2016年11月28日月曜日

マツダ・ロータリー復活!?虫の知らせが・・・(ガセだったら失礼)

  毎年この時期に発売される「ワールドエンジン・データブック」の2016-2017版が登場しました。おそらく一冊にまとまっている本としては世界の主要メーカーの実力が最もよくわかる素晴らしい刊行物なので、毎年楽しみで欠かさず買ってます。今回は新たに日産の3LのV6ターボ[VR30DETT]や、ポルシェの2.5Lフラット4ターボ[2.5DDN]といった、「ターボ=回らない」という固定概念すら変えてしまうであろう素晴らしい次世代エンジンが新たに掲載されています。さらに嬉しいのはこれまでベールに隠されていたヒュンダイのエンジンが復活して掲載されるようになりました。話題のメルセデス3L直6ターボは詳細スペックが「NO DATE」となっていて、ちょっと残念な部分もありますが、届いたその日から夜更かし気味に読みまくっております。

  さて密かに期待していたマツダの2.5L直4ターボも今回から掲載されるようになりました。詳細スペックを改めて見てみるとなんだか裏切られた気分です。日産やポルシェがベースエンジンで6400~6500rpmというキレキレの出力ピークを設定しているってのに、マツダのターボは「レギュラー対応」ということもあってか、なんとも平凡な5000rpmピークの典型的な欧州的ターボです。こんなエンジンは今ではそこら中に溢れてるし、もう「今更な感じ」しかしなくて反吐が出そうです・・・。あんまり言いたくはないですけど、これではクルマ音痴が大好物な、超絶つまんねードイツ車に載ってるエンジンと同等じゃんか・・・。マツダはやっぱりバカなのか!?レクサス&トヨタの2L直4ターボですら5800rpmまで頑張ってんのに・・・。

  レギュラー対応したからには、日本で発売することも視野に入っているんでしょうけど、SUV専用エンジンなのかわかりませんが、あんまりにも酷いスペックなので特に走らせたいとか思わないです。スペック的には悪名高かったBMWの「N20」みたいなヤツです・・・いらね。BMWも今年からエンジンをモジュラー化したB48に置き換え始めていて、一応5200rpmまで上げているんですけどね。それでもBMW&MINIが2L直4ターボの底辺という認識はまったく変わらないですけども。まさかマツダがそれ以下のガソリンターボを作ってくるとは・・・2.5Lだから回転は不利だって?そんなの言い訳だ!! BMWに対して「燃費勝負」でも仕掛けるつもりか!?BMWとマツダの「燃費対決」なんて誰も見たくねーって!!

  プレミアムモデル用の「クソ」2L直4ターボ・ランキング!!!(回らないエンジン)
1位BMW・N20(5000rpm)
2位BMW・B48(5200rpm)
3位VW・TFSI、メルセデスM274、GMエコテック、フォードエコブースト、ジャガー・インジウム、ルノーF4Pt(5500rpm)
7位スバルFA20DIT(5600rpm)
8位ボルボT5(5700rpm)
9位トヨタ8AR-FTS(5800rpm)
10位ヒュンダイ・シータ(6000rpm)
11位スバルEJ20DIT(6400rpm)
12位ポルシェ2.0DDP(6500rpm)、ホンダK20C(6500rpm)

  いざ表にしてみると、9位トヨタや10位ヒュンダイは、米国で着実に地盤を築くだけあってバランス感覚に優れたエンジン開発をしてますねー。11位はWRX-STI、12位は718ボクスター/ケイマンとシビックtypeRなので、ベース車用ではヒュンダイがベスト・エンジンの可能性もあります(このエンジンが実は直噴ターボのオリジナルでヒュンダイというよりは三菱のエンジンですが)。排気量こそ違いますが、マツダの直4ターボ(2.5L)はレギュラー対応で5000rpm。日産の新型V6ターボ(3L)は6400rpm。それぞれメーカーの思惑を感じるスペックです。前者は経済性とトルク重視で大型SUV用エンジンに、後者は次世代のGTサルーン&クーペ向けでドライブフィールをかなり重視しています。

  日産はさらに来年以降に2L直4ターボの新型エンジンもすでに完成しているようで、「可変圧縮比」という乗り味が想像もつかない新機構が盛り込まれているようです。もしかしたらランキングの1位から12位までの領域を数値上ではカバーしてしまうターボエンジンになるのでは?という気もします。BMWを見ても新旧の交代で若干は高回転の方向にシフトしているので、これら上級モデル用エンジンに関しては、行き過ぎたダウンサイジングから再び走りを楽しくするフィールを取り戻そうとしているのかもしれません。ちなみにターボ化が話題になったフェラーリでは3.9LのV8ターボで8000rpmと貫禄の数字を出しています。さすが3000万円するクルマは違いますね・・・。

  さてマツダはなんでBMWばりのへっぽこエンジンを作ったのか? プレミアムブランド向けターボエンジンにおける「エコ番長」を、あのBMWとマツダが争っていますよ・・・。2012年くらいまで遡るとE90系M3の「BMW・S65B40(8300rpm)」とRX-8の「マツダ13B-RENESIS(8500rpm)」がポルシェのフラット6(シリーズ最高で7200rpm)を越える次元で頭角を顕していたんですけどねー。気がつけばトヨタやヒュンダイよりもつまんないエンジン作ってます。どちらもSUVで稼ぐようになってからちょっと変調気味です。

  このままマツダとBMWのスポーティカーに対する情熱の炎は消えてしまうのか?・・・もしそうだとしたらカスです。過去の栄光にすがりついてエコなクルマを「スポーティ」と称して販売するバッタものブランドです!! ただし・・・まだモデル廃止から4年程度ですから、これは充電期間と見做すべきじゃないかと。スポーツカーなんか売れる時代じゃねー!とか言われてましたけど、いやいやそんなこと無いみたいです。自動運転が始まろうとしている時だからこそ、徹底的に運転が楽しいクルマが売れるようになるんじゃないの?いやもうすでにスポーツカーへの注目は最高潮に高まっているような・・・。アストンマーティンDB11もブガティ・シロンも売れるよ!!きっと!!

  マツダもBMWも専用設計の新型スポーツカーの開発がすすんでいて、すでに市販一歩手前まできていることが公然の事実となっています。もうこれは「やる!!」しかないでしょ。実用モデルはどちらも「わざとらしい」までに低調なエンジンになってますが、それもすべてこれから登場するキッレキレなハイチューン・ユニットがそれぞれRX-9とZ5の最上級モデルには用意されるからなのでは(と思いたい)!? せっかくの専用スポーツカーですから、軽くフェラーリ越えの高回転エンジンを用意しているはず!!BMWはトヨタと共同とはいえ、せっかくのスポーツカー専用シャシーなのに、Z4と同じの相変わらずの5000rpmエンジンだったら、間違いなく失敗しますよ(Z4で懲りただろ)。

  8000rpmオーバーで勝負するなら、もうマツダはロータリーしか手段は無いっすかね。レシプロは直4に一本化しているので、改良の余地は限られてるし・・・。そしてBMWは再びショートストロークのV8自然吸気へと回帰する? 2000年頃に時代を象徴する存在にまでなったE39系・M5のようなスーパーBMWによるエクセレントなGTカーの復活はあるのかな?あのクルマはフルサイズセダンのボデーながら996ターボや360モデナよりも「GTカー」の究極形として輝いていたっけな・・・。まああくまで妄想です。ほどほどに期待して待ちましょう。



  

  

  

2016年11月12日土曜日

マツダのジレンマ・SUVと既存モデルが並び立たない様子・・・

  ミニバン廃止!!!考えようによっては「日本市場切り捨て」と受け止められる決断をしたマツダです。大丈夫かな? 最近のスクープによると後継ピープルムーバーとして3列SUVを国内市場にエントリーする見込みだそうです。北米にはすでに3列のCX9が配備されていますが、日本向けには新たに1800mm程度の幅に抑えたCX6になるんだとか・・・。BMWと同じ設定で偶数番号のSUVはクーペ調になるならば、SUVとトヨタ・エスティマの中間ぐらいの魂動デザインがちょいと頭に浮かびます。まあマツダなら上手くやるでしょうが・・・。

  メチャクチャ失礼なこと言いますけど、才能の無いデザイナーのやっつけ仕事で次々出てくる「クーペ調SUV」のデザインはとんでもなくドイヒーですね。メーカーの上層部は早く作れ!って圧力をかけるんでしょうけど、未だかつて成功と呼べるデザインが「ほとんど」出てきていないジャンルですから、請け負うデザイナーも混迷を極めているんじゃないでしょうか?

  このジャンルで結果を出したのは知る限りではほんの2例だけです。現在はマクラーレンのチーフデザイナーを勤めるロバート=メルビルがジャガーランドローバー時代に手がけた「レンジローバー・イヴォーグ」と、中村史郎監修の日産でとんでもないアヴァンギャルドに突き抜けた・・・「ジューク」(欧州車を根底から変えた名車として記憶される?)。正統派で見事なまでに結果を出したイヴォーグの真似をしようとしたのか、ドイツの名門2ブランドのデザイン力の無さにはホトホトあきれましたよ。もっとマトモかと思ってましたが・・・。

  マツダのCX4は日本未導入が悔しいですが、中国向けとはいえこのクルマがクーペ調SUVの3例目の成功になるんじゃないでしょうか?他のモデルもですが、2016年の世界カーオブザイヤー・デザイン賞のノミネートを完全に独占したジャガー・ランドローバーとマツダのデザイン力は現状では群を抜いているように思います。デザイナーの実力も当然にあるでしょうが、これはやはりGOサインを出す上層部の人々にどれだけセンスがあるか?という部分も非常に大きい気がします。

  マツダもジャガー=ランドローバーも(ボルボもアストンマーティンも)生粋のクルマ好きばかりが経営陣に連なることで有名なフォード陣営に割と最近まで属していたことが、最近の成功にとって大きいのかもしれません。マツダにRX8を作らせたり、「ZOOM-ZOOM」のコンセプトと世界的大ヒットの初代アテンザを送り出した、親日家でスポーツカー大好きロータリー大好きのマーク=フィールズが、いよいよフォードのCEOにまで登り詰めたことで新たなる展開を期待したのですが、まさかの日本市場からの撤退・・・。

  さて「プレミアム」に一歩一歩近づいている意図は伝わってくるマツダですが・・・日本市場ではどんどん期待感が↘になっているように思います(数年前が高過ぎた)。まだ期待している人います? SUVに関してはマツダは後発の部類に入りますけど、CX5が日本で、CX3がイギリスで売れてブランドの重心が変わってきてしまいました。マツダのSUVが短期間でここまで目立ってくると、どうしても晴れやかで目新しいSUVモデルに対して既存のデミオやアクセラは「魂動」デザインをまとっていても、なんだか物足りなく感じてしまいます。

  アウディA1を彷彿させるような作り込みのデミオは果たして狙い通りのユーザーに届いているのでしょうか(そもそもアウディA1が定番モデルとしての地位を確立できてないですけど)。新型デミオはどうも街中で見ているととても地味な使われ方してます。そしてやたらと彩度が高いピンクやブルーをチョイスして、デミオにドヤ顔で乗っているオッサンのセンスはちょっと理解不能です(人のセンスをどーこー言うものじゃないですが)。マツダはおそらく当初は全く違うユーザー像のイメージで、デミオを売り出していくつもりだったと思うのですが、現実に高齢者がピンクやブルーのデミオを街中で乗り回すようになってしまいました。果たしてこの事態は想定されていたのでしょうか?この状況がブランドイメージにどんな悪影響があるのか?そこまでしっかりと考えていたのか・・・これじゃ若者はなかなか関心を持ってくれないですよ。

  デミオの伸び悩みの原因は間違いなく「カラー・ヴァリエーション」です。近年稀に見るマツダの失態だと断言します!!やや高過ぎると言われる価格なんてクルマさえまとまっていれば二の次です。もちろんマツダの藤原本部長が恨めしく語っていた「先代デミオ=98万円」という世間イメージがかなりの足枷にはなっていますが・・・。経営陣はそのことが分っているなら、もっと建設的で前向きな、かつ綿密な販売計画を策定しても良かったのでは?

  もっと「アースカラー」中心の展開にしてさえいれば結果は変わったのでは?・・・例えばMINIの伝統カラーになっている「ブリティシュレーシンググリーン」みたいな色があればだいぶ違った気がします(パッソを見る限りあまり自信ないですが)。そんなのはマツダではない!!ストリートで圧倒的な存在感を発揮してこそマツダ!!!というコンセプトなんでしょうね。「塗り」に自信があるから彩度が自然に上がっちゃうんですね・・・。

  デミオ・ユーザーは地味。しかしこれ以上に計算外だったのがアクセラ・ユーザーの地味さ・・・。ライトなユーザーが食い付くモデルというとマツダらしいですけど、デミオもアクセラもキレイに作ってそれで満足しちゃったところに、作り手の想像力の欠如が出てしまったか?トヨタ・ヴォクシーのようなアグレッシブさ!というと語弊があるかもしれないですけど、もうちょっとあえての「隙」のあるデザインだったらいろいろ「味」があるな〜・・・とアクセラもデミオを見る度に思うのですが。

  それに対してマツダのSUVは、クロスオーバーのアグレッシブさとマツダデザインの過敏な上品さがとても良い塩梅に「クロスオーバー」してるんですよねー・・・。デミオやアクセラよりも目立ってる!!というよりもマツダでのカーライフをリアルに想像すると、自然にSUVのモデルが選ばれちゃいます。より単価の高い方が売れて短期的には結果オーライなんだろうけど、デミオとアクセラのステータスは世間でもて囃されるよりずっと下になってしまいました・・・。

  マツダも相当に意識しているであろうメルセデスが、この件に関してはいくらか参考になるのかも? 小型車の販売を延ばしてここ数年でそれなりの足場を築いたのはメルセデスだけです。基本となるハッチバックのAクラスからSUV(GLA)と4ドアクーペ(CLA)を派生させてます。マツダと違ってSUVが下手くそで全く存在感出せてないので全然人気ないですけど、4ドアクーペのCLAはAクラスよりもハッキリと日本市場では売れているのだとか・・・。

  メルセデスをお手本にして、アクセラから全高を下げた4ドアクーペを作る、あるいはアクセラ自体をFMCでその方向へ転向させる・・・これが離れたファンを戻す最良の手段? あるいはSUVで結果を出して満足の日産やホンダに倣って、いまさら4ドアクーペ路線には乗っても無理だから諦めるべきなのか。はたまたBMWをお手本にして、SUV(X1)とクーペ(2erクーペ)を両方ともに成功させるか?マツダのこれまでの歩みや狙っているコンセプトを考えれば、おのずと決まってくると思うのですけどね。


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