2015年9月24日木曜日

トヨタG'sアクア わかりやすいコンセプトが一番!

  VWを代表する大ヒットシリーズで、日本でも輸入車販売台数1位に輝くゴルフから500万円を僅かに下回る価格でプラグインハイブリッドの日本発売が発表されました。確か新型パサートのプラグインハイブリッドがドイツやイギリスでは600~700万円くらいするようなので、499万円と言われるとなんだか安いのか高いのか少々判断が・・・とりあえずスカイライン350GT買えちゃいますけどね。アメリカでちょっと炎上中のVWなので、人気回復の起爆剤として大幅値下げを発表したりするかも。

  VWを励ますというほどではないですが、VWゴルフは「コンパクトカー=小型車」でありながらその本来の姿を絶えず変革しようとしてきたパイオニアでした。ハッチバック車にスポーティなイメージを与えるモダンなデザインと、高性能車用のエンジンを搭載してアウトバーンの追い越し車線を走れるモデル「GTI」を作るなどの試行が他のメーカーにも様々な影響を与えました。ゴルフは現行モデルで7代目になるのですが、6代目・7代目といった辺りから進化があまり感じられなくなったのも事実で、チャレンジ精神を失ったVWグループの中でゴルフも色褪せていきました。WCOTYを受賞したメーカーは低迷する・・・新しいことをやらないから!そんな典型的な転落例になってしまったのは皮肉です。



 
  さてネット広告にやたらと登場するのがトヨタの「アクアG's」です。昨年度(2014年度)の販売台数で日本市場のトップに立ち、有名になりすぎたので、さすがに同じコンセプトのままで売り続けるのに限界を感じたようです。もともとコンパクトカーの中では車高が低いデザインなので、ライバルのフィットや同ブランドのヴィッツよりもスポーティなルックスをしています。アクアのデビューは2011年の12月でした。今でも割とハッキリ覚えているのですが、実家を離れて一人暮らしをしていたマンションのポストに珍しく自動車広告のポスティングがありました。そのトヨタ・ネッツの広告を見て、新型ハイブリッド車が100万円台でしかもなかなかのデザイン!ということで「クルマでも買おうかな?」なんて思いが沸々と湧いてきました。

  その後にネットで検索したら、どこから見てもHV車には見えない中型セダンの「カムリHV」に興味が移りました。HVに見えないデザインなんて今では当たり前ですけど、当時は「燃費がいいのは魅力だけどデザインがな・・・」といった印象が普通で、アクアとカムリHVのデビューによって、実家を離れてからクルマを全く必要としない生活を送ってきた自分が、再びクルマへの興味をかき立てられました。来年で仕事を定年となる母親を乗せることも多いだろうと、後席が広いカムリHVにしようと思ったのですが、トヨタも予想外の大ヒットだったようで値引きが渋かったですね。その後マツダに行って、生産中止直前のGHアテンザに試乗したところ、あまりの走りの良さの前にカムリHVへの熱は冷めてしまいましたが・・・。

  やっぱりトヨタが産み落とした1台のHV専用コンパクトカー「アクア」の洗練されたコンセプトは、クルマを買う予定でなかった人を振り向かせるくらいにすっごいインパクトだったと思います。アクアに関しては特筆すべきはやはり車高を抑えたデザインです。おそらく初代ゴルフ(1974年)のデビュー時も同じようなインパクトを与えていたんじゃないでしょうか。ゴルフとアクアのそれぞれのデビュー時の状況は似ていて、オイルショックと東日本大震災というそれぞれに燃料価格の高騰が予想され小型車に注目が集まるタイミングで、当時の小型車のトレンドとは真逆のデザインを持ってくる「革新性」という意味で非常によく似ています。

  さて衝撃的なデビューから時は経ち、今度はゴルフGTIがやったような、小型車の枠(低スペック)を打ち破る性能面での革新が求められたようです。アウトバーンの国・ドイツでは200km/h超でメルセデス車と同等の巡航性能を誇るゴルフGTIが「アウトバーンの民主化」として脚光を浴びたようですが、100km/h巡航までの道路しかない日本においては、要求されるものはやはり「峠」踏破性能でしょうか。日本の観光道路の多くは風景がよくみえる稜線をたどるワインディングロードです。アップダウンある中での加速・制動性能や狭い車線を正確にトレースできるハンドリングだったり、あるいはそういった道をどこまでも楽しくドライブできる良好なフィーリングが備わったアクアはどうですか!というちょっとややこしいコンセプトです。果たしてクルマを必要としない人々へどれだけ訴求できるのでしょうか?

  ホンダはフィットのホイールベースを詰めてCR-Zを作っていますし、BMW(3シリ→Z4)もメルセデス(Cクラ→SLK)もアウディ(A3→TT)も日産(スカイライン→フェアレディZ)などなど改造スポーツカーはまずホイールベースを弄るのが鉄則なわけですが、VWゴルフとトヨタアクア(あと日産のマーチNISMO、ノートNISMO)はベース車のユーティリティを損なうことなく仕立てるという方法を採っています。クルマ好きは2ドアが好きかもしれないですが、一般人の視点ではドアが4枚あって居住性が確保されていて、突然に結婚してもクルマを買い替える必要はなくチャイルドシートも余裕で装着できる!というのは、ホイールベース云々よりも高い商品性として写るようです。

  実際にG'sアクアは近所でよく見かけるようになりました。ユーザーはビックリするほどにことごとく若いですよ!プジョーとかジュークとかデミオとかCX3とかアホ臭いほどにチャラいデザインのユーザーはオッサンばっかりですけど、ヴェゼルやアクアみたいなコンサバ系は比較的に若者にウケている印象です。230万円でスペシャル感が付いてくるG'sアクアは若者にとっては嬉しい選択肢です。あと100万円頑張れば「86」も選べる!なんだかんだでトヨタユーザーが増えて行くようになってます。他のメーカーももっと若者を囲い込めるクルマを用意してほしいものです。・・・スイ=スポでは「次」がないですし、ロードスターやS660は車庫必須なのでちょっとハードルが高いですよ!

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↓地味にトヨタ車の内装レベルは世界最高水準だと思います!

  

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