2014年3月19日水曜日

アクセラとレヴォーグの「ゴルフ退治」は上手くいくのかな・・・

  日本のモータージャーナリストは偉い。発売の1年前くらいから「ゴルフ、ゴルフ、ゴルフ」と大合唱を続け、それは大きなうねりとなって日本市場を駆け抜けた。ゴルフをめぐる一連の騒ぎを、何かに例えるなら「ボジョレーヌーボー」みたいなものかもしれない。まだ熟成が足りずにワインとしての価値なんて二足三文の「ボジョレーヌーボー」が日本ではフルボトルで2000円とか平気でする・・・。せいぜい500~600円が相場だろうに。昔になにも知らずに期待して飲んだら、何の感動もなかった。メルシャンの300円のワインと何も変わらない。

  ゴルフもまた、VWが今ある技術をシンプルに使って、比較的あっさりとした実用車だ。良く回るエンジンが楽しめるわけでもなく、ハンドリングが冴え渡るでもなく、特筆すべき点は特にはない。それがこのクルマの魅力だ!と自信を持って言える人ならいいのだけど、このクルマを買っている多くの人はひょっとして「ボジョレー」に陥っているのではという気がする。やたらと勧めてくる評論家達は「そんなワイン」は絶対に飲まないのだけど・・・。

  ただこれらの評論家の存在が、マツダやスバルを熱くさせているのも事実のようだ。この2社は中型車中心のラインナップということもあり、この「ボジョレー」ことゴルフにおめおめ負けるクルマは作れないという宿命にある。よってゴルフを目一杯分析して、確実にその上を行くクルマを仕上げるようになっている。輸入車のCセグメントの中でなんだかんだで最も高い水準にあるのはゴルフだ。それ以外のCセグ輸入車はまだまだ「めちゃマズのワイン」に過ぎない。

  そもそもCセグメントに「プレミアムカー」(高級車)なんて概念が付加されたのはここ数年のこと。それまではひたすらに生産効率のみを追求した「大衆車」しか存在しなかった。このセグメントで最も品質に優れていてグローバルで歴代にもっとも売れたクルマは、ゴルフではなくカローラ。他のクルマは全てカローラよりも低品質というのが常識だった。

  しかしスズキを始めとした日本メーカーが欧州でさらに小型のBセグメントのツーリングカーを売るようになると、欧州各社もこれに追従し、M&Aでスズキの技術がGM(オペル)やVWに流出することで、Cセグの「大衆車」としての立ち位置がやや変わり始める。欧州各地でA/Bセグ車が多く売れるようになると、一回り大きいCセグにやや「高級」なイメージが付くようになります。日本でも同じように「インプレッサ」や「アクセラ」がかつての「カローラ」や「シビック」よりもいくらか堂々としているように見えますよね。

  そして俄に巻き起こっているのが、ボジョレーならぬ「ゴルフ」騒動だ。まだまだCセグメントは大衆車時代の設計から大きく切り替わっていないので、本格的な高級化はまだまだ先が見えてこない。メルセデスやBMWのCセグなどは、全くと言っていいほどにメーカーのやる気が伝わってこない残念すぎるクルマとして売られている。日本の主力Cセグを一堂に会してマツダやスバルは試乗研修をやっているが、それを受けた人に聞くとゴルフ、インプレッサ、アクセラ以外はハッキリと解るレベルでクルマが悪いらしい。

  アクセラHVは内装・外装・クルマの乗り味どれを取ってもレクサスCTを上回ってしまっているようだが、レクサスは最底辺グレードのクルマのことなどいちいち気にしていない。ゴルフ、インプレッサ、アクセラの3台だけがまともであとはメチャクチャヒドい。これがひとクラス上のDセグになるとまったく事情が変わる。もちろんDセグにしたってメルセデス190やBMW3が出来た頃はヒドいものだったそうだが・・・。あと10年もしたらCセグも現在のDセグくらい各社から納得のモデルが出揃うのかもしれない。とりあえず現段階ではVW、スバル、マツダの3つどもえの争いがこのクラスを発展させてくれるだろうけど。







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