2018年1月31日水曜日

マツダCX5&CX8(2018 / NO1) またしても起こるMAZDAの奇跡

広島の新名物・SUVの価値とは!?

  ここ数年における全ての日本メーカー車の中で、一番勢いがあるモデルといえば間違いなくMZADAのCX5です。グローバルであまりにも売れゆきが良いので、初代発売からたった4年という異例のショートサイクルでFMCを敢行しました。歴代MAZDA車の例に漏れず、日本市場ではそこそこの売れ具合でしたけども、インド、ブラジルを除く『G20市場』ではおそらく世界最強!!想像を超える快進撃を見せ、6年前に生まれたばかりのモデルが、今では堂々の年産40万台を超えています。この数字は全メーカーの国内生産車の中でもトップクラスに位置します。プリウスやランクルと互角。

マツダが目指す世界一のクオリティの意味。

  北米価格もボトムグレードで堂々の25,000ドル。日本で500万円オーバーの価格がつけられているメルセデスCLA250(AWD)が北米では30,000ドルくらいですけども、新たに投入されるCX5のディーゼルは、それを超える価格設定になりそうです。やはり『日本代表』の国内製造モデルで、はるばる海を超えて『メイドインジャパン』クオリティで輸出販売するならば、300万円以上の価格帯にしないともはや長期的には全く採算の目処は立たないらしいです。

国内生産維持はイバラの道

  つまり北米でメルセデスやBMWと同じくらいの価格設定にしても、ユーザーに選ばれて販売が拡大するくらいのクルマを作らないと「国内生産」は維持できないようです。マツダの2017年の国内製造は96万台。これを平均価格300万円以上の価格で売りさばければ、国内製造分だけで売り上げが3兆円に達します。ここがマツダの目指す「本当の」損益分岐点であり、CX5に引き続き投入されたCX8の売れ具合によっては、かなり現実的な数字になりそう。

日本で売れている輸入車ってさ・・・

マツダのデミオベースの小型車はトヨタブランドへのOEM車として密かにアメリカで販売されていますが、これは全量がメキシコ工場で生産されています。メルセデスもBMWも小型モデルの生産設備を北米に用意していないので、30,000ドルの設定は絶望的なAクラスや1シリーズをアメリカ市場に投入することができないわけですが、それでは日本で300万円で売ってるA180や118iはなんなのかって!?・・・まあオーナーは知らない方が身のためですよ。

MAZDAのビジネスモデルは単純明解

かなり批判もあるようですが、別にMAZDAは変に気取って「高級路線」を歩んでいるわけではないです。バブルの頃も今もMAZDAのビジネスモデルが成立する条件は、300万円以上するクルマだけでラインナップを揃えること。バブルの頃のマツダの戦略は、ユーノスコスモや、アンフィニRX-7といったスポーツモデルでグローバル市場を切り開いた上で、結局は幻に終わったV12搭載のアマティ(日本のロールスロイスになる予定だった)で、世界の自動車業界の『頂点』に君臨する予定だったようです。

20年後にはMAZDAが本当に世界の頂点に立っているかも!?

全然想像つかない人もいるかもしれませんが、かつてルーチェレガートのような気品溢れる高級車を作ったこともあるマツダなら、「東洋のメルセデス」くらいにはなれたんじゃないか!?という気がします。広島、防府で集中生産しているCX5も増産体制が整ったことで、北米販売も月10,000台リミットから、月15.000台リミットになり、12月度はアメリカだけで14000台のCX5を売り上げました。





MAZDAの欧州ビジネスはそろそろオワコン!?

  300万円・・・で思い当たるのがCX3。フォード時代の名残から今もせっせとデミオを欧州へ輸出しているマツダですが、欧州ビジネスでは利益は全然出ていないようです。トヨタ、日産、ホンダが発売するライバルモデルは当たり前ですが、全量が欧州での現地生産ですから、日EU間の関税すらかからない。たとえマツダが欧州フォードの遊休ラインを間借りして勝負したところで、相手は世界トップ10の巨大グループなのであまり意味はないかも。そこでデミオベースのシャシーを使って、欧州で稼げるクルマとして開発されたのがCX3ですね。

WCOTYを獲った『お荷物』・・・

  プリウスやランクルなど、トヨタの長年の巨大な資本投下と技術の結晶みたいなモデルに対して、CX3で同じ『国内生産ビジネス』を成立させるのは、ちょっと小手先過ぎたのでしょうか、いくらなんでも欧州のユーザーを舐めすぎ!? スバルに言わせれば、欧州に生産設備を持たないなら、デミオのようなCセグより小さいサイズは問答無用でカットすべきだったんだろうけど、先代デミオはマツダ車初のWCOTYだったりするわけで、そう簡単に切るわけにはいかなかったようですね・・・。

ホンダとマツダの違い

  ホンダのように過去の栄光などあっさり捨て去るくらいのドライなビジネス感覚があれば、リーマンショックが起こっても赤字にはならないのでしょうが、CX5で頑張りつつもデミオで足を引っ張る感じのMAZDAの人情味溢れる経営はやっぱり好きですね。どう考えても採算に達しないであろうロードスターを作り続けたり、ロータリーを復活させようとしたり、ホンダだったらとっくに止めているだろうけどさ。

ホンダに勝てるのはマツダだけ

  でもそんなMAZDAだからこそ、天才的な商品力を発揮するクルマを作れるんだと思います。ポルシェ、フェラーリ、メルセデス、ロールスロイスをライバルに回しても戦えるだけのクルマを作れてしまう不思議なメーカー。グローバルで立ったの160万台規模なのに。CX5もCX8も慢性的に訪れるMAZDAの不安定な経営環境ゆえに完成した傑作モデルですねー。





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2018年1月26日金曜日

スズキ・スイフトスポーツ(2018 / NO1) 『感動ハンドリング』の押し売り

このクルマを選んだ人の感覚は素晴らしい

  圧倒的なハイパワーとか、ガリガリに減量したガチスポーツカーとかを除外した市販車の中では、「最高のドライビングフィール」と認定しても差し支えないと思うのが、歴代のスイフトスポーツのシリーズです。このクルマを選んでいる人は間違いなく自分の感覚でこのクルマを選んでいる!!このクルマのユーザーは全員信頼できる!!・・・まあそんなクルマです。




色々な意味でスポーツカーでは無い

  トヨタはヴィッツGRMNに400万円だそうです。まあプロドライバーがおっかなビックリに走らせている動画を見ると、とことん走りに向き合えるという意味では400万円には納得はできます。当然にヴィッツGRMNに400万円払うくらいなら、スイスポを買う!!ってなるでしょうけども、183万円で済むゆえの「代償」みたいなものも、まあいくらかはあります。

  先代スイスポもそうでしたが、決してアクセルオンですぐにクルマが横を向き出すような挙動はでません。むしろノーマルのスイフトよりも安定志向にすら感じられる。冒頭にも書きましたが、このシリーズに乗ればおそらくほとんどの人が感動を味わうでしょうけども、それはスキール音を立てて走れるようなスポーティな感覚ではなく、恐ろしいレベルで調整された精緻な「ハンドリング」に対しての驚嘆から生まれます。そしてそれと同時に気がつくのは、本当に良いハンドリングのクルマは、平均以上の安定志向の中から生まれるということ。



伝統的工芸品ってやつですな

  スイスポよりもピーキーなハンドリングを備えたクルマなら、サイズの大小問わず色々あります。アバルト595、MINIクーパーS、そしてフォードマスタング。ハンドリングというよりも、シャシーとエンジンのバランスがちょっとばかりオカシイ車ばかりですけど。おそらく3ブランド共に個性を与えるためにわざとやっています。市販車改造モデルで上手くスポーツカーみたいな走りを演出したいという意図はわかります。

  それに対してこのスイスポは、スポーツと言ってますけど、そのような類のトリッキーな味付けは全く狙っていません。同じクラスには破天荒な走りをするクルマは色々ありますけど、過剰さを排除して精度を上げるという高度な演出を使う「ホットハッチ」はこのクルマだけじゃ!? もし素直なハンドリングを競う世界大会があったら、このスイスポがチャンピオンでしょう。アクセラ、ゴルフ、インプレッサを抑えての世界チャンピオンです。昨今は中型車を中心に、Eデフや4WSが流行してますから、挑戦者そのものが少ない地味なトーナメントですけども。



将来的に『ハンドリング』という言葉は無くなる!?

  ハンドリングといえばFRだろう!!なんですけども、ここ数年にあれこれ試してみたFRはもうハンドリングを語るレベルには無いです。もう電子制御がガチガチなので、クルマはもはや曲がるようにしか曲がらない・・・。アルテッツァのような走りの4ドアFRなんてもう消えちゃってますね。現行ISは・・・無作法なハンドリングには警告が出そうな雰囲気すらあるし。

  主にFRを使う高級車はみんな中国市場に引っ張られて、クルーザーのような面舵いっぱいなハンドリングになってます。新型レクサスLSはそこに敢然と挑んだようですけども、300psオーバーならもう電制ガチガチにしないとまっすぐ走れないですから。日本が昔やっていた280ps規制ってのは素晴らしい仕組みだったと思います。あれが無視されるようになって走りがつまらないクルマがどんどん増えた!?まあそれでも確かにハイパワーのクルマは面白いですよ。走らせる時の手汗は結構やばいので、試乗の際は手袋を着用しましょう。



すでにレッドリスト入り!?

あと5年もすれば、日本メーカーのほとんどの市販車にはモーターが組み込まれるようになって、普及した安価になったEデフシステムや、後輪モーターAWDや、4WSが当たり前に装備されるようになって、全てのコーナリングにおいて、センサーでトルク配分が当たり前にされるんでしょうね(軽自動車でも)。すっと駆け抜けるのではなく、ジリジリとタイヤが路面を確かめるように走る!? そうなったら走りが好きな人は、今度こど欧州車を買うようになるでしょうね。ローテク感がNOWなプジョーとかさ・・・。とにかくこのスイスポがあればあと10年は思いっきりアクセル踏める。


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2018年1月22日月曜日

ホンダ・シビック(2018 / NO1) 売れる理由

10代目シビックはグローバルを変えつつある

  日本市場に突如シビックを放り込んだホンダですが、その後は特に目立ったキャンペーンもなく、淡々と受注分を納車しているようです。ちょっとクール過ぎる気が・・・。受注が好調なので北米向けの205ps版の「CIVIC Si」を導入しよう!!くらいの予告が出ても良さそうなものです。シビック・クーペにも設定されている「SI」ですがエンジンチューンだけでなく、BMW・Mのような派手なダクト付きバンパーがなかなかカッコいい。(ハッチバックのフロントデザインはいいかも)

  すでにtypeRが設定されているので、余計なことはしないで静観。シビックのモデューロ・コンプリートモデルとか期待する人もいるとは思うのですが、とりあえずしばらくはホンダアクセスのセットオプションでも付けて楽しんでくれ!!ってことのようです。

シビックは86から学んだ!?

  『86 vs シビック』という盛り上がり方をしてもいいかも。2012年にトヨタ&スバルがグローバルで賞賛された「手軽なスポーティ」は、2015年にアメリカでFMCされた現行シビックにも大きな影響を与えたと思われます。2.4LのVテックでブイブイ言わせていた「シビックSi」を1.5Lターボ(205ps版)に置き換えるのは規定路線でしょうけども、エコ&スポーティでアメリカの大排気量トレンドに風穴を開け、その勢いで2016年には中国市場へ侵攻・・・。

  世界のカーメディアで語られるライバル関係としては「フォーカスST vs シビックSi」なんでしょうけども、ホンダにはそんな枠組みに囚われた対立構図は似合わない・・・トヨタvs日産じゃねーんだからさ。よってゴルフGTI、メガーヌGTとの比較もよく目にしますけども、ホンダにとってはちっとも得じゃない取り上げられ方してますよね。やっぱり『86 vs シビック』であってほしい!!日本メーカーのクリエイティビティこそが、世界の自動車産業の生命線だと思うから・・・。



ホンダの価値

  ホンダやトヨタはなんだかんだ言ってもやってることが「新しい」です。(許されるのであれば、)これまでになかったクルマを作ることに非常に熱心です。シビックにさりげなくまとめられたのが、高い操縦性を支える世界最高水準の『シャシー&足回り』。この半年で注文を入れたほとんどの人が、ここの完成度だけで完全にノックアウトされたはず。

  VWゴルフがいい!!とかBMW1erがいい!!といった『念仏』とは違って非常に科学的な判断。ハイペースでもスローでも破綻しないワイドレンジな足回りは、実際のところマツダやBMWの「究極の泣き所」だったりするんですけども、そこを圧倒的な開発力(今も青天井の研究開発費)を背景に押し切ってしまったところにシビックの「凄さ」がある。やっぱりカネをかければいいクルマができるんですねー。

  とうとう北米で月に30,000台以上を売るようになったシビック。北米ではスバルもレガシィ B4が低調で、新型シャシーになったインプレッサへユーザーが移っているので、DセグからCセグへは北米のトレンドとも言えますが、その中でもシビックは他の追従を許さない圧倒的な強さが目立ちます。


300万円のシビックがうまくハマった!?

  日本でもゴルフやメガーヌには全然興味を示さなかったユーザーが、シビックを認めて300万円を喜んで払っている!!・・・もうこの驚嘆すべき事実が全てじゃないでしょうか。「絶対に売れない!!」と断言していた、国沢さんも小沢コージさんもこの現実がなかなか受け入れられないようですけども。 そもそもこのクルマに乗ってゴルフやメガーヌと比べようとしている時点で、評論家失格だと思う。

  プロの評論家ならば、シビックの前に発売され、スバルが「世界最高水準を見据えた!!」と断言して具体的に「ゴルフ」という名前を挙げて発売したインプレッサが、日本市場で思いっきりスルーされたことと、シビックに人気が集まっていることを、もっと冷静に分析すべきだと思う。もう『ゴルフだ!!」とか言っていることにユーザーが飽きていることを。

クリエイティヴィティを引き継ぐ

  シビックが機能面で86を真似たところがあるというわけではないです。しかし86が世界のクルマ好きを唸らせたアジリティに富んだハンドリングは問答無用で日本でもウケましたが、ユーザーが業界に感じている「倦怠感」をうまく処理してブレークにつなげるという意味で、86の成功はシビック開発の大きな鍵を握っていると思うのです。

86にできたことが、アクセラやインプレッサにはできなかった・・・。評論家が唱える「念仏」に沿ったクルマ作りだから、カーメディアは盛んに賞賛こそしましたが、ハードルが高すぎるせいか、試乗すると結構がっかりするんですよね。この2台は・・・。先代モデルの方が楽しかったんじゃない!?って思うくらい。

日本のユーザーは甘くない!!というのは某輸入車ブランドの役員の言葉ですけども、ゴルフなんて「念仏」は、オリジナルだから成立するわけで、真似たところで意味はないです。そこの部分がわかっていたホンダ。そしてスバルやマツダとは桁違いの開発費が使えるってのも大きい。エンジンやミッションなど個々のメカニズムも相変わらずに水準が高い!!シビックみたいなクルマを生み出せのが「真面目なメーカー」なんだと思う次第です。


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2018年1月14日日曜日

スバル・レヴォーグ (2018 / NO.1) 日本車代表のエースへ

なぜレヴォーグは売れ続けるのか!?

  2013年末の発売から、今年でいよいよ5年目を迎えるスバル・レヴォーグ。平均購入価格はプリウスやVWゴルフを上回る300万円台なのですが、現在も月に2000台以上はコンスタントに売れ続けています。スバルには失礼ですけども、静粛性やハンドリング、あるいは1.6Lターボエンジンの性能などあらゆるパラメータでクラス最低レベルなのに、なんでこんなに売れるの!? クソ真面目に作っているボルボやマツダにとってはちょっと不条理に感じる!?日本市場のスバル贔屓。





80万円の絶対的な格差

  レヴォーグには二種類のユニットが使われていますが、この格差が想像を絶するくらいに大きいです。クルマが好きな人には2L版を、特に興味がない人には1.6L版をどうぞ!!という作り分けがこのクルマの肝なんだと思います。両方試乗してやっぱり1.6Lの方がいいかも!?とはならない。まあ80万円負担してでも2L版買った方がいいのは明らかなんですけおdも、このFA20DITユニットに文句をつけてくるメンドクセー輩も結構いますけどね。

  カーメディア用に2Lターボモデルを設置、1.6Lターボモデルで販売を伸ばすというのは、レヴォーグのキャラを考えたら極めて「妥当」な戦略なんですけども、自社で2グレードのユニットを用意することすらできない日本メーカー車が増えてます。レヴォーグより格上のスカイラインですら、日本向けに用意できるユニットは、某ドイツメーカーの力を借りてやっと2つ。しかもこのドイツのユニットが・・・。

スカイラインとレヴォーグに見る共通点

  上は300ps級のハイスペックユニット、下はPWRなりの範囲に調整された汎用ユニットという露骨な作り分けは、買う側にとってはそれなりに「覚悟」ができていいかも。クルマ買うのはやっぱりある程度の勢いが必要で、日本の多くのクルマ好きは、趣味の一環として「買わない理由」を必死で見つけていると言っていいくらいだけど、そんな「悪趣味」な循環に陥っている哀れな日本のクルマ好きを「ブン殴る」くらいの気持ちで、日産もスバルも上級ユニットを作っているのだと思う。

  レヴォーグ2.0とスカイライン350GTのユニットは、思わず「はっ」っとさせられる。レヴォーグに至ってはAWDのシステムからして1.6とは全く別です。清水草市というライターが販売絶好調のレヴォーグに冷や水を浴びせるために、2014年にレヴォーグとボルボV40の比較を雑誌の企画でやっていたが、ダウンサイジングターボの出来栄えはフォードのユニットを使うボルボに勝てず。AWDのはずなのにFFのV40よりも0-100km/hのタイムが遅いという失態を演じたけども、1.6のAWDは基本はFFとして機能するオンデマンドタイプだからFFと加速を競ってもアドバンテージはほぼない(最初のホイールスピン時間がやや短縮!?)。

  それが2.0になるとWRX-S4と同じシステムなので、踏めば後ろから押されるような加速が結構よくわかる。出力に対してボデーがやや小振りなのでエンジンの吹けあがりもダイレクトに微振動で感じられて、スカイライン350GTよりも「グランツアラー」的な高揚感がある加速でどっちがピュアなFRかわからなくなりそうなくらい。レヴォーグ&S4をこのキャラクターに上手く落とし込んだスバルはもっと賞賛されていい。


  


秀逸なデザイン(イケメン三兄弟)

  レヴォーグの最大の魅力はなんと言っても、洗練されつつも逸脱していない「イケメン」なエクステリア。誰も大声では言わないですけども、同クラスの欧州車ワゴンよりも断然にイケてる。素人が余計な事を言うべきではないかもしれないですが、造形と素材の質感がうまくマッチしていて「隙がない」。ボンネットに穴が空いてるのはヤンチャとか、意味不明なセンスで貶すオッサンもいるみたいですけど、今ではすっかりそれがスバルの個性になってる。

  日本市場ではワゴンの売れ行きが低迷しているようで、なかなかデザインの比較対象が少ないですけども、代表的なモデルとしてはマツダのアテンザワゴンとトヨタのカローラフィールダーくらいが挙げられます。4800mmオーバーのアテンザと4400mm程度のフィールダーそしてその中間に4600mmのレヴォーグ。トヨタファミリーによる見事な作り分けが当初から計画されていたのか!? 

  ここでポイントになるのは、アテンザもフィールダーもどちらも「かなり」優れたワゴンデザインであること。キャビンの長さからやや間延びしたイメージに陥りがちな欠点を「徹底的」にケアしてます。デザインが悪いから売れないとは絶対に言わせない!!阻止する!!というマツダ、トヨタの意地を感じます。

  メルセデスのように「シューティングブレーク」という新ジャンルを創出する馬力も素晴らしいですけど、定番のフォーマットの中で最高の仕事をしているマツダ、トヨタ・・・そしてその2台を超えたレヴォーグのスバル。もっとカーメディアで賞賛されてもいいんじゃないかと思います。


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2018年1月10日水曜日

マツダ・アクセラ(2018 / NO1) 3代目の同期はクズばかりだった・・・



今ならばちょっとは冷静に見られる!?


  何と言っていいのかちょっとわからないですけども、あらゆるパラメータ値において抜群に優秀なスコアを出していて、グローバルでも十分に認知されていますし、存在そのものが「マツダの魂」であり、同時に「日本車の傑」として広く認められたモデルがアクセラです。ただしマツダのラインナップの中ではSUVの勢いに圧されて、やや低迷していて、どうやら現行モデルは次のモデルへ向けてこのまま目立つことなく終焉を迎えてしまいそうな気配です。

  2013年のFMCデビュー時は相当に注目されました。VWゴルフに対して正々堂々とドイツ車の土俵で戦った日本代表。欧州と中国以外の市場ではマツダの狙い通りにVWゴルフを上回りましたけども、欧州と中国では、ドイツの国策として政治的に「特別商圏」を作っていたことが、ここ数年のスキャンダルと共に暴かれました。トヨタもホンダもそんな市場で商売やってられるか!!って感じでVWゴルフなんてアウトオブ眼中だったわけですが、マツダだけは「虎穴に入らんば・・・」とばかりに無謀にも特攻します。

最初からキナ臭い感じはしていたよ・・・

  先代アクセラはオセアニアで輸入車ナンバー1を獲るなど世界的に評価は高く、100万台そこそこの生産量しかないマツダにおいて年産40万台を超えるヒットモデルで、世界13位でもジャンルの主導権が獲れることを示したクルマでした。「いいクルマを作れば売れるはず!!」というピュアなマツダをあざ笑うようにドイツのカルテル・ゲートの闇は深いです。

アクセラの欠点はマーケティングセンスの欠如!?

  なぜ3代目となるBM/BY系アクセラは失速したのか!? SUV市場の急拡大であるとか、2.2Lディーゼルエンジンを載せたモデルの魅力が十分に伝わらなかった(時期尚早)。ディーゼルエンジンに対する批判が強かった。・・・などなどいつものマツダらしく市場に翻弄されちゃった部分は大いにあると思います。「欧州はディーゼルが定番なんだぜ!!」みたいな日本人の文化的コンプレックスを刺激するだけのマーケティングでも、メルセデスやBMWに乗っているようなミーハーなオッサンは寄ってきましたけども、・・・そもそもアクセラって何!?という主体性が欠如していた感は否めません。

  欧州車ってすごいよね!!という前提があって、そんな欧州車ばかりのドイツ市場で日本メーカーで最も評価されているのがマツダ!!(F常務のインタビュー記事より)・・・という他力本願で、欧州ありきのブランディングは、もう使えなくなりつつあります。やはり10年前(ショック前)と比べて、VWやプジョーの影響力が相当に落ちていることが、クルマ作り全体に不気味なトレンドを生み出しています。

もはやCセグはプレミアムブランドの荘園と化した!?


  10年前のEセグメントと同じサイズになっているのがDセグメント。同じように10年前のDが今のCで、CがBへと置き換わっています。10年前はまだまだメルセデスもBMWもEセグメントが主流でしたが、シェア拡大路線を進める為に、ブランドの中心はDセグメントへと移り、新規需要を高める為にCセグメントへ積極的に介入しています。

  某海外メディアの有名ライターが予言していましたが、あと数年のうちにCセグのエンスー的なニーズは全てドイツの3大プレミアムの養分に変わるだろうとのこと。メルセデスが先陣を切って1.6Lターボに電動モーターを仕込んで、ダウンサイジングターボの概念を変え、おそらくBMWもアウディも同様の次世代ユニットを用意する展開になる。そんな中で完全に軸足が中国市場に埋没しているVWゴルフやプジョー3008は「単なるピープルムーバー」の域を出ない車に成り下がるだろうとのこと・・・。

  VWはアウディと一心同体であり、日産もメルセデスとCセグでは一蓮托生なので、何らかの想定外の動きはあるかもしれませんが・・・遅かれ早かれCセグメントは、乗用車というよりはスポーツカーに分類される市場になるのだそうです。現状でCセグのスポーツカー化を牽引しているのは、ホンダ、VW、ルノーといった大衆メーカーだったりするわけですが、今年フルモデルチェンジが予定されているメルセデスAクラスの登場で、Cセグは一気に変容が進むってことらしい。

ホンダと日産の良識

  マツダ・アクセラに話を戻すと、2013年に大きな期待とともに登場した3代目BM/BYアクセラは、多くの大衆ブランドのCセグ車が退場を余儀なくされる変革期のCセグを自らリードするだけの器だったのか!? 素人にこんなこと言われたくないかもしれないですが、リーマンショックを受けて出てきたジュリエッタやレクサスCT、BMW1シリーズといった『様子見』モードのライバルモデルをみて、3代目アクセラの優位を確信しちゃった部分があったのでは!? マツダも発売時のディーラー向け研修会ではその辺りのモデルとの実力差をかなり強調していたそうです。どの数値を見てもアクセラが完勝!!って豪語してもさ、対象としているモデルも相当にコケてますけどねー。

  ホンダは先代シビックを日本で発売しませんでした。その理由をホンダはコスト削減の痕がどうやっても消せないモデルだったから・・・と言っているようです。2013年のゴルフ7発売前後に、日本のカーメディアではどこもCセグ車の比較ばっかりやってましたが、そこにはホンダと日産は不在でした。そんな「バカCセグ」に括られたくない!!ってことみたいです。確かに10台くらい集めてましたけど、華のないモデルばっかりだったよなー。Aクラス、1シリーズ、A3、ゴルフ、V40、メガーヌ、DS4、308、ジュリエッタ、CT200h、オーリス、インプレッサ、アクセラ・・・。だいたい評価はゴルフ、A3、アクセラの3台が優勢。うーん。


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↓マスタングと同じボアストの2.3L直4ターボ搭載!!これこそ永遠のアクセラだろ!!