2018年1月26日金曜日

スズキ・スイフトスポーツ(2018 / NO1) 『感動ハンドリング』の押し売り

このクルマを選んだ人の感覚は素晴らしい

  圧倒的なハイパワーとか、ガリガリに減量したガチスポーツカーとかを除外した市販車の中では、「最高のドライビングフィール」と認定しても差し支えないと思うのが、歴代のスイフトスポーツのシリーズです。このクルマを選んでいる人は間違いなく自分の感覚でこのクルマを選んでいる!!このクルマのユーザーは全員信頼できる!!・・・まあそんなクルマです。




色々な意味でスポーツカーでは無い

  トヨタはヴィッツGRMNに400万円だそうです。まあプロドライバーがおっかなビックリに走らせている動画を見ると、とことん走りに向き合えるという意味では400万円には納得はできます。当然にヴィッツGRMNに400万円払うくらいなら、スイスポを買う!!ってなるでしょうけども、183万円で済むゆえの「代償」みたいなものも、まあいくらかはあります。

  先代スイスポもそうでしたが、決してアクセルオンですぐにクルマが横を向き出すような挙動はでません。むしろノーマルのスイフトよりも安定志向にすら感じられる。冒頭にも書きましたが、このシリーズに乗ればおそらくほとんどの人が感動を味わうでしょうけども、それはスキール音を立てて走れるようなスポーティな感覚ではなく、恐ろしいレベルで調整された精緻な「ハンドリング」に対しての驚嘆から生まれます。そしてそれと同時に気がつくのは、本当に良いハンドリングのクルマは、平均以上の安定志向の中から生まれるということ。



伝統的工芸品ってやつですな

  スイスポよりもピーキーなハンドリングを備えたクルマなら、サイズの大小問わず色々あります。アバルト595、MINIクーパーS、そしてフォードマスタング。ハンドリングというよりも、シャシーとエンジンのバランスがちょっとばかりオカシイ車ばかりですけど。おそらく3ブランド共に個性を与えるためにわざとやっています。市販車改造モデルで上手くスポーツカーみたいな走りを演出したいという意図はわかります。

  それに対してこのスイスポは、スポーツと言ってますけど、そのような類のトリッキーな味付けは全く狙っていません。同じクラスには破天荒な走りをするクルマは色々ありますけど、過剰さを排除して精度を上げるという高度な演出を使う「ホットハッチ」はこのクルマだけじゃ!? もし素直なハンドリングを競う世界大会があったら、このスイスポがチャンピオンでしょう。アクセラ、ゴルフ、インプレッサを抑えての世界チャンピオンです。昨今は中型車を中心に、Eデフや4WSが流行してますから、挑戦者そのものが少ない地味なトーナメントですけども。



将来的に『ハンドリング』という言葉は無くなる!?

  ハンドリングといえばFRだろう!!なんですけども、ここ数年にあれこれ試してみたFRはもうハンドリングを語るレベルには無いです。もう電子制御がガチガチなので、クルマはもはや曲がるようにしか曲がらない・・・。アルテッツァのような走りの4ドアFRなんてもう消えちゃってますね。現行ISは・・・無作法なハンドリングには警告が出そうな雰囲気すらあるし。

  主にFRを使う高級車はみんな中国市場に引っ張られて、クルーザーのような面舵いっぱいなハンドリングになってます。新型レクサスLSはそこに敢然と挑んだようですけども、300psオーバーならもう電制ガチガチにしないとまっすぐ走れないですから。日本が昔やっていた280ps規制ってのは素晴らしい仕組みだったと思います。あれが無視されるようになって走りがつまらないクルマがどんどん増えた!?まあそれでも確かにハイパワーのクルマは面白いですよ。走らせる時の手汗は結構やばいので、試乗の際は手袋を着用しましょう。



すでにレッドリスト入り!?

あと5年もすれば、日本メーカーのほとんどの市販車にはモーターが組み込まれるようになって、普及した安価になったEデフシステムや、後輪モーターAWDや、4WSが当たり前に装備されるようになって、全てのコーナリングにおいて、センサーでトルク配分が当たり前にされるんでしょうね(軽自動車でも)。すっと駆け抜けるのではなく、ジリジリとタイヤが路面を確かめるように走る!? そうなったら走りが好きな人は、今度こど欧州車を買うようになるでしょうね。ローテク感がNOWなプジョーとかさ・・・。とにかくこのスイスポがあればあと10年は思いっきりアクセル踏める。


最新投稿まとめブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿