2015年10月11日日曜日

カローラアクシオ・5MT という選択もいいかも!

  「86」と「アルファード」くらいに別々のベクトルならば「クルマの価値の多様化」で片付く話なんですけども、トヨタの「ミライ」と「アクア」はどっちがエコなんだろうか?なんて考えたところで素人レベルでは皆目見当もつかないです・・・、それでも待ったなし!で自動車産業は日々進化を遂げています。バブルの頃とは大きく違ってクルマの優劣に結論を出す事がとっても難しいわけですが、完全にお手上げになってしまったらもうメーカーの言いなりなので、やはりこんな時代でも「クルマの価値」をどんどん定義していく必要はあるのかな?と感じています。・・・ある人は軽自動車が一番経済的だと言うし、またある人は「命のコスト」を考えたら軽自動車は究極の割高だ!と言っている世の中ですから。

  人気のある最新鋭のクルマを選んでおけば、とりあえず間違いないのか?というと決してそうでも無いようで、なんだか良くわからないけど、日本の道路を走るのにランフラットタイヤが装着されていて、スペアタイヤも修理キットも無いから、そのままではスタッドレスが選べません!なんて意味不明で怪しげな高級車がドイツメーカーだけでなく、日本メーカーからも発売されている始末です。高級セダンは足回りに余計と感じる運転補助機能があれこれ付いてきて、なんだかかったるい(すっきりしない)乗り味、エンジニアリングを共有する高級スペシャリティカーも高級スポーツカーもなんだか良くわからないクルマに・・・。そりゃ500psも出してしまえばまともに前に走れなくなるからいろいろ「制御」が必要なんでしょうけど。

  高級セダン、ラグジュアリークーペ、スーパースポーツ、クルマの金額だけ聞くとビックリしますけど、いざ乗ってみると興奮は次第に冷めていって、クルマ自体はどれもこれもなんだか退屈・・・。こんなクルマに1000万円以上も費やす人々は、さすがにだいぶ減ってきたようですけど。クルマはとりあえず目的に合わせて選んでおけばいいのでは・・・。1000万円以上するクルマを購入するくらいなら、用途の異なる気に入った2台を所有したほうがきっと楽しいはず。

  最近、ちょっとした朗報があって、クルマをつまらなくしている「元凶」だったのではないかと思っていた世界最大手のサプライヤー・ボッシュが、VWとの仕事に置いて取り返しのつかない大失態を組織ぐるみでやっていたことが明らかになりました。このサプライヤーが傘下に世界中の部品メーカーを収めて、巨大なサプライヤー・コンツェルンを形成し始めた当初から、ドイツ車を中心のクルマのレベルがどんどん下がっていたので、これは怪しいなと感じていたのですが、やはり不正にまで手を染めてしまいました。

  サプライヤーに限った話ではもちろんないですが、企業グループがコンツェルン化することの弊害は歴史が証明してきましたし、大手商社が製造業の再編などに手を染めたところでろくな結果が出ないことは多いです。大きなシェアを獲得して独占状態になった瞬間に、利益率を高める経営原理が働きその部品の精度は著しく落ちます。まあライバルがいない売り手市場ですし、これ以上高い研究費を払ってまで高機能なパーツを作る必要もなく、ライバルが出現したら営業力とダンピングを駆使して潰せばいい話。たとえばコンツェルンではありませんが、日本のタカタはエアバックの部品で独占的な地位にあったサプライヤーで、外部が勝手なことを言うのもなんですが起こるべくして「事」が起こっています。

  ボッシュ・グループとその大口の取引先になるドイツメーカーの製品だけの問題ではなく、同じような状況下に置かれているのがボッシュと対峙する関係になっている、トヨタグループ系列部品メーカーのデンソーやアイシン精機で、これらはすでに単体でマツダやスバル、パナソニックやソニーをも上回る3兆円規模の売り上げ規模を誇っています。それら巨大化したサプライヤーが生み出す部品で組み上げられるトヨタ車は一体どうなんだ?と言われたら、たしかに「コンツェルン車」らしい要素が満載な感は否めません。どの車種でも選択の幅がほとんどなくCVTばかりが無条件で押し付けられるミッションなど、不満な要素はいろいろあります。

  ちょっと前まではトヨタのラインナップは国内専売モデルばかりだったので、日本メーカーの伝統である「車種ごとの作り込み」の精度は非常に高く、いろいろとその市場の顧客ニーズに合わせた仕様が存在したのですが、最近ではアジア市場との併売モデルがやたらと増えてきて、やれターボだとか、AWDは省略だとかいった「作り手市場」の新型車が多いです。全国ネットのCMで堂々と宣伝されていても雪国の人の利便性が考慮されておらずに現実味がない新型モデル(それでも売れる!)への不満もあちこちで聞かれます。

  それでも国内最大手のトヨタですから、伝統の「カローラ」シリーズにはAWDもあればMTもしっかりとあります!・・・あれAWD&MTは無いのか!どうやら資本関係にあるスバルのインプレッサに用意がある「雪国スペシャル」のAWD&MTと市場を分け合うというグループ内の取り決めがあるようです。スバルとの協業が進められるようになった途端に、カローラの国内モデルはインプレッサと同等の車格からダウンサイジングされたことを考えると、現行のカローラが日本市場向け戦略車として重要なポジションにいることが分ります。

  現行カローラはトヨタのCセグ向けプラットフォームから、ヴィッツと共通のシャシーに変更されたため、発売当初はかなり批判的な意見が多かったのも事実です。これまでの熟成が進んでいて、いかにもトヨタらしい快適な乗り味がかなり薄れ、レンタカーのヴィッツのようなガサガサした乗り味になってしまい、それに失望したカローラファンもかなりいたのではないでしょうか。けれどもその辛辣な評価の裏にはカローラという重すぎる車名を引き継いでしまったことによる不幸も多分にあったと思います。

  トヨタの狙いはBセグでのグローバル制覇を狙うホンダ・フィットの快進撃を日本市場で潰すために、ヴィッツ、アクア以外にも多くの「選択肢」を投入することで「フィット包囲網」を張る作戦?だと思われます。ホンダ勢も効果的にフィット派生モデルを増やしていて、ヴェゼル、グレイス、シャトル、CR-Zという鉄壁の布陣はトヨタのヴィッツ派生車よりもそれぞれのキャラが立っていてトヨタに立ち向かうホンダの気迫を存分に感じられます。トヨタ陣営は、信頼性の高さとHVユニットの効率の良さと何より営業力で主導権を握っていますが、こだわって指名買いをするとなるとヴィッツやカローラにしてみようという要素が少ないのですが、ヴィッツ、アクシオ、フィールダーに何気なく設定されている5MTは、希少となっているマニュアルがリーズナブルな価格で選べるという長所もあります。

  アクシオの5MTの場合、車重は1050kgだそうで、109psの1.5Lの自然吸気(レギュラ対応)で引っ張ることを考えると、VWのゴルフやポロの売れ線グレードなどよりもよっぽど軽快に走れます。10月22日に全国のマツダで発売開始になるデミオの競技用車両「15MB」が車重1000kgで116ps自然吸気(ハイオク指定)なので、アクシオ5MTのポテンシャルの高さはなかなかのものがあります。本体価格はデミオ15MBもアクシオ5MTどちらも150万円程度なので、クルマ好きの若者に向けたスイフトスポーツ(136ps)が170万円、フィットRS(132ps)が190万円もいいですが、よりコスパに優れた選択肢になりそうです。

  ガサガサの乗り味・・・は運転の楽しさの代償と考えましょう。もちろんMT車ですから長距離に使うクルマではないですし、高速道路を巡航をしない!と割り切ってしまえば、Bセグでもそれほど安全面を気にすることもないです。5ナンバーで1500mmを越える車高となると、横風の影響は無視できなくなりますし、1.5L前後のエンジンで高速巡航すると高回転になって風切り音と相まって騒々しいですし、長く運転していると耳がおかしくなります。高回転域を使って巡航するエンジンにもかなりの負荷がかかりますから、高速道路を走るなら3ナンバーの中型車でターボの有無に関わらず1.8L以上を選んでおきたいです。

  都心に住んでいると箱根や碓氷峠に繰り出すにも高速を使わなきゃいけないので、なかなか選べないとは思いますが、クルマで20~30分走れば信号がほとんどなくなるドライブロードに到達できる辺りの郊外地区ならば、買い物もドライブ趣味もアクシオ5MTで楽しめます。トヨタ純正オプションともいえる、TRDのフロントスポイラー(塗装済み43000円)を装着すれば、アクシオでも立派なこだわりのクルマに見えますし、休日の量販店の屋上駐車場に颯爽と現れれば、レヴォーグやらエクスワイアやらCX5やらで賑わう中でもしっかりと存在感が示せます。趣味全開のエクステリアにカスタマイズしたアクシオをゴルフの隣りに停めて「日本人ならカローラだろ・・・」と心の中で呟いてみたいですね。

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2015年9月26日土曜日

日産シルフィ にスペシャルグレードが登場してますよ〜!

  「シルフィってどんなクルマ?」・・・正直いってこれが本音ですよね。プリウスもアクセラもインプレッサも知ってるけどシルフィは・・・完全に「幻のクルマ」です。街中で見かけた日はハッピーで、「おお〜」・・・ちょっとテンション上がるくらいにレアな存在です。ブルーバードシルフィの後継モデルとしてCセグメント3ナンバーセダンというなかなかちょうどいいサイズで誕生したクルマですが、他メーカーのユーザーが名指しで乗り換えてくるようなクルマでもないようで、多くはセドリック/グロリア/ローレルなどからのダウンサイズ乗り換えか、プリメーラやブルーバードからの乗り換えがメインだと思われます。

  アメリカではそこそこ売れているみたいですが、日本ではプリウスの牙城が崩せないばかりか、アクセラやインプレッサよりも明らかにコスパが悪い(割高感あり!)ので、メーカーも売る気があまりないのかもしれません。ユニットは1.8L自然吸気のみで、ベースグレードの本体価格が200万円で、最上級の「G」が250万円という価格設定自体は魅力的なんですが、アクセラやインプレッサといった欧州でドイツ車に対抗してバリバリ売っているモデルと比べると中身が少々見劣りします。ルノー車と足回りが共通なので、フランス車が良く使う「トーションビーム」という簡易型のサスペンションがリアに使われているのがクルマ好きからウケない理由となっています。フランス車のドンガラ感が好きな人には特に気にならないでしょうけど・・・。

  ワインディングロードで無理気味に走ったり、箱根や奥多摩などの高低差がある峠でパフォーマンスを追求したりしない限りは、特に困ることもないです。なのでもっと売れていいのでは?と思うのですが、よくよく考えてみると居住性よりも車高が低めで走行安定性を重要視するユーザーが気にすることって結局はパフォーマンスですよね・・・。アメリカや中国みたいにこのタイプのクルマが当然に売れる市場ならいいですけど、日本でアクセラやインプレッサに注目するユーザーは、ハンドリングやアクセルフィールに納得して選んでいます。とりあえずアメリカでバカ売れいているカローラ(1.8L)やシビック(1.8L)をそのまま日本に持ってくれば売れるか?というと、目新しさによる初期需要こそあるかもしれないですが、構造的に人気車種にはならないでしょう。あくまで軽自動車やコンパクトカーが無いアメリカ市場だから最も手軽なクルマとして成立しています。

  日本で売れるCセグは一芸に秀でていることが必須!と言っていいと思います。トヨタ・オーリスは現行モデルの最初からその事を強く意識して設計されたようで、アルファロメオを思わせるモダンなエクステリアをアピールしつつも、特別仕様車として「シャア専用オーリス」なるモデルを発売して話題を呼びました。なんと今回さらにパワーアップして第二弾が発売されることになったことからも、自動車ファンから色モノとして見られつつも企画自体はかなり手応えがあったようです。

  日産もシルフィをなんとか日本市場に根付かせようということでしょうか、日本スペシャルとも言える特別仕様車を作ってきました。ラグジュアリー志向で新たな最上級グレードに設定されたのが「G・ルグラン」で、本体価格がおよそ270万円で本革シートと革張りのドアトリムが付いてきます。プレミアムブランドのクルマでも革張りドアトリム採用はそれほど多くないですけど、最近の日本車の内装の水準はとんでもないレベルに到達していて、ハリアーでもヴェゼルでもガンガン採用されています。最近は日本車が高くなったと言われてますが、大幅値上げされたハリアー、アテンザ、スカイラインが先代を凌ぐヒットを遂げていて、小型SUVのヴェゼルがなんと乗り出し300万円越えでも非常に良く売れてますが、内装の満足度はほんとに良く実感できます。

  日産の高級感を売りにしたコンパクトカーにジュークとノートメダリストがあります。どちらもインテリアの色調でセンスの良さを演出できていますが、コンソールにレザー素材が使われていますがトリム部までは及んでいません。メルセデスの新型Cクラスがレザートリムを大胆に取り入れてきましたが、「G・ルグラン」は日本版のCクラス?ですね。

  もう1台は「S・ツーリング」(250万円)というグレードで、インパネ全体に広がる木目調パネルを敢えて外して、代わりにサイバー調のハイセンスなパネルを使ったモデルです。先日発売されたオーリス1.2Tがインテリアをブラッシュアップしたセット価格250万円で発売されましたが、木目調パネルしか選べずに若いユーザーにはちょっとウケないのではと危惧されてました。シルフィも日本仕様は木目調パネルだけの展開だったので、これはなかなか嬉しいグレード設定と言えます。

  さらにこの「S・ツーリング」の特徴はエクステリアの専用エアロパーツです。元々が「幻のクルマ」ですから、「G'sアクア」や「ノート・ニスモ」のように個性的な存在である必要もないわけですけど(笑)。しかしこのエアロパーツはかなり効いてます!これによってなかなか冴えなかった風貌がガラリと変わってメリハリが加わっています。レア車ゆえにパーツもほとんど発売されずで、カスタムしたくてもなかなか手が出せないクルマでした。しかし4600mmを越える立派な車体ですからいろいろとパーツ映えしますし、塗装映えもするでしょう。「シルフィ・ニスモ」なんてのもあっていいかもしれません。

  ちょっと残念だなと思うのは、シートが一番下のグレードで使われる「スエード調コンビ」だけしか選べない点ですね。このシートの表面加工はさすがにちょっとダサいです。この「S・ツーリング」にレザーシートが選べて、さらにレザートリムまで追加できたなら、いよいよCクラスに迫る室内空間を持つ極上プライベートカーとして注目かもしれません。たとえ本体価格が300万円だったとしても、内容の充実ぶりを知ったならば、欲しいという人が結構出てくるのではないでしょうか? 

  さらに装備を充実させていけば、某国産メーカーのように一気に突き抜けることも可能だと思います。後席エアコンも付いてますし、さらに全席にシートヒーター、リアウインドーにサンシェードを付けて、リアシートを倒してエアマットを敷くと車中泊もできる!みたいなアピールをすれば、クルマに関心がなかった若者もふと振り向くかもしれないです。AWD仕様も作って日本中を「ツーリング」できるクルマ!ってのはどうですか?

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↓Cクラスはさすがです!日本車の内装レベルの飛躍的向上を想定していた?



  

2015年9月24日木曜日

トヨタG'sアクア わかりやすいコンセプトが一番!

  VWを代表する大ヒットシリーズで、日本でも輸入車販売台数1位に輝くゴルフから500万円を僅かに下回る価格でプラグインハイブリッドの日本発売が発表されました。確か新型パサートのプラグインハイブリッドがドイツやイギリスでは600~700万円くらいするようなので、499万円と言われるとなんだか安いのか高いのか少々判断が・・・とりあえずスカイライン350GT買えちゃいますけどね。アメリカでちょっと炎上中のVWなので、人気回復の起爆剤として大幅値下げを発表したりするかも。

  VWを励ますというほどではないですが、VWゴルフは「コンパクトカー=小型車」でありながらその本来の姿を絶えず変革しようとしてきたパイオニアでした。ハッチバック車にスポーティなイメージを与えるモダンなデザインと、高性能車用のエンジンを搭載してアウトバーンの追い越し車線を走れるモデル「GTI」を作るなどの試行が他のメーカーにも様々な影響を与えました。ゴルフは現行モデルで7代目になるのですが、6代目・7代目といった辺りから進化があまり感じられなくなったのも事実で、チャレンジ精神を失ったVWグループの中でゴルフも色褪せていきました。WCOTYを受賞したメーカーは低迷する・・・新しいことをやらないから!そんな典型的な転落例になってしまったのは皮肉です。



 
  さてネット広告にやたらと登場するのがトヨタの「アクアG's」です。昨年度(2014年度)の販売台数で日本市場のトップに立ち、有名になりすぎたので、さすがに同じコンセプトのままで売り続けるのに限界を感じたようです。もともとコンパクトカーの中では車高が低いデザインなので、ライバルのフィットや同ブランドのヴィッツよりもスポーティなルックスをしています。アクアのデビューは2011年の12月でした。今でも割とハッキリ覚えているのですが、実家を離れて一人暮らしをしていたマンションのポストに珍しく自動車広告のポスティングがありました。そのトヨタ・ネッツの広告を見て、新型ハイブリッド車が100万円台でしかもなかなかのデザイン!ということで「クルマでも買おうかな?」なんて思いが沸々と湧いてきました。

  その後にネットで検索したら、どこから見てもHV車には見えない中型セダンの「カムリHV」に興味が移りました。HVに見えないデザインなんて今では当たり前ですけど、当時は「燃費がいいのは魅力だけどデザインがな・・・」といった印象が普通で、アクアとカムリHVのデビューによって、実家を離れてからクルマを全く必要としない生活を送ってきた自分が、再びクルマへの興味をかき立てられました。来年で仕事を定年となる母親を乗せることも多いだろうと、後席が広いカムリHVにしようと思ったのですが、トヨタも予想外の大ヒットだったようで値引きが渋かったですね。その後マツダに行って、生産中止直前のGHアテンザに試乗したところ、あまりの走りの良さの前にカムリHVへの熱は冷めてしまいましたが・・・。

  やっぱりトヨタが産み落とした1台のHV専用コンパクトカー「アクア」の洗練されたコンセプトは、クルマを買う予定でなかった人を振り向かせるくらいにすっごいインパクトだったと思います。アクアに関しては特筆すべきはやはり車高を抑えたデザインです。おそらく初代ゴルフ(1974年)のデビュー時も同じようなインパクトを与えていたんじゃないでしょうか。ゴルフとアクアのそれぞれのデビュー時の状況は似ていて、オイルショックと東日本大震災というそれぞれに燃料価格の高騰が予想され小型車に注目が集まるタイミングで、当時の小型車のトレンドとは真逆のデザインを持ってくる「革新性」という意味で非常によく似ています。

  さて衝撃的なデビューから時は経ち、今度はゴルフGTIがやったような、小型車の枠(低スペック)を打ち破る性能面での革新が求められたようです。アウトバーンの国・ドイツでは200km/h超でメルセデス車と同等の巡航性能を誇るゴルフGTIが「アウトバーンの民主化」として脚光を浴びたようですが、100km/h巡航までの道路しかない日本においては、要求されるものはやはり「峠」踏破性能でしょうか。日本の観光道路の多くは風景がよくみえる稜線をたどるワインディングロードです。アップダウンある中での加速・制動性能や狭い車線を正確にトレースできるハンドリングだったり、あるいはそういった道をどこまでも楽しくドライブできる良好なフィーリングが備わったアクアはどうですか!というちょっとややこしいコンセプトです。果たしてクルマを必要としない人々へどれだけ訴求できるのでしょうか?

  ホンダはフィットのホイールベースを詰めてCR-Zを作っていますし、BMW(3シリ→Z4)もメルセデス(Cクラ→SLK)もアウディ(A3→TT)も日産(スカイライン→フェアレディZ)などなど改造スポーツカーはまずホイールベースを弄るのが鉄則なわけですが、VWゴルフとトヨタアクア(あと日産のマーチNISMO、ノートNISMO)はベース車のユーティリティを損なうことなく仕立てるという方法を採っています。クルマ好きは2ドアが好きかもしれないですが、一般人の視点ではドアが4枚あって居住性が確保されていて、突然に結婚してもクルマを買い替える必要はなくチャイルドシートも余裕で装着できる!というのは、ホイールベース云々よりも高い商品性として写るようです。

  実際にG'sアクアは近所でよく見かけるようになりました。ユーザーはビックリするほどにことごとく若いですよ!プジョーとかジュークとかデミオとかCX3とかアホ臭いほどにチャラいデザインのユーザーはオッサンばっかりですけど、ヴェゼルやアクアみたいなコンサバ系は比較的に若者にウケている印象です。230万円でスペシャル感が付いてくるG'sアクアは若者にとっては嬉しい選択肢です。あと100万円頑張れば「86」も選べる!なんだかんだでトヨタユーザーが増えて行くようになってます。他のメーカーももっと若者を囲い込めるクルマを用意してほしいものです。・・・スイ=スポでは「次」がないですし、ロードスターやS660は車庫必須なのでちょっとハードルが高いですよ!

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↓地味にトヨタ車の内装レベルは世界最高水準だと思います!

  

2015年9月17日木曜日

スズキ・新型ソリオ の超絶スペックが凄過ぎる!!!

  スズキ・ソリオがフルモデルチェンジされ、「バンディット」なる新グレードとマイルドHV車を追加してスズキの新型車が発売されました。今回のソリオはスズキが社運をかけた!といっていいくらいに手をかけているフラッグシップ・トールワゴン(プチバンではない!)ですが、同時期に発売されて話題沸騰の新型シエンタとの比較記事がカーメディアで展開されることもないようで、スズキの気合いも虚しくいまいち認知されていないようです。

  大胆なデザインで注目を集めたシエンタに比べて、インパクトに欠ける・・・いやいやバンディットのフロントデザインもなかなか整っていて、マツダなどに負けない精悍な顔つきです! シエンタはCMにハメス=ロドリゲスを起用して、国内専売車に有りがちな安っぽいイメージを排除し、まるでグローバル車のような演出をしています。対するソリオはTOKIOを5人まとめて起用し、先代までと同じく20~40歳代の若者が楽しく使うイメージを展開しています。

  トヨタは週末に大人しくサッカー観てるような善良な小市民タイプのファミリー層にハメス=ロドリゲスで訴えかけます。メッシでもネイマールでもなく、真のスポーツマンシップを持つジェントルマンとして知られる選手を選んでいるところはさすがです。サッカー選手と自動車メーカーのコラボはバブル期から脈々と続いていて、ちょっと古い話で恐縮ですが、1990年代の初頭にACミランの知名度とともに日本市場に参入したオペル(現在は撤退)も、アルベルティーニやドナドーニといったクリーンなイメージの選手を好んで起用していました。

  一方でスズキは、こちらも自動車メーカーにとってはもっとも強烈な販促キャストとして知られるジャニーズを起用してきました。特にジャニ=タレは小型車の販売に強く、キムタクを起用したカローラランクスやカローラフィールダーであったり、嵐・二宮を起用した日産ノートが印象的です。ソリオはデビュー当初からジャニーズを起用していましたが、ここにきて活動歴が長いTOKIOを使ってきました。単純にアラサーの鉄腕ダッシュを見ていた世代への訴求力に狙いを定めたようです。鉄腕ダッシュを熱心に見ていた層って案外スズキ車を相性が良さそうな気もします。田舎暮らしの相棒といえばワゴンR、アルトターボRS、ジムニー、ハスラー、ソリオ、スイフトなどバリエーション豊富なスズキ車がピッタリです。

   トヨタもスズキもあくまでファミリーカー・メーカーに過ぎないと言われればそれまでなんですが、最近のモデルを見ているとクルマ作りのアプローチが明らかに真逆なので面白いなと思います。まずトヨタの大衆モデルは若者〜中年の様々な層をターゲットにしてデザインコンセプトに非常に力を入れています。多様というか千差万別になった若者のライフスタイルをしっかりと研究し、彼らの好みにあったクルマを四方八方に向けて作っている印象です。押し出しの強いヤンキー好みな「bB」だったり、アニメ大好きなガンダムとコラボした「オーリス」だったり、そしてごくごく真っ当でさわやかなライフスタイルを好む人々へは「アクア」や「シエンタ」だったり、高級感を求める人には「ハリアー」や「エクスワイア」ですね。

  まずライフスタイルを分析して、それにマッチしたデザインコンセプトを決め、大まかな価格を含めた規格を煮詰めると、デザインに使った手間のしわ寄せがパワーユニットのコストに及ぶので、スペックの割にちょっと価格が高めだなと感じるグレードが多くなっています。まあスペック料ではなくデザイン料なんでしょうけど。それでも居住性の良いインテリア作りは世界最高水準ですから、総合的に高い満足感が得られるクルマに仕上がっているとは思います。スペックからクルマの価値を決めてしまうようなクルマ好きからは、しばしば不評だったりするようですが、「走り」のクルマではないですから、経済性が高ければ十分なんですね・・・。

  一方でスズキはというと、まず最初に「パワーユニットと車重」の具体的な目標を決めてから他の部分の細かい設計をしている様子が伺えます。まるでBMWかマツダのような設計方法を採ってますが、スズキも欧州で非常に高い評価を受けるブランドですから同じアプローチなのは当然のことかもしれません。ソリオも全てのグレードのパワーウエイトレシオがほぼ10km/psに収まっていて、この数値はプレミアムカーのメルセデスAクラスやBMW1シリーズの売れ線グレードに匹敵する値です。とりあえずメルセデスA180ならばソリオの全グレードで十分にカモれるスペックになっています。

  スズキは他のモデルでも積極的に軽量化を推し進めていて、アルトターボRSも約10kg/psですし、スイフトスポーツは100万円台の本体価格にもかかわらず8kg/ps(スカイライン200tに匹敵)を誇ります。誤解を恐れずに言うと、トヨタ、メルセデス、BMWが投入している最近のモデルは、車重はなかなか減らせずにエンジンだけをダウンサイジングする傾向にあるので、「走り」はどんどん遅くなっていますが、スズキ車に関しては逆に速くなっています。

  トヨタ、メルセデス、BMWは最新の装備がたっぷり積まれているからなかなか軽くできないのも仕方ないところかもしれませんが、全グレードが車重1トンを切るという珍しい登録車となったソリオも、これらのブランドと同等にサイドエアバッグは全車標準装備です。さらに前席のシートヒーターまで標準で付いてきます!すげ〜レクサスみたいじゃん!さすがはスズキの実質的なフラッグシップモデルですね!さらにスバルのアイサイトと同じカメラ(同じサプライヤーのもの)を使った自動ブレーキシステムまで用意されています(オプション価格がなんと5万円と超格安!)。100万円台の本体価格の大衆車でここまでやってくれているクルマはなかなか無いですね・・・。

  ソリオは5人乗りなので7人乗りのシエンタと同列に扱うのはちょっと違うのかもしれないですが、シエンタ以上に衝撃的なクルマがこの8月にひっそりと発売されたわけです。カーメディアの小型車枠はすっかりシエンタが占拠し、発売2週間で3万8千台を受注した!なんて景気の良過ぎるニュースも上がっていました。年内に引き渡せば間違いなく車種別の年間1位を獲りますね・・・。アクアやヴィッツのユニットで7人乗りボディを引っ張るのですから、シエンタの走りはある程度は想像が付きますけど、こんなノロノロのクルマが大挙して観光道路に押し寄せるのか・・・できれば元気に走れるソリオにしてほしいな。

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2015年8月26日水曜日

ホンダCR-Z が 86/BRZよりも優れている点

  レクサスから待望の2ドア車・RCが発売されて、ほぼ大方の予想通りレクサスISのシェアを半減させました。レクサス(トヨタ)としてはISに比べて利幅が大きいであろうRCが売れることはウェルカムでしょうから、RCの日本投入は商売的にも悪くない結果と言えます。「2ドア車=スポーツカー」と安直に断じてしまうには違和感がありますが、RCの成功が2ドア車やスポーツカーの販売に懐疑的だったと伝えられる日本の各メーカーにとって、開発に踏み切るハードルはかなり低くなってくれればクルマ好きには嬉しい限りですが・・・。

  例えば「BMW220iコンバーチブル」といったモデルは、日本メーカーには見られない、いい具合に力が抜けたスペシャリティモデルなども、まったく皮肉無しに日本で使うには良さげで非常に好印象です。やがてこのモデルは3気筒化されFF化されて、BMW版の「ゴルフカブリオレ」みたいなクルマへと収束するかもしれないですが、本体価格が300万円台まで下がってくれるならば、ひょっとしたら日本市場に「スペシャリティカー」の一大ムーブメントを引き起こすかもしれません。とりあえず日本の至るところの観光地でレンタカーとして使われれば人気になりそうです。

  そもそも300万円台で個性的なクルマを作るなんて、ホンダやマツダにしてみたら朝飯前なわけですが、これらのメーカーはなぜか、フィットRSのルーフと内装を特別仕様にしたり、ロードスターのシャシーを4座にするみたいな小手先なことをやたらと嫌います。まあBMWがどんなクルマを作ろうがこの両メーカーにはどうでもいいことでしょうし、やはりNSXやRX7で「直球勝負」してきた歴史に泥を塗るような「軽い」クルマは作れません!という保守的体質による「やりにくさ」は今も脈々とあるようです。

  そんなホンダのラインナップの中で、少々浮いているのが「CR-Z」というモデルです。世界的な量販コンパクトカーであるフィットのシャシーを切り詰めたものに、同じくフィットのハイブリッドユニットをそのまま積んだ2ドアクーペスタイルのHVスポーツカーです。もちろんハンドリング性能を上げるためにベース車よりも車幅が拡大され5ナンバーサイズを超えた1740mmとなっていてフィットベースとは思えないほど威風堂々としています。2010年の発売直後は少々騒がれましたが、2012年にトヨタ86が発売されると残念ながら完全に忘れ去られた存在になってしまいました。
  
  不人気車といえども中古車価格は2010年モデルがまだまだ150万円と高止まりしていて、セカンドカーとしてこのレアなモデルに手を出すのはちょっと躊躇われます。S2000を彷彿させるフロントマスクは個人的にはかなり好きですし、HV車ですから当然ですが20km/Lを突破しているモード燃費も満足ですし、レクサスやBMWやプジョーのスペシャルティカーと違って内装もベース車とは全く違う専用のインパネが用意されている点も満足度が高いです。1100kg台の車重も峠を走るのに向いていますし、実際に奥武蔵グリーンラインなどの首都圏近郊の林道ルートでもしばしば見かけます。

  それでも住む場所にもよるかもしれないですが、例えば首都圏近郊の地域でコンパクトなスポーツカーを所有する意義というのは年々上がっていて、「買い物車」と「ドライビングカー」という二つのニーズをどちらも満足できるレベルで満たすことができる手頃でスポーティなセダンが減っているのもそれに拍車をかけています。この前買い物に付き合って埼玉県にある関東有数の規模を誇る「入間アウトレット」に生きましたが、そこの駐車場で見る限り、「お買い物車・86」の浸透度は予想以上に高いです。

  スポーツカー専用シャシーをわざわざ設計し、その非日常な着座位置で欧州のユーザーを歓喜に巻き込んだ「86」ですが、やはりトヨタが狙うマーケットは「普段の足」だったりするわけで、試乗時にその少々複雑な「ギャップ」に気がついてしまった多くの人々からは、「いろいろ気が利いているけど、スポーツカーとして買うには・・・」といった歯切れの悪さが聞かれます。もちろんトヨタの企画も実車も非常に良い出来映えですし、むしろこういうクルマを日本メーカーが力を合わせて作り上げたことを誇らしく思います。けれどもふと気がつくと「86」に向けている関心は「BMW220iコンバーティブル」に向けるそれを同じベクトルだと気がつくわけです。

  ベースグレードの本体価格は、ホンダCR-Zとトヨタ86(スバルBRZ)どちらもおよそ250万円です。マツダロードスターも当然にここに並べて来ましたので、競争はさらに激しくなっています。最古参のCR-Zにとっては非常に苦しい状況なのは当たり前ですが、パワーなら86、軽さならロードスターと両面が抑えられ、他は全てFRの専用シャシーなのに対し、フィットのFFシャシーに手を加えて使う「改造普通車」仕様ですから、買う側としてはいささか気になってしまうところです。

  「CR-Zという選択はない!」と言い切れそうな気がしますが、「86やロードスターは完璧か?」と考えると、あれ?ちょっと待てよ・・・と。まず86やロードスターのような古典的なスポーツカーに対する評価は高くなりがちですから、その点をしっかりと見据える必要があります。古典的でない=邪道と切り捨てるのではなく、ポルシェ918やBMWi8が登場する前に「モーター」をスポーツカーに持ち込んだCR-Zの先駆性には敬意を持ちたいです。古典的な頭には「モーター」なんて邪道ですが、日本の新幹線はガソリンでもディーゼルでもなくモーターで動いている訳ですし、乗り味が悪くなるクソ・ターボに頼って規制をクリアするぐらいなら、いっそモータートルクで解決する方が完全に理にかなっています。

  さて実際にCR-Zに乗ってみると、とりあえず狭い・・・いやタイトで運転に集中できる空間作りという意匠では86やロードスターよりも趣があります。発進時のトルクはなんといってもHVですから、ガソリンNAの86やロードスターに遅れをとることはありません。ハンドリング自体はHVのハンデを感じさせないほどにとてもナチュラルで、ホンダのコンパクトカーに有りがちな、「戻り」の悪さなども無いです。そもそも中型車でないので、ハンドルを開放してゆったりと運転するクルマでもないですけど・・・。そしてブレーキは86よりもよく効いてます。車重が100kg軽いというだけではない、マツダ・三菱・ホンダの高性能車に共通する安心感のあるフィールです。

  ロードスター、86、CR-Zのどれにしても、走りにこだわるユーザーならば、黙ってMTを選ぶと思いますが、やたらと多方面から評判がいいマツダ内製MTに負けないくらいにホンダ内製MTも操作フィールがなめらかで好感触です。86のものはちょっとクセが強い(と感じる)スバル製MTで、ハンドルもかなり重めなので女性やMTに慣れない人がシフト操作するのはちょっと大変かもしれないですね(この辺もラリースト社長のこだわりか?)。

  一方で2ペダルの限定オーナーの選択としては、マツダ・トヨタの採用するATか、ホンダのCVTの比較になるのですが、CR-Zが採用している「パドル付きCVT」は、CVT特有の踏み応えの無さを、ホンダが知恵を絞ったアプローチで「コントロール不能」の難物をスポーティといえる水準まで仕上げていて、同じくCVTを使うスバルよりも現時点では上手くやってくれています。とりあえずCVTの特性で0~40km/hくらいまでの実用域ではATよりも加速がいいです。トルクの細いガソリンNAとステップATの組み合わせは、やはり立ち上がりのダルさが最大の急所で、1200kgを超える86だと無視できない緩さが実際にあります。AWD車を主体とするため車重が嵩むスバルがATを使わない一因はこの辺にあるようです。

  個人的には2ペダルを買うならば、86やロードスターよりもCR-Zを推したいです。さらにCVTのCR-Zにはモーターチャージャーボタンが付いていて、バッテリー残量に応じて3LガソリンNA車に匹敵する加速が一定時間の間持続します。この機能も無意識の内に古典的なものを愛するスポーツカー好きからは「邪道」のレッテルが即座に貼られたようですが、これがなかなか使い勝手がよかったりします。たとえば国道1号「箱根新道」を小田原から登る際に、前を行く大型トラックが登坂車線に入った時にスイッチオンして、後続の「輩(やから)」な高性能車をブッチ切るなんてことも可能です(その後エンドレスな追撃戦になるかもしれませんが・・・)。まだ試したことはないですが、1.5Lにダウンサイジングしたロードスターは中速域からの加速や高い負荷がかかる状況での加速には、1000kg未満とはいえちょっと神経を使うようです。

  最大の懸案なのが、フィットの足回りをそのまま使ったために後輪サスがトーションビームになっている点です。しかしこれもアウディTTのようにマルチリンクでガッチリと安定した乗り味を作ることが、必ずしもスポーティな乗り味には貢献しない部分もあります。確かに箱根の芦ノ湖大観から熱海へ下る中速コーナーのワインディングをトーションビーム車でいくと、カルフォルニアにあるラグナセカ(サーキット)のコークスクリューを彷彿させる「3Dコーナー」では接地感が急激に失われて血の気が失せる瞬間もあるでしょうが、それも込みで楽しむのが208GTiやポロGTI、RCZといった「トーションビームスポーツ」の醍醐味とも言えます。

  トヨタ86もマツダロードスターも幾度となく所有が頭を過るくらいに素晴らしいクルマですが、スポーツカーに対する古典的な価値観や、高級セダンに向けられるべき判断基準をすべて取っ払って考えたときに、スポーツカー的なホイールベースを持ち、スマートにパワーの出し入れが出来て、車重もHVを感じさせない水準まで抑えられているCR-Zの魅力も非常に光ります。このクルマがもっと注目されればいいなと思います。

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2015年8月16日日曜日

マツダは新型エンジンでいよいよ「プレミアム」宣言か?

  マツダの国内販売台数が4ヶ月連続!ウハウハの前年比50%越えだそうです!!!前年といえば増税直後ですからまあそれほど驚く結果でもないわけですし、デミオ、CX3、ロードスターの3台が追加されたわけですから、これくらい売れてくれないと困るというのが本音かもしれません。とりあえず国内の他のブランドは微増・微減の範囲に収まっていてハッキリと苦戦モードなので、今や完全にマツダの一人勝ちと言っていい状況になっています。

  そんな絶好調のマツダが早くも次の一手を仕掛けてくるようで、すでに市販時期がほぼ確定しているコンセプトモデル「越(こえる)」を9月のフランクフルトMSで公開するようです。現時点で解っていることは、このクルマはアテンザベースのクロスオーバーモデルだということだけです。・・・簡単に言ってしまえば、ここ数年で北米で最も好調だったスバルの屋台骨である「レガシィ・アウトバック」のコンセプトをそのまま頂戴したものです。

  そんな二番煎じの高級ファミリーカーがそう簡単に売れるか?という懸念ももちろんありますが、しかしマツダにはスバルがなかなか日本に投入しようとしない無い「アレ」があります(フラットディーゼルはいつになったらやってくる?)! 既にどこが一番に作るのか期待して待っている人も多いようですが、いよいよ「3列シート&クリーンディーゼル」を装備した次世代ファミリーカーがマツダから登場するみたいです!形式上ですがまさかの一番乗りはBMWとなったわけですが、あれはダメですね・・・なんだ!?あのやる気の無いキャプテンシートは!日本メーカーが切磋琢磨して育んだ「3列シート文化」をバカにしてんのか?

  マツダの新たなる野望が一体どのくらいのスケールなのかはまだまだ伺いしれませんが、日本市場における「ミニバン/ピープルムーバー」といったジャンルで台頭するにはやはり価格が大きなポイントになりそうです。果たしてブランド最大級のボディにディーゼルエンジンを奢って、乗り出し300万円以下に収めることができるのか?アルファードよりも高い価格設定で売るとなると、それなりの(相当の)覚悟が必要だと思います。マツダが持てるシート設計技術の全てを動員し、活躍が目覚ましいインテリアデザイナー陣がさらなる期待以上の仕事をしたとしても、「アル/ヴェル」が既に築きあげているシェアを奪うのは非常に難しいでしょう。MSアクセラでシビックtypeRを凌駕するよりもずっと大変なことだと思います。まあ何を仕掛けてくるのか楽しみではありますが・・・。

  さてマツダはディーゼル以外にも北米向けに用意された2.5Lガソリンターボがすでに完成しているそうで、今後は複数の車種に追加設定されるみたいなことをマツダの人が言っていました。基本的には重量車向けにはトルク重視の240ps程度に抑えたものを用い、MSアクセラのようなスポーティなモデルには、高回転型の300ps近いハイチューンという作り分けも可能だそうです(・・・そんなことは今となってはどこのメーカーでもやってることではありますけど)。それにしてもディーゼルがあるのになんでガソリンターボで低速トルク重視しなきゃいけないのかな?北米でもさっさとディーゼル売ればいいじゃん!という気もします。・・・・ということは最初からスポーティ路線を完全に視野に入れたガソリンターボ開発が進んでいるのでしょう!と思いたいです。やはりMSアクセラは出る?

  さてMSアクセラやMSアテンザのライバルとなるクルマの現状を見てみると、ドイツ勢もスバルもレクサスも4気筒は「2L」ターボで決まり!みたいな横並び状態です。先行報道の通り300ps前後を発揮する高性能車部門に参入するとしたら、マツダだけがやや異彩を放つ2.5Lターボにしているところが興味深いです。この500ccの余裕が「マツダらしいガソリンターボ」の味わいを見事に演出してくれるのではないか?・・・なんてやや強引な想像(期待)を膨らましています。

  現行のスバルWRX S4、BMW328i(今度は330i)、VWゴルフGTIといったクルマはいずれも2Lターボを使っていて、出力200~300psとやや幅があるものの、各メーカーがクルマの性格に合わせたチューンをしています。しばしばこれらのクルマが語られるときに、多くの自動車評論家は、「このエンジンは3L6気筒の自然吸気と同等の性能だ!」なんて調子の良い事を書いていますが、この表現にはいつもいつも違和感を感じてしまいます。実際に乗ってみると2Lターボのいずれのモデルも高回転域が使えない(限定的)ですし、ミッションもちょっとエンジン音が変わったなと思ったらすぐにシフトアップしてしまうので、アクセルフィールが妙な抜ける感じが連続的に訪れます。底打ち感なのか不安定な出力感なのかやや判断が付きにくいですが、要するに「いっぱいいっぱい」です。

  もちろん3車ともにマニュアルモードがありますから、2速に固定して引っ張ることもできるのですが、5000rpm頃にはトルクが萎んで、今度はパワーの頭打ち感をハッキリと感じてしまいます。やはり2000cc前後という排気量は市販車用の過給器(ターボ)を使った程度では高性能車向けとしてはあくまで「最低限」でしかありません。直噴、ロングストローク&ターボ化で瞬間最大風速としての高スペックこそ実現しているように錯覚しますが、それは決して高級車らしい「余裕」のエンジンフィールではないので、結果としてクルマの格からすれば、エンジンのマナーは悪いですし、なんだか余裕が無い「安っぽい」エンジンになってしまっています。

  実際この3車で比べると、出力こそ最も低いですが、車重が軽いゴルフGTIが一番生き生きとしていてクルマのバランスという意味では最も好感が持てます。ゴルフGTIのボディサイズは今やマツダ車においてはデミオやCX3に最も近いものであり、それよりもハッキリと大きいアクセラ以上の車格のクルマに新たにターボを導入しようとしているマツダとしては、ゴルフGTIよりも「シケた」走りをするMSアクセラやMSアテンザを作って墓穴を掘るようなことは絶対に避けたいはずです。そして「マツダらしい走り」を保ちつつ、ライバルメーカーのハイパワーモデルに無理なく対抗できるスペック・・・という要求から導き出された結論が「2.5Lの直4ガソリンターボ」だと思います。

  マツダの好調を支えているディーゼルターボに対して、販売面ではこの新型ガソリンターボには何ら大きな期待はしていないと思います。よって2Lか?2.5Lか?の選択でモード燃費をいくらか改善することは全くもって重要ではなく、あくまでディーゼルターボのフィールが受け入れられない!というユーザーに向けた、レスポンスや噴け上がりに優れたパワーユニットになるはずです。

  さらにターボ化されるとなると、ノッキング対策としてハイオク化はほぼ避けられないでしょう。しかし日本では発売されていないハイオク仕様のスカイアクティブGは、レギュラー仕様とは全く違う「センセーショナル」なエンジンなんだそうです(私ももちろん未体験です!)。無過給でも爆発的なトルクとキレを見せる高性能なエンジンをベースに、さらに過給器追加によって幅広いレンジで楽しめるスポーティなユニットへと仕上げることで、マツダのブランド価値をさらに押し上げることが最大の目的だと想像できます。

  かつての盟友フォードにはマスタングも使い始めた2.3Lガソリンターボがあります。300psオーバーまでパフォーマンスを追求したツインターボなので、燃費に関してはさっぱり稼げていないようで、V8モデルのマスタングとあまり変わらず高速でも10km/Lに乗せるのがやっとのくらいだそうです・・・。燃焼効率を高めたスカイアクティブをベースにしているとはいえ、このマツダの新型2.5Lターボもまた、フォードの2.3Lと同じく世界的に見てもやや珍しいポジションのユニットで、もはや「ダウンサイジング」エンジンとは言えないかもしれません。

  排気量だけで比較すると、アウディにもTT-RS(本体915万円!)に使われる直5の2.5Lツインターボ(360ps)というVWの旧世代になる直5を直噴化して高出力に耐える素材に変更した横置き用の「マニアック」な特別チューンエンジンがあります。フォードの2.3Lターボもアウディの2.5Lターボも開発時には「あるエンジン」に対抗するために、かなり技術的に無理をして出力を上げた仕様になっているそうですが、どちらも「最大トルク450Nm/最大出力250kw」(トルク45kg・m 馬力330psくらい!)程度を視野に入れていたそうです(フォードは未達成)。つまりBMWの象徴ともいえるあの「直6ターボ」を仮想ライバルとしているそうです。

  なんとなくマツダが狙っているものが見えてきたような気がします。ひと昔前に日産が新型の自然吸気V6エンジンで、BMWの直6を叩き潰すことに成功し、インフィニティ・ブランドを大きく打ち上げました。アウディが、マスタングが、そしてマツダが、グローバルに展開するプレミアムブランド(プレミアムカー)としてさらに羽ばたくためには、スカイライン(インフィニティG/Q50)が歩んでいった「通過儀礼(BMと直6に負けないエンジンを作る)」がやはり必要なのだと思います。MSアクセラやMSアテンザももちろん楽しみですが、マツダが作る「TT対抗車」なんてのもちょっと見てみたいですね!

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2015年7月19日日曜日

トヨタ・シエンタ は素晴らしい!日本車もとうとうここまで来たか!

  トヨタは普通車日本市場で唯一商売になっている国内メーカーです。あまりのファミリーカーへの傾倒ぶりにクルマ好きからやたらと敬遠されていて、かくいう私もトヨタのミニバンやSUVなんてなんとも思ってなかったわけですが、ここ数年のトヨタのミニバンは作り手のメッセージがハッキリと感じられて、「道具」から「工芸品」へと進化しつつある印象を受けます。

  トヨタともなるとミニバンの種類はラグジュアリーなものからお手軽なプチバンまで豊富で、毎年どれかのモデルのフルモデルチェンジがやっている?といった印象なのですが、新型モデルの話題が絶えることがほとんどないです。改めて思うのが、これだけたくさんのモデルが作られても、どれも特に失敗作という話は聞かないですし、これって結構スゴいことじゃないですか? 

  ミニバンに対して全くマイカーとしての関心を持たない私でも、トヨタのミニバンが他のメーカーを圧倒していることは何となく解ります。特にどんな点で勝っているのか? 簡単に言ってしまうと、トヨタのピカピカの新型ミニバンは乗っている家族を周囲に対して幸せそうに見せる効果が高いように思います。トヨタのミニバンは子どもも奥様もニコニコして乗っているイメージですが、これがホンダ、日産、マツダ、スバルのミニバンは、走りたいお父さんに家族が付き合わされている感じが・・・。

  スカイアクティブ化される前のマツダ・プレマシーなんて、バランスシャフトも付いてないショートストロークのエンジンを「ジージー」(BMWみたいな音なんです)言わせて、市街地だろうが高速だろうがお構いなしにすっ飛ばしているのを見ると、お父さんのストレス発散ドライブにしか見えない!そして近くで見るとドライバーはお母さんだったりするのですが・・・。とにかくミニバンはそういった運転にはそぐわないですし、ファミリーカーとしての豊かさイメージを見事にぶっ壊しています。一方で分別のあるトヨタのお父さんはアルファードとは別に走りに満足できるクルマを所有してそうな感じの余裕ぶりが伺える走り?(そうじゃない人もいますけど)

  とにかくトヨタ以外のミニバンってそもそも作っている側の人間がこのクルマの理想型が見えていないのでは?と思ってしまうものが多いですね。もちろん経営上の判断からスカイラインのシャシーを使わなくてはならなかった初代エルグランドだったり、先ほどのプレマシーをそのままOEMしていたラフェスタ・ハイウェイスターだったり、ブランド内のターボユニットをそのまま流用したエクシーガGTだったり、中型車のシャシーとVテックエンジンをそのまま引き継いだオデッセイやストリームなどなど・・・。それぞれに苦しい台所事情はわからないでもないですけど、それってそもそもミニバンを自信を持った商品にしよう!という土台が無いわけですから、トヨタに勝てるわけがないですよね。

  ちょっと話がややこしくなりますが、新型アルファードHVの制動距離がなんと48mくらいだそうで、なかなかふざけた運動性能(というより運動オンチ)っぷりなんで、他ブランドのミニバンユーザーが「そんな危ないクルマに乗れるか!」という意見も解ります。レジェンドやアテンザといったフラッグシップ級セダンが39m程度に収まっているのに、あまりにも酷い数字です。ちなみに40m以下の制動距離をコンスタントに発揮できるクルマはポルシェ、マツダ(アテンザ、ロードスターのみ)、ホンダ(レジェンドのみ)と極めて限られているので、ほとんどのクルマはアルファードと同程度に酷いわけですが・・・。

  そもそもホイールベースは間延びして、重心も高いミニバンを公道で暴走させるという、極めて致死性の高い「エクストリームスポーツ」ごっこに関しては法律で飲酒運転並みに厳しく罰するべきじゃないかと・・・。トラックに付いている95km/hのリミッターを装備して混雑時に高速の追い越し車線に出てこれないようにしたらどうですかね。100km/hからのフルブレーキングで他のクルマから大きく遅れをとっているのだから。高速道路で前方にミニバンが見えたら要注意ですね。レーンチェンジでトラック並みにバランス崩すクルマ多いですし。いつもコイツが倒れたらこっちに逃げようなんて考えながら走ってます。高速道路でサイドウォールにヒットしているクルマはなぜかミニバンが多い!運転が単調で眠くなるのかな?

  ちょっと話が横道にずれましたけど、トヨタは「アルファード/ヴェルファイア」のFMCに続いて「エクスワイア」が新設され、さらに「シエンタ」のFMCが発表されました。いやー!どのモデルもやたらと納得の出来映えですね(ブレーキ問題はともかく)。ちょっと失礼な言い分かもしれないですが、クラウン/マークX/カムリのトヨタセダン勢よりも断然に輝いて見えます!作っている人達の気合いが違うのでしょうか? ここまで完成度の高いモデルを揃えられては、トヨタと提携しているスバルやマツダがミニバン事業を閉店して、3列SUVによる新型ファミリーカーを企画するのも納得です。

  ホンダはまだまだ対抗心が挫けていないようですが、もはやよっぽどのホンダファンでないとオデッセイとステップワゴンの違いが理解できないですし(NAの有無?)、オシャレなことが大好きな日本のファミリー層をちょっとナメてませんか? "アブソルート"や"ワクワクゲート"など何となくやりたいことは解るし、ミニバン市場の中で違いを生み出そうとしている努力は認めます。しかしミニバンとしての基本性能って実は「走り」よりも「パッケージ」よりももっと大事なのが「デザイン」で「ブランド力」であって、結局のところトヨタがやや弱かった「ヴォクシィ」「ノア」のところに「エクスワイア」を投入して「セレナ」と「ステップワゴン」のシェアをがっつり奪った!というのが今年の上半期の推移でした。

  新たに3気筒ターボを日本に持ち込んだホンダとしては、勝負はまだまだこれから!という思いもあるでしょうが、トヨタはさらに下のクラスで人気のホンダ「フリード」のシェアも奪うべく、新型「シエンタ」を投入してきました。これまたデザインからしてとんでもない「力作」ですね! フリードと並べて比べてみれば、9割以上の人が選んでしまいそうなくらいの破壊力です。このクルマに驚異を感じているのはフリードだけじゃなく、新たなファミリーカーとして期待されている「BMW2アクティブツアラー」や「マツダCX3」といったモデルを検討していた層からも、お客が呼び込めそうな出来映えです。

  運転する分にはBMWやマツダの方が断然に楽しいでしょうけど、やはりお父さんの趣味が反映されたファミリーカーというのは、どこか「影」を感じてしまいますね。子育て世帯なのに、PM2.5がたくさん出るガソリン直噴ターボやディーゼルターボを選んでいる親はまるでアホにしか見えません。なんかトヨタの回し者みたいな記事になってしまいましたが、やはりトヨタが考える「日本の豊かな家庭像」とそれを彩るファミリーカーへの情熱は素直に評価してあげたいなと思った次第です。


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