2016年7月19日火曜日

ダイハツ不調・軽増税だけじゃない!ディーラーとクルマの魅力は?

  「ダイハツってどんなクルマ作ってたっけ?」 自動車増税によって軽自動車の存在意義がちょっぴり薄れてきたようですが、とはいってもまだまだ軽自動車は大人気で、2016年の上半期の累計では王者プリウスの下に『Nボックス(ホンダ)』と『タント(ダイハツ)』が位置しています。ピープルムーバーのもっとも経済的なスタイルとしてトールワゴンが軽自動車の主流になりつつあるようです。『ワゴンRとムーブ』の軽自動車の頂上決戦なんていう構図はもうとっくになくなってるんですね〜・・・。

  軽自動車トップ10(2016年上半期)の内訳はスズキとダイハツが4台ずつでホンダが2台です(N産&M菱さようなら〜)。スズキとダイハツは主力4車種でガチンコ対決なんですが、ダイハツが勝っているのは「タントvsスペーシア」の対決だけ。「軽自動車の限界を越えた!」と大絶賛されて去年は絶好調だったムーブ(2014年12月FMC)ですが、2年目はまさかの44%減!!!で「ワゴンRvsムーブ」の直接対決もまさかのスズキに軍配が!!!さらに「ハスラーvsキャスト」「アルトvsミラ」の2分野も知名度&完成度で上回るスズキの2台が手数が完全にダイハツを圧倒していて、もちろん売り上げも圧勝!!!

  頑張って作った「コペン」も「ホンダS660」の圧倒的な完成度の前に撃沈してしまいました。ホンダの22歳高卒叩き上げの新米主査の前に敗れ去った、ダイハツのベテラン開発者(藤下修さん)にリベンジはあるのか!? コペンはともかく、ダイハツの軽自動車はどれもこれも完全に市場を見誤りましたね〜。パステルカラーでシンプルなスタイルの軽自動車が女性にウケると思いきや、田舎のばーちゃんからもそっぽ向かれる。私が住んでいる東京都多摩地区でもミラ・ココアなんて全然見かけないです。

  商用軽バンを除けば、軽自動車の割合は2割以下といったところです(多摩地区)。その中でもエッジが効いたボデーラインと、安っぽく見えない本格塗装のモデルが好まれているようで、ホンダの軽や、スタイリッシュで好評なハスラー、アルトはよく見ます。老人も若い女性でも想像以上に割とハッキリしたフェイスで主張の強いクルマを選ぶ傾向があるみたいです。ダイハツでその路線を採っているのはタント・カスタムくらいですね(キャストはちょっと!?)。

  ダイハツよりもむしろマツダの軽(スズキOEM)の方が、近所では多くみかけるかも知れないです。スズキのデザインは好きだけど「S」マークがちょっとイマイチという人が、わざわざマツダで買っているみたいです(日産にも供給しちゃう?)。ダイハツにも同じく「スバル・ブランド」という隠し球があるのですが、商用の軽バン(アトレーOEM)を除けば、ミラとムーブのOEMだけしか取り扱いがないです。それでもちょこちょこ見かけますね・・・。

  なんの事情も知らずに素人目線で恐縮ですが、スズキやホンダに比べてダイハツはちょっと「冷めてる」んじゃないのー!!!って雰囲気がプンプンするんです。実家の近くの徒歩圏にも立派なダイハツディーラーがありますけど、建物を立派でも肝心のクルマが見えてこない。最近のマツダに行けば最もイケメンのロードスターが目立つところに置いてあって、そのとなりに次にイケメンのCX3があってさー。ネッツに行けば華やかな色(オレンジとか)のアクアが置いてあって、スバルに行けばレヴォーグがドヤ顔しているのが当たり前なのに、ダイハツとカローラの店舗にはそういった勢いが無いですねー・・・。

  別に高級車を置けばいいってもんでもないです。近所の日産にはノートNISMOが鎮座してますし、そこに隣接するホンダカーズにはヴェゼル、ジェイド、Nボックス・・・なんか最近のホンダ車はどれもこれも『絵』になりますね〜。レジェンドとか置いてる店舗はまず見かけないです。小型でもカッコ良く作る!!!いやいや小型だからこそ目一杯気合い入れて作る!!!ダイハツのライバルとなるホンダもスズキもそこの部分で切磋琢磨してますよ(もうダイハツなんて眼中に無い?)。

  日本市場だけ見ているとダイハツはフェード気味ですけども、スズキがインドとハンガリーに生産拠点を築いて成長市場に資本投下しているように、ダイハツもASEANの中枢にあたるインドネシアにしっかりと根を張っています。スズキは海外生産モデルの輸入によってラインナップを増やしていますが、ダイハツも試しにインドネシア法人「アストラ・ダイハツ・モーター」が生産する看板モデルを日本に入れてみてはどうでしょうか?とくに興味深いのは『XENIA(ゼニア)』という3列プチバンです。トラクションの関係でしょうかFRが採用されています(アトレーがベース?)。ちょうどトヨタ・シエンタがFRになった感じのクルマですね。

  ダイハツの永遠のライバルである『バイエルン発動機』通称・バイハツ(BMWと表記)が、従来のFR一辺倒のラインナップを打ち破り、ちょっと前からFFのミニバンを日本でも売り出してますけども、ダイハツはバイハツとは逆行してFR化しますよー!!!でいいじゃん。ちなみにこの『ゼニア』ですけどどうやら2ペダルモデルは無い模様・・・。全て5MT。『3列ミニバン』なのに『MT』という日本では絶対にあり得ない組み合わせ!!!あのバイハツもさすがにミニバンにMT組見合わせることはしないようですね。家族を載せたプチバン5MTを完璧な回転数でシフトチェンジするお父さんはカッコいいぞー!!2ペダルのスポーツカーに乗って「モテ男」風情を気取ってるクソ中年とは人間の根本が違う!!!

  ちょっと乱暴なまとめですけど、ダイハツの日本製造車はどれもこれも「あざとさ」が目に付く、いや目に余ります。ダイハツ以外の日本メーカーはどこもブランドの『個性』を求めてオリジナリティを追求してますけども、ダイハツだけは相変わらず他社と間違えてしまうようなデザインが大半を占めています。ダイハツにデザインを真似された方も大怪我だよこれじゃ・・・スズキ各車、VWやMINIなどなど。その一方でインドネシア生産車には、ダイハツのオリジナリティも、素朴さから来る不思議な魅力も溢れてます。もちろんインドネシアのクルマが日本で好調に売れる!!とはまったく思いませんが、ダイハツディーラーに客を招く契機にはなるんじゃないでしょうか?


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2016年7月6日水曜日

86もプリウスも決して「安っぽく」はない・・・。

  トヨタ「86」のビッグマイナーチェンジが発表されました。このクルマは当初のネーミングから完全に「狙って」ますから宿命ではあるのですけども、(まだ試乗もできない)クルマの評価に関しては4年前とまったく変わらない「一般人のコメント」がネットメディアに並んでますよ・・・すごいな。クルマなんて全くわからないド素人さんから、これだけたくさんのコメントを頂戴する。これこそがトヨタが仕掛けている「注目を浴びる」ってことなんでしょうね〜。先日発表されたポルシェ718ボクスター/ケイマンなんて、残念ながらド素人さんの食い付きは皆無で完全に無視されてますから・・・。

  268万円〜の設定に関して「価格が高過ぎる」という声がもちろん多いです。たぶん268万円が高いというだけではなくて、「ガチで買う気になると最上級グレードが欲しくなる」「値引きが辛過ぎる」「アフターパーツのことも考えると頭が痛い」などなど個々にニュアンスは違うと思われます。2012年の「86」発売の1年後くらいから自動車保険制度が大きく改定されまして、保険を何度も使うと車両保険に加入できなくなる恐れがリアルにでてきました。人的損害などは保険業界の使命として出来るだけ引き受けますけども、スポーツモデルの車両保険までは面倒見れないよー。基本的にはサーキットで派手にやっちまったら自腹で直すのが当たり前(正論です)!!という時代ですから、スポーツカーを愉しむハードルは予想以上に高くなってます(ネット上には車両保険無しでスポーツカー買って数日で全損したという不幸話がたくさん転がってますよ・・・)。

  「価格が・・・」という声には、まだ納得ができますけども、「86は安っぽいからもっとスゴいの作れ!」という暴論は完全に理解不能です。トヨタもRC-Fとか作ってるのに。中には「8000万円くらいするスポーツカー作ってみろ!」といった挑発的なものもありましたが、これはやっぱりド素人な小金持ちのオッサンがポルシェ918の価格と比べているのかなー。だったらさー「86」をザガート(イタリアの名門チューナー)に頼んで8000万円分チューニングしてもらえばいいのでは? スポーツカーなんてどっかのショップで仕上げてもらうのを愉しむクルマじゃん。外装はザガートの気品溢れる完全オリジナルで、内装もベントレーやマセラティみたいな素材に貼り替えて、レバー類も全てアルミ削り出しにしてもらえますよ。これなら918やヴェイロンを所有するよりもレアなので、雑誌の取材とか殺到して一躍有名人になれそうですけども・・・。

  スポーツカーの話題に首突っ込んでくるド素人さんって、いくらか特徴がありますけども、例えば「スポーツカーといえば『911』と『ロードスター』だと思ってる」とか・・・あるあるですよね。まるで沢村慎太朗さんの本を読んだかのようなご名答ですけども、この2つのシリーズはあまりに有名になりすぎて、ちょっと距離を置きたい感じがします。どちらも価格帯が一般向けスポーツカーとややズレがありますので、この2台を軸にスポーツカーの基準を語るのは無理があるよー!!

  911はベースモデルでも1200万円とかいう法外な価格になってますが、これとほぼ同等のパフォーマンスを持つスポーツカーなんて、実際は新車で半額程度で買えます。「ジャガーFタイプ」「日産フェアレディZ」「ポルシェ718ケイマン」の3台が500~800万円くらいの価格帯で手に入ります。これらのモデルならばまずスペック面で高級セダン/SUVに遅れをとるという、スポーツカーにあるまじき失態に陥ることもなく、コストパフォーマンスでも非常にバランスが取れたモデルだと思います。

  マツダ・ロードスターは存在自体が「世界遺産」みたいなものですが、現実にはプリウスに煽られちゃいそうな貧弱なスペックですから臆面なくスポーツカーを名乗るのはちょっと疑問があります。このクルマは特に現行の4代目になってからは、「スポーツ」よりも「ライフスタイル」に軸足を置いた設計になっていますし、走行性能よりもデザイン性やオープンルーフが愉しめる「プロムナードカー」といった趣向です。最近のプリウスを小柄なオバさんが運転していると着座位置が低くてやたらスポーティなクルマに見えます。EV機能が拡充するPHVになったらもっと速くスポーティになるのかな?プリウスとロードスターの一体どっちがスポーツカーだ!?ってことに・・・なる日も近い!?

  他にも「ロータスのエンジンがトヨタ製と知って目がテンになるヤツ」とか、同じように「ポルシェのLSDは日本製と唖然とするヤツ」とか・・・いやその前に「『LSDって何?薬物?』とか意味不明なコト言い出すヤツ」とか。そういった低次元なオッサンの「無邪気」な誹謗中傷はいろいろな意味でエグいですね。スポーツカーの概念など、そもそもの前提が狂っているからどう反論していいか迷います。これをさらりと聞き流すトヨタさんのスルー・スキルはもちろん素晴らしいわけですけども。

  さてプリウスも86も乗り出しで300万円以上はします。これまで試してきたクルマの中でこれはさすがに300万円以上しちゃダメだろ!っていう「安っぽい」クルマを挙げていきたいと思います。ちなみにプリウスも86も300万円くらいの価値は十分にあると思います。この2台に特に感心するのがドア周りの作り込みですね。プリウスはドアの締まり具合を上質にする特殊な機構が組み込まれています。これ乗ったあとにメルセデスのFFモデルなんか乗ったら「プレミアムブランド」のメッキが見事に剥がれ落ちるはずです!!

  86に関しては車体剛性でドアの質感も良いんですが、ピラーレスなドアのウインドーがドアを締めると同時に外側に押し出される機構が付いてます(バブル期の遺産か?)。これはどちらも「試乗スペシャル」な装備なのかもしれないですけど、BMW7erやホンダレジェンドのハイテク機構みたいな満足感がありますよ。それに対して「安っぽいな〜」ってモデルはですね・・・。

  まずは「メルセデスA250シュボルト」(見積もり500万円)ダメなところは、ペダルフィールがクソ、ハンドリングが酷い、足回りが刺々しくて、とてもワインディングでという気にはなれません。ツアラー失格。街中でお迎えや買い物ように使ってスーパーの駐車場でちょっと目立つだけのクルマが見積もり500万円でしたー。

  続きまして「スバルWRX S4」(見積もり430万円)ダメなところは、乗った瞬間にインプレッサ(160万円)と同じ雰囲気。シート調節幅がCセグ水準でしかない。ウルサイし、揺すられる(特にビルの方はゲロゲロ)!・・・まあ私の体質に合ってなかったのかな。

  それから「VWゴルフGTI」(見積もり460万円)ダメなところは、WRX S4と同じように乗った瞬間にテンションが下がる。すぐに降りたくなる内装。しかし走ってみると、なかなかの爽快感・・・日本車とは違う!とか思わず言いたくなる気持ちもわからんでもない。カローラみたいな内装のクルマが220psで走るわけだから当たり前といったら当たり前ですけどね。内装はいろいろ安っぽいですけど、走りはなかなかでしたよ。

  ほかにも「クラウンロイヤル」の木目の内装とか、「ティアナ」や「マークX」のベージュの内装色とか、まあいろいろと300万円以上のモデルにも「安っぽい」要素ってたくさんあります。トヨタや日産の高級セダン全般に言えるのですけども、「レクサスIS」や「スカイライン」の足踏み式サイドブレーキなんかも一気に買う気が失せましたね〜・・・。86のサイドブレーキの方がよっぽどいいな。「86」と「プリウス」はレクサスもびっくりなくらいに素晴らしいです!!!なんといってもトヨタの「ブレイクスルー」能力の高さがそのまま形になった名車だと思いますよ!!


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