2018年2月21日水曜日

日産リーフ(2018 / NO1) 北米敗戦はガチなのか!?


日産リーフが日本で月に2000台超売れている!!
  日産が現在年間2万台のペースでピュアEVのリーフを国内市場に供給しています。アメリカではすでに2016年実績で年間2万台のペースにだったので、日産の戦略は順調かと思われたのですが、統計を見るとあれれ!?なことが起こっています。もしかして一昨年末の新大統領誕生によって日産リーフを取り巻く環境は一変してしまったのか!?米国EV支持を国全体で謳っている!?

リーフはアメリカで売れなくなった!?
  実際のところリーフのアメリカ販売は昨年比で80%減というショッキングな数字が続いていて、現在は年間2000~3000台のペースにまで落ち込んでいます。リーフがアメリカで最も売れたEVだったのはもう昔の話で、今ではテスラの2モデルとシボレー・ボルトに続く第4位なっている!?。あれ!?競争に負けてるじゃん。嘘です!!新型リーフの北米販売は1月から開始らしい。

賢いクルマ・リーフをアピール
  インフラが不十分な上に電気代の高騰が産業全体を停滞させている日本で、リーフを拡販する戦略(1年間電気代無料)こそ整えてますけども、日産にとっては計画通りに進まない米国市場の販売を少々警戒しているようで、日本での販売促進のために「ちょっと意外」なくらいに盛大なるプロモーションを仕掛けたようです。完全に東京モーターショーよりも、リーフの発表会の方が力入ってたよ。

テスラの「神話」
  テスラは2018年までにモデルS/Xに加えてモデル3という35000ドルで販売されるモデルを含めて、生産台数を年間50万台まで引き上げる計画らしい。仮に全量をアメリカ市場に投入するならば、SUVで販売が好調な日産ローグ、ホンダCR-V、トヨタRAV4、シボレーエキノックス、フォードエクスプローラなど年間40〜50万台規模のヒットモデルに並ぶ計算(現在上位10車種の内5車種がSUVという状況。他の5台はビッグ3のピックアップトラック3台とかカムリとシビックのみ)。

トランプ発言は、実体経済へのシンクロ率が意外に高い
  SUVブームによってピックアップトラックだけでなく、シボレーやフォードのSUVまでランクインしていて、トップ10がアメリカ5、日本5という新大統領の支持率がさらに上がりそうな推移をしています。担ぎ上げたアメリカの財界は、軍需産業が伸び悩む中で、ドイツ(GDP維持に成功している)に続いて『国策・自動車』によって産業の立て直しを図るようです。


アメリカとは「神話」
  戦後70年以上にわたって日本にとっては絶対的な存在であり続けたアメリカ。今でも文在寅・韓大統領の政策(脱アメリカ)に対して、日本では「信じられない!」と軽くあざけ笑っているような民意すら感じます。アメリカ車の性能や新大統領の人格こそ疑問を持つ人が多いかもしれませんが、日本の多くの人々はまだまだアメリカ「神話」に全て任せる価値があると感じているようです。アメリカの軍事力は絶対?ベトナムやソマリアすら統治できない失態を繰り返してきたのに・・・。

絆の正体
  80年代以降に日本人がアメリカにシンパシーを感じる要素は何か!?もちろんその答えは色々あると思うのですが、「アメリカが日本車をたくさん買ってくれる」という事実が、案外アメリカに対する警戒感を薄めてくれているのではないかと・・・。そしてこの1年余りでその事実はかなり揺らいだものになっているのではないか!? 2017年末でテスラの生産台数は週に1000~1500台程度なのですが、これがあと1年以内に週に10,000台生産されるようになるとしたら・・・。

テスラの正念場
  アメリカ市場で月に40000台という数字はBMWやメルセデスの上になりトップ10に食い込みます。ちなみに上位9は米ビッグ3、日ビッグ3に、ヒュンダイ/キア、SUBARU、VW/Audiです。8位SUBARU、9位VW/Audi、10位メルセデス、11位BMW、12位MAZDA、13位ジャガー/ランドローバー、14位VOLVO、15位三菱などはテスラが順調にシェアを伸ばしたら価格帯で競合するために壊滅的被害を受けるはず(自動車株は結構怖いですよー)。

残念すぎる人々・・・
  アメリカ人の消費行動は「国策」どおりにアメリカメーカー優先がまかり通っている。新大統領は「日本市場は排他的」と指摘しているくらいなので、日本メーカーの苦戦に「自業自得」だと手を打って笑うだろうね。「アメリカ車は努力をするべきだ!」とか「新大統領は間違っている!!」などと述べて、あざ笑っていた日本のク◯はこの事実をどう理解するのだろうか!?

↓僭越ながらク◯さんよ、これは完全にミスリードじゃないか!?


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2018年2月14日水曜日

トヨタ86(2018 / NO1) クルマを考えるためには最適な1台


5年経っても86とは? 

  トヨタが総合自動車メーカーとしてラインナップのバランスをとっていく中で、キラーコンテンツと言える存在なのが86。ちょっと誤解を招くかもしれないですが、何がすごいって、乗用車でもスポーツカーでもない「86」という不思議な乗り物を21世紀になって作り上げてしまったこと。発売から5年以上が経過しますが、今もなお相当なモヤモヤ感を漂わせた神秘的なモデルのままです。

トヨタのクルマ作りの奥深さ
  豊田章男社長の肝いりで開発が始まったという経緯から、「社長がドリフトして遊ぶための特装車」とか言われたりしてますけど、実際に乗ってみるとこれが実に楽しい。もちろん運転しても楽しいけども、このクルマに乗ると、クラウン、ハリアー、プリウスなどのトヨタの定番の乗用車が、どれだけ緻密に音振(NVH)を考えて設計されているかがよくわかります。素のクルマってこんなに野暮なの・・・?


『異質』を詰め込んだパッケージ
  堅牢さを感じるボデーですが、気密性はあまりなくレクサスRCなどとはだいぶ雰囲気が違います。ピラーレスのドアもウインドーに特殊機能が内蔵されていて、ドアを閉めると隙間を埋めるようにウインドーが動きます。よって外部の音がストレートに入ってくる感じはしないのですが、やはり乗用車としては不思議な皮膚感覚が。古い欧州車に乗っている感じがする(狙い!?)。トヨタの乗用車はこんなにスースーはしないです。カローラなどの小型車でも、やはり何気ない内貼りの素材がとても大事なんだなと気がつきます。

ハンドリングも独特
  ボデーだけでなく、ステアリングの重さ、シフトレバーの感触からもトヨタの乗用車をの違いを強烈に感じます。レクサスなどトヨタのFR車は今ではかなりハンドルが重い部類に入ると思います。特に切り始めが重い。86のステアリングもそれに近いのですけども、切り始めてからトヨタらしい「遊び」があってからの、その先が一気にグイっといきますね。フロントサスの形状の違いだけでは説明できないギミック感が結構印象に残る。その感触こそが86と言っていいかも。鼻先が軽いのともちょっと違う気が・・・。

スポーツカーではない何か
  実際のところ「なんかよくわからない」というのがこのクルマの最大の魅力なのだと思います。スポーツカーはもう時代遅れですから。かつてのRX7やS2000のようにメーカーが持てる最高のユニットを載せて、軽量化やサス・ミッション・デフなどの形式によってパフォーマンスを最大限に引き上げるための設計を施したクルマの価値は、もちろん普遍ですけども、今ではそれを有り難がる人はちょっと減っているようなので、市場価値という意味では下落気味です。

ゆるーくスポーティなクルマが好きな日本
  それに対して、かつて日産が作っていたシルビア(S13型)は、エンジンも設計も全然「本気」出していないゆるーい設計だけれども、その分だけ手軽な価格設定がされていて、とてもよく売れていました。ピュアなFR機構のクルマとして、期待されて登場した86ですけども、バブル期に似たようなクルマはあったっけ!?これがありそうで意外に少ない。せいぜい出てくるのはシルビアくらいなもの。シルビア譲りの「ゆるーい」設計を施した86は戦略通りにS13シルビア的な売れ方をしたと思います。

スポーツカーでも乗用車でもない「86/シルビア」というジャンル
  シルビアもS15で最終的には自主規制ギリギリの280psモデルが登場しましたけども、最初はノンターボで楽しむデートカーくらいの企画でした。爆発的な売れ方をしたので、知り合いにも乗っていた人が複数いるわけですが、当時を振り返って口を揃えて楽しいって言っています。そしてその評価はRX7やS2000よりも高かったりします。RX7やS2000でしばしば囁かれるのは「速すぎる」というガチ評価。ひと昔前のホンダやマツダにありがちなシャシーよりもエンジンが勝っているクルマという意味もありますが、やっぱり軽量化&四輪DWBによる、ファジー感のないシビアなハンドリング挙動は、「ちょっと怖い」ってのが正直なところかも。

バブル期の日本メーカーは自由ではなかった
  トヨタが86の開発にあたってこだわったマーケティングのポイントは他にあるのかもしれないですが、86が売れた理由をあれこれ考えるのは結構楽しいです。バブル期にはアルシオーネ、ピアッツア、プレッソ、GTO、プレリュードなどなど、スポーツタイプと言われるモデルがありましたが、バブル期といえども、その多くはFF化が進む日本メーカーの開発事情によってその設計は大きく制限されていました。

FRスポーツをじっくり作り込むタイミングに恵まれなかった日本の自動車産業
  日本市場が成熟したバブル期においても、ほとんどの日本メーカーは業績を追うあまりに、満足なクルマ作りができなかったと言えます。1970年代から80年代に次々とFF化に舵を切った日本メーカーにとっては非常にタイミングが悪かった。まだまだ豊かという実感も乏しかったでしょうし、日本の自動車産業が世界をリードしているという驕りもなかったのかも。ただただ海外移転に直面して新しいグローバル戦略の要点を理解するのが精一杯ってのが本音だと思います。

カーガイ達の夢の続き
  1990年当時のポルシェの危機的な経営状況を考えれば、日本メーカーの判断は非常に常識的なものだったわけですが、その不条理を状況においても信念を捨てずに乗り越えたポルシェだからこそたどり着けた『高み』というものがありました。ポルシェの現在の名声を目の当たりにして、羨ましいと思う日本メーカーだからこそ、失われた時間を取り戻すかのように、古典的なFRという設計にこだわったクルマを作りたい衝動があるのかもしれません。そして生まれた86/BRZはメーカーの枠を超えて多くの開発者にとっての「理想」を形にしたものじゃないかと思うのです。


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2018年2月8日木曜日

トヨタ・プリウス(2018 / NO1) 『完璧』なのは認めよう。


なぜプリウスは作られ続けるのか!?
  トヨタのほぼ全ラインナップにハイブリッドが行き渡っていますが、それでもなお日本市場においては、一定のステータスを示す クルマとして生き残っているクルマがプリウスです。一応書いておくと、プリウスとアクアはシャシー、ボデー、タイヤまでをハイブリッドに最適化されていて、同サイズ・同重量のHVよりもさらに燃費が良くなるように設計されていて、もはやユニットではなくプリウスという技術の塊全体に価値があることも市場に十分に伝わっているようです。

なぜプリウスは批判を受けるのか!?
  設計における「ストイックさ」を売りにしているクルマを捕まえて、その退屈な走りをボロクソに言っていたオッサン達もかつてはそこら中にいましたが、さすがに自分の過去の発言は完全にお門違いだったと理解しつつあるようです。プリウスに対して「これに乗ってると運転がキライになる!!」とか言ってる有名評論家がいましたけど、それってミニバンを捕まえて「3列シートは狭いからやめろ!!狭くてクルマが嫌になる!!」なんて言っているのと同じ・・・。

なぜプリウスは全方向的に進化するのか!?
  的外れな批判に逆ギレもせず、さらに自らの努力で、その批判と向き合おうとするトヨタの姿勢は、全自動車メーカーのお手本となるべきですが、それを実現できるだけの開発費を注入できるのはトヨタだけなのも事実。他社にとっては「無いものねだり」になってしまいます。それに追い打ちをかけるかのように、トヨタもプリウスで輸入車顔負けの乗り味を追求し始めるという、絶妙なさじ加減には思わず笑ってしまいます。現行プリウスに乗って戦慄を覚えたカーメディアもたくさんあったはず。これはもう安易に批判できないレベル。今のカーメディアにとってはあまり触れたくないクルマなのだと思います。

なぜプリウスは執拗に他車を追い詰めるのか!?
  4代目プリウスの登場で確実に日本の「普通車」のハードルは上がりました。下手すると、あれ!?このクルマはあの燃費番長よりも乗り味が悪いぞ!?ってことになったら、もう安い意義に存在価値が見出せないですし。そして実際に結構な数の輸入車がやられてる。メジャーなところだと『V◯ゴ◯フ』とか。異論はあるでしょうけども、洗練されたTHSⅡと、最初から段付きのDSGでは、もはや住む世界が違うクルマです。

なぜプリウスはスルーされるのか!?
  「わざといいクルマに乗らない派」の人々にも発言権はありますし、輸入車の素晴らしさを存分に語る権利もあるんですけども、プリウスを批判したいのなら、プリウスと互角以上のエコを追求したクルマを見つけてこないと同じ土俵に立てないっすよね・・・。まあクドいですけども、プリウスの乗り味にイチャモンつけるのはお門違いってやつですから。

なぜプリウスは無敵なのか!?
  他のメーカーにとっては「悪夢」としか言いようがない。プリウスが「トヨタのベクトル」で高いスコアを出して、日本市場ではその評価のまま売れている。もちろんトヨタの戦略が高度すぎるというのもありますけど、ここまで硬直化した市場(日本のCセグ)にさっさと見切りをつけて、プリウスと同じセグメントでは直接戦わない!!という賢明な判断を下したのが日産。そして渾身設計のリーフで必死に反撃を試みていますが・・・。

なぜプリウスのフォロワーはでてこないのか!?
  そんなまともな判断もできずにあっけなく撃破されたのがアクセラとインプレッサ。新型プラットフォームが期待された両車でしたが、ややカーメディアの愚論に飲み込まれた結果な気がします。MQBなんてつぎはぎだらけの幻想に過ぎない。最近もメガーヌやらシビックやらが「中央突破」をしようとしているけども、輸入車なので供給体制にも限界があるだろうし、とりあえずはアクセラやインプレッサを超えることはなさそう。

なぜプリウスは売れ続けるのか!?
  どんなクルマならば日本市場のプリウスを粉砕できるのか!?欧州市場では、あの定番車であるVWゴルフをかつてはフォード・フォーカスが、そして今度はルノー・ルーテシアが上回ろうとしていますが、プリウスの影を踏めるクルマは!?2016年末に日産のノートe-POWERがプリウス一色だった2016年の普通車販売に待った!!とかけましたが、攻勢は長く続くこともなく、発売から2年以上が経った今もプリウスは売れ続けています。

なぜプリウスは上級グレードがよく売れるのか!?
  現行プリウスは350万円くらいする上級グレードがお買い得なのでよく売れています。もはやこの価格だとメルセデスC180やBMW318iが新古車市場で取得できる価格帯ですけども、上級グレードのプリウスも臨戦態勢は整っていて、350万円出してもいいかもと思わせる内容になっています。『40km/L』✖︎『上質』という組み合わせは、非常にコスパがいいなと感じる。燃費はそれほど重要視しないと口では言っていても、レギュラーガソリン1Lで30km走ってくれたらそりゃ嬉しいですよ。


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