2017年6月15日木曜日

スズキ・エスクード 「なんかパクられちゃいましたー」

  カーメディアも全然騒いでくれないんですけども、ヤラれました・・・。これはもう弁解の余地はないでしょう!!けれども悲しいことに全く知名度がないスズキ・エスクードゆえに誰も指摘してくれない!!まあ某フランスブランドの仕業なんですけども、そのブランドも日本での生き残りをかけて、デザインこそパクリながらも、頑張って良さげな車を作り上げて、今がとても大事な時見たいなので、車名を挙げて非難するのはやめておきましょう。(スズキがSX4クロスでBMWをパクったと盛り上がってますが、これはなにも
言われないんだ!?・・・あんまり一方的な意見ばかりで閉口します。本当にクルマ知らない人が多いよなー)



  ハンガリーのマジャール・スズキ製造車をわざわざ日本に持ってきて売るとなると、スロバキアで作っているVWのSUVの輸送コストとほぼ同じだと思われます。当初は用意されていたFFモデルがなくなりAWDのみ『234万円』という価格設定になりました。4m前後サイズのコンパクトSUVの国内王者ヴェゼルのAWDが『213万円』ですから、外しにはちょうどいいかなー・・・なんんて思っていたらとんでもない!!さすがはスズキ!!コスパでは『絶対』に裏切らない!!234万円でここまで付いてくるものか!?

  本当に『無駄が嫌い』と著書がはっきり書いておられる鈴木修社長が許可したのか!?というくらいに色々と付いてます。ズラズラ書いていたらありがたみも無くなりそうなので、これは間違いなく嬉しいでしょ!!というものから・・・まずは『アナログ時計』です。最近ではディスプレイにアナログ表示させているモデルもありますが、これはマテリアルが備わった本物のアナログ時計が付いてます。シトロエンなども比較的に小さめのクルマに導入していて、どうやらEU圏では人気のインテリア装備になっているようです。

  次はクルマ選びの重要なポイントになるトランスミッションですが、MINIやマツダと同じ「パドルシフト付き6速トルコンAT」です。欧州で『勝つつもり』のクルマはことごとく(2ペダルに関しては)このミッションで勝負してます。日本ではゲトラグ製DCTで展開するルノーも、本国モデルはアイシンAW(トヨタ陣営から買ってる・笑)の6ATを使います。スズキはターボ車にも6ATの配備をしていますが、新開発の『内製』とのことです。

  『どっか』の大手サプライヤーから部品を買ってきて、エンジンとのマッチングは自前のエンジニアリングコンサルタントを使うという手法はマツダも同じですが、これが150万円前後のクルマ(バレーノ、デミオ)に最先端のロックアップするトルコンATを組む秘密なんでしょうね。MINIで比較すると6MT(230万円)、6SAT(244万円)と10万円以上の価格差が付いてますから、ミッション単体でそれなりのコスト差があるのがわかります。なずマツダは・・・。

  ちょっと気になったかもしれませんが、エスクードの234万円あればMINI買えます。エスクードもMINIも『満足度』の高さに気がつくユーザーなら間違いなくお買い得です。どちらも『旨味』が凝縮された良さがある!!これこそが『本場』で作られるクルマのオーラとでもいましょうか・・・(なんかオザーKジさんみたいだな)。メキシコくんだりで作られるエクステリアが『しょっぱい』大雑把なクルマとは違うぞーーー!!同じスズキでもマルチ製(インド)とは違う魅力がエスクードにはあるのだけど、ターボ馬鹿なオッさんライター連中は、某ドイツ・コンパクトカーのコピーは素晴らしい!!とかいう理由でバレーノを某雑誌のCOTYに選んでたね・・・。

  さて話が脱線しましたが、エスクードの素晴らしい『標準装備』に話を戻すと、スズキのAWD技術はやっぱり半端ないぞーってことを示す『オールグリップ』ですね。路面状況に応じて適切なAWDシステムが選べるモードです。スズキといえば『ジムニー』という世界遺産級の古典的AWDシステムを持つクルマが現役バリバリなんですけども、インパネに『2WD/4WD/4WD-L」と3段階のマニュアルスイッチがあって、ドライバーが任意に切り替えます。4WDは昔ながらの直結式で、センターデフなどないですから、とにかく曲がらないクルマになる。そこら中でジムニーで遊ぶ人々がいますが、彼らを虜にしているのは、実は悪路走破性によるクロカン遊びではなくて、4WDの旋回性の低さによって、『業務車両』を動かすプロドライバーの気分が存分に味わえる魅力が大きいのだとか・・・。

  しかし快適装備満載で登場しているエスクードに『直結式』AWDのみではあまりにも無粋すぎる!!ということで、同じくマジャールで製造されるSX4クロスとともに、最先端のAWDシステムが搭載されました。概要としては『電子制御トルクスプリット』です。スバルが用意している4つのAWD技術のうちで、最も高性能な『WRX STI』のみに使われる『DCCD』だけがこの『電子制御トルクスプリット』です。

  あのBMWがAWDの権威であるアウディ・クワトロに対して、『FRベースで電子制御だから高性能です!!』と喧嘩を売った『Xドライブ』もやはりこの『電子制御トルクスプリット』です。ただしターマック走行最強のアウディに対して、登坂性能(確かにFRベースは有利だな)に関する動画などでアピールする手法は詐欺だと思いましたけどね。メルセデスの4maticもホンダ・ヴェゼルもやはり『電子制御トルクスプリット』です。

  もちろんWRX  STIは40kgmのトルク、BMWのXドライブに至っては80kgmの12気筒ターボと組み合わせてますから、スズキやホンダよりも『耐久性』の向上に圧倒的にコストがかかってはいるわけですが・・・。ちょっと文句が来そうなんで書いておくと本当の意味でのAWD『最先端』は前後だけでなく、スリップ関係なく旋回のために左右にトルク分配も行う三菱AYC、日産ATTESA E-TS、ホンダSH-AWDがAWDの理想を追求した姿ではあります。

  またまた横道に逸れましたが、『オールグリップ』の切り替えスイッチは、『オンデマンド/直結/スポーツ/スノー』の4種類のAWDモードの切り替えが可能になりました。『直結』が選べるというのがなかなか画期的で、ジムニー中毒も任意に体感できるわけです。せっかくの高性能AWDなのだからエンジンパワーをもっと!!という声もあるようですが・・・。

  こんなにすごい『オールグリップ』が付いていない2WDモデルを選ぶ『無関心層』にも当初は売ろうと思ったけども、ヴェゼルに全部持って行かれてしまった。まあそりゃそーだよね。ヴェゼルって何気に剛性感のある樹脂素材を多く使って独特の操作系を作っていたりして、売れるポイントをうまく押さえていましたし。ヴェゼルの2WDモデルなら200万円以下で手軽、しかもキャビンも広い。

  ということで、エスクードを買う人のツボってのは、『トルコンAT』でスズキのやる気を感じつつ、『オールグリップ』を使いこなして、アナログ時計などの独特の格調高いインテリアを好み、・・・あと大事なこと忘れてました!!エスクードは、本革シートが標準装備です(えーーー!!)。しかも前席にはシートヒーターまで付いてます(えーーー!!)。


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2017年6月12日月曜日

マツダCX3 「なんでこのブランドは最初からコレなんだ・・・」

  「最近のマツダはカッコいいよね!!」とか寝ぼけたことを言ってる奴に、見てもらいたいのが「マツダのすべて」というムック。歴代のマツダ車がづらづら並んでいる誌面を見ても、まだ同じこと言うのかなー。その寝言をほざくだけで、クルマのこと何もわかってない奴ってことがバレますよ。評論家も素人も・・・そして沢村慎太朗さんも。

  斎藤慎輔さんは「マツダは宗教」と言ってマツダ好きの視野の狭さを、度々ディスっておられますけど、もう『宗教』でもいいじゃん。だって相当にヤバいレベルのマツダファンじゃないと、マツダのクルマ作りそのものを理解できてないんじゃないか!?ってくらいだからさ。『真言密教』の神を名乗るだけの奥深さ!!

  スカイアクティブになる前の2000年代のマツダが何を成し遂げたのか!?それすらわかってない評論家が、マツダとそのファン(信者)に対して「視野」がどうのこうの言ってるんですよ・・・見えてないのはどっちだ!?。2000年代のマツダといえば『MZR』エンジンと、100以上のCOTYを獲得した『GGアテンザ』、そして中国共産党幹部向けの特別ブランンドに採用された世界の頂点の3台の一角を占めた『GHアテンザ』(他にマジェスタとゴルフⅥ)。

  どの一つとっても『マツダだからできた』驚異の実績です。特に『第一汽車』の特別ブランドのコンペを勝ち抜いたのはすごい!!トヨタ(マジェスタ)、VW(ゴルフⅥ)の2強に加えてマツダが選ばれている。メルセデスでもBMWでもホンダでもなく(フォードの中核を担った)マツダだった訳です。たしかにこの時期のメルセデス、BMW、ホンダは暗黒期だった。選ばれたからといってマツダの優秀さが全面的に保証されるわけじゃないけど、WTOに加盟していよいよベールを脱いだ超大国・中国の権益を握る超エリート専用車ですからそれなりの基準で選ばれているはず。世界中のブランドが選ばれることを熱望しただろうし。この実績を無視して『マツダの変遷』を勘違いして語る評論家は信用できねーな・・・。

  1980年代からマツダはずっとすごかった。ロードスターを作れば、メルセデス、BMW、ポルシェが恥も外聞も気にせずにコンセプトをパクってくるし、MPVを作れば日本のほとんどのメーカーがSUVを作り始める・・・。RX7FD3Sは英国メディアの20世紀の名デザインベスト100の第12位(日本車最高位・1990年代の世界最高位)です。ルマンを制覇して、あまりに速すぎるから大会から追放された『伝説のスポーツカーメーカー』『東洋のジャガー』。いくら頑張ってもルマンを勝てない某大手メーカーとは何もかもが違うんですよ。

  スカイラインGT-Rに憧れて、エンジンの設計などをコピーして喜んでいるBMWとかいう三流ブランドとは、最初から全くレベルが違うんです。スカイラインGT-Rの進化を促した天敵と言えるライバルがマツダです。まあこれくらいの圧倒的な実績があるからこそ、周囲は完全に過疎化している広島のメーカーが21世紀まで生き延びることができたわけです。海外へ市場を広げる際には『広島』の知名度が役に立ったのかもしれません。あの廃墟から立ち直った奇跡のメーカー。しかもブランド名はゾロアスター教の最高神だし。

  三菱もスバルも日産もそうですけど、いかにも日本らしい『背景』が色濃くあるメーカーって欧米人にとってはとてもクールみたいです。日本ではとっくに販売終了になってしまったランサー・エヴォリューションですが、実際に零戦と戦ったアメリカでは熱く支持されていて、継続して販売されています。中島、立飛の系譜を受け継ぐスバルや日産はアメリカで大人気ですね。インフィニティの勢いがこのまま続けば、プレミアムブランドの頂点に立つ!?ちなみにアメリカのQ50(スカイライン)は、メルセデス製エンジンなんて使ってないですよ!!なぜか日本未発売ですが、日産の新型3Lターボが凄すぎて、レクサスもドイツ勢も沈黙しちゃうそうです。

 

マツダCX3。誰の目にも『売れ線』狙いで適当に作ってそうな現場が想像できますよね。あーデザインだけは頑張ったんだねーって。しかしマツダにとって、コンパクトSUVを作った経験なんかないんです。最初に作ってみたら『こんなの』できちゃいました!!って感じ。まあデザインなんて主観に過ぎないですけども、他のメーカーに比べてマツダはやっぱり達者・器用だなーと感心します。

しかも初めて作ったモデルなのに、北米の保険会社が料率を決める際に使うデータとして知られるIIHSの2016年のトップスコアラー23台にしっかり名前を連ねています。マツダ車は他にアテンザとアクセラが入っています。23台中16台を日本勢が占めるという結果なんですが、メーカー単位ではヒュンダイが4台入っていて単独トップです。アメ車が2台、独車はメルセデスGLEだけ。北米販売車の中でも最もミニマムなボデーにもかかわらずここに食い込んだCX3。一体どういうカラクリなんだろう!?

イギリスではCX3とNDロードスターが大人気。2016年のマツダのシェアは前年の2倍!!『トップギア』も『東洋の神』がグレートブリテンに上陸した!!みたいな騒ぎ方をしています。『オート・エクスプレス』もCX3を完全に贔屓してますね。『再びスゲーMAZDAがやってきた!!』。それにしてもなんでマツダは最初のモデルからこんなに『完成度』が高いんだろう・・・。もちろんそれがこのメーカーの魅力であることは間違いないんですけどね。CX3は突如現れて世界を席巻したあのGGアテンザの再来だと思う。日本ではあんまり売れないのもなんか似てるし・・・。


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名車アーカイブMAZDAのすべて―三輪トラックから新型アクセラまで完全保存版オールア (モーターファン別冊 名車アーカイブ)
↓毎号の巻末についてくる現行モデルの採点表を見渡すと10点満点を獲得しているブランドが3つ。もちろんマツダとポルシェ。あとは英国の某ブランドです

2017年6月8日木曜日

マツダ・アテンザワゴン 『主役になりきれない!?境界の・・・逸品』

  『帯に短し、タスキに長し』あんまりテキトーなことを言うべきではないとは思いますが、とても良くできているのに日本市場では誰が買ったらいいのかいまいち判然としないクルマがたまにあります。アテンザワゴン、レガシィアウトバック、ジェイド、エスクードなどなど・・・。そして誰かが囁いている!!今のマツダにぴったりの故事成語は『邯鄲の歩み』だと!!


  特にアテンザワゴンは、2012年のデビュー後に、なかなか市場に定着できないままに5年が経過しました。レヴォーグやCLAシューティングブレークによって狭いワゴン市場はあっさりと抑えられてしまった感が・・・。スバルとメルセデスによる先進的なイメージを持つ2台のワゴンに比べて、アテンザワゴンはやや古典的な佇まいです。これを買うべきか迷っているユーザーは、ちょっぴり『流行に乗り遅れた』ファッションで外を歩くようなドギマギした気分になってしまうのではないか?と疑心暗鬼になってます。

  ワゴンユーザーというのは、実はとっても『流行』に敏感。スポーツカーやクーペはドレススタイル、セダンはスーツなので、ある程度はメーカーのセンスに委ねることができますが、ワゴンはジーパン。最も気楽に選べそうで、実は最も奥が深いファッションアイテムです。売れ筋としては、100~200万円台に君臨する『カローラフィールダー』エンジンのバリエーションも選べるし、MTも選択可能。レザーシートなんてアンバランスなオプションもなく、普段着としてベストなチョイスの『ユニクロ』。

  300〜400万円台に位置するのがアテンザワゴン、レヴォーグ、アベンシス、ジェイド、CLAシューティングブレーク、ゴルフヴァリアント、308SW、メガーヌエステート220。中国縫製なのに2万円以上してステッチや裏地で差をつけてくるクラスのジーパン。・・・がしかし綺麗めのブルージーンズという立ち位置がそもそも非常に『スタビリティ』に乏しい感じがします。有名人が華麗に着こなす様子を多くの人が目にする機会があれば、狂ったように売れるでしょうし、そうじゃなければ・・・なんでジーパンが2万も3万もするんだ!?

  マツダの想定では、このグループの中では『アテンザワゴン』だけがフルDセグサイズになっていて、間違いなくお買い得だという目論見があるのでしょうけど、そのフルDセグが見せつける上級モデルとしての強烈な走りが、いまいちユーザーには伝わっていないのかなー。もちろんそれがわかっている人は喜んで買うわけですけども・・・。この走りならば3シリーズツーリングにもA4アバントにも負けないって。

  500~600万円台では、3シリーズツーリング、V60、Cクラスワゴン、A4アバントの4台です。このクラスになると『ステータスとしてのワゴン』という新しい『商品力』が生まれてきます。ポルシェ(マカン、718ケイマン)や有名スポーツカー(フェアレディZ、エリーゼ)を買えるくらいの価格でわざわざワゴンを買うという『クールなライフスタイル』にうまくユーザーを誘導しています(レザーパンツが買える価格で、綿素材のパンツを売る!!)。

  マツダとしてはなんとか『アテンザワゴン』をこのクラス(8万円のジーパンクラス)にまで押し上げたい!!もちろん『プレミアムなクリーンディーゼル』『魅惑の塗装』『オートクチュールなレザーの質感』などなど、そのための技術的な裏付けも獲得してきました。

  高い理想と高いポテンシャルはある!!しかし世間がついてこない・・・。結局はどこか落ち着かないクルマになってしまった・・・。色々理由はあるでしょうけど、やっぱり『動画で登場するアテンザはセダンが多い』に尽きるんじゃないですかねー。結局マツダのスタンスでは最初から『セダン推し』でガチガチに決まっていたこと。そしてサイドパネルのグラマラスな雰囲気が『アテンザセダン』における琴線なのですが、ワゴンではもちろん別のパネルを使っていて表現も全く別で、しかもサイドよりもルーフラインに目がいくデザインへと強引に仕立ててある。これは・・・デザインが優秀であるゆえに陥る罠なのかも。セダンとワゴンが同じモデル名である必然性がない!!それどころかマイナスに作用している。ド下手に『二兎』を追ってしまった・・・か!?

  セダンのデザインがスキャンダラス過ぎるのでワゴンが割を食った・・・。いやいやセダンのデザインと同じくらいにワゴンも頑張るべきだったんじゃないのかなー。スバルやメルセデスはそれなりに危機意識持ってデザインしたけど、マツダはそこまで追求できなかった!?本来は2013年春に発売予定だったものを、半年早めたことで煮詰める時間がなかったのか? ただ決して悪いデザインではないです。いかにも実用車らしい風貌は、あえてセダンとの対比を考えて抑えた部分もあるんですかねー。

  セダンよりもホイールベースが短くて(欧州の税金対策らしい)、走り・乗り心地に関してはセダンよりもワゴンの方に好感が持てます。ワゴンのホイールベースでセダンか4ドアクーペでも作ってくれれば・・・また違ったアテンザの世界が開けるんじゃないでしょうか? ハイチューンに仕立て直した2.5Lターボ&Gベク連動AWD。これですぐさま三菱AYCやアウディクワトロのレベルにまで到達できるとは思わないですけども、メルセデスやBMWがハナから諦めて近づこうともしない世界へアテンザワゴンが踏み出すならば、『捲土重来』全てを変えることもできるんじゃないでしょうか!?・・・まだまだマツダの課題は山積みです。
 

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MAZDA FANBOOK vol.2 / マツダ ファンブック (ノスタルジックヒーロー別冊)

2017年6月4日日曜日

三菱ミラージュ 『日本車が世界最高品質であることの証明』

  何だかBMW2シリーズ・アクティブツアラーをちょっと小さくしたようなスタイリングの三菱ミラージュ。もちろん真似してくるのは『三菱マニア』として密かに有名なBMWの方です。これまでもディアマンテのエクステリアデザインだとか、SUVのスタイリングだとか、直噴ターボエンジンだとか、ことごとく三菱の真似をしてます。

  単純に似ているだけでなくて、走りの質もBMW2シリーズATに近い!?もちろん2シリーズの方がワンクラス上なので、ステアフィールから感じる横方向の軸剛性の高さ(グラグラしないでジワワと重厚に回る)などは、其の分しっかりとしていますが、狙っている乗り味の『質』が何となく近い。いうまでもないことですが、この奇妙な近似は三菱とBMWのライバルブランドが一心同体で歩んでいた歴史があるからです。360万円の2シリーズATに対して、150万円でミラージュの上級グレードが買えるわけですから、その他諸々の性能も考えたなら、ミラージュは相当にお買い得だと思います。

  別にBMWが悪いわけではないのですが、BMWの一般乗用車向けのガソリンターボ(B38/B48)は、縦置き・横置き兼用となっているのですが、エンジンそのものの低速トルクの付きが良過ぎるせいか、そのままFFモデルに使うとトルクステアの悪影響でクルマ自体がアンバランスな乗り味になります。FFのディーゼルモデルともなるとなおさらです。2LターボのBMWエンジンを押し込んだ『MINIクーパーS』は、キックダウンすると車体が『踊り』出しますよ・・・。

  直噴ターボの生みの親である三菱は、6500rpmピークの超絶スペックへと上り詰めると同時にハイトルクを制御するために『AYC』『スーパーAYC』を熟成させ、全てを犠牲にして絞り出した出力を路面に擦りつける技術を磨いています。本気で速いクルマを作ろうとしている三菱と、スペックだけを追い求めてまともに走れない車を作るBMW。つまりこの両者には、自動車メーカーのレベルを比べたら「大人と子供」「月とスッポン」くらいの歴然たる差があるわけです。

  そんな『偉大なる』三菱の最もベーシックなモデルが『ミラージュ』。タイ生産モデルということで発売当初から人気が今ひとつなのですが、カーメディアのずさんな評価を意に介さずに、フェアな気持ちで試乗してみたら・・・これはびっくり!!おそらくBセグの全ての国産・輸入車の中でも、ハンドリングとブレーキに関してはナンバー1の出来ではないでしょうか。もちろん『ピーキー』なハンドリングをご所望な人には、MINI、スイフト、デミオ(ガソリン)といったモデルの方が合っているとは思いますが、4大メガグループのモデル(ヴィッツ、ノート、フィット、ポロ)を買うくらいなら、これオススメですよ!!やっぱり三菱はすげーなー。




  ミラージュの前のモデルであったコルトは、ブレーキングテストでVWポロに圧倒的な差をつけるなど、グローバルコンパクトカーとして確固たる地位を築いていました。とにかくポルシェ、マツダと並んで三菱のブレーキはスゴイ!!『三大ブレーキブランド』と命名したいです!!そしてそんな良質なコルトの設計を受け継いだのがミラージュと、日本でも大人気のブランドのあのクルマです。確かにあのクルマもエンジンとミッションはダメダメだけど、ブレーキだけは素晴らしい出来でしたね。ドイツメーカーの同クラスの中で一番良く止まる!!(他がカスなだけだけど)

  なんで三菱はタイからわざわざ輸入してくるのか?日本では採算が取れないから!!とかテキトーなことが書かれてましたけど、じゃあなんで軽自動車のekは日本で作るのか!? あくまで噂ですけども、三菱は『ダンピング』によるブレークスルーを狙っていたと言われています。確かに生産コストが抑えられば、80万円程度で販売することも可能!!そんな安いクルマはありえない!!と思うかもしれないですが、日本よりもGNIの水準が高いEU諸国でも70万円程度でVW車が売られています。けど『ありえない!!』と決断してしまったのが『エリート』の三菱グループからやってきた首脳部なんだって。必要最低限装備のミラージュにNGを出したとか・・・。

  日本向けは内装も豪華になって、直3エンジンの音もクラストップレベルまでしっかりと対策がされています。140万円でも全然『損』ではないと思います。三菱は実は世界中に設置した生産工場を次々と閉鎖しています。北米生産も去年終了しました。なんでタイは続いているのか!?というと、東南アジアや台湾のユーザーが『三菱』に特別な愛情を持っていて、三菱車がカルト的な人気を誇っているからだそうです。ライバルのVWやフィアットに比べれば基本性能も優れていますし、戦後70年以上が経過していますが、『三菱=帝国海軍』のイメージがまだ残っているのか!? 旧日本軍が東南アジアを解放した!!と伝えるインドネシアやマレーシアでは日本車のシェアが物凄いらしいです。ベトナム、フィリピン、タイではそれほどでもないようですが・・・。

  東南アジアの英雄『三菱』が現地で作るクルマ!!なんだか心に刺さる『ストーリー』じゃないですか!! そしてマレーシアを代表する自動車メーカー・プロトン。このメーカーは三菱の全面的な援助によって成立した過去があります。今では旧宗主国イギリスのロータスを傘下に収め、トヨタと資本提携をするなど、新興メーカーとして存在感を高めています。プロトン、ヒュンダイ、キアそれから乱立する中国メーカーといったアジアの自動車産業では、ことごとく三菱エンジンが使われています。BMW、アウディ、アルファロメオといった技術力の無いメーカーも、三菱の直噴ターボライセンスを使っています。そんな『世界の自動車の起源』とも言える三菱が作るコンパクトカーなんだから、いいクルマに決まってんだろー!!カーメディアなんか無視して一度試してみることをオススメします。

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2017年5月26日金曜日

三菱デリカD5 「封殺された日本の傑」

  2000年代に社会現象とも言える大流行を見せたミニバンが、曲がり角を迎えているようです。まあどんなジャンルでも10年以上に渡って売れ続けるなんてことはほとんどないので、実用車ゆえに避けられない『デフレ傾向』からくる設計・企画の歪みが出てくる段階に突入したということですねー。出せば売れるから、各メーカーがこぞって企画したミニバンでしたが、グローバル展開においては重荷になるとかでマツダみたいに開発を中止するメーカーも出てきたようです。マツダはCX8が売れなかったら、何もなかったようにスライドドアーを復活させそうな気がしますが・・・。

  先代はデリカスペースギア、そしてその前は『三菱車といったらこれ!!』というくらいに定番化した。あのグリルガードの付いたデリカスターワゴンです。この2世代で築き上げた『イメージ』を大事に引き継いで2007年に登場したのが『デリカD5』で、ちょうどミニバンバブルのど真ん中の時期でした。三菱自にとっては、リコール問題で叩かれ続けた悪夢の2000年代を払拭して、新しい三菱を打ち立てるための決意のニューモデルだったわけですが、このモデルもあまり運がなく、間も無くリーマンショックと震災に巻き込まれ、三菱のメインプロダクトは「災害に強い」アウトランダーPHEVへと移っていきました。

  いつも髪を切ってもらっている美容師さんは、先代アルファードに乗ってますが、現行アルファードはデザインがあまりにもアグレッシブというか、「アレ」な感じなので、別の車種を検討しているそうです。『何かおすすめある?」と訊かれ、マツダの新しい3列SUVがちょっと頭を過ぎるも、まだ発売前のクルマをおすすめしても意味ない・・・そもそもスライドドア車ユーザーのニーズなんてよくわからん。オデッセイHVが良さそうだけどピープルムーバーに400万円近く支出するのは、なんか違うような気がする・・・。

  そもそもピープルムーバー(ファミリーカー)を選ぶ基準なんてさ、休日のお父さんのファッションを選ぶみたいなものだよねー。ジーパンにヨレヨレのTシャツで済ませられる人なら、『日産キューブ』とか『ホンダNボックス』くらいが合ってるかも。きれいめなポロシャツにコットンパンツでそれなりにスタイリッシュにしているなら『ヴォクシー』か『ステップワゴン』。ちょっとイカツいブレスレットを腕や首に欠かさずつけるようなら『アルファード』。上下がセットアップのパーカー&スウェットがお気に入りなら『ソリオ』!?。冬はウール、夏はリネンと季節によって素材を分けたアースカラーのボタンダウンシャツが欠かせないなら『エクシーガクロスオーバー7』。上下のカラーがどうもちぐはぐな人(モノトーンにはしない人)は『マツダ・プレマシー』か『エスティマ』。

  テイラードジャケットでキメるお父さんは?・・・そういう人はスライドドアには乗らない。いやいやジャケットルックでも似合うピープルムーバーがあってもいいはず!?ネイビーのカジュアルセットアップスーツに、上質感漂うクラッチバックを合わせるお父さんは、サングラスをしてラグジュアリークーペに乗るしかないのか!? 日本車はデザイン段階で既にユーザーへの迎合が企画としてたくさん盛り込まれてしまうので、ちょっとだらしないくらいの格好の方が、似合ってしまうという悲しい宿痾を抱えてしまうんですよねー。ミニバンは絶対に嫌!!というお父さんはこの辺の嗅覚が鋭いのです。

  そんな中で三菱のクルマは「いい意味で」ズレているように思います。東富士(サプライヤー集積地)より西のメーカーを、どこか『鼻で笑う』ような雰囲気があります。三菱は『丸の内のクルマ』という誇り・意識は当然に持っているでしょうし、西のデザインは絶対に真似しない!!三菱は西のパクリ屋とは違う!!丸の内の『格式』に合ったクルマでなければ三菱車ではない・・・。とにかくやることなすことが全て『エリート』っぽい。誤解しないでほしいですが『成金」っぽいではないですよ!!『エリート』です。どのドイツ南部のメーカーが『成金』っぽいなんて無粋なことは言いませんよー。




  まるで西(スズキ、トヨタ、ホンダ、ダイハツ、マツダ)のクルマとは全然違いますよ!!という『意識高い系』の仕事ぶりばかりが少々鼻につきます(笑)。ライバルは日産とスバルだけ!!確かにスバルも日産もそういう雰囲気出してるかも。しかしお高くとまっているメーカーから、リコール隠しとか燃費偽造とか出てくると、そりゃ炎上しますわ・・・。霞ヶ関官僚が「しゃぶしゃぶ屋」に行ったみたいなもんですかね〜〜〜。余談ですが、当時ゴミカスレベルの倫理観だった官僚連中が、加計問題で内閣に楯突くようになるなんて、時代も変わったなー。風俗通いを菅官房長官に注意された文科省官僚が腹いせに暴露なんて・・・日本の恥だよ。
  
  三菱の技術が抜きん出ているのは、紛れもなく政府(防衛省)との長年の癒着の結果であり、国の青天井の防衛予算に育まれてきた結果です。三菱傘下の『パジェロ製造』で組み立てられるデリカD5(ベースはパジェロではなくアウトランダー)。他のメーカーのミニバンとは意味合いが違う見たいです。ランクルの前身モデルを自衛隊(警察予備隊)に採用してもらえなかったトヨタから見れば、デリカD5は『ズブズブ』が作った『オーバースペック・ミニバン』が偉そうにすんな!!ミニバンは曲芸をするクルマじゃないし・・・。乗り心地・居住性が全てなんだよ!!そんな相容れないピリピリした関係が伝わってくる対比ですねー。三菱自の評価って難しいですよねー。


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ニューカー速報プラス 第2弾 最新デリカD:5 (CARTOP MOOK)
  

2017年5月23日火曜日

ホンダ・ジェイド 「ホンダ・絶品クオリティの新時代」

  いくらスタイルが良くても、パッケージが良くても、乗り心地が良くても・・・売れないことがあるんですねー。発売当初は『これは人気になるんじゃないの!?』と気になった人も多かったんじゃないですか? オデッセイとエリシオンがまさかの統合となり、フラッグシップ・ミニバン新生『オデッセイ』はハイルーフ仕様になり、先代までの『あの』オデッセイと『ザ・HONDA』のイメージをも含めて引き受けるモデルがこのジェイドだったはずです。よって単なるストリームの後継車種ではないわけですが、ファンには「価格はオデッセイで、スペックはストリーム」じゃねーか!!と判断されてしまったかな・・・。

  私も「ジェイドは売れるんじゃないの!?」と思っていました。先代までのオデッセイを連想させるスタイリング。いやそれをさらにアグレッシブに進化させたデザインは、世間で評判の良いメルセデスやマツダ、あるいはホンダ・ヴェゼルなどと並ぶくらいに「優秀」だと思うんですよ。下の動画でも担当開発者が自画自賛してますが、おっしゃる通りですねー。先代のオデッセイからして非常に完成度の高い個性的なスタイルでしたが、さらにこのクルマに影響を与えたと思われるのが『シトロエンDS5』。

  うーんちょっと暴言まじりに好き勝手語りますけど、ホンダの開発者は先代モデルのストリームでもオデッセイにもなかった『キャプテンシート』にこだわったみたいです。ホンダが絶好調な軽自動車で人気の後部座席スライド機構が頭にあったのかなー。ミドルクラスの普通車と軽自動車では、さすがにイメージが断絶していると思うんですよ。Nボックスとジェイドをつないだのが・・・シトロエンDS5だったんじゃないか? シトロエンDS5にキャプテンシートは採用されているわけじゃないんですけどねー。

  同時期に開発されたであろう現行オデッセイは、トヨタのラウンジシートに対抗してフルフラットにもなるオットマン機能付きの『キャプテンシート』にこだわりを見せてます。しかしジェイドの2列目はそれとは全く違うレベルで、あくまで軽自動車のように足元スペースを広げる狙いです。軽自動車でも十分に広いのに、300万円近くするミドルクラスの普通車が狭かったら話にならない!!ってことなんでしょうね(当たり前ですが)。そして内装やらスペースの使い方やらをトータルで考える中で、イメージが重なったのがどうやらシトロエンDS5だった?(下の映像は似た雰囲気出てますね)


 

  ちょっとホンダに対しての悪口になってしまうかもしれないですが、先代オデッセイよりも150mm短いサイズに3列を押し込んで「同等のクオリティ」を狙うことにそもそも無理がありそうです。頑張ってインテリアを綺麗に作っているんですけども、当然に問題になってくるのがシートレイアウトです。それを2列目のスライドシートで解決しようとしたものの、結果的にミドルクラスの普通車にとって重要な要素になっている「高級感」が十分に上手く表現できていないのかも。動くシートの『軽さ』とサイドウインドーが気持ち大きすぎで、包まれ感が好きなユーザーにはちょっと不満かも。ユーザーはジャンルを超えて、CX5やハリアーなどと比べるわけですから。

  「走り」「個性的なスタイル」「やすらぎの空間」・・・欲張り過ぎってことはないですけど、開発者の頭にはホンダ内外のトレンドがギッシリ詰まっていて、いろいろ工夫を凝らしているし妥協する気もさらさら無いのもよくわかります。しかし出来上がった『ジェイド』とはどんなクルマ?と聞かれて、最初に浮かぶのは「6人乗れるクルマ」。うーんこれは無念でしょうね。『走り』を厳正に判断するならば、FF車同士ならどのドイツメーカーにも負けてないですから。BMWの2シリーズ・アクティブツアラーなんぞ買うくらいならこの『ジェイド』の方がよっぽどいい。そもそもBMWのFFってホンダのノウハウをローバーから受け継いだものですけどね・・・。

  さてこの『ジェイド』ですが近々予定されているビッグマイナーチェンジによって、5人乗り2列シートを追加して『走りのワゴン』として出直しを図るみたいです。タイミングとしてもシビックの発売時期に重なるので、1.5Lターボも現状の150psから174〜205ps版へスープアップしたりしないのかなー。しかし2列シートにしてしまったら、欧州で販売しているシビック・ツアラー(ワゴン)とほぼ同じだな。だからツアラーは日本に来ないのかな?



  日本のカーメディアではなかなか「ホンダ vs BMW」という対峙は見られないのですが、アメリカの雑誌ではしばしばライバル関係として持ち上げられます。四輪車に関してはホンダは後発メーカーなのですが、北米で先に存在感を発揮して現地生産を始めたのはホンダ。さらにVtec機構による高回転高スペックを実現して世界を驚かしたのもホンダ。そしてホンダに対してバルブトロニックを開発して対抗したのがBMWです。ホンダというと軽自動車やコンパクトカーばかりが売れてますけども、上位モデルは間違いなく世界の有名ブランドと互角以上に戦えるモデルばかりで、その出来栄えはどうもBMWをかなり意識しているんですよ。

  惜しむべくは先代まで圧倒的な『走り』の質と普及できる価格に抑えたエンジニアリングで、成長を続けるホンダの象徴だった、4輪DWBのアコード&オデッセイの時代が終焉してしまったことです。同じく4輪DWBを配するBMWの上級セダン(5/7er)に対抗するレジェンドはもちろんそのままですけども、ミドルクラスのアコード、シビックそしてこのジェイドは、BMW3シリーズと同じクラスのサスペンションに格下げされています。セダンに関しては意図的に車格を上げてシビックは3シリーズに相当するクルマになりました。上級グレード『Si』にはBMW・Mスポのような電制サスペンションがついたり、BMW・MのようなLSDがつけられたりしています。

  そしてジェイドに相当するモデルが『3シリーズ・グランツーリスモ』です。どちらも上質な走りとゆとりあるキャビン空間を狙ったモデルですが、FFの4650mmとFRの4825mmの2列目の快適性を比べると、これが結構いい勝負になります。どっちも『親孝行なクルマ』として十分に満足できますよ。320iGTをレザーシートで見積もってもらうと大まかに550万円くらい。ジェイドRSを本革シートやハンドグリップ4つに革巻きなどの上質装備を加えて見積もると値引きなしで340万円くらいです。排気量で100万円。ブランド料で100万円。どっち選んでも『家庭的でいいクルマ』だと思いますね。結婚する気がある独身貴族もコレにしておけ!!


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↓265万円のRSです。タマ数少ないからちょっと高めですね。
  

  
  

2017年5月17日水曜日

ホンダ・オデッセイ 「理念のクルマから、納得のクルマへ」

  F1参戦中のホンダの評判が悪いです。まあ実際に弱いから仕方のないことですが、エンジンを供給するマクラーレンやそのマシンに乗るフェルナンド=アロンソからの批判や皮肉がF!開催ごとに同じような内容で日本のメディアから報道されていて、「またかよ・・・」と報道以外にも意図があるんじゃないか?なんて気分にさせられます。あれ?WRCのコルシカ(4th)、アルゼンチン(5th)でヒュンダイの前に手も足も出ないトヨタへの批判はあまり見かけないよなー。なんだこの扱いの差は!?

  1970年代に最後方から一気にごぼう抜きをして躍進、二輪工場がアメリカにあったことから、真っ先にアメリカで四輪車の製造を始め、トヨタに先行してアメリカ地盤を築きます。レクサスよりも先の1986年に高級車ブランド「アキュラ」を北米に設置しているなど、日本ではあまり知られていない実績を積み上げた結果、創業者の本田宗一郎はアメリカ自動車産業の「殿堂入り」を果たしています。

  誰の目にもトヨタやヒュンダイの北米戦略はホンダの模倣だと思うのですが、ヒュンダイはホンダのパクリと言い放つのに、トヨタをホンダのパクリとは誰も言わないのはなぜなの!?(今更ですが)これがメディアの力ってやつなんですね。なんでニューモデルマガジンXは今も「フィット・リコール事件」を追い続けるのか? 確かに「日本車ならば安心」という信頼を根底から崩壊させかねない出来事だったとは思いますけどねー。

  さらに不可解なのが、ホンダがここ数年力を入れている軽自動車に関しては非常に評価が高いことです。「ホンダは軽自動車をつくるのがちょうどいい。」・・・そんな意識がカーメディアに蔓延している? そしてそんな評価をホンダが自ら受け止めて、逆手にとって利益を獲得しているように見えなくもないです。日本人は「軽自動車のホンダはすごい!!」と言いますが、北米や欧州で軽自動車を販売しているはずもなく、世界ではホンダの中型の3モデル(アコード、シビック、CR-V)で、大半の実績を稼いでいるんですけどね。

  軽自動車のない世界のホンダにおいてボトムを担うフィットにしても「安いクルマ」というイメージがありますけど、スズキ、VW、ルノー、フィアットが参入するインド市場(50万円市場)には参戦していません。VW、ルノー、フィアットは日本で販売活動を活性化させていますが、少なくともインドで1台売るよりも4倍以上(200万円以上)の売り上げが確保できる日本市場はまだまだ捨てがたい魅力があるようです。ホンダにとっては主力の中型車がなかなか売れない日本市場はしんどいみたいです。フィットとヴェゼルはよく売れているのですが・・・。

  日本に導入されている中型モデルは、プラットホームベースでは現状はアコードのみです。オデッセイ、ジェイド、ステップワゴンそして新たに導入されるシビックtypeRは、VWのMQB、トヨタのTNGAと同じようなホンダの小型車汎用プラットホームが使われているようです。面白いことに、北米向けシビックと日本で新たに作られるシビックはアコードと同じ中型車シャシーになります。なんと紛らわしいことでしょう・・・。

  北米展開されている中型車プラットフォームは、各ジャンルで北米NCAPで頂点を取っているので、安全性は太鼓判です。日本ではスバルが安全だと思っている人が多いようですが、北米での成績は圧倒的にホンダ!!次がマツダ。この2メーカーが際立っています。ホンダの魅力ってここじゃないの? しかし小型車プラットフォームで作られているフィットやフリードも、JNCAPを見るとプリウスやVWゴルフといったライバルメーカーに対して優位だったりします。MQBやTNGAを使うモデルに比べて、フィットはレベルが低いかのように捉えられていますが、エンジンや安全性などを吟味すれば150~200万円の価格設定は妥当ですし、性能面でなんら劣ったところはないです。

  その「小型車プラットフォーム」を使った最上級車が現行のオデッセイです。先代まではアコードと同じシャシーを使っていたのですが、アコードの「大刷新」のタイミングで、エリシオンとオデッセイを統合するという「ファン不在」の改革が断行されました。なんで「大刷新」で「ファン不在」かというと、先代までのオデッセイはホンダの技術の「塊」みたいなクルマだったんですよ。Vテックと4輪DWBを装備したオデッセイとアコード。こんなの出されたら他のメーカーはもう手出しができないですよ。ホンダの成長戦略において大きな意味があった「ハイテク」でした。これをベースに車体を拡大してSH-AWDを組み込んだものが先代レジェンドでした。

  Vテックとはエンジンに付随する吸排気システムです。これを原動力にホンダはロングストロークエンジンをフェラーリなどに匹敵する9000rpm。もちろんフェラーリはショートストロークですから、これ結構すごいことです。世界の一流メーカーはこのホンダに勝つために極限までシリンダーのピストン速度を上げます。アウディ、BMW、アルファロメオ、トヨタ(ヤマハ)の4グループがVテック対抗の高回転化に挑みましたが、結果的には泥沼の消耗戦に突入し、リーマンショックがそこに襲いかかります。

  ホンダとしてもこれ以上の高性能化は先が見えないですし、多額の開発費をかけても搭載するモデルが北米でも日本でもせいぜい300万円前後のアコードとオデッセイですから、もはや創業者から引き継いだ「理念」や「ロマン」だけで続けることは無理だったのだと思います。「ホンダ1300」以来、あらゆる市販モデルの頂点は「ホンダであるべき」という伝統は、700万円するレジェンドに引き継がれました。北米中型車プラットフォームでも4輪DWBを諦め、エンジンも1.5Lターボへとシフトしていて、頂点ではなくて合理的に市場のライバル関係を見据えた設定へと変わっています。

  その中で、日本&欧州向けの小型車プラットフォームへと振り分けられたオデッセイですが、2L級のVテック自然吸気が残る唯一のモデルで、HVにはアコード用の2Lの2モーターシステム(i-MMD)が搭載されています。またまたややこしいですね。とりあえず乗ってみるとアコードの方がいくらか静かでハンドリング・加速性能に優れていますが、これはシャシーというよりボデータイプによる差かな?と思います。

  トヨタのTNGA新型車であるC-HRの売りの一つはザックス製ダンパーですが、オデッセイは2013年からすでにザックス採用しているんですけどねー。ザックス大好きな国沢さんですが、オデッセイにはなかなか言及してくれないですねー。ちょっと前にカーメディア業界を揺るがす大騒ぎになりましたが、やっぱりVWやトヨタから何かしらの依頼を受け取っているんでしょうか?

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↓Vテック&4輪DWB時代のアコード最終モデル。163万円でBMWを圧倒します。
  

  

  

2017年5月9日火曜日

日産マーチ 「このブランドにとって車名はどんな意味があるの!?」

  海外サイトでは新型マイクラ(マーチ)のレビューが次々出ていますが、現状ではフランスのルノー工場のみでの生産になっているようで、日本市場に入れようという考えはないようです。現行マーチはタイ工場の生産モデルが日本向けにも充当されていますが、成長著しいアジア市場もこのモデルで飲み込むべくタイ生産も遅滞なくFMCかな?と思ってましたが、どうやらアジアは後回しにされたようです。日本市場では目下のところノートe-POWERが大ヒットしていて、200万円もするコンパクトカーがバカ売れしているという世界でもまれな「確変」状態なので、しばらく知らんぷりをしているつもりでしょうか?

  ジュークやキャッシュカイといった新型SUVを日本と欧州で同時に仕掛けたら、圧倒的に欧州でウケた!!しかし日本ではスベりまくった!!そんなトラウマのせいか、完全に「アンテナ市場」としての日本を信頼しなくなった日産。欧州や北米で予想外に好評のQX30や、Q60を頑固として日本では売らない!! そりゃあれだけ3世代のスカイラインをボロクソに言われ続けて、あまりにも露骨に冷淡な日本のカーメディアとそれに安易に誘導されてしまった、車の良し悪しすらもわからない「無能」なユーザーには、確かにお灸を据える必要があるわけですけど。

  いつだったか?現行のスカイラインをブログで絶賛したら、オウム返しのように「独特な感覚の持ち主ですね」と、ドイツ車ユーザー(自称)という圧力団体の構成員から完全に上から目線で揶揄されました・・・終わってんなーと思いましたね。そりゃE90ユーザーから見ればスカイラインの完成度は異次元かもしれないですけど、フェアに考えてありえねー(いらねー)のは・・・E90の方だろ。ドイツ車と南アフリカ車の区別もつかない輩には、栃木車の良さなんてわからねーだろーよ。




  そんな日本市場に対して冷淡でやや「へそ曲がり!?」な感じの最近の日産。この新型マイクラはデビュー間もないですが、英国でもドイツでもすでに大人気なようです。今やルノー日産は、ロシアメーカー(アフトヴァース)や三菱の買収による規模拡大ももちろんありますが、いよいよグループ全体で年産1000万台とともにトヨタ/VW/GMの背中がはっきりと見えるほどに急成長中です。もはや日本市場なんかにいちいち構ってられないようですね。

  非常に合理的だと感じるのは、SUVやコンパクトカーなどの「実用車」に関しては主に欧州のメディアを通してブランディング展開しますが、GT-RやフェアレディZ、ルノースポールの各モデルや、ルノー傘下で復活を果たすアルピーヌA110といった、歴史を刻んできたスポーツカーは、「世界一の高齢化率」を誇る日本で展開するなど、非常に巧妙です。年内に噂されるファン待望の「シルビア後継車」は日本で真っ先に発売されそう・・・。なんともステレオタイプなマーケティングにちょっとイラっとしますね。

  新型マイクラですが、某英国メディアでは多少は厳しい評価もされていました。新型マイクラと同クラスの「VWポロ」「シトロエンC3」との3台比較では、なんと屈辱的な最下位の評価に・・・。兄弟車のルノー・クリオ(ルーテシア)はローレンス=ヴァン・デン・アッカー(元マツダ)をデザイナーに迎えて新デザインになってから、本国フランスではナンバー1ヒットを独走するシリーズに成長しました。しかしどうもイギリスメディアからはあまり芳しい評判ではなく、新型マイクラの評価にもその影響がいくらかあったように思います。

  詳しく比較レビューを読んでみると日産が新しく取り組んだ0.9L直3ターボの出来栄えがいまひとつなんだとか。VWのエンジン(1.2L直4ターボ)の出力はキャッチアップしたものの、排気量が小さいゆえにトルクは不足気味。そして渾身の新型エンジン(1.2L直3ターボ)を搭載してきたPSAグループのシトロエンC3には、スペック面で格負けしている!!とのことです。イギリス人ってのはさ・・・計算が苦手なのかな!?

  このクルマは先代マイクラ(4代目=現行マーチ)の欧州での存在意義である「日産のエントリーカー」という立場を引き継いでいません。2010年に登場した4代目マーチは、日本に続いて英国工場でも間も無く生産中止に追い込まれ、生産ラインをジュークに明け渡しました。日本向けマーチはタイ工場、欧州向けマイクラは先代まではインド工場で生産されていましたが、日産はこれらのアジア地域では「ダットサン」ブランドを新たに展開していて、4代目マーチをベースに、その後継モデル(派生モデル)として「ダットサンGO」と「ルノー・パルス」(パルサーじゃないよ!)がすでに生産されています。



  ルノー・パルスは日産マーチのデザインがそのまま流用された「ルノーブランド車」みたいですね。2013年発売でこのデザインなのですが、昨年の暮れに慌ただしく発売された某メーカーの同クラス車にもなんだかよーく似てます(これはやったな!?)。そのまま欧州に持って行っても売れそうな感じですけども、ルノーにはメルセデスと一緒に作ったトゥインゴがあるので、現状ではインド専売になっているみたいです。実は2012年にもEU-インド間のFTAが発効する見通しだったのですが、なんと交渉がまとまらずに現在に至っているのですが、どうやらルノーと日産の目論見が外れたみたいですね。

  予定通りならば、ダットサンGOとパルスを欧州へ入れる。そして欧州の4代目(先代)マイクラはお役御免になり、新たに日産が全力を挙げて「欧州向けBセグスポーツハッチ」として生まれ変わる!!フィットをパクったようにキャビンが大きくて実用性の高さを見せるノートと、スポーティなデザインと高性能エンジンの搭載にも耐えられる新型シャシーのマイクラの2本立てで、EU圏で非欧州系ナンバー1ブランドを狙う計画だったんですかね。

  誤算があったのかもしれないですが、とりあえず5代目となる新型マイクラは、デミオ、スイフト、そしてWRC参戦のヤリス(ヴィッツ)に続く、本格派の日本勢スポーツハッチの第四弾!!といった扱いになったようです。欧州的な走りをするBセグ車の中核を担うポロ、フィエスタ、208/c3に対抗できるモデルへと変貌を遂げたました。4代目は、5ナンバー幅ギリギリですらなく、さらに一回り小さいAセグ(マイクロカー)扱いだったのが、ライバルに伍して一気に3ナンバー幅にまで拡大しました。

  年内にもトヨタが欧州で製造を予定している「ヴィッツGRMN」には、ロータスに供給している1.8Lスーパーチャージャー(220ps)が搭載されるようです。これに対して日産もほぼ同時期頃には、フランス?で製造される「マイクラNISMO」には、欧州ジュークターボに限定設定されている1.6L直6ターボの220psバージョン(ルーテシアRSにも使ってますね)を搭載して、ガチンコの「ホットハッチ対決」が、とうとうトヨタと日産の間で起こるのか!?現状ではMINIジョンクーパーワークスがBMWの2Lエンジンを231psで搭載してますが、車重は1280kgもあります。これが1100kg台で実現したら・・・世界中の公道がアクティブになる!?2013年に発売されたマーチNISMO・Sは1.6L(NA)で187万円でしたけど、この危険な香りが漂う「マイクラNISMO」は限定発売になって、MINI・JCWと変わらない400万円近くもぼったくるのかな!?

  ルノー日産の急成長は、想像を絶するペースで進んでいますが、これを警戒するトヨタは系列サプライヤーのアイシンAWの横置きATを、VWやPSAにも提供していて(すでにルノーにも供給)、欧州や周辺地域での大きな市場変動を抑え込もうという狙いがあるのかもしれないです。・・・トヨタと日産は、日本のBセグ市場で見事な大ヒットを記録した「アクア」を日産が執念で投入した「ノートe-POWER」でこちらも見事に撃ち落とすなど『熱い』です。この2メーカーが争うことが、自動車産業全体にとっても価値あるイノベーションになるはずですが、欧州で実績を築いてきたマツダやスズキを踏み潰す結果になる可能性もあります。

  スイフトやデミオ(フィエスタの兄弟車)が頑張ってきた市場に、規格外の巨大グループが2つも参入してくるなんて!!PSAとボクスホール/オペルも統合を果たして、巨大欧州系グループが出来上がりましたし、VWはまだまだ元気・・・マツダとスズキの今後がちょっと心配です。そして日産は日本市場でそのような判断を下すのか!?4代目マーチの販売が激減した理由は、3代目マーチみたいな個性的と言える「可愛いデザイン」ではなくなったことと、MTを廃止して注目度が一気に下がったことにあるわけですから(タイ生産はあまり関係ないと思う)、マーチの後継がマイクラになるのかダットサンGOになるのかわかりませんが、NISMO以外のベースモデルでもMT復活を期待したいですね。両方入ってきたら車名はどうなるんだろう!?


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2017年4月29日土曜日

日産フーガHV 「ついに躍進を始めた栃木ブランド!!」

  世界に実力を轟かせる日本車といえばなんですか? 「GT-R」「NSX」「WRX」といったスポーツモデルはやっぱり日本の自動車産業のレベルを端的に示してくれます。たとえ某大手メーカーがルマンでとうとう勝てなかったりF1で醜態を晒していても、やはり日本製のスポーツカーは素晴らしいです。

  あまり悪口を言いたくはないのですけど、多くの日本人は、日本のスポーツカーよりも、ランボルギーニやポルシェの方が凄いと思っているようです。そして同時に日本のスポーツカーは価格が安い割には高性能だな!!って・・・。でもそれはあくまでイタリアやドイツのスポーツカー文化を最大限に尊重した視点での話です。ランボルギーニもポルシェも欲しいスペックを実現できるエンジンを搭載したクルマを、それぞれの国のルールに従って設計したに過ぎません。日本車ではほとんど見かけない設計なので・・・それだけでスゲー!!って思いますし、「ブッとんでる!!」という興奮を覚えます。

  しかし外国人が見た歴代の日本車もまた「ブッとんでいる」んです。「敗戦国→1億総中流→日本型共産主義」という独自の経済/文化を営んできた日本だからこその「クレイジーな自動車産業」ではあると思います。東京オリンピックの年に行われた伝説の「日本GP」では、ポルシェのGT2ホモロである完全武装の「904」というサーキットモデルに対して、ほぼ市販モデルそのままの「プリンス・スカイラインGT」がまさかの互角の走りをするんです。これで火がついたのかわかりませんが、70年代にはホンダ、スバル、マツダの基幹モデルがとにかくどんどん高性能化します。

  ホンダは伝説のカリスマ社長「オヤジさん」が速いクルマしか認めなかった。スバルはいつしか「世界最速ワゴン」を生み出し、マツダは「風のカペラ」とか「サバンナGT」とかメチャクチャなモデルを安価で市販・・・とにかくこの年代のホンダ、スバル、マツダといった戦後の後発メーカーは理屈抜きで全部欲しいクルマばかり!!これだけメーカーと開発者の情熱が詰まっていれば誰でも納得じゃないですか?

  セダンもハッチバックもクーペもワゴンも高性能。つまり日本車にわざわざ「スポーツカー」を名乗るモデルなんてナンセンスだったのかも。ホンダS800もトヨタ2000GTも、メーカーの意地だけで作ってしまったけどあくまで市販車。通産省が60年代から自動車メーカーの統廃合を進めていたので、独立を守りたいならば、「高性能で輸出して売れる」とお役人に納得させる必要があった!!どのメーカーも手前勝手な「言い訳」を同音異口にしています。とにかくメーカーが力を入れている看板モデルの市販車が、どれもとんでもないスペックで作られていて、それが適度な価格で若者でも買えてしまう。そりゃアメリカ人だって欲しくなりますよ。オイルショックがすっかり収まっても、高性能な日本車が全米で売れすぎちゃって、これがアメリカ人の首を絞めたので、モータウンの街中で撃ち壊しの刑に処せられたりしたわけです。

  もしかしたら間違っているかもしれないですけど、「SUV」「ハイブリッド」「コンパクトカー」「3列ミニバン」・・・これらは日本車の本質ではないと思います。メーカーは開発コストを削減したいですし、高性能でなくても売れてくれるならそれに越したことはないでしょう。全ての日本メーカーがこれらのモデルだけをひたすら作り続けると・・・シャープや東芝になっちゃう!?んじゃないかという気がします。バランスシート上は、プリウス、アクア、シエンタといった量販モデルだけで利益を生み出しているから、他のモデルは統合廃止でいい!!と判断できるでしょうけども、そんな素人でも考えそうな選択にさらなるミラクル(成長)が待っているとは思えないのです。

  「高度経済成長期とバブル経済の二段ロケットに乗っただけ!!」と言う人もいるかもしれないですが、本田宗一郎という経営者の採った「とにかく高性能にしろ」という選択は、現代のMBAホルダーを何人集めたとしても再現不能な・・・非常に高度な経営判断だったと思います。ホンダ、マツダ、スバル、日産、三菱これにトヨタを加えた6メーカーが、北米上位14グループに入っていて、日本勢はもちろん最多です(米3、独3、韓1、英1)。なんでダイハツやスズキ、ルノー、プジョー、シトロエン、フィアットはアメリカで成功できないのか?・・・結論ありきですけども、それは「エンジン」「デザイン」「信頼性」という点で北米のスタンダードになっている日本の6メーカーの基準に達していないから!!

  日本では幸運なことに一人の「奇人」経営者のおかげで、6メーカーが相互に牽制しあって性能を伸ばしました(サプライヤーも同時に成長しました)。最後発のホンダは、出る杭は打たれる「日本的」な環境に苦しみ、エグいほどの他メーカーからの執拗な干渉(イジメ)に耐えて、誰が見ても「最強」と言えるエンジンを作りました。トヨタや日産がホンダ車を潰すために作ったクルマを全部合わせると何台になるのかな?

  日本の自動車産業が今後も成長を続けるためには、売れるクルマをタイミングよく売ることも大切でしょうけども、やはり本田宗一郎氏のような「野心」を各メーカーが持つことができるか!!が鍵になると思います。ランエボを廃止した三菱は求心力を失ってしまいました。スバルもWRXの後継エンジンが無いと、風船のように漂う存在になりそう。マツダはどうも経営陣が安易な選択をしているような気が・・・。トヨタ、ホンダそれから日産は巨大グループにふさわしいラインナップを作っていてそこそこ安泰ですけど。

  その中で目下のところ北米で大ブレーク中なのが、日産の「インフィニティ」ブランドです。3月の販売台数は昨年同月比で66%アップ!!これテスラ以上の急成長です。3LのV6ツインターボで400ps。BMWの直6ターボ(B58)をあざ笑うような高出力、高トルク、高回転、ハイレスポンスこれらを「完全に狙ってやった」と豪語する日産のエンジニアもエグいですわ・・・。さらにはGT-Rの3.8Lツインターボがあって7000rpmまで余裕で回る。ショートストロークNAのV8もあるし、VQ35を使ったハイブリッドユニットの信頼性も高い。これは売れて当たり前ですね・・・。メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェ、レクサス、アキュラ、ジャガー、キャデラックのどこにも負けない実力。



  日本人にはピンとこないかもしれないですが、世界最強のフルサイズ(Eセグ)はフーガだと思います。5er、ギブリ、新型Eクラス、レクサスGSもフーガと比べたら欠点が露呈します。段差を乗り越えても、ハンドリングで少々コジっても、アクセルをガタンとオンしてみても・・・フーガは最初から想定していたかのような身のこなしなのに対して、他の4台は「ちょっと無理っぽい!!」みたいな信号が出ます。ダンパーがザックスとかそんな話はどーでもいいくらいに具合がいい。スカイラインもそうですけども、おそらく世界中のどのモデルが相手でも負けないだろうなー・・・。

  アルファ・ジュリアや、ジャガーXE-Rならもしかしたら「動的質感」で一矢を報いることができるかもしれないです。しかし現実問題として、先代よりも相当に洗練された印象があるEクラスや5erでさえも、8年前にデビューした51フーガになかなか勝てない(勝ち負けではないけど)。日産も慌ててFMCする気配もないまま放置。北米価格は5erもQ70(フーガ)もEクラスも約50000ドル〜で横並びですけどQ70が売れる!!売れる!!46000ドル〜でやや弱気な価格設定のレクサスGSが737台、フーガが1072台(3月北米販売)だってさ。これじゃGS廃止の噂も出てくるよね。2012年に新型シャシー投入してカネかけて作った現行GSでもフーガに勝てないからさ!!やっぱり日本のVIPカーは優秀だ・・・。

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↓3年落ちフーガHVが275万円。これはお買い得だと思います。

2017年4月25日火曜日

トヨタ・ハリアー 「レクサス併売車のクオリティ!?」

  「すごい良いクルマなんだけど、とてつもなくダメなクルマ」・・・は?何を言っているんだ!!って感じですけども、人間だって「すごく良い人なんだけど、とてつもなくダメな人」っているじゃないですか。だいたい男の8割くらいはその括りになるんじゃないかと・・・。クルマも同じで「良いけどダメ」というのが本音の感想というのがほとんどなんじゃないかと思います。「好きだけどちょっと嫌い」要はそのクルマと「付き合えるか?」という程度の問題です。クルマの種類やブランドの好みでバッサリと判断ができるケースも多いでしょうけど、かなり多くのユーザーにとって「このクルマはボーダーライン」になっちゃっている代表格が「ハリアー」じゃないでしょうか?

  肯定派にとっても否定派にとってもなんとも「微妙なライン」。このクルマに乗っている人を見かけると「なかなかいいクルマ選びだね」なんて言ってあげたくなる。SUVがとても嫌いな人でも、スタイリッシュでちょっと高級感もある「ピープルムーバー」だと割り切るならば、ほとんどののチェック項目で「優秀」な評価を持つこのクルマをあまり意固地になって否定はしないでしょう。トヨタ嫌いとかCVT嫌いとか・・・まあ文句言いたくなる面倒くさい人はたくさんいますけども、多少は大人の判断力があれば、レクサスに匹敵する質感(先代までは北米レクサス車)と他のメーカーを寄せ付けない乗り心地と静粛性は素直に評価できるはず。価格はそれなりに強気ですけども、それでもトヨタの素晴らしさが凝縮されたモデルです。

  
  そんな「良いクルマ」なら買えばいいじゃん!!なんですけども・・・。なんかちょっとずつ気になるところがあります。まずは「とぼけたデザイン」。メルセデス、マツダ、スバルそれから最近のスズキなど、比較的に輪郭のはっきりした表情を持つデザインが多い中で、・・・「?」なんだかバブルの頃のトヨタが戻ってきたようなレトロでぼやけたデザイン。プリウスのアヴァンギャルドなスタイルに嫌悪感がある人には好評かもしれません。確かにバブル期から2000年頃までのトヨタデザインは、なかなか光るものがあったなー。特に「スープラ(80)」「ソアラ(30)」「セリカ(180、230)」などスポーティなモデルが中心でしたけど・・・今のマツダなんかよりも全然良かった(当時のマツダはもっと良かった!?)。

  デザインは「OK」だとしましょう。・・・次に気になってくるのは「素性」です。ハリアーはトヨタの戦略では「ラグジュアリーSUV」なのですけども、使っているシャシーはトヨタのCセグ車をベースに広範に使われる汎用シャシーです。初代/2代目のハリアーはカムリに使われている上級FF車シャシーをベースにしていたのですが、現行モデル(3代目)になってから格下げされました。欧州向けオーリスやアベンシスに使われているリアサスの安定感を向上させたモデルを、現行のアルファード/ヴェルファイアなど日本向けの量販モデルに解禁していますが、その先鞭とつけたのがこのハリアーです。

  シャシーは「格下」になったのかもしれないですが、4輪ストラットのカムリに対して、リアがDWBに「格上げ」になっているので、ハリアーに関しては決して「コストダウン」とは言い切れないかも。ちなみにトーションビームを装備していた先代までのアルファード/ヴェルファイアは、2段階の「格上げ」を果たしています。トヨタが欧州向けに意欲的に作ったサスに変わって、誰が運転しても十分にわかるくらいに、高速走行時の挙動の安定とハンドリングのスムーズさは向上しています。リアのDWBやマルチリンクは「まっすぐ走らない!!」と批判する問題の本が最近発売されましたが、トーションビームのプリウスと、DWBのプリウスで高速道路を乗り比べれば差は歴然なんですけどね・・・。

  デザインもシャシーも「特に問題なし!!」としましょう。それでも気になってくるのは、先代のハリアーがあまりにも「華やか」だったのに対して、やや地味な立ち位置になったことでしょうか? 2代目ハリアーの発売は2003年。まだ日本にレクサスが導入される前のことです。当時のトヨタはFF車に3.5Lの横置きV6を載せるのが好きだったみたいで、アルファード/ヴェルファイア、エスティマといった重量のかさむ大型ミニバンだけでなく、1600kg台のハリアーや、1400kg台のブレイド(オーリスの上級モデル)にも搭載していました。北米向けのハイラックスだって2.7Lの直4だっていうのに・・・。

  3.5Lハリアー(2代目)は2000年に登場して北米でヒットしていたBMW・X5を意識した大排気量化(北米レクサス車ですし)で、3.5LブレイドはR32ゴルフをライバルと考えていたのでしょう。軽く半世紀以上にわたるトヨタ自動車の歴史の中でも、もっともクレイジーなモデルが発売されていたのが2006〜2008年頃ですね。リーマンショックでクラッシュする前夜くらい。その頃のハリアーの「ぶっ飛んだ」設計に比べれば、現行ハリアーはちょっとオシャレなお年寄りに乗って欲しいクルマなのかな?なんて思えちゃうんですよね。デザインも先代の方がアグレッシブだったかなー。




  

 

2017年4月19日水曜日

トヨタ86 「NC指定」

  トヨタがスバルに開発させてグローバルで絶賛されているスポーツカー。何といっても「86」というやや掟破りで「ヤケクソ的」なネーミングなんですけども、発売から5年が経ってもまだまだバカ売れ!!これはもうどんなネーミングでも売れたんじゃ無いか?と思いますね。圧倒的な企画力が素晴らしいです。日本で人気のある「GT-R」や「M4」といったスポーツモデルに、わざわざ寄せて作ったりしなくてもスポーツカーは十分に成功する!!ということを示しました。

  発売当初から多くの有名ライターが懐疑論を連発して浴びせました。素人が書く掲示板には「何でターボが無いんだ!!」「リアシートはいらない」「標準タイヤがプリウスと同じ」などなど、最大手メーカー・トヨタゆえのアンチがたくさん現れました。それらの中傷を一通り目にした結果、頭の中を「86」に対するマイナスイメージで充満させてから、勇躍して試乗に行ったからなのかもしれませんが、このクルマは印象が全くといっていいほど悪く無いんですよ。何度か乗りましたけど、毎回「これは楽しいぞー」という素朴な感想が・・・。別に車重を無理に1000kg前後にまで下げる必要はないですし、ターボ化して馬力&トルクを増幅する必要もない!!このままでいいと思います。

  「価格・実用性・楽しさ」この3つを見事に揃えてくるトヨタ&スバルには脱帽ですけども、何の前触れもなく突然登場しているモデルなので「伝統」や「ストーリー性」がないのがちょっと気になります。トヨタの社長が気まぐれで作った「ドリ車」です!!というコンセプトだけではなかなか「共感」できなかったです。トヨタのエンジニアが出世のために、社長が「ドリフト」するのにちょうどいいクルマを作ってみた!!そういうお遊び企画に無理やりスバルを巻き込んだ!!カネでスバルの顔面を叩いた!!・・・少なからずそういう見方をしてました。

  しかしこのクルマの本質は・・・いよいよわかってきたんですけど、これ安易にバカにしちゃいけないモデルですよ!!そもそも「GT-R」や「M4」こそが、めちゃくちゃに高価なスーパーカーには手が出ない人々(非セレブ)が乗る、下位互換的(コンプレックス的)な存在でしかないんじゃないですかね? これは欲深い(罪深い)クルマ好きにとっては、決して「所有欲」を目一杯満たすような「理想」では無いわけです。そして案外トヨタはそんな風に冷静にライバルを分析しているんじゃないですかね?そう思える点が5年経ってやっと見えてきました。

  「GT-R」も「M4」も素晴らしいスポーツモデルですけども、そもそもポルシェ911ターボやフェラーリを、出力面で乗用車ベースの改造自動車が追いかける意義なんてあるのかな? 元日産のGT-R開発者である水野さんは、強烈な「個の主張」で日本のクルマ好きを納得させますけど、実際問題として「GT-R」と「86」のどちらがより多くの人を幸せな気分にさせてくれているのか? 確かにGT-Rが世界最速記録をマークすると、日本の自動車産業全体が盛り上がりますけど、より多くのオーナーを笑顔にさせているのは「86」の方では?

  300万円ぽっちのスポーツカーなんてさ・・・そういってバカにする人も結構居るでしょうけど、「この価格でスポーツカーを作ったことが素晴らしい」とか当たり障りのないこと言っている人々に言いたい!!このクルマの価値は「廉価」ではないですよー!!

  おそらくとっても優秀でクルマへの熱いものを持ったトヨタの開発者たちは、良くも悪くもスポーティさを追求して進化してきた「日本のスペシャルティカー」の歴史は失ってはならない!!新しいスポーツカーをその歴史が辿ってきた「集大成」を存分に表現できるモデルにしよう!!そう必死で考えた結果の「86」なのだと思います。1250kgで200psというパワーウエイトレシオは、歴代の日本のスポーティカーにおいてごくごく平均的なスペックですが、これもおそらく計算づくなんじゃないですかね。

  
  

  日本のスポーツカーは、紛れもなく「日本の美意識」によって紡がれてきたんだなー。日本メーカーの2ドアクーペはもう絶滅寸前ですけども、この系図が絶えてなくなるなんて悲し過ぎます。あまり華美なフロントデザインにしない!!これもとても大切なポイントです。レクサス、インフィニティ、マツダ、スバルどれもグローバルでの販売を目指しているから、ドイツ車だか韓国車だかよくわからない「グローバル流行形」へと収束しています。これはやはり日本的ではないです!!1960年代から脈々と続いてきた「国内専売車」で日本的デザインが満載だった「日本の」スポーティカーの美しさは保護されるべき!!

  トヨタのクルマが大好きな開発者がみんなで集まって考えた!!「日本のユーザーがとても幸せだった時代をそのまま再現したい」ということなんじゃないかと・・・。決して社長のご機嫌をうかがう「ドリフト車」を作っていた訳ではなかったんだと思います(そう信じています)。街中に「86」がいっぱい溢れたっていいじゃん!!このタイプの車が街中に溢れていた頃の日本には本当に活力があった!!あまりに過剰過ぎるセレブ御用達の600psのラグジュアリーカーなんて日本には似合わないです。カーシェアリングのランボルギーニに無理して乗っているなんてとても不健全ですし・・・。トヨタにとっては「レクサスLFA」よりもずっとずっと「86」なんだと思います。そしてそれが正しい!!と思いますね。National-Carとして長く日本で作られ続けて欲しいクルマだと思います。


2017年4月14日金曜日

スバル・WRX-S4 「いっそ名前を変えた方がいい」

  1966年に富士重工が発売した初の水平対向4気筒車は「スバル1000スーパーデラックス」と言います。スバルがRRからFFに転換した際に投入することになったことからボクサーエンジンが採用されたようですが、この50年の歴史を誇るスバルの運動性能重視のパッケージングは、この後1969年に「FF-1」へ受け継がれ、「FF-1・1300G」「レオーネ・セダン」と大きくコンセプトを変えることなく進化を続け、そのストイックな理念は、そのまま1992年発売の初代インプレッサに設定された「インプレッサWRX」へと繋がります。

  さらに3代目WRX(先代)がデビューした2007年には、欧州市場を意識するあまりにスバルがWRXモデルからセダンを一時的に廃止したところ、スバル1000の伝統を無視するな!!とばかりに、相当な数のスバリストによる凶悪な抗議(?)が殺到して売れ行きも最悪だった(GT-R&エボ10デビューと同じ年というのもあったかな?)ので、慌ててセダンを追加した・・・という顛末があったらしいです。その際にWRXに新たに設定されたのがGT-Rやエボ10にすでに装備されていた2ペダルモデルですが、これも頑固なスバリストから総スカンを喰らったようです。

 

  おそらく現行モデルで、スバル1000の精神の正当な継承車になっているのが「WRX・S4」あるいは「WRX・STI」なのですが、50年にも及ぶその歩みを考慮すれば、もっと世間に「重み」を感じさせる存在でも良さそうなんですけどね・・・。特に2ペダルのモデルに新たに名付けられた「WRX・S4」というあまりにもアイディア不足で平凡なネーミングのせいで、これまた大きく「損」をしています。先代のCVTを使ったWRXはあまりにも市民権を得ていなかったので、いっそWRXから切り離して、「スバル1000」あるいは「FF-1」という名称を復活させるくらいの「サプライズ」で話題を集めた方が良かったんじゃないかなー?(勝手な予測ですが)もっともっと売れたと思います。

  誤解を恐れずにズバリ言うならば、スバルの企画部がイメージしている「ハイスペックカー」のカテゴリー分けは、どうも世間のクルマ好きが思っているものとは大きく隔たりがあります。スバルWRXは、BMW・Mや日産が得意な「改造自動車」ではありますが、それらよりもはるかにスポーツカー寄りの立ち位置にあります。ラリー競技のベース車両として世界に広く認知されている故に、改造自動車の限界を超え、存在そのものがスポーツカーになっています。そんなWRXを2ペダル仕様でラグジュアリーに仕立てることで、無理やりに「GTセダン」として売ろう!!という目論見自体は悪くないですけども、誰でもすぐにWRCを連想する「WRX」の名称のまま売る意味がさっぱりわからないです。

  開発者に対して大変失礼ですし、結果論でしかないかもしれないですが、このクルマを試したときに、「サイズ、価格、パフォーマンス」だけのクルマだなーって感想でした・・・大して売れないだろーな。とりあえず「S#モード」でベタ踏みすれば、なかなかエマージェンシーなエンジン音が響いて、こんなギミック一つでも十分に「スポーツセダン」だなと納得しますけど、それよりも気になったのが、運転支援の要素が出過ぎてて、子供が補助輪を取った自転車を大人に支えられながらペダル漕いでいるような「過保護」なイメージが強すぎりことです。4800mmクラスになったレガシィB4にこのような手厚い運転支援なら納得できますけど、4500mmのミニサイズにここまでされると「高齢者向け」という思惑が透けて見えます。(実際にそうなんでしょうけど)

  いくらターゲットが引退世代だからと行っても、長年いろいろなクルマに乗ってきた相当に「クルマが好きな人」がユーザー予備軍でしょうから、若輩ものの私が感じたのと同じかそれ以上に「過保護だなー」って感じるんじゃ無いですか? それを想像するだけでも「ユーザー本位で企画する視点が大きく欠如した」と断罪したくなります。350万円のクルマでこれは無策すぎる!! それに輪をかけるように愛情不足な仕事ぶりを感じる点がいくつもあります。

  ハンドリングはAWDですからある程度は仕方ないですけどだいぶ「退屈」です・・・これはSUVか!? そしてダンパーを使い分けて「グレード分け」をしていますから、試す時にはいつも以上に乗り味に神経が行きますけど、どっちもあまり感心しない出来栄えで、これが相当に印象を悪くしてくれます。古いプラットフォームだからポテンシャルもこんなものなのかなー・・・。レヴォーグもそうだけど、基本的な部分をアメリカで開発した弊害なんじゃないですかね。繊細な味の日本車に乗り慣れていると余計に落差を感じます。

  もちろんスバルにとってもそんなことは百も承知なようで、販売ボリュームが大きいレヴォーグに関しては、足回りを徹底的にやり直した「レヴォーグSTI」を、ちゃっかりとラインナップしてたりします。「落ち着いて乗る人のためのSTI」などと、なんとも白々しいこと言ってますねー。しっかり修正ができるんなら最初からやればいいのに!!レクサスや日産の栃木モデルは最初からきっちり仕上げてくるのに、スバルやマツダの新型登場時は、ほぼ例外なく足回りの仕上げにブレが生じてます。現行のフォレスターとアクセラの初期モデルはほぼ「事故」でした。後期モデルになって相当に改善されてますから、どちらも今が買い時。

  団塊世代の大量引退にターゲットを絞ったクルマ。WRX・STIよりも肩の力を抜いて楽しく乗れて十分にスポーティなスペックの「スポーツセダン」。おそらく目指すところは日産GT-RやBMW・M3のリーズナブルな「互換モデル」なのでしょうけど、スバルの看板モデルとは思えないくらいに、車の出来がどうもフワフワしていて、乗っても特に「何も感じない」し、このクルマに乗っても「人生のステージ」が上がるという予感もない・・・いわゆる「痛い」クルマになってしまいました(開発者の皆様ごめんなさい)。「WRX」のネームバリューで訴求すれば、GT-RやM3と同じステージに立てると単純に考えたのでしょうか? それを挽回するかのように、昨年に期間限定受注で登場したのが「S4・tS」というモデルです。


  レヴォーグSTIでは、足回りの不甲斐なさを修正してきましたけど、このS4・tSはスタイルとパフォーマンスをもっと刺激的に(スポーティに)したコンプリートモデルでした。業績好調で、限られた生産枠で作っている事情もあるのでしょうが、レヴォーグSTIとは別のタイプのユーザーを満足させるべく、逆方向に持っていきました。「ターボ・スポーツ車」の魅力を引き出すパッケージで、BRZともしっかりと距離を置いてます。これならGT-RやM3の「互換」にもなれそうです。一瞬で売り切れたS207もそうですが、リセールを考えるとかなりお得でしょうし、スバルを買うならSTIのコンプリートモデルにしとけ!!ってことなんですかねー。

  さてノーマルのボンクラな「WRX-S4」をいっそ「FF-1」に改名したらどうですか?スバル1000の正当な後継モデルとして、競技車両の色合いを薄めたモデルを、欧州の伝統あるブランドのように作り続けるのがいいと思うんですけどねー。余計な御世話ですけども。(今後のスバルには注目してます!!)




  

2017年4月5日水曜日

レガシィB4 「スバルの孤独な戦い」

  2014年に登場した6代目レガシィ。この世代から日本市場での主力だったツーリングワゴンを切り離してレヴォーグとして発売したため、レガシィは一気に日本での存在感を失っている感じです。私だけでは無いかもしれませんが、さらにレガシィB4にネガティブなイメージを持つきっかけとなったのは、全く不人気だった5代目B4の販売が終了するときに、警視庁にパトカーとして相当の台数を納入されてたからですね。街中であまり会いたく無いのに見かけることが多いです。一般ユーザーはほとんどいないのに、もっぱら警察車両として使われるセダン。スズキのキザシ・・・。そんなこともあって直後に登場した6代目レガシィB4にも「負」の先入観がありました。

  レガシィは2世代ごとにクルマのコンセプトが大きく変わります。「花の1989年組」の初代は世界的な大ヒットというセンセーショナルな登場をしました。1981年にはすでにレオーネツーリングワゴンとして原型が成り立っていましたが、それが新型モデルとネーミングのインパクトで広く認知されるようになりました。レガシィのスタート地点はほぼ「ツーリングワゴン」と言って間違いではないですが、1971年に登場した初代レオーネはクーぺ&セダンでしたし、それ以前に遡ると1969年のスバルFF-1、1966年のスバル1000となりスバルのフラッグシップ・ラインを形成してきました。

  そのまま年代で合わせていくと、レガシィへと繋がる一連のモデルは、ホンダ・アコード(1976〜)はもちろんマツダ・アテンザの原型となるカペラ(1970~)よりも歴史があるんですね。さすがに「ノイエクラッセ」以降に登場した1961年登場のBMW1500(のちの3er)には「歴史は」及ばないですけども、レガシィと3erの現在地を比較するならば・・・日本では3erが優位。北米ではレガシィが人気。ブランド力とか価格差とは無視できないですけども、ミドルクラスセダンとしてよりラグジュアリーな質感を持つのは・・・。

  アメリカで売れているのが正義!!はちょっと強引かもしれないですが、やっぱりBMW3erには大きなハンデがありますね・・・「駆け抜ける喜び」から切り離してクルマ作れないですから。レガシィB4が目指す上質なセダンにおいては、開発時におけるハンドリングの優先度は低いみたいですね。「そんなクルマいらねー」と言ってしまうスポーツセダン大好きな人々もそれなりにいるでしょうけども、今じゃマイルドなスポーツカーが「ノーマル」なエンジン載せてスバルの工場でもライン生産されている時代ですから、上級モデルを意識したセダンとは切り離して考えるべきか・・・そういう意味でスバルがやっぱり正義?(BMWには5erがある!!)

  歴代レガシィの進化を見ると、初代&2代目はツーリングワゴン人気で独走し、1998年に登場した3代目&4代目は当時のスポーツセダンブームに乗っかるようなスタイリングを展開。E46型3erやアルテッツァ(レクサスIS)、アコード(6代目CF)の人気を意識した設計でした。BMWもレクサスISもこの世代のイメージにまだまだ囚われたままですが、レガシィは2009年の5代目でボデーサイズを拡大してアメリカで人気を得ました。同じような路線を採ったプジョー508、マツダアテンザ(2代目GH)、VWパサートが苦戦する中で、レガシィ(5代目BM)だけが羨ましいくらいの大成功を収めました。

  世界はハンドリングにこだわるプジョーやマツダではなく、直進安定性においてFRのプレミアムセダン勢に圧倒的な差をつけることができるAWDを信じて、それで勝負したスバルの戦略の先進性が・・・だんだん私のような「ど素人」にでもわかってきました。カムリやアコードは日本ではすでにHV専売モデルであるように、日本におけるセダンの慢性的な販売不振に対して各メーカーは相当な強硬策を採っています。結局は乗り心地追求のために1500~1600kgまで膨れ上がった車重に見合っていて、動力性能と燃費を両立させて受け止められるパワーユニットを「日本基準で」作ることに無理があったとも言えます。

  ハイブリッドかディーゼルターボか・・・というソリューションをレガシィも6代目では採用してくると思いきや、欧州向けの水平対向ディーゼルを廃止!!わざわざ自社開発したハイブリッドシステムもレガシィには投入されず!!という度肝を抜く「逆張り」戦略です。残ったガソリンターボはスバルの得意分野ではありますがレガシィからは排除!!もはやこの段階で「スバル圧勝」の結論が出ていたのか? トヨタやホンダはHV投入の元が取れてないですし、メルセデス、BMW、マツダ、ボルボ、プジョーはディーゼル投入でやっとモデル存続が図れるギリギリの水準に喘いでいます。ガソリンターボ(直4)は・・・(高級車のユニットとしては)論外。

  全く何もしなかったわけではないでしょうけども、日本向けの全てのレガシィB4に搭載されている何の変哲も無い「2.5L自然吸気(FB25)」エンジンの水平対向、シュートストローク、ポート噴射が圧倒的な「キレ」を生み出しています。「CVTは嫌い」が合言葉だったクルマ好きをも黙らせる「感性豊かなエンジンによるピュアな走り」が実現しています。ディーゼル勢の力強いけどややフワフワしたレスポンスや、アコードの緻密すぎるモーター加速も、ある程度はセダンの魅力を引き出してますけども、下から上までアクセルに対して「納得の筆致」でついてくる自然吸気180psユニットはやっぱりいいですね。

  ショートストローク、自然吸気、ポート噴射といえば、日産のVQ37もありますが、フロントヘビーなFRという仕上げの車が多く、しかも採用車種がフーガとZのみで、ミドルクラスには設定されていません。マークXに使うトヨタの3.5L(2GR)は、直噴&ポートの併用になっていて思った以上にはスッキリと回らないです(ターボに比べればずっとマシです絵けど)。ちなみに官能領域エンジンへの日産の情熱は素晴らしくVQ37の後継となるVR30DETTも素晴らしい出来栄えなんだとか!!日本でもスカイラインで売ってください!!余談ですが直噴化を全世界で推し進めた某ドイツ系サプライヤーは、近年はタカタ以上の茶番を繰り広げていて、エンジンに対する考え方もだいぶ変わってきて、スバルや日産にとっては追い風かもしれません。

  全車AWD、パワーシート&シートヒーター(前後)、アイサイトは全グレードで標準装備。「レガシィに乗る人にふさわしい装備」ということなんでしょうね。スバルが見通すミドルセダンの未来は、「21世紀的バブルカー」な装いです。2019年にはいよいよ次のステージのレガシィが登場するみたいです。スバルがパワーユニットを放り出してでも開発を優先した新型プラットフォームが使われ、現行レガシィB4の数少ない弱点である、動き出し時の微細な振動と低速での操舵もかなり修正されるでしょう(インプレッサはその部分の進化が著しかった!!)。

  直噴化しないままの自然吸気フラット4を、AWD(のための縦置き)と、低重心化のためのユニットとして使い続けるとすると、フロント前部の下方暴れるエンジンを抑え込むためにサブフレームとサス剛性の強化は不可欠で、新型シャシーではその問題に的確な対応をしたと思います。だけどもエンジンスペース上の制約でフロントにはストラットしか使えない・・・。この辺をどのようにクリアしてくるかが、次のレガシィB4の見どころでしょうか。もちろん先代から継続で熟成されてきた現行モデルも価格を考えるとびっくりなくらいにお買い得なのですけどね。

↓4代目BP型 (4人のコメントは失笑ですが)とりあえずスポーティ・・・


↓ウゼー・・・5代目BM型


↓日本にもフラット6を!! 現行の6代目BN型
  


2017年3月24日金曜日

シビックか? マークXか? それとも・・・。

  ホンダが再び日本に投入するシビック。北米サイズのCセグなので4630×1800×1414mmとなかなか立派な車体になっていて、似たようなサイズのクルマを探すと、有名なところでは4645×1800×1440mmのBMW3erのセダンでしょうか。3erは北米向けDセグとしては小さいセダンなので、その他に4825×1830×1510mmの「3erグランツーリズモ」というモデルもあります。これがだいたいアコードやアテンザと同じ北米のDセグサイズです。

  日本でクルマを楽しむ人々にとっては、割と扱いやすいサイズ(4700mm前後)で、スポーティなスペックも選べて、当然にメーカーも開発に力を入れていて、乗った瞬間に「意匠」や「味」が染み出してくるような、かっこいい3BOXマシンの選択肢が増える事はとても幸せなことだと思います。しかも250~450万円くらいの幅に収まれば何もいうことはないかなー。現行でこの条件に当てはまるクルマってどれだけあるんだろう。マークX!!あれ!?他には・・・。

  今更シビックが出てきてどうなるものでもない!!とかいう意見もあるようですが、2010年頃まで売られていた先代のまだまだ「スモールカー」でしかなかった時代のシビックとは完全に別物に見えます。2007年に発売された2代目フィットが日本で大人気になるのを見届けてシビックの生産ラインが他車種に譲られた結果の「建設的」な日本撤退だったのは明らかで、もしシビックがそのまま日本市場に残っていたならば・・・カーメディアがワイワイ騒いだようにVWゴルフはすごいぞー!!キャンペーンに対する強烈な「反論」になり得たかもしれません。

  新しいシビックのライバルはBMW3シリーズ?価格を考えるとだいぶ差がある印象ですが、300万円前後が予想される1.5L直3ターボのシビックと、400万円の客寄せグレードも設定されていてシビックと同じく1.5L直3ターボの318iと、さらに300万円まで価格が下がる118iもあります。シビックの基本的なコンセプトは3erのボデー&スペックを持つクルマを、1er並みの価格に設定することにあるみたいです(もっと安いかもしれませんが)。

  スポーティで小柄なキャビンの1erに対して、現行3erは後席のユーティリティを確保したことで評価されていて、BMWが名乗る通りの「リムジン」です。そしてシビックは?というと明らかに3er寄りじゃないか?・・・という話です。スポーティだけを追求するならS660みたいなピュアスポーツカーがあるわけで、シビックは乗用車なのだから、お手本にすべきは3er!!至極真っ当な話です。

  大人4人がくつろいで乗れて、なおかつドライビングがあらゆるジャンルのクルマよりも楽しい。単なるスポーツセダンの枠を超えて、「リムジンwith FUN to DRIVE」でコンフォータブルな性能を強調した「パッケージング・セダン」とでもいうべき新ジャンルです。そこにはポツンと国内専売のマークXが置き去りにされていましたが、欧州プレミアムブランドからは、上位モデルとの兼ね合いでむやみにボデーサイズを大きくさせないDセグセダンが、そしてシビックの後に続くクルマがあるかわかりませんが、北米で人気の4700mm級Cセグスポーツセダンが、日本市場でジャンルを超えて激突する!!そんな2017年を予感しています。

  欧州チームは・・・BMW3erに加えて、アルファロメオ・ジュリア、ジャガーXE、ボルボS60の4ブランド4台。ガソリンターボは130~510psまで幅広いスペックが用意されていて、ディーゼル搭載という毛色の違うグレードまである!!ビギナーからニッチ、エンスーまで大満足のラインナップが嬉しいところです。特にM3、ジュリアQV、XE-R、S60ポールスターと並ぶと・・・なんかもう開発者の「意地」ですね。「直6高回転ターボ」「フェラーリチューン!!」「オリジナル・スーパーチャージャー」「最強直4&最強アシ」。800~1000万円を出させるだけの魅力はあります。

  アメリカチームは・・・陣営としてはホンダ・トヨタ・レクサス・日産・スバル・
ポルシェ・シボレーの7つです。シビック、スープラ(未発売)、LC、セントラNISMO(未発売)、WRX-S4、マカン、カマロ・・・といずれもメイン市場はアメリカのクルマばかり。ジャンルもバラバラなので「かき集めた感」が否めないですが、北米市場向けの商品力は日本でもそこそこ通用する気が。1000万円を超えるのはLCとマカン・ターボだけ。ユーザーにとっては欧州チーム以上に「選択肢」の広さが魅力です。

  「羨望の眼差し」を受けたかったら、LCかマカン・ターボですども、他のモデルでも十分に目立つし、クルマ好きであることを十分に示せます。価格を抑えたかったら、シビックかセントラが良さそうです。1.5Lターボで200psのシビック、1.4Lターボで180psのセントラどちらも十分にスポーティです!!王道GTカーを目指すならスープラを、峠最速のAWDターボが欲しいならWRX-S4、アメリカンマッスルを手頃な価格で手に入れたければカマロ。

  とにかくどちらの陣営も「相当な覚悟」が感じられますし、何よりメーカーにとっては上から目線で批評されるリスクが大きいであろう、クルマ好きが好むモデルを正々堂々と仕上げる!!そういったあ仕事ぶりにこそ喜んでお金を払いたくなるものです。メルセデス、マツダ、プジョー、VWなどまだまだ新しい方針が見えてこないブランドもありますが、日本市場のこのジャンルは「熱い」と思いますよ!!(早く参入を!!)



↓これは!?


  

  

2017年3月17日金曜日

新型スイフト なぜか「奪える」気がしない・・・

  第二次オイルショック直後の1981年に誕生したレーガン大統領は、日本に対して自動車輸出を規制を要求しました。前年から10%近く台数を減らされ164万台に制限された時、北米市場で日本車が品薄になり価格が上昇した!!という記録があります。

  クルマが売れにくくなった今の日本市場では、「高く売る」「安く売る」の究極的にはこの二択でしたシェアを上げることはできないんじゃないか?という気がします。もっっとも「高く売る」で成功するのは、開発グループが非常に有能で、しかも会社が全面的な支援体制を整えていて、期間も資金も十分に与えられたモデルに限られます。値上げしても大人気だったモデルといえば4代目プリウス。トヨタの全ラインナップHV化の煽りを受けて先代モデルを超えるまでのセールスにはならなかったですけども、特に乗り出しで350万円くらいする上級グレードがよく売れたようです。

  V37スカイラインも、先代モデルから大幅な価格アップにもかかわらずよく売れました。V36は3.7LのV6搭載モデルでも300万円台が中心だったですが、V37ではHVは500万円〜、2L直4ターボが400万円〜と明らかに割高になっていますが、使われているシャシーはV35以来の同じものです。V36と比べてV37にどれだけのアドバンテージがあるのか?というと、エンジンのフイールならV36の方が良かったくらい。

  大きく進化したのは「実燃費」でしょうか。7~8km/L程度しか走らなかったクルマが、11~12km/Lくらいになっています。あとは0-100km/hを5秒台で走る俊足もポイントが高いのかも。確かにヤバいくらい速いです。トヨタと日産がプライドをかけて作成した最新ユニットを搭載したプリウスとスカイライン。しかもどちらも発売日を延期して仕上げに十分な時間をかけました。

 

  トヨタ、日産に対してスズキは・・・というサゲサゲな話になっちゃうわけですけど。高級車を持たないスズキにとっては、プリウスやスカイラインに詰め込まれたような技術は必ずしも必要ではなく、当然に販売戦略も違うものになるはすです。先代の3代目スイフトが大成功したこともあって、「日本製の走りのコンパクト」としてファンも増え、新型に対しても非常に期待が高かったです。スズキのラインナップでは花形になるモデルですから、世界をびっくりさせる何か?が出てくると思いましたが、バレーノのターボと、ソリオのハイブリッドが一気に追加されたという想定の範囲内の決着でした。

  新型スイフトのバックオーダーは4000台程度にとどまっていますが、ほぼ同時期に発売されたC-HRが10倍の4万台を受注したようです。C-HRもハイブリッドとガソリンターボを導入していますが、どっちがどっちをマークしたのかわかりませんが、スイフトとC-HRではある程度は戦略が被っています。結果としてスイフトが目指しそうなことをC-HRが全部やってしまった!!C-HRがなんだかスイフトの上位互換機のような雰囲気すらあります。実際にコンパクトカーでは「不満」なユーザーを狙い撃ちするのがB/CセグSUVなので、トヨタは戦略通りにC-HRを仕上げてます。開発者のコメントにも、「他からユーザーを奪えるモデルを目指した。」とはっきり出てきます。

  スズキとしては「スイフト=スポーツ」が登場してから一気に巻き返すつもりのようで、C-HRの1.2Lターボを上回るスペックの新開発1.4Lターボが1000kg以下の軽量ボデーに搭載されれば、マツダ・ロードスターを上回るパワーウエイトレシオ?十分に可能です。アルトに「ターボRS」と「ワークス」が投入されてから、ベースモデルも人気になったように、スイフトの本格展開はまだこれから・・・なのかもしれません。果たしてアルトの二番煎じは上手くいくのでしょうか?(ノートe-POWERが強敵では?)・・・(税金も半分だし)アルト・ワークスでよくない!?というユーザーもいるでしょうけど。

  もちろん「スイ=スポ」を楽しみにしているユーザーもたくさんいるはずなので、安易な路線変更には困惑しますけども、C-HRなどスズキ・ラインナップのライバル関係の変化を踏まえて他から客を奪ってくるモデルを作って行かないと、スズキの普通車販売はジリ貧から脱することが難しいでしょう。「スイ=スポ」と同じタイミングで「エクスード=スポーツ」と「イグニス=スポーツ」を出すことで、デザインの好みで選びやすい若者ユーザーを上手く取り込めるでしょうし、デザインのバリエーションを持たないノートe-POWERに対しても優位に立てるのでは?・・・あるいはフィットやアクアから「奪う」こともできるかもしれません。



  

  


2017年3月12日日曜日

ヴィッツGRMN と シビックtypeR

  やっぱり日本メーカーはどっか間違っているのかな〜・・・。「Top Gear JAPAN」第6号の「スポーツ・ウィーク」という「走って楽しいクルマ決定戦」特集に集結した18台の中で日本で生産されるモデルのエントリーは・・・なんとわずかに1台(しかもアバルト124)。2000年頃の「Car」誌の似たような企画には「エボⅥ」「インプWRX」「R34スカG」「セリカ」「インテグラtypeR」「S2000」「MR-S」と7台が選ばれていたのに、日本のスポーツモデルはなんたる没落ぶりなんでしょうか!! 嘆かわしい限りです・・・。

  「そんなの選ぶ側のさじ加減だろ!!」って言われたらそうなんですけども、2000年頃のスポーツモデルは日本車抜きには語れなかったんですけどね〜・・・。当時は1500万円の911ターボ(996)に250万円のインテグラtypeRが、ファイナルラウンドでも肉薄したのですが、今回は911Rと雌雄を決するべく挑んだホンダNSX(アメリカ生産)は、ファイナリストにすらなれず・・・。ホンダが意気揚々と作った中国やアラブのお金持ち向け市場に参入するマシンでしたが、ポルシェの公道最強マシンの前に完敗との評価です・・・。もちろんTop Gearの判断が全てではないですけども、第三者に評価されてこその「商品性」でもあるので、世界に向けて大恥をかく格好になりました(F1でもやらかしてますが・・・)。

  シビックtypeRの日本導入予定モデルがジュネーブMSで公開される!!との報道があったと思ったら、今度はトヨタからヴィッツGRMNも公開されるとのこと。トヨタとホンダのどっちがどっちを意識しているのかわかりませんけども、前哨戦が早くも始まったようです。シビックとヴィッツではクラスが違いますし、スペックでも300ps級と200ps級で別格なので100万円程度の価格差は当然に出てくるはずです。ただしどちらもFF車であることは共通で、これが両者の運命を決するんじゃないか!?という気がしないでもないです。人によって考え方は違うとは思いますが、「MTで走る分にはFF車に300psも要らない」というシビックtypeRの商品性にちょっと疑念があるって人も多いんじゃないですかね。

  「ターボのtypeRなんて認めねー」という人もまだまだいるかも。ポルシェもフェラーリもアストンマーティンもまあ同じような「変化」の時を迎えてますし、1台売って「いくら」の薄利多売メーカー・ホンダだけがいつまでも「Vテック」ってわけにはいかない。・・・まあみなさんそうやって納得してますけど、2.2L自然吸気で280ps出していたS2000の後期モデルに搭載されたユニットは、もうそのものが圧倒的な商品力を持ってましたけど横置き直4の2Lターボ320psなんてどこにでも溢れてますから・・・。アメリカでは2Lターボ280psがボトムグレードというモデルも多いですし。

  それに対してヴィッツGRMNに使われる1.8Lスーパーチャージャーは、トヨタも株主を務めるロータス(親会社はマレーシアのプロトン)のエリーゼに供給するために、トヨタがヤマハの協力を得て1.8Lを自然吸気(140ps)、自然吸気(190ps)、スーパーチャージャー(220ps)と作りわけていたユニットを流用したものみたいです。このシリーズはトヨタのMR-Sやセリカに加えてカローラフィールダーなどにも設定されましたが、特にヤマハが主導して開発された190psの自然吸気モデルは、「トヨタ版Vテック」などと呼ばれてました。

  ホンダのVテックは、9000rpm以上回るロングストロークエンジンという驚異の技術力で、その名を世界に轟かせてました。BMW、アルファロメオ、アウディがプライドを賭けて「最速ピストン」開発競争に挑みましたが、その中で販売が継続されているのはアウディRS5に使われるV8自然吸気のみで、次期RS5もいよいよターボに変わるのでラインナップから消えることになりそうです。フェラーリやランボルギーニのようなショートストロークエンジンあるいは、ロータリーエンジンならばもっと高回転のものもありけど、やはり直4のロングストロークを世界最速レベルで回すホンダとヤマハのクレイジーさが、日本の自動車産業が放つ眩しい輝きだったんですけどね・・・。

  さてVテックを必死に追いすがった「トヨタ版Vテック」も消滅(?)し、トヨタが10年以上前から展開していた「過給」がトレンドになったようで、ホンダも独自にターボを導入したわけですが、レスポンス重視のヴィッツGRMNに対して、ダイナミック感重視のシビックtypeRなので、完全に方向性が違う設計ではあります。レスポンスもダイナミックも今ひとつな欧州のユルいホットハッチ(特定の車種は挙げないですけど)に違いを見せつけるように、それぞれの分野でTop Gearからも評価されるクルマになってほしいです。

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2017年3月6日月曜日

シビックが狭山で生産される意味とは!?

  ネットで誰でも手軽に情報が得られる時代になって久しいです。ネットで情報収集する際には英米独のカーメディアに手軽にアクセスできるので、おかげさまで学生時代よりも英語、ドイツ語に関しては素早く読めるようになったかも・・・。「日本のカーメディアと違ってずっとまともだな〜!!」なんて得意げにドヤ顔で言うつもりはないですよー。むしろ日本のカーメディアの方がよっぽどマシなんじゃないの!?って思うところもあるくらいです。どこの国でもカーメディアなんてのは、ダメ人間がテキトーにやっている・・・これがグローバリズムってもんですかね。

  日本のカーメディアがシビックの属するCセグを語るときに、デフォルトで実力上位に置くのが「VWゴルフ」「スバル・インプレッサ」「マツダ・アクセラ」の3台です。そしてそれがそのまま世界のCセグの頂点であるかのような表現をとてもよく見かけます。確かに・・・VWゴルフは欧州と中国で、アクセラはオセアニアで、インプレッサはスイスでCセグのナンバー1ではあるんですけども、この3台が束になっても北米市場ではシビックやカローラの前に勝負になっていないのは何故なんだー?それは日本車が安いから!!とか説明するライターさんいますけどこれは大嘘!!

  ちなみにホンダは北米でシビックより安いフィットも売ってます。トヨタもアクアとヴィッツ(ヤリス)を売っています。フォードもフィエスタの販売を開始しました(旧デミオシャシー)。しかしマツダはデミオを売っていない・・・いやいやデミオのセダン(東南アジア、中国のみ)をOEMでトヨタブランドから「ヤリスiA」として発売してます(マツダブランドはなし)。対してVWポロは発売されていません。アウディA1も。プレミアムブランドではCセグのハッチバックもアメリカでは売らない方針で、Aクラス、A3(ハッチバック)、1erのラインナップもありません。

  北米にはあって日本未発売のCセグ車としては、フォード・フォーカス(日本から撤退)、シボレー・クルーズ(オペルが開発)、ダッジ・ダート(アルファロメオ・ジュリエッタがベース)、ヒュンダイ・エラントラ、キア・フォルテ、キア・リオなどなど。・・・車名をずらずら書いても何もわからないので、北米市場のシェア(全登録車ベース)を簡単に分析すると、主に世界の「強豪12グループ」によってシェア争奪戦が繰り広げられています。

  その中で「9〜12位」と低位に甘んじて完全にフン詰まっているのが、北米市場を少々小馬鹿にしているところがある、「欧州市場主体」のメーカー連中で、9位VW/アウディ、10位メルセデス、11位BMW、12位マツダといった面々です。日本のカーメディアではかなりチヤホヤされている印象がありますが、北米では完全に「負け組」です。フェラーリやポルシェのように生産能力に限界がある訳でもなく、シェアをもっと伸ばしたくて仕方ないのに、思うように伸びない「能無し」な4メーカーです。だってクルマがクズだもん!!「走りこそが正義」みたいな破廉恥な前近代的フレーズを好み、いかにもアメリカのユーザーに媚びへつらう上位で成功しているブランドのクルマを軽蔑してそうな顔ぶれです・・・。

  これら下位(底辺)の4グループは、それぞれの製品から判断するに首脳陣の考え方が・・・「古い」「無難」「セコい」。日本や中国のオッサンユーザーだけが喜びそうな「骨董品」的な要素を大事にしていたけども、結局は将来への展望が甘く、HVの開発も満足にできていません(製品こそあるものの、ユニットの信頼性はトヨタ、ホンダに遠く及ばない)。ヒュンダイみたいに「プリウスは素直にスゴイ」と認めて必死でコピーする!!といったこともせず、気がつけば「内燃機関の廃止」へのカウントダウンが始まった・・・。最先端の液晶テレビを見て、「薄っぺらで重みがない」とか批判して、未だにトランジスタとブラウン管でテレビ作っている4グループと言ってもいいかも。

  確かに直近の数年ではメルセデスとBMWは相当な利益を計上こそしていましたけども、費やした開発費は日米韓のグループに遠く及ばず、技術を得る為に買収したメーカーの株式売却益で利益を積み上げてます。確かに困ったらメルセデスは日産に、BMWはトヨタに助けを求めればいいのかもしれないですが、そういった「鼻クソ」みたいなブランドのクルマを絶賛して、プリウスを批判するのが、日本のかーメディアの一番ゴミなところでしょうか・・・。ドイツのメディアは、「トヨタ、日産、ホンダは次に何を仕掛けてくるのか?」「今度こそドイツ3グループは壊滅するぞ!!」くらいのまともな感覚を持ってますけどね・・・。

  どうやらアメリカ人の感覚では「Cセグ」は日本市場における「軽自動車」みたいなものらしいです。「直4エンジンなんて男のクルマじゃねー!!」という意見もまだ根強いようで、BMW320iなんて完全に女性向けのハイソカーらしいです。もっともマスタングもマツダ・ロードスターもポルシェ718ボクスターも半数以上のユーザーは女性という統計が米国のMOTOR TRENDという雑誌に出てました。

  Cセグも当然に女性向けなんでしょうけども、米ビッグ3の1つであるフォードが展開するハイパフォーマンス系の「シェルビー」とは別の企画で、よりお手軽にスポーツ・フィールを愉しめる「フォーカスST」を投入したことから、数年前から徐々にCセグスポーツというジャンルが確立されたようです。これ日本市場にもぴったりで、カーメディアがもっと騒いでも良さそうだったのですけども、やはりメーカーからお金貰って仕事をするだけの日本のカーメディアが動くなんてことはあるはずもないですね。

  北米で「フォーカスST」に対峙するのは、直4ターボCセグの嚆矢でアメリカ市場にも愛されているメーカーである「スバルWRX」。この2台を軸にCセグスポーツが広がりを見せつつある中で、BMWはM2クーペの前身である「M1」を投入。ゴルフGTIとRももちろん投入されていますし、それを追いかけてメルセデスがCLA45AMGを投入。ホンダもVテック搭載自然吸気の2.4L直4(201ps)を積む「シビック・Si」を設定しています。ホンダにただならぬライバル意識を燃やすヒュンダイもエラントラ・スポーツに1.6Lターボ(201ps)というマッチョなエンジンを搭載しています。

  日本で売ってないクルマのことをとやかく言っても意味ないですけども、北米ではまだまだCセグのシェアは大きくはなく、主流はDセグだと思っていたのですが、いつの間にかカムリやアコードとほぼ同水準までカローラとシビックは伸びています。ヒュンダイに至ってはDセグのソナタよりもCセグのエラントラの方が売れている!!さあこれからCセグシェアの分捕り合戦が本格化しようとしているのに、北米でやらかしてしまったVW/アウディや、まともにCセグを用意すらしていないメルセデスやBMW、そして完全にユーザーがCX5に移ってしまったマツダ。ついでにブランド別で第8位に位置しているスバルは、北米市場に愛されているとはいえ、インプレッサの伸びは限定的で、もっぱら牽引役はアウトバックとXVです。

  アメリカ新大統領は日本の自動車産業に対して皮肉を言うそうですが、これは決して現実が見えていない政治のトップによる単なるパフォーマンスとは言い切れない部分があるようです。ある統計によるとここ数年の生産用機械の増加数において、アメリカは中国をも上回る水準にあります。日本やドイツが横ばいか緩やかな減少を迎えている中で、中国の「突き抜け」に待ったをかけるのが、アメリカの成長戦略として動いているわけです。

  工業の再成長を見せるアメリカで、国内製の部品の使用率の高さで知られるモデルが、カムリ、アコード、カローラ、シビックです。GMやフォードのベストセラーのピックアップトラックよりも圧倒的に使用率が高いのだとか・・・。「アメリカ車なんてレベルが低すぎる!!」と嗤う日本のカーメディアからは何も伝わってこないですが、アメリカの新大統領の「発言」とは、積極的な設備投資に踏み切った(もう後戻りできない!!)アメリカの自動車産業から生み出される部品を世界3位の生産台数を誇る日本へ売るという意思表示のはずです。

  そんなタイミングでホンダがシビックの生産拠点を日本に移してきたことの意味って結構根深いように思います。K沢さんは「(売れるわけはない)ホンダは狂っている」と断じておられましたが、「日本のシビックは日本で作る」というホンダの決断の裏には、日本の自動車産業の炎を消してはいけない!!というホンダ経営陣の危機感が現れているように思うのです。


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ニューモデル速報 第523弾 新型シビックタイプRのすべて

  

2017年2月26日日曜日

いよいよシビックがやってくる。そして全てが変わる!?

  北米で大ヒット驀進中。さらに北米COTYも堂々の受賞。アメリカ政府に愛される日本メーカーが企画する「アメリカ発のグローバルセダン」つまりアメ車・・・。果たして日本の街並に合うのか!?もよくわかりませんが、3ボックスタイプ(セダン)の北米量販タイプを狭山工場に新造したラインで生産し、ハッチバックの「typeR」はイギリスの工場から逆輸入するということで、待望の日本へのフルラインナップによる本格復帰が実現するというホンダ・シビック。

  このクルマはバブル以降も続いた狂ったように歪な「物質文化」の中で居場所を失い、押し流される格好で日本からフェードアウトしていましたが、再び「北米ナンバー1・Cセグ車」の看板を引っさげて堂々の凱旋となりそうです。相変わらず悪辣なK沢M宏氏などは早くも「Cセグなんて絶対に売れない!!」とまで断言しておられますが、メルセデスAクラスやボルボV40などそこそこのロングヒットを続けているなど、Cセグを取り巻く環境も以前とは変わってきたようですし、ホンダの仕掛け次第ではいろいろな展開があるんじゃないかと思います。

  まだ日本での販売価格も発表されていないですし、ベースモデルと「typeR」に加えて、北米スポーツグレードの「MT」モデルも入ってくるのか? などなど今後の展望はなにも見えないですが、とりあえずホンダにとって「シビック」という名称を使った歴代の車がどんな意味を持っていたか!?それがよーくわかっているクルマ好きのみなさんならば、今回のホンダの英断をとりあえずは大歓迎していることだと思います。「何かが起こる」という期待感とともに。

  何がどーなっているのかさっぱりカラクリがわからないですが、日本のカーメディアはなぜか「CセグハッチバックといえばVWゴルフだ!!」と口を揃えます。ゴルフこそが「世界のベンチマーク」だなんて散々に吹聴するものだから、ゴルフがCセグのオリジナルなのだと本気で思ってしまっている人すら多いみたいで困ったものです。ジウジアーロデザインの初代ゴルフが登場したのは1974年ですが、それよりもさらに遡る1972年に初代シビックは登場しました。さらにホンダよりも四輪車で先行しているトヨタは1966年にカローラを、マツダはアクセラの前身となるファミリアを1964年に発売しています。

  ファミリアはのちにフォード傘下でフォーカスの原型となるので、4大Cセグ車ことカローラ、シビック、ゴルフ、フォーカス(累計販売順)の中ではVWゴルフは最後発といってもいいくらいなんですけどね・・・。この4台の中でシビックだけがデビュー当時にはブランドのフラッグシップを務めることを課せられ、ホンダの技術が詰め込まれたハイテクなクルマでした。さらに1970年代のホンダは世界が認める偉大な「ライジングサン」で、北米のマスキー法を1972年に世界で初めて突破!!1973年にはマツダも少々ズルをして突破。しかし多数派である北米ビッグ3がクリアできずにマスキー法そのものの実施が延期され、ホンダの名前が世界に轟きました。

  そんなイケイケのホンダがカローラもファミリアも(サニーもベレットも)なぎ倒してやる!!とばかりにハイスペックに仕上げたのが初代シビックです。もっと正確に書くとホンダには「ホンダN360」というマイクロカーで大成功したのちの1969年に投入された「ホンダ1300シリーズ」というものがありました。このシリーズは同時代のポルシェ911(901B型)とまではいかないものの、もしずっと続いていたら「日本のポルシェ911」になっていたかもしれないというくらいに、ホンダの野望を表現するようなバカ高い理想を掲げたクルマでした。おそらく開発者は「打倒!プリンス・スカイライン」くらいの腹づもりはあったと思います。

  しかし「1300シリーズ」は四輪に参入したばかりのホンダにとってはハードルが高過ぎたようで、発売直後から故障が多発した上に、本田宗一郎、藤沢武夫両氏の自伝によると既存メーカーによるホンダへの嫌がらせみたいなこともあったらしいです。苦境に立たされたホンダは「1300」という大風呂敷をあっさりと畳み、スカイラインやポルシェではなく、カローラやファミリアを蹴散らす「シビック」へとその積み上げた技術を注ぎ込んで、新たなフラッグシップとしました。「4輪独立懸架」をCセグに使うというアイディアは、シビックに始まりファミリア→フォーカス→ゴルフ→カローラ(欧州向け)へと伝播して、いまではプリウスにも採用されるくらいの定番スペックになりました。あれ!?自称「世界のベンチマーク」はどーした?(ちなみに4輪独立懸架・・・現行シビックとゴルフは使ってなかったりします)

  本来は日本の自動車産業の「象徴」と言ってもいいくらいの「シビック」シリーズなんですけども、いざ国内市場に舞い戻って来るとなると、トヨタにとってもそしてVWにとっても、なにかと「不都合な点」が出て来るクルマでもあります(巨大メーカーに風穴を開けるのがホンダ)。そしてかつて煮え湯を飲まされたマツダにとってもファミリアの時代からの天敵・・・。今ではマツダとともに日本車Cセグの重要な担い手となったスバルにとっても、日本が世界に誇るスポーツカーとして国内ユーザーの支持を受けてきた「スバルWRX」の強烈なライバルとなるシビックtypeRの完全復活は寝耳に水・・・いくらランエボが消えた穴を埋めるとしても、下手すると国内市場で共倒れということもありそうです。

  K沢M宏氏を始めとして、カーメディアは長年ホンダの活躍を「封印」してきました。VTEC搭載エンジンが海外ではBMW、アルファロメオ、アウディといったエンジン屋よりも速いピストンスピードを実現し、偉大なるエンジンのカリスマとして君臨してきた事実を全く無視してきました。北米シビックに配備されている1.5L直3ターボで178psを捻り出し、BMWの2Lターボとほぼ同等のスペックを誇るホンダの次世代ターボが日本に入ってきたら・・・誰もが絶賛してきたBMWの虚構が音を立てて崩れ落ちるかもしれません(いやもうすでにバレてるって!!)。

  日本のクルマ好きならば、ポルシェ911やスカイラインと同じように半世紀近い年月を世界のトップランナーとして歩んできた歴代シビックが見せた「世界の頂点」がどんな技術であったのかを大いに語り、さらなるホンダのチャレンジを讃えつつも、おそらくこのクルマの存在をも「黙殺」するであろう、あるいはネガキャンすらするであろう、クソなカーメディアを徹底的にウェブ空間で吊るし上げる準備をして待ちましょう!!いろいろな意味で今後が楽しみだなー!!


2017年2月18日土曜日

マツダなら「バカ」から入ろう!!

  前々回、前回に引き続き「マツダ批判」です。最近リコールが多いですね。先代モデルからも現行モデルからも・・・エアバックか!?と思いきや現行では違うところから発生しているようです。スカイアクティブ以降のモデルは予定を早めて発売しているものが多く、検証する時間が十分にとれなかったのかもしれません。そのリスクを承知で勝負したのはマツダであり、リコール出たら出たで誠実に対応すればいいわけですが・・・。

  マツダ首脳部にとって今の状況は想定の範囲内なのでしょうか?①2012年からの経営再建&巻き返しが思いの他に上手くいったこと。②某欧州メーカーによるディーゼル疑獄事件以降は国内販売が低迷したこと。③CX5を皮切りにスカイアクティブ第二弾のスケジュールは予定通りなのか? ・・・とはいっても最初からスカイアクティブは計画通りのスケジュールではないですけども。トヨタとの包括的な技術提携と、稼働し始めたメキシコ工場で北米トヨタのOEM車を作る仕事を貰ったものの、新大統領の方針に戦々恐々ではあると思います。

  「マツダは3%のユーザーを相手にすればいい!!」と宣言しておいて、北米シェアトップを争うトヨタにクルマを納入するんですかい!?フォードから離れて10年近くが経ちますが、荒海に小舟(失礼)で乗り出すもやはり「寄らば大樹」!?なんだかトヨタとの提携に有利なディーゼルやらSUVやらプレミアム化やら割と大資本向きな開発が目立ちます。トヨタ、ルノー日産、GM、ヒュンダイ・キア、VW、フィアット、PSA、フォード、ホンダの9大グループが凌ぎを削るど真ん中に13位くらいのマツダが乗り出す意義って何ですか?マトモなコトは北米にプレミアムブランドを構えるくらいの巨大グループに任せておけばいいんじゃないの?

  ちょっと「アレ」なコト言います・・・
「もしマツダがロードスターだけを発売するメーカーなったら?」 

  コイツ何もわかってねーな!!で結構ですけども、これって案外「アリ」なんじゃないかと思います。「MAZDA FANBOOK」の第一号にもありましたが、マツダ内部では、ロードスターの開発担当主査というのは、他の車種とは完全に別格の存在みたいです。この役職だけは「心・技・体」に優れた逸材を後継に指名して、代々受け継ぐものらしいです。それだけの「重み」があれば、やはり下手な仕事はできないようで、NDロードスターの1.5Lエンジンのチューンや、リトラクタブルハードトップ機構のデザインなど、見るべきものが多いですね〜。

  もういっそのことロードスター用に開発されたFRシャシーだけを使ってブランドを構築したらどうですかね。プライド持って作れるクルマだけを売ったらいいんじゃないの!?せっかく年間40万台も売れるようになったCX5はあっさり放棄するのか?うーん。

  一つ言えるのは「SUV屋」という商売がこれからもずっと続くとは思えないということです。もし「SUV屋」が可能ならば、すでに「ミニバン屋」という業態のやや特殊なメーカーが1つくらいあってもいいはずです。他のメーカーよりもミニバンについて研究して世界最良のミニバンを企画するメーカーはなんで無いのか!?結局のところは自動車メーカーは単細胞の男の集まりで、「カッコいいクルマを作る」というスタンスを崩さないからなのかな。

  誰もが思うことですが、「カッコいいクルマの中のさらにカッコいいクルマを作ろう」という意識に溢れたメーカーがマツダだと思います。世界広しといえども、廉価な量産車を「20世紀の名デザイン・ベスト20(英国雑誌選定)」に押し込んでくるブランドはマツダだけでしたから(もちろんFD3Sです)。

  近作のマツダ車ではロードスターだけは別次元の納得の出来映えです!!スポーツカーなんて「エゴと個性の塊」ですから当たり前といったらそれまでなんですけど、マツダのファンを「やっぱりマツダは素晴らしい!!」と唸らせるという意味でもロードスターの存在意義はデカいわけです。これがトヨタの場合はV6エンジンと静粛性にファンは感動しているわけです。トヨタに寄せて3代目アテンザを仕上げてみたら何か起こったか?・・・どうでしょう。もしアテンザがFRに生まれ変わったら(回帰したら)!?

  マツダにとっては、やはり「スポーツカー屋」が一番似合う。SUVを作っても無駄とは言いませんが、やはりポルシェのようにスポーツカーに主軸を置いて、そのブランドが手掛けるSUVやセダンですよ!!っていう商品力を高める手法がマツダには合っていると思います。これが「ミニバン屋」や「SUV屋」となってしまうと、なかなか「マツダらしさ」を見せ付ける部分が少なくなります。・・・じゃあプレマシーはどーなんだ!!おっと。

  ロードスターのシャシーでプレマシーを作ったらいいじゃん!!・・・はあ!?何をバカなコト言ってんの!?いやいやもはや現行プレマシーが既にバカに片足を突っ込んでいた(=ユニーク)モデルだったのでは?そもそも「走りのミニバン」っていう愚直なコンセプトは誰得なの!? 結局のところは同クラスのミニバンの中で最も廉価な設定をしつつも、ミニバンの常識を越えたハンドリングを備えてスポーティなキャラクターを印象づけた効果で、多くのユーザーが選んだ理由を「安いから!!」ではなく「スポーティだから!!」と説明できた!!っていうところがこのクルマのミソだったと思うのですよ。

  しかしその後にもっと低価格な3列シート車であるプチバン(シエンタ、フリード、ソリオ)が出て来てしまって、この作戦は成立しなくなりプレマシーはあれよあれよという間に市場から消えていきました・・・。スポーティという購入理由を掲げていたユーザー達はどこへ消えたのか!?もしかしてG'sのヴォクシーを買っているのか!?それともBMW2erグランツアラーへと流れたのか!?

  残念ながらプレマシーの後継車はSUVになるそうですが、なんだかなー・・・やっぱり「バカ」やってくれるマツダが見たいなー。バブルの頃にはマツダがフルサイズセダン(センティア)やフルサイズクーペ(コスモ)を作っていたわけですけども、そのことを若い世代のクルマ好きはもう知らないみたいです。BMW大好きな20代の子に「E38の7erは、ホンダ(レジェンド)とマツダ(センティア)のパクリだぜ!!」って言ったら全く信じてもらえなかった!!

  マツダ全車にロードスターの設計を使うべきか?はともかく、FF横置きがメインで成功しているプレミアムブランドなんてあったけ?・・・果たして第一号はボルボになるのかマツダになるのか。BMWやメルセデスのように廉価モデルだけFF横置きで済ますというならわかりますけども・・・




  

  

  

2017年1月30日月曜日

マツダに一言・・・もっと「偉大な過去」に学べばいいのでは?

  前回に引き続いて、もっともっと頑張ってもらいたいマツダに「為になる批判」をしてみたいと思います。今年(2017年)になってドイツのネットメディアのヘッドラインとして報道されていましたが、2018年末頃には新型MAZDA3(アクセラ)が投入されて、早くも全く新しいガソリンエンジン(第二世代スカイアクティブ)が搭載されるとのことです。

  日本のカーメディアではまったく情報が上がってこないですけども、マツダの扱い方をみても日本のカーメディアってなんだかなー(まずは基本的な仕事しろよ)って思ってしまいます。というよりもうどっぷりネット時代なのだからドイツのカーメディアにアクセスした方が圧倒的に早いです。「シルバー民主主義」ならぬ「シルバーカーメディア」ですからね・・・。1950年代と変わらずにVWは「神」扱いですし・・・。

  そんな「シルバーカーメディア」にわざわざ寄り添っていったのが、マツダのこれまでの「スカイアクティブ」活動だったんじゃないかと思います。国沢さんや清水さんが第一線で活躍しているのは結構なことですが、還暦前後のライターさんの文章を読んでいると、取材対象がドイツ車であってもどうもあまり気分は良くない様子が伺えます。BMW・M4は速過ぎる。M2も速過ぎる。ゴルフRも速過ぎる。911ターボは速過ぎて意味分んない。アウディR8とかもはや意味不明・・・。

  欧州のように圧雪された道路を100km/h前後ですっ飛ばす次元のドライビングスキルが無いと、もはや操ることが不能!!ってくらいにエゲツナイ走りをするモデルがドイツブランドでは一気に増えました。それがジャガーやアルファロメオなど他の国のブランドにも当然に飛び火していって、新型ジュリアの最上級グレードが510psだとしても、それほど驚かなくなりました。

  そういった日本の道路環境では完全にオーバースペックで、日本でドライブを愉しむ我々には特殊な訓練でも受けない限りは到底に御すこともできない「広告用グレード」を取っ払うと、残ったベースモデルはほぼ「あり合わせ」の「残飯」みたいだったりするわけです。金持ち用のクルマ(BMW7erやM4)はどんどん進化し、貧乏向けのクルマ(BMW1,2,3er)はどんどん粗末になっていく・・・、アメリカ=中国で横断的なグローバリズムに対して日本のカーメディアはかなりイライラしているのを感じます。

  そんなスッカスカになった中間ゾーンを「埋める」というマツダの取り組みは、一見とても良いように思いますが、喜んでいるのは「シルバーカーメディア」と同じ感性を持っているシルバーなドライバーが中心なわけです。貧乏人向けのBMW(1~3er)やメルセデス(A~Cクラス)の素材より良いものを使って、より良いディーゼルエンジン作って、絶妙な乗り心地のミッション(トルコンAT)をデミオに至るまで配備した・・・とはいえ、ディーゼルエンジン以外は以前のマツダ車にも共通する美点ではあるんですけどね。

  それでもその立ち位置はカーメディアにとっては好ましいものだったようです。「Eクラス買うくらいならアテンザで良くない?」とか「320dなんかよりアテンザXDのエンジンの方が圧倒的に優れているよね」とかおおよそこれまでのカーメディアにはあり得なかった文言が出てきました・・・これは本音だと思いますよ。700万円出して下品なメルセデス直4ターボのEクラスはともかく、500万円出してポンコツなBMWの出来損ないディーゼルとかどんな罰ゲームだよ・・・(そもそも1000万円以下のメルセデスとBMWなんてさ)。

  それにしても相手が悪いですよ。メルセデスにBMW。片方は三菱自動車に買収を持ちかけて、ターボやAWD、さらにはEV技術まで持ち去ってブランド再建のコンテンツにした盗人ブランド。もう片方はMINIとかマグナシュタイナーとか外部に開発を丸投げして高級モデル用の縦置きミッションすら作らなくなった徹底的に「エア」なブランドです。BMWなんてドイツ国内では完全に素性が割れてますからメルセデスやアウディに比べて売れてない。とにかくマツダはこんな「(残り)カス」ブランドをマトモに相手にして「こっちの方が良いクルマですよ!!」なんて吹聴すべきでもないと思うんです。

  「マツダはかっこいい!!」と言われてちょっといい気になってますよね。確かに見た目はそれなりにいいのかもしれませんけども、ルックス重視のアイドルをたくさん集めて番組作ったって、そう簡単には面白いものは作れないですよ。果たして新しいマツダ車でどれだけの人のカーライフが変わったというのか!? 誰かハッキリ言ってやればいいと思うんですが、スカイアクティブが展開された5年間の日本市場において、クルマに興味がなかった20代、30代に「このクルマは良さそうだ!!」と重い腰を上げて購入に向かわせた新型モデルといえば・・・①アクア②ヴェゼル③ハスラー④ノート⑤86です。

  トヨタ、日産、ホンダ、スズキはいずれも世界のトップ10に入る「ジャイアント」です(他は米GM、米フォ、伊フィ、独VW、韓ヒュ、仏PSA)。マツダの藤原常務がインタビューで仰っているように、この4強と張り合って似たようなクルマを作っていては勝ち目はないのでしょうけども、マツダらしさが満載の尖ったモデルで、あの5代目BDファミリア(1980年6月発売)のように、ライバル車を切り裂いて欲しいものです。BDファミリア発売時はまだ0歳でしたがよーく覚えてますよあのデザイン!!決してフロンテやシビックのパクリではない!!0歳でもハッキリ区別できました(笑)

  私個人はマツダといえばアテンザなんですけども、大学卒業の頃に登場したGGアテンザ&RX8もかなりインパクトデカかったなー。頑張って働いてこれに乗ろう!!って思いましたよ(実際はE39M5に憧れてましたが)。BDファミリアとGGアテンザというマツダ(東洋工業)を救った伝説的モデルに共通するのは、何と言っても「ハンドリング」だと思うんですよね。サスペンション設計からライバル(ホンダ)をリードして行く!!という前向きな姿勢がそのまま評価されてドイツでバカ売れしたと思います・・・そんな偉大なモデルが切り開いた虎の子の欧州市場を引き継ぐモデルとしてスカイアクティブの各モデルは果たして相応しいのでしょうか?



  

  

  



 

2017年1月10日火曜日

マツダを批判するなんてこいつは何様なんだ〜〜〜!!?

  誰でも経験のあるとこでしょうが、子どもの頃に何か新しいことをやろうとすると、いつも母親が小言を言って反対しましたね。10代後半になるとそれがうっとおしくて堪らなかった。現状を変えようと思って行動しているのに、変化を望まないなんて!!この社会はだんだんと終わりに向かっているのに〜・・・。マツダも2016年の国内市場の販売減をきっかけに、カーメディアからやたらと「為にならない批判」を受けてますねー。安売り競争の結果、経営破綻の一歩手前まで追い込まれたのに、価格が高過ぎる〜!!とか言われてもね。グローバル全体では伸びているわけだし。

  ・・・という事で「為になる批判」をしてみよう!!と思いつきました。本当に軽い思いつきです。経営責任など全くない外部の戯言と言われたらそれまでです。某カーメディアでは「ディーゼル空振り」「新装のディーラーが目立たなくなった」「価格が高い」みたいなどっかのお母さんの小言みたいなこと言ってますけど、もっと「為になる批判」があるんじゃないの!?

  その1「もっとスマートにやれ!!オッサンの『プロジェクトXごっこ』には付いていけない」

日本の高級車が日本で売れない理由って何でしょうか!?高所得を得ていて高級車のユーザーになるような一流企業のサラリーマンや官僚などが、労働力の集合体としての日本の自動車メーカーに対して「差別的な意識」を持っているから。俺達よりも劣ったヤツらが作ったクルマに感動できるわけねーだろ(カネを払うなんてバカバカしい)!!くらいに思っていると『体感』したことは何度もあります。メルセデス、ポルシェ、マセラティの「御三家」にそんなユーザーが殺到するのもなんとなく頷けます。

  現状のマツダはインド&中国製造のアウディや南アフリカと中国のコラボ製造となったBMWよりはちょっとマシなレベル。途上国製造に軸足を置いているゆえに、素材の現地調達の影響も多分にあるようでフルモデルチェンジをしてもトリムのアップデートもままならない状況で、失礼ですがアウディやBWMはもはや日本(の高級車市場)では「生ける屍」です。メルセデスも日本では在庫販売に大きく依存しているので、本国で展開されているトリムのバリエーションは導入されなくなりました。アヴァンギャルドだけ素材が安いのかな!?・・・「日本生産」を掲げるマツダならば、やはりメルセデスを越えなければ!!シトロエンDSを皮切りにボルボもプジョーも本国製造の上級モデル(XC90や新型3008)は相当な「覚悟」で上品なトリム作ってますよ!!2016年はボルボもプジョーも伸びました!!

  ちょっと失礼な話になっちゃいますが、マーケティングを真剣に考えるならば、マツダの開発者が「俺達の作品はアートだ!!」と言わんばかりのドヤ顔でメディアに登場するも、完全に「出オチ」で、コンプライアンスで雁字搦めになった微妙なコメントをするよりも、せっかく支出している広告費を使ってケン=ブロックとか、クリス=エヴァンスとかいったカーメディア・アイコンに「マツダいいね!」って言わせるのがてっとり早いんじゃないですかね!?少なくともマツダがディーラー前で掲げている「WCOTY受賞」やら「RJC受賞」などよりも、英国TOP GEARでトム=ハリソンがCX3に捧げた讃辞を、そのままプロモーションに取り入れたほうがインパクトはデカいと思うんですよ。WCOTYはVWゴルフでも取れるけど、トム=ハリソンはVWゴルフにはおそらく感動しないですから。

  マツダの開発者がメデイアに登場して発言しても「意味が無い」というわけではないです。だけどもトヨタを見ていればわかると思いますが、なかなかのワンマンぶりを発揮して2ドア車の不良在庫を増やし続けつつも、とってもナイスなカーガイと好意的な評価が多いカリスマ経営者・豊田章男社長の発言って実際のところどれほど影響力がありますか!?結局はトヨタの国内市場の収益なんて「ダサい」と貶したプリウスと、全くコメントすることもないアクアやシエンタで稼ぎ出しているわけで、モリゾーさんが株主総会で「セクシー」と強調したアルファード/ヴェルファイアは以前ほど売れなくなってますし・・・。ちょっと喋ればそれが日本中に広まるくらいの「VIP」であっても「ブランド力の形成」にはほぼ無力じゃないですか!?「人の振り見てわが振り直せ」は至言です。

  2003年頃のマツダの大ブレーク時には、幸運なことにスポーツカー大好きなイケメン・カーガイのマーク=フィールズがマツダの社長を務めていました。現在はフォードのCEOにまで登り詰めた優秀な人です。フォード傘下ではチーフ・デザイナーも優秀なオランダ人のローレンス=ヴァンデンアッカーでした。今ではルノー日産・メルセデス連合において中村史郎(日産)、ゴードン・ワーグナー(メルセデス)、ヴァンデンアッカー(ルノー)の三大巨頭の1角を占めるまで出世しました。やっぱりジャガーがイアン=カラムをアストンマーティンから引っ張ってきたように「ブランド構築」には人的投資ってのが不可欠な時代なのだと思います。誰でも気になったデザインは手軽に検索できますし・・・。

  今のマツダのデザインが悪いなんて少しも思ってないです!!NDロードスターの中山雅さんも2代目CX5の諌山慎一さんも類い稀なる素晴らしい仕事だと思います。しかし悲しいことに、もはやマツダはエクステリアデザインに関しては世界最高レベルであることを義務づけられた存在でもあります。良く言えば「デザインで世界の頂点を取れる!!」
という信頼感がブランドの根底を形成していますし、悪く言えば「デザインがダメだったら終わり」。これは1人のマツダファンの「曲解」などではないですよー、マツダがデザイナーを「見られることを意識した格好」をさせてメディアに次々に送り込んでくることからも、「デザイン・センスに対する揺るぎない自信」をブランド戦略のコアに置いていると考えて間違いなさそうです。

  もはやダサいクルマは許されない!!ダサいクルマしかつくれない上にロータリー車を発売しないようなマツダだったら、ハッキリ言ってしまうと存在意義なんか無い!!たかだかグローバルで150万台程度の中規模メーカーなのに、100年以上の歴史を誇り世界中にファンがいるメルセデスやBMWとまさに「モロ被り」の市場で、価格まで「やや被り」でしかも日本の資本だけで(新興国マネー無しで)存続していくなんて「ほぼ」不可能ですよ!!世界最良のディーゼルがある!?それならトラックやバスでも作ってたらいいんじゃないですか!!

  国内販売の低迷の最大の理由は、マツダが力強く掲げたブランド戦略が、国内ユーザーの理解の範疇をあっさり越えてしまって消化不良を起こしたことです!!カーメディアが主張する「高過ぎな価格」は極めて短絡的な結論に過ぎません。10年前の日本市場や欧州市場ならば、リーズナブルな価格帯で競合する日本ならトヨタ、欧州ならVWに付け入る隙がありました。50年以上ピュア・スポーツカーを作り続けたマツダだから発揮できる味付けがあったのですが、日本もドイツもサプライヤー主導のクルマ作りが浸透した今となっては、トヨタやVW向けに設計された「部品」に適合したクルマ作りが課せられマツダもホンダも(BMWもプジョーも)個性がだいぶ薄まりました。

  結局のところ日本にも欧州にも300万円以下の価格帯でマツダが大ブレークする余地は無い!!と言ってしまっていいと思います。CX5やアテンザの上級モデル(Lパケ)くらいコストが使えるクルマじゃないと、マツダのやりたいことはほとんど感じられない・・・つまりマツダを「指名買い」するならば(日本では)400万円くらいを平気で使うユーザーを集めることが必要になってくるわけですが、つまりこれまでドイツ車を買っていたような連中です。マツダのようなメーカーで働く人々を内心では二流と蔑んでいるであろう人も多く含まれているでしょう。まーどっちにせよそんな輩はクルマのことなんかそれほど解ってないわけですよ(解ってたらもうマツダに乗ってる!?)。マツダの人見さんが著書でドイツメーカーのエンジン事情をほのめかしたり、藤原さんがロードスターのコンセプトをパクったBMWやポルシェを徹底的にディスったりしても、ヤツらは何のことだかさっぱりわかってないのです。

  そんな音痴な輩を納得させたいならば!!あれこれと難しいことを言うよりも、TOP GEARの外タレ・パーソナリティだとかマーク=フィールズやヴァンデンアッカーを通じて主張する方が断然にわかりやすい。いっそのことセバスチャン=ローブとかジャンカルロ=フィジケラとかを広告塔に雇ったらどーですか?私も含めてクルマ好きなんてみんなバカなんですよ(A45AMGとかM2とかの売れ行きみればわかるでしょ)!!フィジケラが「アテンザはいいね!!」なんて言った日には、すぐに買い換えに行きます(笑)。もちろんVWゴルフやBMW3erみたいに乗った瞬間に「いらね!!」って思うクルマじゃ何やってもダメですけどね。アテンザやCX5ならおそらく「騙され」ちゃうと思います。

  ブログの書き始めに「その3」まで用意してあったのですが、その1だけで随分長くなってしまったので、続きは次回にしたいと思います。