2014年7月24日木曜日

ランエボ・フィナーレ!だけど国産GTカーが発売ラッシュ!

  ランエボと作り続けても、それに呼応するようなセダン・ハッチバックの市場を失っている三菱にとっては開発終了もやむなしなんですが、やはり「ランエボ」が無いというのは何とも言えない喪失感があります。現行のギャランフォルティスベースの「X」はGT-Rと発売が重なるなどやや地味な存在になってしまいましたが、ベース車のデザインがFMCで洗練されればさらに良くなるのでは?と期待していた矢先だったので残念ではあります。

  三菱はここ数年は業績が回復傾向です。アウトランダーPHEVが激戦の国内SUV市場でも、独自のパワーユニットの先進性が一般レベルで瞬く間に広まるなど、ネット時代を象徴するような売れ方をしています。元々日産と並んで世界最高水準の技術を誇るメーカーであり、その強みが今後はさらに発揮されるでしょう。VWもBMWも三菱のターボチャージャーが無ければ日本で売るようなクルマはとりあえず作れないわけですから、クルマ雑誌が盛んに日本メーカーがドイツメーカーから速やかに学ぶべき(学ぶ必要はないと思いますが)!とかいってますが、そもそもダウンサイジングターボを開発してるのは日本メーカーなんですが・・・。

  ちょっと話が飛躍しますが、ランエボが無くなって日本車がますます「つまらなく」なるとか今後言われると思います。ポルシェ911だとかジャガーFタイプだとか次々と魅力的コンテンツが出てくる輸入車に比べれば、実用的なクルマばかりが登場している印象は拭えません。アクセラ、スカイライン、レヴォーグ・・・イマイチ作り手に「遠慮」もしくは「自粛」のニュアンスを感じてしまいます。三菱が悪いというわけではないですが、「ランエボ断念」というニュースがこのムードを一層深刻にさせますし、一般ユーザーの間にも「もうスポーツカーは終わったな・・・」という空気がさらに広がっていくでしょう。

  何度か同じことを言っていますが、私が住んでる東京都1300万人の内の約99%がクルマを持っていなくても毎日を無理なく過ごせる環境で生活していますし、隣接する神奈川900万人、埼玉700万人もほぼ同様の環境にあるといっていいでしょう。そんな人々に「エコカーはいかがですか?」というクルマの売り方はそれほど意味がないのではないかと思います。いくら排気ガスを出さないといっても100kmしか走れないEVを買って月に1000km使うとしたら、100kmごとに30分の充電をしなければいけません。毎月5時間を充電ステーションの前で無為に過ごすくらいならば、バスや自転車を使った方がいいかも?と思いますよね。

  「無駄に手間がかかるクルマ」も「運転して楽しくないクルマ」どちらも果てしない人生の無駄遣いに感じてしまうわけです。余計なお世話だとは思いますが、まずは日本人のほとんどは「クルマは必要ないけど」買っているということをメーカーはよく理解すべきだと思います。トヨタやホンダが真剣にエコカーを売り込めば売り込むほど、輸入車のシェアがどんどん上がっていくという不思議な現象はこの解釈以外で説明できますか? 「クルマは必要ないけど」輸入車ブランドならば周囲に見栄を張れるからとりあえず買っておこうっていう判断が日本のあちこちで起こっているんじゃないですかということです。別にダウンサイジングターボのクルマなんて、乗ってても全然楽しくありませんから、観光道路に行っても輸入車なんてそれほど走ってないんですけどね・・・。

  もちろん多くの人が感じているように、小さな輸入車に乗ったところで見栄なんてはれませんしバカにされるだけです。メルセデスAクラスなんて今でこそ大人気ですけど、10年後には跡形もなく消えてなくなっているでしょう。それと同じようにいまいち存在価値が見出せない(乗ってもつまらない)プリウスやアクアといったエコカーも同様に消えてなくなるはずです。そんなクルマに乗るくらいならバスを使えばいいと思います。結局のところホンダの伊東社長が言うように、このままでは「軽自動車にしか未来がない」です。すでにクルマが必要な地域、例えば東京近辺では千葉県の南房総市などに行ってみれば解りますが走っているクルマのほとんどが軽自動車です。プリウスやアクアはよく売れていますが、それは膨大な人口を誇る都市部において、クルマに無関心な人々がなんとなく買っているからに過ぎません。

  日本人の大部分に相当する「クルマは必要ない」人々にどうやってクルマを買ってもらうか? これまでは「エコカー減税」などでHVを必死で盛り上げて売り込んでいましたが、いよいよ販売が落ちこんできました。インフラを必要とするFCVがすぐに普及する可能性は低いでしょう。例えば高速道路の制限速度を250km/hにすれば新幹線よりも早くて便利ということで、もの凄い勢いで売れる可能性があります。それ以外には「自動運転システム」が完成して、車内でくつろいでいる間に目的地に移動できれば需要は高まりそうです。しかしどちらも実現までにはまだまだ高いハードルがあります。それまで「普通車」が果たして生き残っていられるのでしょうか?

  現段階の技術で普通車が生き残る為には、やはりこれまでのクルマが築き上げてきた「魅力」をしっかりとユーザーに伝えることが重要だと思います。ラグジュアリーな車内でくつろぎながらの移動というと、一般レベルではベントレーやマセラティといった特別なブランドでしか体感できないものと思っているようですが、日本車の高級セダンだってそれと同等かそれ以上に快適です。そういった日本車の良さが、自動車メディアによってねじ曲げられ「日本車は全てコストダウンの産物」みたいな言われ方をしている部分もあります。どう考えたって輸入車ブランドの日本市場における利益率は異常な水準であり、「日本で半分以上の利益を稼ぎ出す」と豪語している名門ブランドはたくさんあります。

  さて2012年のアテンザ発売以降、アクセラ、レクサスIS、スカイライン、レヴォーグとクルマの魅力を感じやすい優れた日本車が立て続けに登場し、もはや「日本車はコストダウン」とか言っている人はちょっと頭がオカシイ人だけになりました。2014年の後半もこの流れをさらに加速させるように、アッパークラスの日本車が続々と登場します。もしこれが売れなかったら日本では普通車には「オワコン」の烙印が押されてしまうでしょう。発売が予定されているのは、「スバルWRX」「スバル・レガシィB4」「レクサスRC」「日産スカイラインクーペ」「ホンダ・レジェンド」です。いずれも世界最高のクオリティを誇るクルマですから、輸入車に負けるなんてことはまず考えられないです。

  しかし同じく世界で絶賛されて来た「ランエボ」ですら消えるわけですから、各メーカーがどれだけ情熱を持って一般ユーザーにその魅力を伝えるかで、結果は大きく変わってきそうです。それなりにファンが多いメーカーの期待の新型車ですから、「全滅」というのは考えにくいかもしれないですが、日産やホンダは日本にインフィニティやアキュラを持ち込むことに懐疑的なのもまた事実ですし、そこには日本人には「高級GTカー」なんていらない!という考えもあるわけです。いよいよ日本の自動車ファン大注目の「半年」が始まります。


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