2015年10月11日日曜日

カローラアクシオ・5MT という選択もいいかも!

  「86」と「アルファード」くらいに別々のベクトルならば「クルマの価値の多様化」で片付く話なんですけども、トヨタの「ミライ」と「アクア」はどっちがエコなんだろうか?なんて考えたところで素人レベルでは皆目見当もつかないです・・・、それでも待ったなし!で自動車産業は日々進化を遂げています。バブルの頃とは大きく違ってクルマの優劣に結論を出す事がとっても難しいわけですが、完全にお手上げになってしまったらもうメーカーの言いなりなので、やはりこんな時代でも「クルマの価値」をどんどん定義していく必要はあるのかな?と感じています。・・・ある人は軽自動車が一番経済的だと言うし、またある人は「命のコスト」を考えたら軽自動車は究極の割高だ!と言っている世の中ですから。

  人気のある最新鋭のクルマを選んでおけば、とりあえず間違いないのか?というと決してそうでも無いようで、なんだか良くわからないけど、日本の道路を走るのにランフラットタイヤが装着されていて、スペアタイヤも修理キットも無いから、そのままではスタッドレスが選べません!なんて意味不明で怪しげな高級車がドイツメーカーだけでなく、日本メーカーからも発売されている始末です。高級セダンは足回りに余計と感じる運転補助機能があれこれ付いてきて、なんだかかったるい(すっきりしない)乗り味、エンジニアリングを共有する高級スペシャリティカーも高級スポーツカーもなんだか良くわからないクルマに・・・。そりゃ500psも出してしまえばまともに前に走れなくなるからいろいろ「制御」が必要なんでしょうけど。

  高級セダン、ラグジュアリークーペ、スーパースポーツ、クルマの金額だけ聞くとビックリしますけど、いざ乗ってみると興奮は次第に冷めていって、クルマ自体はどれもこれもなんだか退屈・・・。こんなクルマに1000万円以上も費やす人々は、さすがにだいぶ減ってきたようですけど。クルマはとりあえず目的に合わせて選んでおけばいいのでは・・・。1000万円以上するクルマを購入するくらいなら、用途の異なる気に入った2台を所有したほうがきっと楽しいはず。

  最近、ちょっとした朗報があって、クルマをつまらなくしている「元凶」だったのではないかと思っていた世界最大手のサプライヤー・ボッシュが、VWとの仕事に置いて取り返しのつかない大失態を組織ぐるみでやっていたことが明らかになりました。このサプライヤーが傘下に世界中の部品メーカーを収めて、巨大なサプライヤー・コンツェルンを形成し始めた当初から、ドイツ車を中心のクルマのレベルがどんどん下がっていたので、これは怪しいなと感じていたのですが、やはり不正にまで手を染めてしまいました。

  サプライヤーに限った話ではもちろんないですが、企業グループがコンツェルン化することの弊害は歴史が証明してきましたし、大手商社が製造業の再編などに手を染めたところでろくな結果が出ないことは多いです。大きなシェアを獲得して独占状態になった瞬間に、利益率を高める経営原理が働きその部品の精度は著しく落ちます。まあライバルがいない売り手市場ですし、これ以上高い研究費を払ってまで高機能なパーツを作る必要もなく、ライバルが出現したら営業力とダンピングを駆使して潰せばいい話。たとえばコンツェルンではありませんが、日本のタカタはエアバックの部品で独占的な地位にあったサプライヤーで、外部が勝手なことを言うのもなんですが起こるべくして「事」が起こっています。

  ボッシュ・グループとその大口の取引先になるドイツメーカーの製品だけの問題ではなく、同じような状況下に置かれているのがボッシュと対峙する関係になっている、トヨタグループ系列部品メーカーのデンソーやアイシン精機で、これらはすでに単体でマツダやスバル、パナソニックやソニーをも上回る3兆円規模の売り上げ規模を誇っています。それら巨大化したサプライヤーが生み出す部品で組み上げられるトヨタ車は一体どうなんだ?と言われたら、たしかに「コンツェルン車」らしい要素が満載な感は否めません。どの車種でも選択の幅がほとんどなくCVTばかりが無条件で押し付けられるミッションなど、不満な要素はいろいろあります。

  ちょっと前まではトヨタのラインナップは国内専売モデルばかりだったので、日本メーカーの伝統である「車種ごとの作り込み」の精度は非常に高く、いろいろとその市場の顧客ニーズに合わせた仕様が存在したのですが、最近ではアジア市場との併売モデルがやたらと増えてきて、やれターボだとか、AWDは省略だとかいった「作り手市場」の新型車が多いです。全国ネットのCMで堂々と宣伝されていても雪国の人の利便性が考慮されておらずに現実味がない新型モデル(それでも売れる!)への不満もあちこちで聞かれます。

  それでも国内最大手のトヨタですから、伝統の「カローラ」シリーズにはAWDもあればMTもしっかりとあります!・・・あれAWD&MTは無いのか!どうやら資本関係にあるスバルのインプレッサに用意がある「雪国スペシャル」のAWD&MTと市場を分け合うというグループ内の取り決めがあるようです。スバルとの協業が進められるようになった途端に、カローラの国内モデルはインプレッサと同等の車格からダウンサイジングされたことを考えると、現行のカローラが日本市場向け戦略車として重要なポジションにいることが分ります。

  現行カローラはトヨタのCセグ向けプラットフォームから、ヴィッツと共通のシャシーに変更されたため、発売当初はかなり批判的な意見が多かったのも事実です。これまでの熟成が進んでいて、いかにもトヨタらしい快適な乗り味がかなり薄れ、レンタカーのヴィッツのようなガサガサした乗り味になってしまい、それに失望したカローラファンもかなりいたのではないでしょうか。けれどもその辛辣な評価の裏にはカローラという重すぎる車名を引き継いでしまったことによる不幸も多分にあったと思います。

  トヨタの狙いはBセグでのグローバル制覇を狙うホンダ・フィットの快進撃を日本市場で潰すために、ヴィッツ、アクア以外にも多くの「選択肢」を投入することで「フィット包囲網」を張る作戦?だと思われます。ホンダ勢も効果的にフィット派生モデルを増やしていて、ヴェゼル、グレイス、シャトル、CR-Zという鉄壁の布陣はトヨタのヴィッツ派生車よりもそれぞれのキャラが立っていてトヨタに立ち向かうホンダの気迫を存分に感じられます。トヨタ陣営は、信頼性の高さとHVユニットの効率の良さと何より営業力で主導権を握っていますが、こだわって指名買いをするとなるとヴィッツやカローラにしてみようという要素が少ないのですが、ヴィッツ、アクシオ、フィールダーに何気なく設定されている5MTは、希少となっているマニュアルがリーズナブルな価格で選べるという長所もあります。

  アクシオの5MTの場合、車重は1050kgだそうで、109psの1.5Lの自然吸気(レギュラ対応)で引っ張ることを考えると、VWのゴルフやポロの売れ線グレードなどよりもよっぽど軽快に走れます。10月22日に全国のマツダで発売開始になるデミオの競技用車両「15MB」が車重1000kgで116ps自然吸気(ハイオク指定)なので、アクシオ5MTのポテンシャルの高さはなかなかのものがあります。本体価格はデミオ15MBもアクシオ5MTどちらも150万円程度なので、クルマ好きの若者に向けたスイフトスポーツ(136ps)が170万円、フィットRS(132ps)が190万円もいいですが、よりコスパに優れた選択肢になりそうです。

  ガサガサの乗り味・・・は運転の楽しさの代償と考えましょう。もちろんMT車ですから長距離に使うクルマではないですし、高速道路を巡航をしない!と割り切ってしまえば、Bセグでもそれほど安全面を気にすることもないです。5ナンバーで1500mmを越える車高となると、横風の影響は無視できなくなりますし、1.5L前後のエンジンで高速巡航すると高回転になって風切り音と相まって騒々しいですし、長く運転していると耳がおかしくなります。高回転域を使って巡航するエンジンにもかなりの負荷がかかりますから、高速道路を走るなら3ナンバーの中型車でターボの有無に関わらず1.8L以上を選んでおきたいです。

  都心に住んでいると箱根や碓氷峠に繰り出すにも高速を使わなきゃいけないので、なかなか選べないとは思いますが、クルマで20~30分走れば信号がほとんどなくなるドライブロードに到達できる辺りの郊外地区ならば、買い物もドライブ趣味もアクシオ5MTで楽しめます。トヨタ純正オプションともいえる、TRDのフロントスポイラー(塗装済み43000円)を装着すれば、アクシオでも立派なこだわりのクルマに見えますし、休日の量販店の屋上駐車場に颯爽と現れれば、レヴォーグやらエクスワイアやらCX5やらで賑わう中でもしっかりと存在感が示せます。趣味全開のエクステリアにカスタマイズしたアクシオをゴルフの隣りに停めて「日本人ならカローラだろ・・・」と心の中で呟いてみたいですね。

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