2017年4月29日土曜日

日産フーガHV 「ついに躍進を始めた栃木ブランド!!」

  世界に実力を轟かせる日本車といえばなんですか? 「GT-R」「NSX」「WRX」といったスポーツモデルはやっぱり日本の自動車産業のレベルを端的に示してくれます。たとえ某大手メーカーがルマンでとうとう勝てなかったりF1で醜態を晒していても、やはり日本製のスポーツカーは素晴らしいです。

  あまり悪口を言いたくはないのですけど、多くの日本人は、日本のスポーツカーよりも、ランボルギーニやポルシェの方が凄いと思っているようです。そして同時に日本のスポーツカーは価格が安い割には高性能だな!!って・・・。でもそれはあくまでイタリアやドイツのスポーツカー文化を最大限に尊重した視点での話です。ランボルギーニもポルシェも欲しいスペックを実現できるエンジンを搭載したクルマを、それぞれの国のルールに従って設計したに過ぎません。日本車ではほとんど見かけない設計なので・・・それだけでスゲー!!って思いますし、「ブッとんでる!!」という興奮を覚えます。

  しかし外国人が見た歴代の日本車もまた「ブッとんでいる」んです。「敗戦国→1億総中流→日本型共産主義」という独自の経済/文化を営んできた日本だからこその「クレイジーな自動車産業」ではあると思います。東京オリンピックの年に行われた伝説の「日本GP」では、ポルシェのGT2ホモロである完全武装の「904」というサーキットモデルに対して、ほぼ市販モデルそのままの「プリンス・スカイラインGT」がまさかの互角の走りをするんです。これで火がついたのかわかりませんが、70年代にはホンダ、スバル、マツダの基幹モデルがとにかくどんどん高性能化します。

  ホンダは伝説のカリスマ社長「オヤジさん」が速いクルマしか認めなかった。スバルはいつしか「世界最速ワゴン」を生み出し、マツダは「風のカペラ」とか「サバンナGT」とかメチャクチャなモデルを安価で市販・・・とにかくこの年代のホンダ、スバル、マツダといった戦後の後発メーカーは理屈抜きで全部欲しいクルマばかり!!これだけメーカーと開発者の情熱が詰まっていれば誰でも納得じゃないですか?

  セダンもハッチバックもクーペもワゴンも高性能。つまり日本車にわざわざ「スポーツカー」を名乗るモデルなんてナンセンスだったのかも。ホンダS800もトヨタ2000GTも、メーカーの意地だけで作ってしまったけどあくまで市販車。通産省が60年代から自動車メーカーの統廃合を進めていたので、独立を守りたいならば、「高性能で輸出して売れる」とお役人に納得させる必要があった!!どのメーカーも手前勝手な「言い訳」を同音異口にしています。とにかくメーカーが力を入れている看板モデルの市販車が、どれもとんでもないスペックで作られていて、それが適度な価格で若者でも買えてしまう。そりゃアメリカ人だって欲しくなりますよ。オイルショックがすっかり収まっても、高性能な日本車が全米で売れすぎちゃって、これがアメリカ人の首を絞めたので、モータウンの街中で撃ち壊しの刑に処せられたりしたわけです。

  もしかしたら間違っているかもしれないですけど、「SUV」「ハイブリッド」「コンパクトカー」「3列ミニバン」・・・これらは日本車の本質ではないと思います。メーカーは開発コストを削減したいですし、高性能でなくても売れてくれるならそれに越したことはないでしょう。全ての日本メーカーがこれらのモデルだけをひたすら作り続けると・・・シャープや東芝になっちゃう!?んじゃないかという気がします。バランスシート上は、プリウス、アクア、シエンタといった量販モデルだけで利益を生み出しているから、他のモデルは統合廃止でいい!!と判断できるでしょうけども、そんな素人でも考えそうな選択にさらなるミラクル(成長)が待っているとは思えないのです。

  「高度経済成長期とバブル経済の二段ロケットに乗っただけ!!」と言う人もいるかもしれないですが、本田宗一郎という経営者の採った「とにかく高性能にしろ」という選択は、現代のMBAホルダーを何人集めたとしても再現不能な・・・非常に高度な経営判断だったと思います。ホンダ、マツダ、スバル、日産、三菱これにトヨタを加えた6メーカーが、北米上位14グループに入っていて、日本勢はもちろん最多です(米3、独3、韓1、英1)。なんでダイハツやスズキ、ルノー、プジョー、シトロエン、フィアットはアメリカで成功できないのか?・・・結論ありきですけども、それは「エンジン」「デザイン」「信頼性」という点で北米のスタンダードになっている日本の6メーカーの基準に達していないから!!

  日本では幸運なことに一人の「奇人」経営者のおかげで、6メーカーが相互に牽制しあって性能を伸ばしました(サプライヤーも同時に成長しました)。最後発のホンダは、出る杭は打たれる「日本的」な環境に苦しみ、エグいほどの他メーカーからの執拗な干渉(イジメ)に耐えて、誰が見ても「最強」と言えるエンジンを作りました。トヨタや日産がホンダ車を潰すために作ったクルマを全部合わせると何台になるのかな?

  日本の自動車産業が今後も成長を続けるためには、売れるクルマをタイミングよく売ることも大切でしょうけども、やはり本田宗一郎氏のような「野心」を各メーカーが持つことができるか!!が鍵になると思います。ランエボを廃止した三菱は求心力を失ってしまいました。スバルもWRXの後継エンジンが無いと、風船のように漂う存在になりそう。マツダはどうも経営陣が安易な選択をしているような気が・・・。トヨタ、ホンダそれから日産は巨大グループにふさわしいラインナップを作っていてそこそこ安泰ですけど。

  その中で目下のところ北米で大ブレーク中なのが、日産の「インフィニティ」ブランドです。3月の販売台数は昨年同月比で66%アップ!!これテスラ以上の急成長です。3LのV6ツインターボで400ps。BMWの直6ターボ(B58)をあざ笑うような高出力、高トルク、高回転、ハイレスポンスこれらを「完全に狙ってやった」と豪語する日産のエンジニアもエグいですわ・・・。さらにはGT-Rの3.8Lツインターボがあって7000rpmまで余裕で回る。ショートストロークNAのV8もあるし、VQ35を使ったハイブリッドユニットの信頼性も高い。これは売れて当たり前ですね・・・。メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェ、レクサス、アキュラ、ジャガー、キャデラックのどこにも負けない実力。



  日本人にはピンとこないかもしれないですが、世界最強のフルサイズ(Eセグ)はフーガだと思います。5er、ギブリ、新型Eクラス、レクサスGSもフーガと比べたら欠点が露呈します。段差を乗り越えても、ハンドリングで少々コジっても、アクセルをガタンとオンしてみても・・・フーガは最初から想定していたかのような身のこなしなのに対して、他の4台は「ちょっと無理っぽい!!」みたいな信号が出ます。ダンパーがザックスとかそんな話はどーでもいいくらいに具合がいい。スカイラインもそうですけども、おそらく世界中のどのモデルが相手でも負けないだろうなー・・・。

  アルファ・ジュリアや、ジャガーXE-Rならもしかしたら「動的質感」で一矢を報いることができるかもしれないです。しかし現実問題として、先代よりも相当に洗練された印象があるEクラスや5erでさえも、8年前にデビューした51フーガになかなか勝てない(勝ち負けではないけど)。日産も慌ててFMCする気配もないまま放置。北米価格は5erもQ70(フーガ)もEクラスも約50000ドル〜で横並びですけどQ70が売れる!!売れる!!46000ドル〜でやや弱気な価格設定のレクサスGSが737台、フーガが1072台(3月北米販売)だってさ。これじゃGS廃止の噂も出てくるよね。2012年に新型シャシー投入してカネかけて作った現行GSでもフーガに勝てないからさ!!やっぱり日本のVIPカーは優秀だ・・・。

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↓3年落ちフーガHVが275万円。これはお買い得だと思います。

2017年4月25日火曜日

トヨタ・ハリアー 「レクサス併売車のクオリティ!?」

  「すごい良いクルマなんだけど、とてつもなくダメなクルマ」・・・は?何を言っているんだ!!って感じですけども、人間だって「すごく良い人なんだけど、とてつもなくダメな人」っているじゃないですか。だいたい男の8割くらいはその括りになるんじゃないかと・・・。クルマも同じで「良いけどダメ」というのが本音の感想というのがほとんどなんじゃないかと思います。「好きだけどちょっと嫌い」要はそのクルマと「付き合えるか?」という程度の問題です。クルマの種類やブランドの好みでバッサリと判断ができるケースも多いでしょうけど、かなり多くのユーザーにとって「このクルマはボーダーライン」になっちゃっている代表格が「ハリアー」じゃないでしょうか?

  肯定派にとっても否定派にとってもなんとも「微妙なライン」。このクルマに乗っている人を見かけると「なかなかいいクルマ選びだね」なんて言ってあげたくなる。SUVがとても嫌いな人でも、スタイリッシュでちょっと高級感もある「ピープルムーバー」だと割り切るならば、ほとんどののチェック項目で「優秀」な評価を持つこのクルマをあまり意固地になって否定はしないでしょう。トヨタ嫌いとかCVT嫌いとか・・・まあ文句言いたくなる面倒くさい人はたくさんいますけども、多少は大人の判断力があれば、レクサスに匹敵する質感(先代までは北米レクサス車)と他のメーカーを寄せ付けない乗り心地と静粛性は素直に評価できるはず。価格はそれなりに強気ですけども、それでもトヨタの素晴らしさが凝縮されたモデルです。

  
  そんな「良いクルマ」なら買えばいいじゃん!!なんですけども・・・。なんかちょっとずつ気になるところがあります。まずは「とぼけたデザイン」。メルセデス、マツダ、スバルそれから最近のスズキなど、比較的に輪郭のはっきりした表情を持つデザインが多い中で、・・・「?」なんだかバブルの頃のトヨタが戻ってきたようなレトロでぼやけたデザイン。プリウスのアヴァンギャルドなスタイルに嫌悪感がある人には好評かもしれません。確かにバブル期から2000年頃までのトヨタデザインは、なかなか光るものがあったなー。特に「スープラ(80)」「ソアラ(30)」「セリカ(180、230)」などスポーティなモデルが中心でしたけど・・・今のマツダなんかよりも全然良かった(当時のマツダはもっと良かった!?)。

  デザインは「OK」だとしましょう。・・・次に気になってくるのは「素性」です。ハリアーはトヨタの戦略では「ラグジュアリーSUV」なのですけども、使っているシャシーはトヨタのCセグ車をベースに広範に使われる汎用シャシーです。初代/2代目のハリアーはカムリに使われている上級FF車シャシーをベースにしていたのですが、現行モデル(3代目)になってから格下げされました。欧州向けオーリスやアベンシスに使われているリアサスの安定感を向上させたモデルを、現行のアルファード/ヴェルファイアなど日本向けの量販モデルに解禁していますが、その先鞭とつけたのがこのハリアーです。

  シャシーは「格下」になったのかもしれないですが、4輪ストラットのカムリに対して、リアがDWBに「格上げ」になっているので、ハリアーに関しては決して「コストダウン」とは言い切れないかも。ちなみにトーションビームを装備していた先代までのアルファード/ヴェルファイアは、2段階の「格上げ」を果たしています。トヨタが欧州向けに意欲的に作ったサスに変わって、誰が運転しても十分にわかるくらいに、高速走行時の挙動の安定とハンドリングのスムーズさは向上しています。リアのDWBやマルチリンクは「まっすぐ走らない!!」と批判する問題の本が最近発売されましたが、トーションビームのプリウスと、DWBのプリウスで高速道路を乗り比べれば差は歴然なんですけどね・・・。

  デザインもシャシーも「特に問題なし!!」としましょう。それでも気になってくるのは、先代のハリアーがあまりにも「華やか」だったのに対して、やや地味な立ち位置になったことでしょうか? 2代目ハリアーの発売は2003年。まだ日本にレクサスが導入される前のことです。当時のトヨタはFF車に3.5Lの横置きV6を載せるのが好きだったみたいで、アルファード/ヴェルファイア、エスティマといった重量のかさむ大型ミニバンだけでなく、1600kg台のハリアーや、1400kg台のブレイド(オーリスの上級モデル)にも搭載していました。北米向けのハイラックスだって2.7Lの直4だっていうのに・・・。

  3.5Lハリアー(2代目)は2000年に登場して北米でヒットしていたBMW・X5を意識した大排気量化(北米レクサス車ですし)で、3.5LブレイドはR32ゴルフをライバルと考えていたのでしょう。軽く半世紀以上にわたるトヨタ自動車の歴史の中でも、もっともクレイジーなモデルが発売されていたのが2006〜2008年頃ですね。リーマンショックでクラッシュする前夜くらい。その頃のハリアーの「ぶっ飛んだ」設計に比べれば、現行ハリアーはちょっとオシャレなお年寄りに乗って欲しいクルマなのかな?なんて思えちゃうんですよね。デザインも先代の方がアグレッシブだったかなー。




  

 

2017年4月19日水曜日

トヨタ86 「NC指定」

  トヨタがスバルに開発させてグローバルで絶賛されているスポーツカー。何といっても「86」というやや掟破りで「ヤケクソ的」なネーミングなんですけども、発売から5年が経ってもまだまだバカ売れ!!これはもうどんなネーミングでも売れたんじゃ無いか?と思いますね。圧倒的な企画力が素晴らしいです。日本で人気のある「GT-R」や「M4」といったスポーツモデルに、わざわざ寄せて作ったりしなくてもスポーツカーは十分に成功する!!ということを示しました。

  発売当初から多くの有名ライターが懐疑論を連発して浴びせました。素人が書く掲示板には「何でターボが無いんだ!!」「リアシートはいらない」「標準タイヤがプリウスと同じ」などなど、最大手メーカー・トヨタゆえのアンチがたくさん現れました。それらの中傷を一通り目にした結果、頭の中を「86」に対するマイナスイメージで充満させてから、勇躍して試乗に行ったからなのかもしれませんが、このクルマは印象が全くといっていいほど悪く無いんですよ。何度か乗りましたけど、毎回「これは楽しいぞー」という素朴な感想が・・・。別に車重を無理に1000kg前後にまで下げる必要はないですし、ターボ化して馬力&トルクを増幅する必要もない!!このままでいいと思います。

  「価格・実用性・楽しさ」この3つを見事に揃えてくるトヨタ&スバルには脱帽ですけども、何の前触れもなく突然登場しているモデルなので「伝統」や「ストーリー性」がないのがちょっと気になります。トヨタの社長が気まぐれで作った「ドリ車」です!!というコンセプトだけではなかなか「共感」できなかったです。トヨタのエンジニアが出世のために、社長が「ドリフト」するのにちょうどいいクルマを作ってみた!!そういうお遊び企画に無理やりスバルを巻き込んだ!!カネでスバルの顔面を叩いた!!・・・少なからずそういう見方をしてました。

  しかしこのクルマの本質は・・・いよいよわかってきたんですけど、これ安易にバカにしちゃいけないモデルですよ!!そもそも「GT-R」や「M4」こそが、めちゃくちゃに高価なスーパーカーには手が出ない人々(非セレブ)が乗る、下位互換的(コンプレックス的)な存在でしかないんじゃないですかね? これは欲深い(罪深い)クルマ好きにとっては、決して「所有欲」を目一杯満たすような「理想」では無いわけです。そして案外トヨタはそんな風に冷静にライバルを分析しているんじゃないですかね?そう思える点が5年経ってやっと見えてきました。

  「GT-R」も「M4」も素晴らしいスポーツモデルですけども、そもそもポルシェ911ターボやフェラーリを、出力面で乗用車ベースの改造自動車が追いかける意義なんてあるのかな? 元日産のGT-R開発者である水野さんは、強烈な「個の主張」で日本のクルマ好きを納得させますけど、実際問題として「GT-R」と「86」のどちらがより多くの人を幸せな気分にさせてくれているのか? 確かにGT-Rが世界最速記録をマークすると、日本の自動車産業全体が盛り上がりますけど、より多くのオーナーを笑顔にさせているのは「86」の方では?

  300万円ぽっちのスポーツカーなんてさ・・・そういってバカにする人も結構居るでしょうけど、「この価格でスポーツカーを作ったことが素晴らしい」とか当たり障りのないこと言っている人々に言いたい!!このクルマの価値は「廉価」ではないですよー!!

  おそらくとっても優秀でクルマへの熱いものを持ったトヨタの開発者たちは、良くも悪くもスポーティさを追求して進化してきた「日本のスペシャルティカー」の歴史は失ってはならない!!新しいスポーツカーをその歴史が辿ってきた「集大成」を存分に表現できるモデルにしよう!!そう必死で考えた結果の「86」なのだと思います。1250kgで200psというパワーウエイトレシオは、歴代の日本のスポーティカーにおいてごくごく平均的なスペックですが、これもおそらく計算づくなんじゃないですかね。

  
  

  日本のスポーツカーは、紛れもなく「日本の美意識」によって紡がれてきたんだなー。日本メーカーの2ドアクーペはもう絶滅寸前ですけども、この系図が絶えてなくなるなんて悲し過ぎます。あまり華美なフロントデザインにしない!!これもとても大切なポイントです。レクサス、インフィニティ、マツダ、スバルどれもグローバルでの販売を目指しているから、ドイツ車だか韓国車だかよくわからない「グローバル流行形」へと収束しています。これはやはり日本的ではないです!!1960年代から脈々と続いてきた「国内専売車」で日本的デザインが満載だった「日本の」スポーティカーの美しさは保護されるべき!!

  トヨタのクルマが大好きな開発者がみんなで集まって考えた!!「日本のユーザーがとても幸せだった時代をそのまま再現したい」ということなんじゃないかと・・・。決して社長のご機嫌をうかがう「ドリフト車」を作っていた訳ではなかったんだと思います(そう信じています)。街中に「86」がいっぱい溢れたっていいじゃん!!このタイプの車が街中に溢れていた頃の日本には本当に活力があった!!あまりに過剰過ぎるセレブ御用達の600psのラグジュアリーカーなんて日本には似合わないです。カーシェアリングのランボルギーニに無理して乗っているなんてとても不健全ですし・・・。トヨタにとっては「レクサスLFA」よりもずっとずっと「86」なんだと思います。そしてそれが正しい!!と思いますね。National-Carとして長く日本で作られ続けて欲しいクルマだと思います。


2017年4月14日金曜日

スバル・WRX-S4 「いっそ名前を変えた方がいい」

  1966年に富士重工が発売した初の水平対向4気筒車は「スバル1000スーパーデラックス」と言います。スバルがRRからFFに転換した際に投入することになったことからボクサーエンジンが採用されたようですが、この50年の歴史を誇るスバルの運動性能重視のパッケージングは、この後1969年に「FF-1」へ受け継がれ、「FF-1・1300G」「レオーネ・セダン」と大きくコンセプトを変えることなく進化を続け、そのストイックな理念は、そのまま1992年発売の初代インプレッサに設定された「インプレッサWRX」へと繋がります。

  さらに3代目WRX(先代)がデビューした2007年には、欧州市場を意識するあまりにスバルがWRXモデルからセダンを一時的に廃止したところ、スバル1000の伝統を無視するな!!とばかりに、相当な数のスバリストによる凶悪な抗議(?)が殺到して売れ行きも最悪だった(GT-R&エボ10デビューと同じ年というのもあったかな?)ので、慌ててセダンを追加した・・・という顛末があったらしいです。その際にWRXに新たに設定されたのがGT-Rやエボ10にすでに装備されていた2ペダルモデルですが、これも頑固なスバリストから総スカンを喰らったようです。

 

  おそらく現行モデルで、スバル1000の精神の正当な継承車になっているのが「WRX・S4」あるいは「WRX・STI」なのですが、50年にも及ぶその歩みを考慮すれば、もっと世間に「重み」を感じさせる存在でも良さそうなんですけどね・・・。特に2ペダルのモデルに新たに名付けられた「WRX・S4」というあまりにもアイディア不足で平凡なネーミングのせいで、これまた大きく「損」をしています。先代のCVTを使ったWRXはあまりにも市民権を得ていなかったので、いっそWRXから切り離して、「スバル1000」あるいは「FF-1」という名称を復活させるくらいの「サプライズ」で話題を集めた方が良かったんじゃないかなー?(勝手な予測ですが)もっともっと売れたと思います。

  誤解を恐れずにズバリ言うならば、スバルの企画部がイメージしている「ハイスペックカー」のカテゴリー分けは、どうも世間のクルマ好きが思っているものとは大きく隔たりがあります。スバルWRXは、BMW・Mや日産が得意な「改造自動車」ではありますが、それらよりもはるかにスポーツカー寄りの立ち位置にあります。ラリー競技のベース車両として世界に広く認知されている故に、改造自動車の限界を超え、存在そのものがスポーツカーになっています。そんなWRXを2ペダル仕様でラグジュアリーに仕立てることで、無理やりに「GTセダン」として売ろう!!という目論見自体は悪くないですけども、誰でもすぐにWRCを連想する「WRX」の名称のまま売る意味がさっぱりわからないです。

  開発者に対して大変失礼ですし、結果論でしかないかもしれないですが、このクルマを試したときに、「サイズ、価格、パフォーマンス」だけのクルマだなーって感想でした・・・大して売れないだろーな。とりあえず「S#モード」でベタ踏みすれば、なかなかエマージェンシーなエンジン音が響いて、こんなギミック一つでも十分に「スポーツセダン」だなと納得しますけど、それよりも気になったのが、運転支援の要素が出過ぎてて、子供が補助輪を取った自転車を大人に支えられながらペダル漕いでいるような「過保護」なイメージが強すぎりことです。4800mmクラスになったレガシィB4にこのような手厚い運転支援なら納得できますけど、4500mmのミニサイズにここまでされると「高齢者向け」という思惑が透けて見えます。(実際にそうなんでしょうけど)

  いくらターゲットが引退世代だからと行っても、長年いろいろなクルマに乗ってきた相当に「クルマが好きな人」がユーザー予備軍でしょうから、若輩ものの私が感じたのと同じかそれ以上に「過保護だなー」って感じるんじゃ無いですか? それを想像するだけでも「ユーザー本位で企画する視点が大きく欠如した」と断罪したくなります。350万円のクルマでこれは無策すぎる!! それに輪をかけるように愛情不足な仕事ぶりを感じる点がいくつもあります。

  ハンドリングはAWDですからある程度は仕方ないですけどだいぶ「退屈」です・・・これはSUVか!? そしてダンパーを使い分けて「グレード分け」をしていますから、試す時にはいつも以上に乗り味に神経が行きますけど、どっちもあまり感心しない出来栄えで、これが相当に印象を悪くしてくれます。古いプラットフォームだからポテンシャルもこんなものなのかなー・・・。レヴォーグもそうだけど、基本的な部分をアメリカで開発した弊害なんじゃないですかね。繊細な味の日本車に乗り慣れていると余計に落差を感じます。

  もちろんスバルにとってもそんなことは百も承知なようで、販売ボリュームが大きいレヴォーグに関しては、足回りを徹底的にやり直した「レヴォーグSTI」を、ちゃっかりとラインナップしてたりします。「落ち着いて乗る人のためのSTI」などと、なんとも白々しいこと言ってますねー。しっかり修正ができるんなら最初からやればいいのに!!レクサスや日産の栃木モデルは最初からきっちり仕上げてくるのに、スバルやマツダの新型登場時は、ほぼ例外なく足回りの仕上げにブレが生じてます。現行のフォレスターとアクセラの初期モデルはほぼ「事故」でした。後期モデルになって相当に改善されてますから、どちらも今が買い時。

  団塊世代の大量引退にターゲットを絞ったクルマ。WRX・STIよりも肩の力を抜いて楽しく乗れて十分にスポーティなスペックの「スポーツセダン」。おそらく目指すところは日産GT-RやBMW・M3のリーズナブルな「互換モデル」なのでしょうけど、スバルの看板モデルとは思えないくらいに、車の出来がどうもフワフワしていて、乗っても特に「何も感じない」し、このクルマに乗っても「人生のステージ」が上がるという予感もない・・・いわゆる「痛い」クルマになってしまいました(開発者の皆様ごめんなさい)。「WRX」のネームバリューで訴求すれば、GT-RやM3と同じステージに立てると単純に考えたのでしょうか? それを挽回するかのように、昨年に期間限定受注で登場したのが「S4・tS」というモデルです。


  レヴォーグSTIでは、足回りの不甲斐なさを修正してきましたけど、このS4・tSはスタイルとパフォーマンスをもっと刺激的に(スポーティに)したコンプリートモデルでした。業績好調で、限られた生産枠で作っている事情もあるのでしょうが、レヴォーグSTIとは別のタイプのユーザーを満足させるべく、逆方向に持っていきました。「ターボ・スポーツ車」の魅力を引き出すパッケージで、BRZともしっかりと距離を置いてます。これならGT-RやM3の「互換」にもなれそうです。一瞬で売り切れたS207もそうですが、リセールを考えるとかなりお得でしょうし、スバルを買うならSTIのコンプリートモデルにしとけ!!ってことなんですかねー。

  さてノーマルのボンクラな「WRX-S4」をいっそ「FF-1」に改名したらどうですか?スバル1000の正当な後継モデルとして、競技車両の色合いを薄めたモデルを、欧州の伝統あるブランドのように作り続けるのがいいと思うんですけどねー。余計な御世話ですけども。(今後のスバルには注目してます!!)




  

2017年4月5日水曜日

レガシィB4 「スバルの孤独な戦い」

  2014年に登場した6代目レガシィ。この世代から日本市場での主力だったツーリングワゴンを切り離してレヴォーグとして発売したため、レガシィは一気に日本での存在感を失っている感じです。私だけでは無いかもしれませんが、さらにレガシィB4にネガティブなイメージを持つきっかけとなったのは、全く不人気だった5代目B4の販売が終了するときに、警視庁にパトカーとして相当の台数を納入されてたからですね。街中であまり会いたく無いのに見かけることが多いです。一般ユーザーはほとんどいないのに、もっぱら警察車両として使われるセダン。スズキのキザシ・・・。そんなこともあって直後に登場した6代目レガシィB4にも「負」の先入観がありました。

  レガシィは2世代ごとにクルマのコンセプトが大きく変わります。「花の1989年組」の初代は世界的な大ヒットというセンセーショナルな登場をしました。1981年にはすでにレオーネツーリングワゴンとして原型が成り立っていましたが、それが新型モデルとネーミングのインパクトで広く認知されるようになりました。レガシィのスタート地点はほぼ「ツーリングワゴン」と言って間違いではないですが、1971年に登場した初代レオーネはクーぺ&セダンでしたし、それ以前に遡ると1969年のスバルFF-1、1966年のスバル1000となりスバルのフラッグシップ・ラインを形成してきました。

  そのまま年代で合わせていくと、レガシィへと繋がる一連のモデルは、ホンダ・アコード(1976〜)はもちろんマツダ・アテンザの原型となるカペラ(1970~)よりも歴史があるんですね。さすがに「ノイエクラッセ」以降に登場した1961年登場のBMW1500(のちの3er)には「歴史は」及ばないですけども、レガシィと3erの現在地を比較するならば・・・日本では3erが優位。北米ではレガシィが人気。ブランド力とか価格差とは無視できないですけども、ミドルクラスセダンとしてよりラグジュアリーな質感を持つのは・・・。

  アメリカで売れているのが正義!!はちょっと強引かもしれないですが、やっぱりBMW3erには大きなハンデがありますね・・・「駆け抜ける喜び」から切り離してクルマ作れないですから。レガシィB4が目指す上質なセダンにおいては、開発時におけるハンドリングの優先度は低いみたいですね。「そんなクルマいらねー」と言ってしまうスポーツセダン大好きな人々もそれなりにいるでしょうけども、今じゃマイルドなスポーツカーが「ノーマル」なエンジン載せてスバルの工場でもライン生産されている時代ですから、上級モデルを意識したセダンとは切り離して考えるべきか・・・そういう意味でスバルがやっぱり正義?(BMWには5erがある!!)

  歴代レガシィの進化を見ると、初代&2代目はツーリングワゴン人気で独走し、1998年に登場した3代目&4代目は当時のスポーツセダンブームに乗っかるようなスタイリングを展開。E46型3erやアルテッツァ(レクサスIS)、アコード(6代目CF)の人気を意識した設計でした。BMWもレクサスISもこの世代のイメージにまだまだ囚われたままですが、レガシィは2009年の5代目でボデーサイズを拡大してアメリカで人気を得ました。同じような路線を採ったプジョー508、マツダアテンザ(2代目GH)、VWパサートが苦戦する中で、レガシィ(5代目BM)だけが羨ましいくらいの大成功を収めました。

  世界はハンドリングにこだわるプジョーやマツダではなく、直進安定性においてFRのプレミアムセダン勢に圧倒的な差をつけることができるAWDを信じて、それで勝負したスバルの戦略の先進性が・・・だんだん私のような「ど素人」にでもわかってきました。カムリやアコードは日本ではすでにHV専売モデルであるように、日本におけるセダンの慢性的な販売不振に対して各メーカーは相当な強硬策を採っています。結局は乗り心地追求のために1500~1600kgまで膨れ上がった車重に見合っていて、動力性能と燃費を両立させて受け止められるパワーユニットを「日本基準で」作ることに無理があったとも言えます。

  ハイブリッドかディーゼルターボか・・・というソリューションをレガシィも6代目では採用してくると思いきや、欧州向けの水平対向ディーゼルを廃止!!わざわざ自社開発したハイブリッドシステムもレガシィには投入されず!!という度肝を抜く「逆張り」戦略です。残ったガソリンターボはスバルの得意分野ではありますがレガシィからは排除!!もはやこの段階で「スバル圧勝」の結論が出ていたのか? トヨタやホンダはHV投入の元が取れてないですし、メルセデス、BMW、マツダ、ボルボ、プジョーはディーゼル投入でやっとモデル存続が図れるギリギリの水準に喘いでいます。ガソリンターボ(直4)は・・・(高級車のユニットとしては)論外。

  全く何もしなかったわけではないでしょうけども、日本向けの全てのレガシィB4に搭載されている何の変哲も無い「2.5L自然吸気(FB25)」エンジンの水平対向、シュートストローク、ポート噴射が圧倒的な「キレ」を生み出しています。「CVTは嫌い」が合言葉だったクルマ好きをも黙らせる「感性豊かなエンジンによるピュアな走り」が実現しています。ディーゼル勢の力強いけどややフワフワしたレスポンスや、アコードの緻密すぎるモーター加速も、ある程度はセダンの魅力を引き出してますけども、下から上までアクセルに対して「納得の筆致」でついてくる自然吸気180psユニットはやっぱりいいですね。

  ショートストローク、自然吸気、ポート噴射といえば、日産のVQ37もありますが、フロントヘビーなFRという仕上げの車が多く、しかも採用車種がフーガとZのみで、ミドルクラスには設定されていません。マークXに使うトヨタの3.5L(2GR)は、直噴&ポートの併用になっていて思った以上にはスッキリと回らないです(ターボに比べればずっとマシです絵けど)。ちなみに官能領域エンジンへの日産の情熱は素晴らしくVQ37の後継となるVR30DETTも素晴らしい出来栄えなんだとか!!日本でもスカイラインで売ってください!!余談ですが直噴化を全世界で推し進めた某ドイツ系サプライヤーは、近年はタカタ以上の茶番を繰り広げていて、エンジンに対する考え方もだいぶ変わってきて、スバルや日産にとっては追い風かもしれません。

  全車AWD、パワーシート&シートヒーター(前後)、アイサイトは全グレードで標準装備。「レガシィに乗る人にふさわしい装備」ということなんでしょうね。スバルが見通すミドルセダンの未来は、「21世紀的バブルカー」な装いです。2019年にはいよいよ次のステージのレガシィが登場するみたいです。スバルがパワーユニットを放り出してでも開発を優先した新型プラットフォームが使われ、現行レガシィB4の数少ない弱点である、動き出し時の微細な振動と低速での操舵もかなり修正されるでしょう(インプレッサはその部分の進化が著しかった!!)。

  直噴化しないままの自然吸気フラット4を、AWD(のための縦置き)と、低重心化のためのユニットとして使い続けるとすると、フロント前部の下方暴れるエンジンを抑え込むためにサブフレームとサス剛性の強化は不可欠で、新型シャシーではその問題に的確な対応をしたと思います。だけどもエンジンスペース上の制約でフロントにはストラットしか使えない・・・。この辺をどのようにクリアしてくるかが、次のレガシィB4の見どころでしょうか。もちろん先代から継続で熟成されてきた現行モデルも価格を考えるとびっくりなくらいにお買い得なのですけどね。

↓4代目BP型 (4人のコメントは失笑ですが)とりあえずスポーティ・・・


↓ウゼー・・・5代目BM型


↓日本にもフラット6を!! 現行の6代目BN型
  


2017年3月24日金曜日

シビックか? マークXか? それとも・・・。

  ホンダが再び日本に投入するシビック。北米サイズのCセグなので4630×1800×1414mmとなかなか立派な車体になっていて、似たようなサイズのクルマを探すと、有名なところでは4645×1800×1440mmのBMW3erのセダンでしょうか。3erは北米向けDセグとしては小さいセダンなので、その他に4825×1830×1510mmの「3erグランツーリズモ」というモデルもあります。これがだいたいアコードやアテンザと同じ北米のDセグサイズです。

  日本でクルマを楽しむ人々にとっては、割と扱いやすいサイズ(4700mm前後)で、スポーティなスペックも選べて、当然にメーカーも開発に力を入れていて、乗った瞬間に「意匠」や「味」が染み出してくるような、かっこいい3BOXマシンの選択肢が増える事はとても幸せなことだと思います。しかも250~450万円くらいの幅に収まれば何もいうことはないかなー。現行でこの条件に当てはまるクルマってどれだけあるんだろう。マークX!!あれ!?他には・・・。

  今更シビックが出てきてどうなるものでもない!!とかいう意見もあるようですが、2010年頃まで売られていた先代のまだまだ「スモールカー」でしかなかった時代のシビックとは完全に別物に見えます。2007年に発売された2代目フィットが日本で大人気になるのを見届けてシビックの生産ラインが他車種に譲られた結果の「建設的」な日本撤退だったのは明らかで、もしシビックがそのまま日本市場に残っていたならば・・・カーメディアがワイワイ騒いだようにVWゴルフはすごいぞー!!キャンペーンに対する強烈な「反論」になり得たかもしれません。

  新しいシビックのライバルはBMW3シリーズ?価格を考えるとだいぶ差がある印象ですが、300万円前後が予想される1.5L直3ターボのシビックと、400万円の客寄せグレードも設定されていてシビックと同じく1.5L直3ターボの318iと、さらに300万円まで価格が下がる118iもあります。シビックの基本的なコンセプトは3erのボデー&スペックを持つクルマを、1er並みの価格に設定することにあるみたいです(もっと安いかもしれませんが)。

  スポーティで小柄なキャビンの1erに対して、現行3erは後席のユーティリティを確保したことで評価されていて、BMWが名乗る通りの「リムジン」です。そしてシビックは?というと明らかに3er寄りじゃないか?・・・という話です。スポーティだけを追求するならS660みたいなピュアスポーツカーがあるわけで、シビックは乗用車なのだから、お手本にすべきは3er!!至極真っ当な話です。

  大人4人がくつろいで乗れて、なおかつドライビングがあらゆるジャンルのクルマよりも楽しい。単なるスポーツセダンの枠を超えて、「リムジンwith FUN to DRIVE」でコンフォータブルな性能を強調した「パッケージング・セダン」とでもいうべき新ジャンルです。そこにはポツンと国内専売のマークXが置き去りにされていましたが、欧州プレミアムブランドからは、上位モデルとの兼ね合いでむやみにボデーサイズを大きくさせないDセグセダンが、そしてシビックの後に続くクルマがあるかわかりませんが、北米で人気の4700mm級Cセグスポーツセダンが、日本市場でジャンルを超えて激突する!!そんな2017年を予感しています。

  欧州チームは・・・BMW3erに加えて、アルファロメオ・ジュリア、ジャガーXE、ボルボS60の4ブランド4台。ガソリンターボは130~510psまで幅広いスペックが用意されていて、ディーゼル搭載という毛色の違うグレードまである!!ビギナーからニッチ、エンスーまで大満足のラインナップが嬉しいところです。特にM3、ジュリアQV、XE-R、S60ポールスターと並ぶと・・・なんかもう開発者の「意地」ですね。「直6高回転ターボ」「フェラーリチューン!!」「オリジナル・スーパーチャージャー」「最強直4&最強アシ」。800~1000万円を出させるだけの魅力はあります。

  アメリカチームは・・・陣営としてはホンダ・トヨタ・レクサス・日産・スバル・
ポルシェ・シボレーの7つです。シビック、スープラ(未発売)、LC、セントラNISMO(未発売)、WRX-S4、マカン、カマロ・・・といずれもメイン市場はアメリカのクルマばかり。ジャンルもバラバラなので「かき集めた感」が否めないですが、北米市場向けの商品力は日本でもそこそこ通用する気が。1000万円を超えるのはLCとマカン・ターボだけ。ユーザーにとっては欧州チーム以上に「選択肢」の広さが魅力です。

  「羨望の眼差し」を受けたかったら、LCかマカン・ターボですども、他のモデルでも十分に目立つし、クルマ好きであることを十分に示せます。価格を抑えたかったら、シビックかセントラが良さそうです。1.5Lターボで200psのシビック、1.4Lターボで180psのセントラどちらも十分にスポーティです!!王道GTカーを目指すならスープラを、峠最速のAWDターボが欲しいならWRX-S4、アメリカンマッスルを手頃な価格で手に入れたければカマロ。

  とにかくどちらの陣営も「相当な覚悟」が感じられますし、何よりメーカーにとっては上から目線で批評されるリスクが大きいであろう、クルマ好きが好むモデルを正々堂々と仕上げる!!そういったあ仕事ぶりにこそ喜んでお金を払いたくなるものです。メルセデス、マツダ、プジョー、VWなどまだまだ新しい方針が見えてこないブランドもありますが、日本市場のこのジャンルは「熱い」と思いますよ!!(早く参入を!!)



↓これは!?


  

  

2017年3月17日金曜日

新型スイフト なぜか「奪える」気がしない・・・

  第二次オイルショック直後の1981年に誕生したレーガン大統領は、日本に対して自動車輸出を規制を要求しました。前年から10%近く台数を減らされ164万台に制限された時、北米市場で日本車が品薄になり価格が上昇した!!という記録があります。

  クルマが売れにくくなった今の日本市場では、「高く売る」「安く売る」の究極的にはこの二択でしたシェアを上げることはできないんじゃないか?という気がします。もっっとも「高く売る」で成功するのは、開発グループが非常に有能で、しかも会社が全面的な支援体制を整えていて、期間も資金も十分に与えられたモデルに限られます。値上げしても大人気だったモデルといえば4代目プリウス。トヨタの全ラインナップHV化の煽りを受けて先代モデルを超えるまでのセールスにはならなかったですけども、特に乗り出しで350万円くらいする上級グレードがよく売れたようです。

  V37スカイラインも、先代モデルから大幅な価格アップにもかかわらずよく売れました。V36は3.7LのV6搭載モデルでも300万円台が中心だったですが、V37ではHVは500万円〜、2L直4ターボが400万円〜と明らかに割高になっていますが、使われているシャシーはV35以来の同じものです。V36と比べてV37にどれだけのアドバンテージがあるのか?というと、エンジンのフイールならV36の方が良かったくらい。

  大きく進化したのは「実燃費」でしょうか。7~8km/L程度しか走らなかったクルマが、11~12km/Lくらいになっています。あとは0-100km/hを5秒台で走る俊足もポイントが高いのかも。確かにヤバいくらい速いです。トヨタと日産がプライドをかけて作成した最新ユニットを搭載したプリウスとスカイライン。しかもどちらも発売日を延期して仕上げに十分な時間をかけました。

 

  トヨタ、日産に対してスズキは・・・というサゲサゲな話になっちゃうわけですけど。高級車を持たないスズキにとっては、プリウスやスカイラインに詰め込まれたような技術は必ずしも必要ではなく、当然に販売戦略も違うものになるはすです。先代の3代目スイフトが大成功したこともあって、「日本製の走りのコンパクト」としてファンも増え、新型に対しても非常に期待が高かったです。スズキのラインナップでは花形になるモデルですから、世界をびっくりさせる何か?が出てくると思いましたが、バレーノのターボと、ソリオのハイブリッドが一気に追加されたという想定の範囲内の決着でした。

  新型スイフトのバックオーダーは4000台程度にとどまっていますが、ほぼ同時期に発売されたC-HRが10倍の4万台を受注したようです。C-HRもハイブリッドとガソリンターボを導入していますが、どっちがどっちをマークしたのかわかりませんが、スイフトとC-HRではある程度は戦略が被っています。結果としてスイフトが目指しそうなことをC-HRが全部やってしまった!!C-HRがなんだかスイフトの上位互換機のような雰囲気すらあります。実際にコンパクトカーでは「不満」なユーザーを狙い撃ちするのがB/CセグSUVなので、トヨタは戦略通りにC-HRを仕上げてます。開発者のコメントにも、「他からユーザーを奪えるモデルを目指した。」とはっきり出てきます。

  スズキとしては「スイフト=スポーツ」が登場してから一気に巻き返すつもりのようで、C-HRの1.2Lターボを上回るスペックの新開発1.4Lターボが1000kg以下の軽量ボデーに搭載されれば、マツダ・ロードスターを上回るパワーウエイトレシオ?十分に可能です。アルトに「ターボRS」と「ワークス」が投入されてから、ベースモデルも人気になったように、スイフトの本格展開はまだこれから・・・なのかもしれません。果たしてアルトの二番煎じは上手くいくのでしょうか?(ノートe-POWERが強敵では?)・・・(税金も半分だし)アルト・ワークスでよくない!?というユーザーもいるでしょうけど。

  もちろん「スイ=スポ」を楽しみにしているユーザーもたくさんいるはずなので、安易な路線変更には困惑しますけども、C-HRなどスズキ・ラインナップのライバル関係の変化を踏まえて他から客を奪ってくるモデルを作って行かないと、スズキの普通車販売はジリ貧から脱することが難しいでしょう。「スイ=スポ」と同じタイミングで「エクスード=スポーツ」と「イグニス=スポーツ」を出すことで、デザインの好みで選びやすい若者ユーザーを上手く取り込めるでしょうし、デザインのバリエーションを持たないノートe-POWERに対しても優位に立てるのでは?・・・あるいはフィットやアクアから「奪う」こともできるかもしれません。