2017年6月25日日曜日

スズキ・ソリオ 「刺激を追求したミニマムファミリーカー = いいクルマ」



  『良いクルマ』の定義は色々あります。BMWやマツダが好きな人の頭の中には、『このクルマに乗っている俺はかっこいい!!』とかいう先入観が少しはあるでしょうし、クルマの力で自分の魅力までパワーアップして、もしかしたら素敵な美女とドライブデートできるんじゃないか!?なんて妄想していればローンも気にならなくなる!?

  クルマの価格は上がる一方です。デフレ傾向にあるはずの日本の消費者物価指数に完全に反発している日本の自動車価格ですが、やはり価格上昇の原動力は「下心」なんですかね・・・。 日本よりも一般的に物価が高い欧州諸国での販売価格を上回る価格で売られてる。アメリカで300万円のクルマが日本では500万円もするし・・・。それでも『野望』を持った野郎によって。

  ドイツには6000ユーロ程度の『ファンダメンタル』な実用車が、VWグループ(VW、セアト、シュコダ)、ルノー、ダキア、プジョー、シトロエン、フィアット、オペルなど複数のメーカーが手がけています。日本だとこの手のクルマはなかなか受け入れられない風潮にあるようですが、もっと日本でもユーザーの感性を掴み取るような『ファンダメンタル』重視なクルマがあってもいいんじゃないのー!?エロばっかりじゃつまらん!!

  限りなく商用車に近い合理的な設計。そして『妄想』以外の用途に十分に応えられる柔軟性あふれる充実の機能とコスパ。これこそがクルマの『本質的価値』なんですけども、もっぱらデザインとパッケージに注力して『相応のクラス感』を出せばOK!!が幅を利かせています。経営合理化は大切ですが、プラットフォーム統合の優先によって、どうしても存在感を失うモデルが出てくる。そこにメーカーが不要な『後付け説明』を繰り出して、「機能性を上げるために統合した!!」みたいなことを平気で言ってくると、ユーザーもイラっとしますね。高級車だったり『ハイソ』なクルマとして売るんだったら、特別なプラットフォーム使え〜(特にマツダ、VW、スバル)!!

  実用的なシャシーを使うなら、リーズナブルな価格と設計を守りつつも、ユーザーを感動させることができるか?が量産車メーカーを判断する大きな指針!?ラインナップに1台くらいは『渋く光る』モデルを用意できてこそ一流メーカーじゃないの!?200万円前後で満足度充分のレガシィツーリングワゴンを作っていたスバルですが、後継モデルのレヴォーグは300~400万円が相場の『プレミアムワゴン』になってしまいました。同価格帯のドイツ車よりも機能が充実しているからお買い得という意見もありますけど、もはや『安くないクルマ』として特別な車名を与えてブランディングしてるのが、このクルマのキモなんですよね。

  じゃあ300万円するレヴォーグ(1.6GTアイサイト/277万円)は、『ソリオバンデット・ハイブリッドSV/204万円』よりも良いクルマづくりができているのか!?レヴォーグのベースグレードとソリオの最上級グレードを比べると、価格差はざっと73万円。率直に言ってソリオの方が運転していて楽しい。内装も綺麗。シートもよくできてる。さすがに車体剛性が違うからレヴォーグの方が静かだろう!!という予測も部分的に裏切られる始末。スバルといったら『安全性』でプロモーションしてますけど、スバル自慢のアイサイトと同じハードを使ったシステムがソリオにも搭載されていて、JNCAPの2016年の予防安全性能アセスメント(満点71点)でレヴォーグ1.6GTアイサイトが68.5点、ソリオが68.1点でほとんど差はありません。しかし乗員保護性能ではやっぱりレヴォーグ有利です。

  それでもラゲッジ自慢の『王道ワゴン』と、両側スライドドアの『プチバン』の異種格闘技戦で、プリバンの走りの方が刺激的で印象深い・・・これはちょっとした事件です。ドイツ車乗っていた人々がレヴォーグの質感に惚れ込んで、結構な乗り換えがあったそうですが、ドイツ車からユーザーを奪えるくらいの傑作ワゴンが、ミニバンに走りのフィールで遅れをとるなんてさ・・・。そんなことが起こるんだね〜。これは一体どういうカラクリなんだ!!しかし世界ではこれと同じような事例が結構ある。ボルボやメルセデスのワゴンよりも、VWやオペルのマイクロカーの方がよく走るなんて当たり前の起こってますし。

  スズキがVWやオペル(ちょっと前まで共同戦線)と同様に、欧州の草の根レベルで高い評価を得るブランドだから、ソリオの走りは素晴らしい!!という『観念論』で片付けるつもりは毛頭ないです。スズキの開発者があらゆるタブーに殴りかかっている構図が浮かぶんですよ。何かを変えようとしている。プチバンやコンパクトカーにおいて、ハイブリッドやディーゼルを投入したのは、トヨタやマツダによる『ブレイクスルー』だと思いますが、マイルドハイブリッドに注目して、それを余さず走りの質へと変化させたスズキの意欲的な設計には、アクアやデミオを超えたクレイジーさがあります。

  トヨタ、マツダ、ホンダといった中型車を多く手がけるメーカーに小型車の商圏を支配されたくない!!コンパクトカーに関しては世界ナンバー1はスズキだ!!これだけは『絶対に譲りたくない』という思いが伝わってくる。トヨタやホンダにとっては小型車は、ブランドの入門車に過ぎないから、品質も自然と抑えめになるけども、スズキにとってソリオは現状ではフラッグシップ格です。ソリオはシエンタやフリードに負けるわけにはいかない!!しかしこの2台は相当に強力なんですよ・・・。フリードなんて衝突安全性で欧州車随一のVWゴルフを超えたレベルにあります(JNCAPによるとフリード177.2、ゴルフ176.7)。

  軽自動車から派生した設計で、フリードに対しては部が悪いソリオ(159.4点)ですが、欧州車でJNCAPに堂々と挑戦したVWポロやフィアット500よりは高いスコアが出ていてBMW・X1(160.5点)と同程度の水準です。これだけあれば十分じゃないですか!?不満な人は強烈な点数を叩き出して、それまでの絶対的な王者だったマツダ・アテンザを超えてしまった、スバルの新型プラットフォームを使ったインプレッサ/XV(199.7点)に乗り換えればいいじゃん。いいクルマなのはわかるけど『ちょっとつまらない』を言われるインプレッサとは『逆』の道を選んだソリオ。これはこれでいいクルマだと思いますけどね。


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2017年6月15日木曜日

スズキ・エスクード 「なんかパクられちゃいましたー」

  カーメディアも全然騒いでくれないんですけども、ヤラれました・・・。これはもう弁解の余地はないでしょう!!けれども悲しいことに全く知名度がないスズキ・エスクードゆえに誰も指摘してくれない!!まあ某フランスブランドの仕業なんですけども、そのブランドも日本での生き残りをかけて、デザインこそパクリながらも、頑張って良さげな車を作り上げて、今がとても大事な時見たいなので、車名を挙げて非難するのはやめておきましょう。(スズキがSX4クロスでBMWをパクったと盛り上がってますが、これはなにも
言われないんだ!?・・・あんまり一方的な意見ばかりで閉口します。本当にクルマ知らない人が多いよなー)



  ハンガリーのマジャール・スズキ製造車をわざわざ日本に持ってきて売るとなると、スロバキアで作っているVWのSUVの輸送コストとほぼ同じだと思われます。当初は用意されていたFFモデルがなくなりAWDのみ『234万円』という価格設定になりました。4m前後サイズのコンパクトSUVの国内王者ヴェゼルのAWDが『213万円』ですから、外しにはちょうどいいかなー・・・なんんて思っていたらとんでもない!!さすがはスズキ!!コスパでは『絶対』に裏切らない!!234万円でここまで付いてくるものか!?

  本当に『無駄が嫌い』と著書がはっきり書いておられる鈴木修社長が許可したのか!?というくらいに色々と付いてます。ズラズラ書いていたらありがたみも無くなりそうなので、これは間違いなく嬉しいでしょ!!というものから・・・まずは『アナログ時計』です。最近ではディスプレイにアナログ表示させているモデルもありますが、これはマテリアルが備わった本物のアナログ時計が付いてます。シトロエンなども比較的に小さめのクルマに導入していて、どうやらEU圏では人気のインテリア装備になっているようです。

  次はクルマ選びの重要なポイントになるトランスミッションですが、MINIやマツダと同じ「パドルシフト付き6速トルコンAT」です。欧州で『勝つつもり』のクルマはことごとく(2ペダルに関しては)このミッションで勝負してます。日本ではゲトラグ製DCTで展開するルノーも、本国モデルはアイシンAW(トヨタ陣営から買ってる・笑)の6ATを使います。スズキはターボ車にも6ATの配備をしていますが、新開発の『内製』とのことです。

  『どっか』の大手サプライヤーから部品を買ってきて、エンジンとのマッチングは自前のエンジニアリングコンサルタントを使うという手法はマツダも同じですが、これが150万円前後のクルマ(バレーノ、デミオ)に最先端のロックアップするトルコンATを組む秘密なんでしょうね。MINIで比較すると6MT(230万円)、6SAT(244万円)と10万円以上の価格差が付いてますから、ミッション単体でそれなりのコスト差があるのがわかります。なずマツダは・・・。

  ちょっと気になったかもしれませんが、エスクードの234万円あればMINI買えます。エスクードもMINIも『満足度』の高さに気がつくユーザーなら間違いなくお買い得です。どちらも『旨味』が凝縮された良さがある!!これこそが『本場』で作られるクルマのオーラとでもいましょうか・・・(なんかオザーKジさんみたいだな)。メキシコくんだりで作られるエクステリアが『しょっぱい』大雑把なクルマとは違うぞーーー!!同じスズキでもマルチ製(インド)とは違う魅力がエスクードにはあるのだけど、ターボ馬鹿なオッさんライター連中は、某ドイツ・コンパクトカーのコピーは素晴らしい!!とかいう理由でバレーノを某雑誌のCOTYに選んでたね・・・。

  さて話が脱線しましたが、エスクードの素晴らしい『標準装備』に話を戻すと、スズキのAWD技術はやっぱり半端ないぞーってことを示す『オールグリップ』ですね。路面状況に応じて適切なAWDシステムが選べるモードです。スズキといえば『ジムニー』という世界遺産級の古典的AWDシステムを持つクルマが現役バリバリなんですけども、インパネに『2WD/4WD/4WD-L」と3段階のマニュアルスイッチがあって、ドライバーが任意に切り替えます。4WDは昔ながらの直結式で、センターデフなどないですから、とにかく曲がらないクルマになる。そこら中でジムニーで遊ぶ人々がいますが、彼らを虜にしているのは、実は悪路走破性によるクロカン遊びではなくて、4WDの旋回性の低さによって、『業務車両』を動かすプロドライバーの気分が存分に味わえる魅力が大きいのだとか・・・。

  しかし快適装備満載で登場しているエスクードに『直結式』AWDのみではあまりにも無粋すぎる!!ということで、同じくマジャールで製造されるSX4クロスとともに、最先端のAWDシステムが搭載されました。概要としては『電子制御トルクスプリット』です。スバルが用意している4つのAWD技術のうちで、最も高性能な『WRX STI』のみに使われる『DCCD』だけがこの『電子制御トルクスプリット』です。

  あのBMWがAWDの権威であるアウディ・クワトロに対して、『FRベースで電子制御だから高性能です!!』と喧嘩を売った『Xドライブ』もやはりこの『電子制御トルクスプリット』です。ただしターマック走行最強のアウディに対して、登坂性能(確かにFRベースは有利だな)に関する動画などでアピールする手法は詐欺だと思いましたけどね。メルセデスの4maticもホンダ・ヴェゼルもやはり『電子制御トルクスプリット』です。

  もちろんWRX  STIは40kgmのトルク、BMWのXドライブに至っては80kgmの12気筒ターボと組み合わせてますから、スズキやホンダよりも『耐久性』の向上に圧倒的にコストがかかってはいるわけですが・・・。ちょっと文句が来そうなんで書いておくと本当の意味でのAWD『最先端』は前後だけでなく、スリップ関係なく旋回のために左右にトルク分配も行う三菱AYC、日産ATTESA E-TS、ホンダSH-AWDがAWDの理想を追求した姿ではあります。

  またまた横道に逸れましたが、『オールグリップ』の切り替えスイッチは、『オンデマンド/直結/スポーツ/スノー』の4種類のAWDモードの切り替えが可能になりました。『直結』が選べるというのがなかなか画期的で、ジムニー中毒も任意に体感できるわけです。せっかくの高性能AWDなのだからエンジンパワーをもっと!!という声もあるようですが・・・。

  こんなにすごい『オールグリップ』が付いていない2WDモデルを選ぶ『無関心層』にも当初は売ろうと思ったけども、ヴェゼルに全部持って行かれてしまった。まあそりゃそーだよね。ヴェゼルって何気に剛性感のある樹脂素材を多く使って独特の操作系を作っていたりして、売れるポイントをうまく押さえていましたし。ヴェゼルの2WDモデルなら200万円以下で手軽、しかもキャビンも広い。

  ということで、エスクードを買う人のツボってのは、『トルコンAT』でスズキのやる気を感じつつ、『オールグリップ』を使いこなして、アナログ時計などの独特の格調高いインテリアを好み、・・・あと大事なこと忘れてました!!エスクードは、本革シートが標準装備です(えーーー!!)。しかも前席にはシートヒーターまで付いてます(えーーー!!)。


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2017年6月12日月曜日

マツダCX3 「なんでこのブランドは最初からコレなんだ・・・」

  「最近のマツダはカッコいいよね!!」とか寝ぼけたことを言ってる奴に、見てもらいたいのが「マツダのすべて」というムック。歴代のマツダ車がづらづら並んでいる誌面を見ても、まだ同じこと言うのかなー。その寝言をほざくだけで、クルマのこと何もわかってない奴ってことがバレますよ。評論家も素人も・・・そして沢村慎太朗さんも。

  斎藤慎輔さんは「マツダは宗教」と言ってマツダ好きの視野の狭さを、度々ディスっておられますけど、もう『宗教』でもいいじゃん。だって相当にヤバいレベルのマツダファンじゃないと、マツダのクルマ作りそのものを理解できてないんじゃないか!?ってくらいだからさ。『真言密教』の神を名乗るだけの奥深さ!!

  スカイアクティブになる前の2000年代のマツダが何を成し遂げたのか!?それすらわかってない評論家が、マツダとそのファン(信者)に対して「視野」がどうのこうの言ってるんですよ・・・見えてないのはどっちだ!?。2000年代のマツダといえば『MZR』エンジンと、100以上のCOTYを獲得した『GGアテンザ』、そして中国共産党幹部向けの特別ブランンドに採用された世界の頂点の3台の一角を占めた『GHアテンザ』(他にマジェスタとゴルフⅥ)。

  どの一つとっても『マツダだからできた』驚異の実績です。特に『第一汽車』の特別ブランドのコンペを勝ち抜いたのはすごい!!トヨタ(マジェスタ)、VW(ゴルフⅥ)の2強に加えてマツダが選ばれている。メルセデスでもBMWでもホンダでもなく(フォードの中核を担った)マツダだった訳です。たしかにこの時期のメルセデス、BMW、ホンダは暗黒期だった。選ばれたからといってマツダの優秀さが全面的に保証されるわけじゃないけど、WTOに加盟していよいよベールを脱いだ超大国・中国の権益を握る超エリート専用車ですからそれなりの基準で選ばれているはず。世界中のブランドが選ばれることを熱望しただろうし。この実績を無視して『マツダの変遷』を勘違いして語る評論家は信用できねーな・・・。

  1980年代からマツダはずっとすごかった。ロードスターを作れば、メルセデス、BMW、ポルシェが恥も外聞も気にせずにコンセプトをパクってくるし、MPVを作れば日本のほとんどのメーカーがSUVを作り始める・・・。RX7FD3Sは英国メディアの20世紀の名デザインベスト100の第12位(日本車最高位・1990年代の世界最高位)です。ルマンを制覇して、あまりに速すぎるから大会から追放された『伝説のスポーツカーメーカー』『東洋のジャガー』。いくら頑張ってもルマンを勝てない某大手メーカーとは何もかもが違うんですよ。

  スカイラインGT-Rに憧れて、エンジンの設計などをコピーして喜んでいるBMWとかいう三流ブランドとは、最初から全くレベルが違うんです。スカイラインGT-Rの進化を促した天敵と言えるライバルがマツダです。まあこれくらいの圧倒的な実績があるからこそ、周囲は完全に過疎化している広島のメーカーが21世紀まで生き延びることができたわけです。海外へ市場を広げる際には『広島』の知名度が役に立ったのかもしれません。あの廃墟から立ち直った奇跡のメーカー。しかもブランド名はゾロアスター教の最高神だし。

  三菱もスバルも日産もそうですけど、いかにも日本らしい『背景』が色濃くあるメーカーって欧米人にとってはとてもクールみたいです。日本ではとっくに販売終了になってしまったランサー・エヴォリューションですが、実際に零戦と戦ったアメリカでは熱く支持されていて、継続して販売されています。中島、立飛の系譜を受け継ぐスバルや日産はアメリカで大人気ですね。インフィニティの勢いがこのまま続けば、プレミアムブランドの頂点に立つ!?ちなみにアメリカのQ50(スカイライン)は、メルセデス製エンジンなんて使ってないですよ!!なぜか日本未発売ですが、日産の新型3Lターボが凄すぎて、レクサスもドイツ勢も沈黙しちゃうそうです。

 

マツダCX3。誰の目にも『売れ線』狙いで適当に作ってそうな現場が想像できますよね。あーデザインだけは頑張ったんだねーって。しかしマツダにとって、コンパクトSUVを作った経験なんかないんです。最初に作ってみたら『こんなの』できちゃいました!!って感じ。まあデザインなんて主観に過ぎないですけども、他のメーカーに比べてマツダはやっぱり達者・器用だなーと感心します。

しかも初めて作ったモデルなのに、北米の保険会社が料率を決める際に使うデータとして知られるIIHSの2016年のトップスコアラー23台にしっかり名前を連ねています。マツダ車は他にアテンザとアクセラが入っています。23台中16台を日本勢が占めるという結果なんですが、メーカー単位ではヒュンダイが4台入っていて単独トップです。アメ車が2台、独車はメルセデスGLEだけ。北米販売車の中でも最もミニマムなボデーにもかかわらずここに食い込んだCX3。一体どういうカラクリなんだろう!?

イギリスではCX3とNDロードスターが大人気。2016年のマツダのシェアは前年の2倍!!『トップギア』も『東洋の神』がグレートブリテンに上陸した!!みたいな騒ぎ方をしています。『オート・エクスプレス』もCX3を完全に贔屓してますね。『再びスゲーMAZDAがやってきた!!』。それにしてもなんでマツダは最初のモデルからこんなに『完成度』が高いんだろう・・・。もちろんそれがこのメーカーの魅力であることは間違いないんですけどね。CX3は突如現れて世界を席巻したあのGGアテンザの再来だと思う。日本ではあんまり売れないのもなんか似てるし・・・。


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名車アーカイブMAZDAのすべて―三輪トラックから新型アクセラまで完全保存版オールア (モーターファン別冊 名車アーカイブ)
↓毎号の巻末についてくる現行モデルの採点表を見渡すと10点満点を獲得しているブランドが3つ。もちろんマツダとポルシェ。あとは英国の某ブランドです

2017年6月8日木曜日

マツダ・アテンザワゴン 『主役になりきれない!?境界の・・・逸品』

  『帯に短し、タスキに長し』あんまりテキトーなことを言うべきではないとは思いますが、とても良くできているのに日本市場では誰が買ったらいいのかいまいち判然としないクルマがたまにあります。アテンザワゴン、レガシィアウトバック、ジェイド、エスクードなどなど・・・。そして誰かが囁いている!!今のマツダにぴったりの故事成語は『邯鄲の歩み』だと!!


  特にアテンザワゴンは、2012年のデビュー後に、なかなか市場に定着できないままに5年が経過しました。レヴォーグやCLAシューティングブレークによって狭いワゴン市場はあっさりと抑えられてしまった感が・・・。スバルとメルセデスによる先進的なイメージを持つ2台のワゴンに比べて、アテンザワゴンはやや古典的な佇まいです。これを買うべきか迷っているユーザーは、ちょっぴり『流行に乗り遅れた』ファッションで外を歩くようなドギマギした気分になってしまうのではないか?と疑心暗鬼になってます。

  ワゴンユーザーというのは、実はとっても『流行』に敏感。スポーツカーやクーペはドレススタイル、セダンはスーツなので、ある程度はメーカーのセンスに委ねることができますが、ワゴンはジーパン。最も気楽に選べそうで、実は最も奥が深いファッションアイテムです。売れ筋としては、100~200万円台に君臨する『カローラフィールダー』エンジンのバリエーションも選べるし、MTも選択可能。レザーシートなんてアンバランスなオプションもなく、普段着としてベストなチョイスの『ユニクロ』。

  300〜400万円台に位置するのがアテンザワゴン、レヴォーグ、アベンシス、ジェイド、CLAシューティングブレーク、ゴルフヴァリアント、308SW、メガーヌエステート220。中国縫製なのに2万円以上してステッチや裏地で差をつけてくるクラスのジーパン。・・・がしかし綺麗めのブルージーンズという立ち位置がそもそも非常に『スタビリティ』に乏しい感じがします。有名人が華麗に着こなす様子を多くの人が目にする機会があれば、狂ったように売れるでしょうし、そうじゃなければ・・・なんでジーパンが2万も3万もするんだ!?

  マツダの想定では、このグループの中では『アテンザワゴン』だけがフルDセグサイズになっていて、間違いなくお買い得だという目論見があるのでしょうけど、そのフルDセグが見せつける上級モデルとしての強烈な走りが、いまいちユーザーには伝わっていないのかなー。もちろんそれがわかっている人は喜んで買うわけですけども・・・。この走りならば3シリーズツーリングにもA4アバントにも負けないって。

  500~600万円台では、3シリーズツーリング、V60、Cクラスワゴン、A4アバントの4台です。このクラスになると『ステータスとしてのワゴン』という新しい『商品力』が生まれてきます。ポルシェ(マカン、718ケイマン)や有名スポーツカー(フェアレディZ、エリーゼ)を買えるくらいの価格でわざわざワゴンを買うという『クールなライフスタイル』にうまくユーザーを誘導しています(レザーパンツが買える価格で、綿素材のパンツを売る!!)。

  マツダとしてはなんとか『アテンザワゴン』をこのクラス(8万円のジーパンクラス)にまで押し上げたい!!もちろん『プレミアムなクリーンディーゼル』『魅惑の塗装』『オートクチュールなレザーの質感』などなど、そのための技術的な裏付けも獲得してきました。

  高い理想と高いポテンシャルはある!!しかし世間がついてこない・・・。結局はどこか落ち着かないクルマになってしまった・・・。色々理由はあるでしょうけど、やっぱり『動画で登場するアテンザはセダンが多い』に尽きるんじゃないですかねー。結局マツダのスタンスでは最初から『セダン推し』でガチガチに決まっていたこと。そしてサイドパネルのグラマラスな雰囲気が『アテンザセダン』における琴線なのですが、ワゴンではもちろん別のパネルを使っていて表現も全く別で、しかもサイドよりもルーフラインに目がいくデザインへと強引に仕立ててある。これは・・・デザインが優秀であるゆえに陥る罠なのかも。セダンとワゴンが同じモデル名である必然性がない!!それどころかマイナスに作用している。ド下手に『二兎』を追ってしまった・・・か!?

  セダンのデザインがスキャンダラス過ぎるのでワゴンが割を食った・・・。いやいやセダンのデザインと同じくらいにワゴンも頑張るべきだったんじゃないのかなー。スバルやメルセデスはそれなりに危機意識持ってデザインしたけど、マツダはそこまで追求できなかった!?本来は2013年春に発売予定だったものを、半年早めたことで煮詰める時間がなかったのか? ただ決して悪いデザインではないです。いかにも実用車らしい風貌は、あえてセダンとの対比を考えて抑えた部分もあるんですかねー。

  セダンよりもホイールベースが短くて(欧州の税金対策らしい)、走り・乗り心地に関してはセダンよりもワゴンの方に好感が持てます。ワゴンのホイールベースでセダンか4ドアクーペでも作ってくれれば・・・また違ったアテンザの世界が開けるんじゃないでしょうか? ハイチューンに仕立て直した2.5Lターボ&Gベク連動AWD。これですぐさま三菱AYCやアウディクワトロのレベルにまで到達できるとは思わないですけども、メルセデスやBMWがハナから諦めて近づこうともしない世界へアテンザワゴンが踏み出すならば、『捲土重来』全てを変えることもできるんじゃないでしょうか!?・・・まだまだマツダの課題は山積みです。
 

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MAZDA FANBOOK vol.2 / マツダ ファンブック (ノスタルジックヒーロー別冊)

2017年6月4日日曜日

三菱ミラージュ 『日本車が世界最高品質であることの証明』

  何だかBMW2シリーズ・アクティブツアラーをちょっと小さくしたようなスタイリングの三菱ミラージュ。もちろん真似してくるのは『三菱マニア』として密かに有名なBMWの方です。これまでもディアマンテのエクステリアデザインだとか、SUVのスタイリングだとか、直噴ターボエンジンだとか、ことごとく三菱の真似をしてます。

  単純に似ているだけでなくて、走りの質もBMW2シリーズATに近い!?もちろん2シリーズの方がワンクラス上なので、ステアフィールから感じる横方向の軸剛性の高さ(グラグラしないでジワワと重厚に回る)などは、其の分しっかりとしていますが、狙っている乗り味の『質』が何となく近い。いうまでもないことですが、この奇妙な近似は三菱とBMWのライバルブランドが一心同体で歩んでいた歴史があるからです。360万円の2シリーズATに対して、150万円でミラージュの上級グレードが買えるわけですから、その他諸々の性能も考えたなら、ミラージュは相当にお買い得だと思います。

  別にBMWが悪いわけではないのですが、BMWの一般乗用車向けのガソリンターボ(B38/B48)は、縦置き・横置き兼用となっているのですが、エンジンそのものの低速トルクの付きが良過ぎるせいか、そのままFFモデルに使うとトルクステアの悪影響でクルマ自体がアンバランスな乗り味になります。FFのディーゼルモデルともなるとなおさらです。2LターボのBMWエンジンを押し込んだ『MINIクーパーS』は、キックダウンすると車体が『踊り』出しますよ・・・。

  直噴ターボの生みの親である三菱は、6500rpmピークの超絶スペックへと上り詰めると同時にハイトルクを制御するために『AYC』『スーパーAYC』を熟成させ、全てを犠牲にして絞り出した出力を路面に擦りつける技術を磨いています。本気で速いクルマを作ろうとしている三菱と、スペックだけを追い求めてまともに走れない車を作るBMW。つまりこの両者には、自動車メーカーのレベルを比べたら「大人と子供」「月とスッポン」くらいの歴然たる差があるわけです。

  そんな『偉大なる』三菱の最もベーシックなモデルが『ミラージュ』。タイ生産モデルということで発売当初から人気が今ひとつなのですが、カーメディアのずさんな評価を意に介さずに、フェアな気持ちで試乗してみたら・・・これはびっくり!!おそらくBセグの全ての国産・輸入車の中でも、ハンドリングとブレーキに関してはナンバー1の出来ではないでしょうか。もちろん『ピーキー』なハンドリングをご所望な人には、MINI、スイフト、デミオ(ガソリン)といったモデルの方が合っているとは思いますが、4大メガグループのモデル(ヴィッツ、ノート、フィット、ポロ)を買うくらいなら、これオススメですよ!!やっぱり三菱はすげーなー。




  ミラージュの前のモデルであったコルトは、ブレーキングテストでVWポロに圧倒的な差をつけるなど、グローバルコンパクトカーとして確固たる地位を築いていました。とにかくポルシェ、マツダと並んで三菱のブレーキはスゴイ!!『三大ブレーキブランド』と命名したいです!!そしてそんな良質なコルトの設計を受け継いだのがミラージュと、日本でも大人気のブランドのあのクルマです。確かにあのクルマもエンジンとミッションはダメダメだけど、ブレーキだけは素晴らしい出来でしたね。ドイツメーカーの同クラスの中で一番良く止まる!!(他がカスなだけだけど)

  なんで三菱はタイからわざわざ輸入してくるのか?日本では採算が取れないから!!とかテキトーなことが書かれてましたけど、じゃあなんで軽自動車のekは日本で作るのか!? あくまで噂ですけども、三菱は『ダンピング』によるブレークスルーを狙っていたと言われています。確かに生産コストが抑えられば、80万円程度で販売することも可能!!そんな安いクルマはありえない!!と思うかもしれないですが、日本よりもGNIの水準が高いEU諸国でも70万円程度でVW車が売られています。けど『ありえない!!』と決断してしまったのが『エリート』の三菱グループからやってきた首脳部なんだって。必要最低限装備のミラージュにNGを出したとか・・・。

  日本向けは内装も豪華になって、直3エンジンの音もクラストップレベルまでしっかりと対策がされています。140万円でも全然『損』ではないと思います。三菱は実は世界中に設置した生産工場を次々と閉鎖しています。北米生産も去年終了しました。なんでタイは続いているのか!?というと、東南アジアや台湾のユーザーが『三菱』に特別な愛情を持っていて、三菱車がカルト的な人気を誇っているからだそうです。ライバルのVWやフィアットに比べれば基本性能も優れていますし、戦後70年以上が経過していますが、『三菱=帝国海軍』のイメージがまだ残っているのか!? 旧日本軍が東南アジアを解放した!!と伝えるインドネシアやマレーシアでは日本車のシェアが物凄いらしいです。ベトナム、フィリピン、タイではそれほどでもないようですが・・・。

  東南アジアの英雄『三菱』が現地で作るクルマ!!なんだか心に刺さる『ストーリー』じゃないですか!! そしてマレーシアを代表する自動車メーカー・プロトン。このメーカーは三菱の全面的な援助によって成立した過去があります。今では旧宗主国イギリスのロータスを傘下に収め、トヨタと資本提携をするなど、新興メーカーとして存在感を高めています。プロトン、ヒュンダイ、キアそれから乱立する中国メーカーといったアジアの自動車産業では、ことごとく三菱エンジンが使われています。BMW、アウディ、アルファロメオといった技術力の無いメーカーも、三菱の直噴ターボライセンスを使っています。そんな『世界の自動車の起源』とも言える三菱が作るコンパクトカーなんだから、いいクルマに決まってんだろー!!カーメディアなんか無視して一度試してみることをオススメします。

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