2016年6月1日水曜日

アコードHVがマイナーチェンジで・・・・お!?

  現行モデルになってから日本では地味な存在になっているアコードにビッグMCがありました。主な改良点は・・・HVシステムの大幅なアップデートです。日本向けはHVのみになってからというもの、なんだか「アンタッチャブル」な雰囲気さえ醸していて独特です。これがかつて「タイプR」「ユーロR」といったスポーティモデルを有したアコードの姿なのか・・・。失礼ですが「成れの果て」という言葉しか思い当たりません。そんな惨状にいよいよテコ入れが行われました。

  PHVはあまりの不人気さに生産が終了しました。もっぱらリース専門の販売で3年間で累計300台足らずだそうですが、月に10台も出たことにビックリ・・・充電が面倒なクルマをわざわざ買う会社がそんなにあるのか!?生産中止の理由は不人気だけでなく、このアコードPHVとほぼ同じキャラクターを持った燃料電池車「FCXクラリティー」が投入されたからだと思われます。レジェンドにも廃止論があるようで、ホンダの高級車路線は迷走しています。

  「ホンダには高級イメージがない!」とかしばしば言われますが、今のメルセデスやBMWに「それ」があるか?といえばさっぱりなわけで、E/Sクラス、5/7erの販売もまた低調です。高級セダン全体が販売好調なんてありえない状況で、ホンダのようにさっさとサジを投げるメーカーと、レクサス、メルセデス、BMWのように安易には撤退できないメーカーがあるってだけの話です。

  トヨタとほぼ同じ感覚で、高級セダン向けにV6と直4の2種類のハイブリッドを用意しているホンダですが、いよいよそのHVを使った待望のスポーツカー・NSXがラインオフしたようです。2000万円の二輪車が大人気なようですから、同じくらいの価格のNSXはもっと売れる?・・・かどうかはわかりませんが、高性能HVをスポーツカーに使うという取り組みを見事にポルシェ、フェラーリ、日産に先駆けて市販車化しました。

  1997年以来ホンダにとってはHVはやや鬼門となっています。世界ナンバー1の高回転型量産エンジン「Vテック」で一時代を築いたメーカーですから、トヨタのTHSⅡを導入したマツダ同様に従来のファンからHVの支持がなかなか得られない部分もあるようです。HVのAWDスーパースポーツに生まれ変わったNSXですが、生粋のエンジン屋であるホンダにはアウディRS5のV8みたいなロングストロークで、8000rpmを余裕でブン回すエンジンを期待するファンが多いはずです。残念ながら計画が頓挫したV10をミッドシップ(和製ランボルギーニ?)に搭載する幻の次世代NSXが実現していたら・・・しかしもしかしたら今よりひどいことになっていた可能性も否定できませんけど。

  ホンダのHVにとって一つの転機となったのが、昨年のオデッセイHVの追加でしょうか。SHーAWDが追加され、HVの利点であるインホイールモーターによる自在のトルクコントロールを武器にする!!!という方針はとても説得力があります。これまでのスポーツカーがトレセンLSDを使って行ってきた旋回時の内輪・外輪差の克服を遊星ギアなどによらずにトルクの出し入れが容易なモーターで配分してしまおうというシステムです。

  現行のアコードHVは、トヨタのようなモード燃費で度肝を抜くアッパーセダンとしては異例の20km/Lオーバーの燃費、それからトヨタや日産の高級FRモデルに匹敵するようなインテリア&エクステリア・・・どちらも「らしくない」ところを組み合わせて市場に放り投げて、「あれ?リアクションが少ないな?」と首を傾げている呑気な状況です。メルセデスやBMWでもなかなか売れない高級セダンなのに、北米で2万ドルで売っている大衆車をベースにしたクルマを充当しようというユーザー不在の戦略が上手くいくはずない・・・結果論かもしれないですけど。

  しかしオデッセイから投入された新しいHVシステムは、「新しいホンダ」としてそれなりに認知されたようで、本体価格400万円の「ハイブリッド・アブソルート」が予想以上に好調な滑り出しをみせました。アコードHV登場時のモード燃費30km/Lは相当に走りが犠牲になっているのでは?というヘンな先入観もありましたし、HVセダンに対する偏見もまだまだありました。しかしそれなりの年月があれば当然に人間工学的にも正しいものへと進化しますし、鉄道が「ガソリン気動車→ディーゼル気動車→電車」へと進化したわけですから、自動車も同じ道を辿るはずで、新型プリウスやオデッセイHVそしてこのMCアコードHVがその進化を示しているのかな?という気がします。・・・来年にはスープラHVが!!!

K口Mなぶ氏がオデッセイHVにイチャモン動画(笑)!!!

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