A-lineはオプションで装着も可能。まあこれだけ見ると、私のような一般人がスバル車で想像する限りでは、レヴォーグという選択は否定的になってしまいます。
最大のポイントは「アイサイト」などの安全装備と「全車速追従クルコン」といった快適装備なんでしょうが、確かに高速道路移動でのクルコンはもはや欠かすことの出来ない必須機能ですが、A-lineに付いてる旧型のクルコンでも十分に快適なので「全車速追従」まで絶対に必要かと言われれば微妙です。ボディ形状とアイサイトの違いだけで40万円をどう見るか?明らかにクルマの進化の方向性が高齢者へと向かっている気もします。
おそらく売る側の人も買う側の人もどこか釈然としない気持ちを抱えながら商談しているんじゃないですかね。従来のスバルのラインナップはそのほとんどが、価格面でも性能面でも市場での競争力が非常に高く、現行のインプレッサもレガシィも改めて考えるとお買い得なクルマです。モデル末期に近づいていよいよ本領発揮してきたレガシィとFMCからもうだいぶ経ってもベスト10入りを果たすインプレッサも、他社と比べて確実に優位に立つクルマです。スバルは車種を絞って生産するメーカーですが、どのモデルも捨てグレードすら造らないという戦略が徹底されています。
そんなブランドに突如気まぐれのように登場した中間的モデルのレヴォーグは、スバル車らしさがやや希薄なのかなと思います。開発の意図は、現行WRXの不振を受けて設定したATモデルのA-lineをさらに実用性の高いボディへとコンセプトを拡大する狙いからなんでしょうが、そこでスバルがWRX STIの尊厳を守るために敢えて新しい車名を付けて、ブランドの求心力を保とうとした取り繕う姿勢にやや問題がある気がします。
A-lineをさらに拡大するという戦略をアウディRS4アヴァントのような堂々とした姿勢でやれば良いのに、自らの戦略に懐疑的なスバルの偏屈な判断だけが、このレヴォーグというクルマには浮かんでしまいます。そしてA-lineの延長線上にあるならば315万円という価格を前提にすべきなのに、使途不明金のように水増しされた代金には、ドイツ車よりもずっと安い価格なのは十分承知の上でも不信感が残ります。
今年さらにWRX STIの発売が控えていますが、新しいA-lineは一体いくらに設定されるのか?そして1.6LのFB16DITによるWRXも登場するのか?といろいろ興味深い点が多いです。そして何よりホンダやマツダが欧州市場を意識した内装のブラッシュアップに励む中で、スバルはこの流れに反発するかのように、質実剛健をコンセプトとした一見地味な内装にこだわっています。この姿勢も今後の動向の中でどう貫かれるのでしょうか?スバルの戦略の行方を見守りたいと思います。
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2014年3月5日水曜日
新型プリウスはVWの陰謀を打ち砕くことができるのか?
自動車雑誌の記事なんてデタラメだらけ。そんなことはよくわかっているのだけど、2/26発売の某雑誌の記事を見て「あらまー」とぶったまげてしまった。井元康一郎というライターが「日本市場にもダウンサイジング過給の時代が!」という記事を書いていた。そんなわけないだろとか思いつつもとりあえず読んだ。なんだかいろいろ嘘くさい部分がありつつもそこまでメチャクチャではなかった。けど根本的に記事のスタート地点が間違っているように思った。
そもそも日本車の主流であるHVが自然吸気(NA)より効率的であることは、中学生でも理解できる話だけども、欧州に多いターボが同様に確実に効率的であるなんて専門家でも実証できない。日本車に多いCVTはエンジンの熱効率が一番良いところに自動的に回転数を合わせる機能が内蔵されている。よって同じエンジンをいくら過給したところで、これを超える効率を生み出すことは簡単ではないはずだ。「常識」という言葉は好きではないが、ある程度の「前提」と思われていたことがまるで逆のものとして語るのが、日本の腐ったモータージャーナリスト達だ。
地球上の大気が2気圧だったらエンジンの効率が上がるのは事実だが、1気圧の世界の中にエネルギーを使って無理矢理2気圧の空間を作って、それで従来よりも効率の良いものが造れるという説明を意図的にするジャーナリストやディーラーがいるようだ。しかし現状のターボエンジンはそういう理想的な環境で駆動してはおらず、最大トルクを低回転で発生するようにしているに過ぎない。そしてここが肝だけども、低回転で最大トルクを発生する状況は、実は一般的なエンジンの熱効率における理想的な場所とはかなりのズレがあるのだ。よってこれらの機構が燃費にとって好影響はもたらさない。
VWゴルフの1.4Lターボの実測燃費は相当に良好だ。しかし良好すぎて1.2Lターボを超えてしまっていることが、ターボエンジンへの懐疑を逆に増幅させてくれる。なぜ逆転現象が起きてしまったのか?それは1.4Lターボに新たに追加された気筒休止システムの恩恵が大きいからだ。つまり1.4Lターボのゴルフはトヨタ・プリウスに対抗する為の非常手段として、日本の軽自動車並みの0.7Lターボで航続することで燃費を無理矢理伸ばしている。
ちなみにVWの1.2Lターボについてはその構造に疑問がある。このエンジンは欧州車らしく4気筒を保持したままダウンサイジングされている。1気筒あたりの理想的な排気量は400~600ccと言われているので、4気筒に固執するならば1.6Lターボこそが正しい判断だと言える。4気筒で1.2Lターボというのは、シリンダーを極限まで小さくすることで、ターボラグを減らす効果が見込めるのは確かだが、過給による効果も限定的になってしまう。
日本車に比べ車重のかさむ欧州車は、1.6LのNAを積む日本車と同等の性能を発揮するために1.6Lターボという選択はあり得ると思う。しかしそれでも現実問題として、欧州の1.6Lターボが日本の2.0LのNA+CVTを組み合わせたユニットに燃費面で優勢になるという認識はとうていできない。そして2.0LのNA+トルコンATを積んだ日本車よりもエンジンそのもののおかげで運転が楽しくなるということはない。
この井元というライターは何を血迷ったか、今後は「ターボ後進国」日本でもどんどん普及していくだろうという意味不明な所見を述べている。果たして本気でこんなポンコツターボが日本のHVを押しのけて普及するとでも思っているのか? そもそも日本は「ターボ後進国」ではない。ターボチャージャーの世界シェアは80%が三菱とIHIのものだし、スーパーチャージャーに関しても日系部品メーカーの独壇場だ。ジャガーだって日本製を使っている。
もし彼の主張が正しいとしたら、日本のユーザーのほとんどがひと昔前まで悪評があったトヨタTHSⅡのプリウスの乗り味を完全にボイコットするならという条件付きだ。しかし日本市場で販売上位を占める車種は軽自動車ではなくHV車ばかりなのだ。輸入車ユーザーはこの状況を揶揄するようだが、VWゴルフも中期的なビジョンとしてPHVでの展開を第一に考えていると発表している。プリウスの乗り味と高速燃費に閉口したと言われる欧州市場もHVの研究が進み、乗り味や高速燃費の改善は容易だと判断したわけだ。
さてこの井元さんのようなジャーナリストを黙らせるのが、今年の末に発売が噂される新型プリウスの役目だ。燃費を追求するクルマとしてアクアとカローラを下のグレードに持つようになって、プリウスへの要求は大きく変わりつつある。より高級感ある内外装と乗り味の両面をトヨタは発表のギリギリまで追求するのだろう。レクサスCTやアクセラHVの実績ですでにTHSⅡの乗り味は相当まで改良が可能だということは証明されている。あとは革新的と言わせるだけの新デザインか?
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そもそも日本車の主流であるHVが自然吸気(NA)より効率的であることは、中学生でも理解できる話だけども、欧州に多いターボが同様に確実に効率的であるなんて専門家でも実証できない。日本車に多いCVTはエンジンの熱効率が一番良いところに自動的に回転数を合わせる機能が内蔵されている。よって同じエンジンをいくら過給したところで、これを超える効率を生み出すことは簡単ではないはずだ。「常識」という言葉は好きではないが、ある程度の「前提」と思われていたことがまるで逆のものとして語るのが、日本の腐ったモータージャーナリスト達だ。
地球上の大気が2気圧だったらエンジンの効率が上がるのは事実だが、1気圧の世界の中にエネルギーを使って無理矢理2気圧の空間を作って、それで従来よりも効率の良いものが造れるという説明を意図的にするジャーナリストやディーラーがいるようだ。しかし現状のターボエンジンはそういう理想的な環境で駆動してはおらず、最大トルクを低回転で発生するようにしているに過ぎない。そしてここが肝だけども、低回転で最大トルクを発生する状況は、実は一般的なエンジンの熱効率における理想的な場所とはかなりのズレがあるのだ。よってこれらの機構が燃費にとって好影響はもたらさない。
VWゴルフの1.4Lターボの実測燃費は相当に良好だ。しかし良好すぎて1.2Lターボを超えてしまっていることが、ターボエンジンへの懐疑を逆に増幅させてくれる。なぜ逆転現象が起きてしまったのか?それは1.4Lターボに新たに追加された気筒休止システムの恩恵が大きいからだ。つまり1.4Lターボのゴルフはトヨタ・プリウスに対抗する為の非常手段として、日本の軽自動車並みの0.7Lターボで航続することで燃費を無理矢理伸ばしている。
ちなみにVWの1.2Lターボについてはその構造に疑問がある。このエンジンは欧州車らしく4気筒を保持したままダウンサイジングされている。1気筒あたりの理想的な排気量は400~600ccと言われているので、4気筒に固執するならば1.6Lターボこそが正しい判断だと言える。4気筒で1.2Lターボというのは、シリンダーを極限まで小さくすることで、ターボラグを減らす効果が見込めるのは確かだが、過給による効果も限定的になってしまう。
日本車に比べ車重のかさむ欧州車は、1.6LのNAを積む日本車と同等の性能を発揮するために1.6Lターボという選択はあり得ると思う。しかしそれでも現実問題として、欧州の1.6Lターボが日本の2.0LのNA+CVTを組み合わせたユニットに燃費面で優勢になるという認識はとうていできない。そして2.0LのNA+トルコンATを積んだ日本車よりもエンジンそのもののおかげで運転が楽しくなるということはない。
この井元というライターは何を血迷ったか、今後は「ターボ後進国」日本でもどんどん普及していくだろうという意味不明な所見を述べている。果たして本気でこんなポンコツターボが日本のHVを押しのけて普及するとでも思っているのか? そもそも日本は「ターボ後進国」ではない。ターボチャージャーの世界シェアは80%が三菱とIHIのものだし、スーパーチャージャーに関しても日系部品メーカーの独壇場だ。ジャガーだって日本製を使っている。
もし彼の主張が正しいとしたら、日本のユーザーのほとんどがひと昔前まで悪評があったトヨタTHSⅡのプリウスの乗り味を完全にボイコットするならという条件付きだ。しかし日本市場で販売上位を占める車種は軽自動車ではなくHV車ばかりなのだ。輸入車ユーザーはこの状況を揶揄するようだが、VWゴルフも中期的なビジョンとしてPHVでの展開を第一に考えていると発表している。プリウスの乗り味と高速燃費に閉口したと言われる欧州市場もHVの研究が進み、乗り味や高速燃費の改善は容易だと判断したわけだ。
さてこの井元さんのようなジャーナリストを黙らせるのが、今年の末に発売が噂される新型プリウスの役目だ。燃費を追求するクルマとしてアクアとカローラを下のグレードに持つようになって、プリウスへの要求は大きく変わりつつある。より高級感ある内外装と乗り味の両面をトヨタは発表のギリギリまで追求するのだろう。レクサスCTやアクセラHVの実績ですでにTHSⅡの乗り味は相当まで改良が可能だということは証明されている。あとは革新的と言わせるだけの新デザインか?
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