2015年7月19日日曜日

トヨタ・シエンタ は素晴らしい!日本車もとうとうここまで来たか!

  トヨタは普通車日本市場で唯一商売になっている国内メーカーです。あまりのファミリーカーへの傾倒ぶりにクルマ好きからやたらと敬遠されていて、かくいう私もトヨタのミニバンやSUVなんてなんとも思ってなかったわけですが、ここ数年のトヨタのミニバンは作り手のメッセージがハッキリと感じられて、「道具」から「工芸品」へと進化しつつある印象を受けます。

  トヨタともなるとミニバンの種類はラグジュアリーなものからお手軽なプチバンまで豊富で、毎年どれかのモデルのフルモデルチェンジがやっている?といった印象なのですが、新型モデルの話題が絶えることがほとんどないです。改めて思うのが、これだけたくさんのモデルが作られても、どれも特に失敗作という話は聞かないですし、これって結構スゴいことじゃないですか? 

  ミニバンに対して全くマイカーとしての関心を持たない私でも、トヨタのミニバンが他のメーカーを圧倒していることは何となく解ります。特にどんな点で勝っているのか? 簡単に言ってしまうと、トヨタのピカピカの新型ミニバンは乗っている家族を周囲に対して幸せそうに見せる効果が高いように思います。トヨタのミニバンは子どもも奥様もニコニコして乗っているイメージですが、これがホンダ、日産、マツダ、スバルのミニバンは、走りたいお父さんに家族が付き合わされている感じが・・・。

  スカイアクティブ化される前のマツダ・プレマシーなんて、バランスシャフトも付いてないショートストロークのエンジンを「ジージー」(BMWみたいな音なんです)言わせて、市街地だろうが高速だろうがお構いなしにすっ飛ばしているのを見ると、お父さんのストレス発散ドライブにしか見えない!そして近くで見るとドライバーはお母さんだったりするのですが・・・。とにかくミニバンはそういった運転にはそぐわないですし、ファミリーカーとしての豊かさイメージを見事にぶっ壊しています。一方で分別のあるトヨタのお父さんはアルファードとは別に走りに満足できるクルマを所有してそうな感じの余裕ぶりが伺える走り?(そうじゃない人もいますけど)

  とにかくトヨタ以外のミニバンってそもそも作っている側の人間がこのクルマの理想型が見えていないのでは?と思ってしまうものが多いですね。もちろん経営上の判断からスカイラインのシャシーを使わなくてはならなかった初代エルグランドだったり、先ほどのプレマシーをそのままOEMしていたラフェスタ・ハイウェイスターだったり、ブランド内のターボユニットをそのまま流用したエクシーガGTだったり、中型車のシャシーとVテックエンジンをそのまま引き継いだオデッセイやストリームなどなど・・・。それぞれに苦しい台所事情はわからないでもないですけど、それってそもそもミニバンを自信を持った商品にしよう!という土台が無いわけですから、トヨタに勝てるわけがないですよね。

  ちょっと話がややこしくなりますが、新型アルファードHVの制動距離がなんと48mくらいだそうで、なかなかふざけた運動性能(というより運動オンチ)っぷりなんで、他ブランドのミニバンユーザーが「そんな危ないクルマに乗れるか!」という意見も解ります。レジェンドやアテンザといったフラッグシップ級セダンが39m程度に収まっているのに、あまりにも酷い数字です。ちなみに40m以下の制動距離をコンスタントに発揮できるクルマはポルシェ、マツダ(アテンザ、ロードスターのみ)、ホンダ(レジェンドのみ)と極めて限られているので、ほとんどのクルマはアルファードと同程度に酷いわけですが・・・。

  そもそもホイールベースは間延びして、重心も高いミニバンを公道で暴走させるという、極めて致死性の高い「エクストリームスポーツ」ごっこに関しては法律で飲酒運転並みに厳しく罰するべきじゃないかと・・・。トラックに付いている95km/hのリミッターを装備して混雑時に高速の追い越し車線に出てこれないようにしたらどうですかね。100km/hからのフルブレーキングで他のクルマから大きく遅れをとっているのだから。高速道路で前方にミニバンが見えたら要注意ですね。レーンチェンジでトラック並みにバランス崩すクルマ多いですし。いつもコイツが倒れたらこっちに逃げようなんて考えながら走ってます。高速道路でサイドウォールにヒットしているクルマはなぜかミニバンが多い!運転が単調で眠くなるのかな?

  ちょっと話が横道にずれましたけど、トヨタは「アルファード/ヴェルファイア」のFMCに続いて「エクスワイア」が新設され、さらに「シエンタ」のFMCが発表されました。いやー!どのモデルもやたらと納得の出来映えですね(ブレーキ問題はともかく)。ちょっと失礼な言い分かもしれないですが、クラウン/マークX/カムリのトヨタセダン勢よりも断然に輝いて見えます!作っている人達の気合いが違うのでしょうか? ここまで完成度の高いモデルを揃えられては、トヨタと提携しているスバルやマツダがミニバン事業を閉店して、3列SUVによる新型ファミリーカーを企画するのも納得です。

  ホンダはまだまだ対抗心が挫けていないようですが、もはやよっぽどのホンダファンでないとオデッセイとステップワゴンの違いが理解できないですし(NAの有無?)、オシャレなことが大好きな日本のファミリー層をちょっとナメてませんか? "アブソルート"や"ワクワクゲート"など何となくやりたいことは解るし、ミニバン市場の中で違いを生み出そうとしている努力は認めます。しかしミニバンとしての基本性能って実は「走り」よりも「パッケージ」よりももっと大事なのが「デザイン」で「ブランド力」であって、結局のところトヨタがやや弱かった「ヴォクシィ」「ノア」のところに「エクスワイア」を投入して「セレナ」と「ステップワゴン」のシェアをがっつり奪った!というのが今年の上半期の推移でした。

  新たに3気筒ターボを日本に持ち込んだホンダとしては、勝負はまだまだこれから!という思いもあるでしょうが、トヨタはさらに下のクラスで人気のホンダ「フリード」のシェアも奪うべく、新型「シエンタ」を投入してきました。これまたデザインからしてとんでもない「力作」ですね! フリードと並べて比べてみれば、9割以上の人が選んでしまいそうなくらいの破壊力です。このクルマに驚異を感じているのはフリードだけじゃなく、新たなファミリーカーとして期待されている「BMW2アクティブツアラー」や「マツダCX3」といったモデルを検討していた層からも、お客が呼び込めそうな出来映えです。

  運転する分にはBMWやマツダの方が断然に楽しいでしょうけど、やはりお父さんの趣味が反映されたファミリーカーというのは、どこか「影」を感じてしまいますね。子育て世帯なのに、PM2.5がたくさん出るガソリン直噴ターボやディーゼルターボを選んでいる親はまるでアホにしか見えません。なんかトヨタの回し者みたいな記事になってしまいましたが、やはりトヨタが考える「日本の豊かな家庭像」とそれを彩るファミリーカーへの情熱は素直に評価してあげたいなと思った次第です。


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