アメリカではそこそこ売れているみたいですが、日本ではプリウスの牙城が崩せないばかりか、アクセラやインプレッサよりも明らかにコスパが悪い(割高感あり!)ので、メーカーも売る気があまりないのかもしれません。ユニットは1.8L自然吸気のみで、ベースグレードの本体価格が200万円で、最上級の「G」が250万円という価格設定自体は魅力的なんですが、アクセラやインプレッサといった欧州でドイツ車に対抗してバリバリ売っているモデルと比べると中身が少々見劣りします。ルノー車と足回りが共通なので、フランス車が良く使う「トーションビーム」という簡易型のサスペンションがリアに使われているのがクルマ好きからウケない理由となっています。フランス車のドンガラ感が好きな人には特に気にならないでしょうけど・・・。
ワインディングロードで無理気味に走ったり、箱根や奥多摩などの高低差がある峠でパフォーマンスを追求したりしない限りは、特に困ることもないです。なのでもっと売れていいのでは?と思うのですが、よくよく考えてみると居住性よりも車高が低めで走行安定性を重要視するユーザーが気にすることって結局はパフォーマンスですよね・・・。アメリカや中国みたいにこのタイプのクルマが当然に売れる市場ならいいですけど、日本でアクセラやインプレッサに注目するユーザーは、ハンドリングやアクセルフィールに納得して選んでいます。とりあえずアメリカでバカ売れいているカローラ(1.8L)やシビック(1.8L)をそのまま日本に持ってくれば売れるか?というと、目新しさによる初期需要こそあるかもしれないですが、構造的に人気車種にはならないでしょう。あくまで軽自動車やコンパクトカーが無いアメリカ市場だから最も手軽なクルマとして成立しています。
日本で売れるCセグは一芸に秀でていることが必須!と言っていいと思います。トヨタ・オーリスは現行モデルの最初からその事を強く意識して設計されたようで、アルファロメオを思わせるモダンなエクステリアをアピールしつつも、特別仕様車として「シャア専用オーリス」なるモデルを発売して話題を呼びました。なんと今回さらにパワーアップして第二弾が発売されることになったことからも、自動車ファンから色モノとして見られつつも企画自体はかなり手応えがあったようです。
日産もシルフィをなんとか日本市場に根付かせようということでしょうか、日本スペシャルとも言える特別仕様車を作ってきました。ラグジュアリー志向で新たな最上級グレードに設定されたのが「G・ルグラン」で、本体価格がおよそ270万円で本革シートと革張りのドアトリムが付いてきます。プレミアムブランドのクルマでも革張りドアトリム採用はそれほど多くないですけど、最近の日本車の内装の水準はとんでもないレベルに到達していて、ハリアーでもヴェゼルでもガンガン採用されています。最近は日本車が高くなったと言われてますが、大幅値上げされたハリアー、アテンザ、スカイラインが先代を凌ぐヒットを遂げていて、小型SUVのヴェゼルがなんと乗り出し300万円越えでも非常に良く売れてますが、内装の満足度はほんとに良く実感できます。
日産の高級感を売りにしたコンパクトカーにジュークとノートメダリストがあります。どちらもインテリアの色調でセンスの良さを演出できていますが、コンソールにレザー素材が使われていますがトリム部までは及んでいません。メルセデスの新型Cクラスがレザートリムを大胆に取り入れてきましたが、「G・ルグラン」は日本版のCクラス?ですね。
もう1台は「S・ツーリング」(250万円)というグレードで、インパネ全体に広がる木目調パネルを敢えて外して、代わりにサイバー調のハイセンスなパネルを使ったモデルです。先日発売されたオーリス1.2Tがインテリアをブラッシュアップしたセット価格250万円で発売されましたが、木目調パネルしか選べずに若いユーザーにはちょっとウケないのではと危惧されてました。シルフィも日本仕様は木目調パネルだけの展開だったので、これはなかなか嬉しいグレード設定と言えます。
さらにこの「S・ツーリング」の特徴はエクステリアの専用エアロパーツです。元々が「幻のクルマ」ですから、「G'sアクア」や「ノート・ニスモ」のように個性的な存在である必要もないわけですけど(笑)。しかしこのエアロパーツはかなり効いてます!これによってなかなか冴えなかった風貌がガラリと変わってメリハリが加わっています。レア車ゆえにパーツもほとんど発売されずで、カスタムしたくてもなかなか手が出せないクルマでした。しかし4600mmを越える立派な車体ですからいろいろとパーツ映えしますし、塗装映えもするでしょう。「シルフィ・ニスモ」なんてのもあっていいかもしれません。
ちょっと残念だなと思うのは、シートが一番下のグレードで使われる「スエード調コンビ」だけしか選べない点ですね。このシートの表面加工はさすがにちょっとダサいです。この「S・ツーリング」にレザーシートが選べて、さらにレザートリムまで追加できたなら、いよいよCクラスに迫る室内空間を持つ極上プライベートカーとして注目かもしれません。たとえ本体価格が300万円だったとしても、内容の充実ぶりを知ったならば、欲しいという人が結構出てくるのではないでしょうか?
さらに装備を充実させていけば、某国産メーカーのように一気に突き抜けることも可能だと思います。後席エアコンも付いてますし、さらに全席にシートヒーター、リアウインドーにサンシェードを付けて、リアシートを倒してエアマットを敷くと車中泊もできる!みたいなアピールをすれば、クルマに関心がなかった若者もふと振り向くかもしれないです。AWD仕様も作って日本中を「ツーリング」できるクルマ!ってのはどうですか?
リンク
「最新投稿まとめブログ」
↓Cクラスはさすがです!日本車の内装レベルの飛躍的向上を想定していた?
↓Cクラスはさすがです!日本車の内装レベルの飛躍的向上を想定していた?
0 件のコメント:
コメントを投稿