2016年2月19日金曜日

ヴェゼル・RS 「近頃はやりの『全方向』型?」

  「NEW ヴェゼル COMING SOON  走りを磨いたRS、まもなく誕生。」

  2013年のデビュー直後から空前絶後の大ヒット!!! しかもハリアー、エクストレイル、CX5、ハスラーなど力作がずらりと顔を揃えてボルテージ最高潮だった国内SUV市場を楽々制覇したわけですから素晴らしいです。いよいよホンダの「顔」的存在に登り詰めたヴェゼルに今度は「本気グレード」が登場するようです。

  発売から丸々2年が経過し、デビュー直後に買ったユーザーがそろそろ車検前の乗り換えを考える頃ですね・・・とまあこのタイミングよく有りがちな新グレード追加、もしくは限定モデル発売ならばどのメーカーでもやることですけど、これほどのセンセーションを巻き起こしたあとということで、新興車種であるヴェゼルは「ブランド確立」に向けて真価が問われますね。この先どれだけの人を巻き込んでいけるのか!?(別にヴェゼルユーザーはミーハーだ!なんて言ってないですよ!) ホンダのとっては「S660」や「typeR」よりも圧倒的に重要な「勝負の時」が訪れているはずです。

  ヴェゼルがこれからの1年(2016年)で、国内市場でどう推移するか・・・といっても3年前はほぼゼロだったですし、発売直後に比べれば中古車も多く出回るようになるので、ひたすらに右肩下がりになるのは避けられないはずですが・・・。そんな中でヴェゼルがせっかく奪ったシェアを、今後は相当に喰い散らかすのではないか?と思われる新型モデルがホンダの「仇敵」のトヨタから発売されました。もちろん「あの」リッター40km走ってしまうクルマです。先代から30万円ほど!決して小さくない値上げを堂々と行って、本体250万円〜に設定するなど、ヴェゼルHVに完全に照準を合わせてきました。

  思い返せば2013年の東京モーターショーのホンダブーズは・・・「S660のプロトモデル」の前には圧倒的な「人の壁」。一方で「NSX」は割と見やすかったのを覚えています。その2台と同じタイミングだったとはいえ、ヴェゼル・プロトは全く存在感がなく、本当にまったく印象にないです。・・・しかしそのクルマがあれよあれよという間に、日本COTYを獲ったCX-5を軽く追い越して、RJCを獲ったハスラー(100万円台)よりも販売台数で上回るとは誰も予想しなかったと思います。同時期に発売されたトヨタ・ハリアーも稀に見る力作と言われましたが、HVモデルが輸入車とガチで競合する300万円台に設定されたのがやや仇となったようです。

  フィット(130万円〜)をベースにしたヴェゼル(HV)が250万円〜で、RAV4(230万円〜)をベースにしたハリアー(HV)が370万円〜。ヴェゼルとハリアーの内装を比べれば、価格が表すように決して少なくない差(ハリアーが上)が存在しましたが、HVは全てAWDとしたトヨタの設定にややミスがあったのかもしれません。多くの日本のユーザーにとってAWDなんてどうでもいい機能だと思います(30~50万円高は納得できない!)。どうせ「なんちゃってSUV(モノコック構造)」でしょ!本格クロカンを気取るつもりはない!ってのが本音で、そこをしっかり理解していた(?)ホンダはHVをFWDにして、価格を抑える方向に持って行った!・・・ホンダの読み勝ち!

  先代までのハリアーはミドルセダンのカムリベースの高品質が好評でしたが、現行はRAV4のボディを300mmほど伸ばして使って全長4720mm(平均よりデカい!)として使っています。「大きいクルマ」「威勢がいいクルマ」を好む層へのアピールなんでしょうけども、価格設定からして完全にそっち系の「アルファード/ヴェルファイア」に準じたものになっています。しかしなぜかそっち系の人々が買わない!乗っているのは年配が多い!?すっかりハリアーの悪口になってしまいましたが・・・何だかんだで、ホンダに足元を掬われるポイントはあったと思います。

  まあいつの時代のホンダが成功すると、トヨタが相当に本気になるようです。「ハリアーのリベンジ」というわけではないでしょうが、当初は2014年中には出ると言われていた新型プリウスの情報が、発売直前の2015年12月になるまで、限られた情報(「40km/L超え」)以外は全く出てこなかったですね。おそらくトヨタはヴェゼルの大成功を見てプリウスの販売戦略を練り直したのではないかと・・・、ハッチバックとSUVで別のクラスながらも、ヴェゼルからユーザーを奪えるモデルに仕上げるために、新型プリウス「やり直し」をしたのではないかと思われます(トヨタはヴェゼルユーザーはミーハーだと見てる!?)。

  新型プリウスは確かにヴェゼルとは攻めるアプローチがいくらか違うのですが、「総合力」で満足させるという意味で、「高い」と言われつつも売れたヴェゼルを上回る水準まで商品力を磨いてきました。プラットフォームから変更なので「磨く」ではなくて「再構築」なんでしょうけど、見事に300~400万円で十分に結果を出せるパッケージになっていると思います。

  ヴェゼルに初めて乗ったときの印象は、適度にタイトなコクピット(運転席)が非常に居心地が良くて、ずっと座っていてもいいな!と思わせる質感が素晴らしかったです。コンパクトカーの運転席ってあまりしっくりこないことが多いですけど、そこの部分がよく集中して作り込まれています。それに対して新型プリウスのここの部分で大きなレベルアップを遂げました。「喧噪の街がウインドーにサイレント映画のように映る」・・・そういったレベルに到達したような静かな車内は満足感高いです。わざわざレクサスISとか買わなくていい!

  ヴェゼルHVはスポーツモードにすると、1.5Lのエンジンが賑やかになるなど、まだまだクルマとしての完成度には追求の余地がありました。やっぱり1.5Lでは使い方が限られてしまうのは仕方ないです。BMWやアウディでもこのクラスの排気量だと、高速巡航では相当に苦しいですから、割り切ってこれらのモデルを割安で互換するという意味でヴェゼルが売れたのかな?という気がします。ただしBMWやゴルフの設計を使うA3ですから、フットワークに関する評価(安心感・フィール・段差など)では、SUVのヴェゼルではちょっと差をつけられていたのも事実です。ホンダにそんな声がどれだけ寄せられたかわかりませんが、今回の「RS」というグレードは足回りを中心に改良して、さらに「互換機」としての性能を高めたモデルなんだと思います。

  なんとなく「ドイツ車」に乗っていたい・・・クルマにあまり興味がない人ほど、漠然とそんなことを思うようです。ブランド品を身につけたいという感覚と同じです。「コクピットに座って気分が良い」「デザインを大切にしている」「長時間気持ちよく走れる」といったドイツ車を彷彿させる要素を真剣に取り入れて、納得できる「互換機」を作れば日本市場での成長も可能!これを見事に示した好例が、ヴェゼル、レヴォーグ、アテンザ、スカイラインといった近年のヒット車ですね・・・。

  確かに口に出して「ドイツ車に乗りたい!」と言うのは、かなりカッコ悪いですけど、ユーザーの潜在意識(サブリミナル)に働きかけるようなクルマ作りが、これからの中型車市場で日本車が生き残る術だと思います。・・・「ヴェゼルRS」・・・ホンダもなかなかやるな〜! 

  くどいですけど・・・「BMW・X1」はコスパを考えれば、完全に「見送り」のクルマです(値引きスゴいみたいですけど)。けれども300万円以下で手軽に買えるならば「ちょうどいい」感じです。そこにハマったのが「ヴェゼル」。
「BMW・5シリーズ」は乗り出しで600~700万円くらい、まともな金銭感覚では手が出ません。そもそもカンパニーカー(エクゼクティブに支給)ですから「法人向け」の割高な価格設定です(ぼったくり!とは言いませんけど)。それが400万円以下で乗れるならば「ちょうどいい」けどなぁ・・・そこで「アテンザ」ですね。
「BMW・4シリーズ」も乗り出しで500~600万円します!これが350万円くらいならば買ってもいいかな・・・「86/BRZ」?

こんな「ハイエナ市場」ではとても輸入車ブランドは生きていけない(5年以内に全滅?)でしょうから、余裕のある人は輸入車買ってあげましょう!


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↓完全に風向き変わったようで、輸入車ブランドに風当たりが強い特集です。
こんなことやってると第2第3のフォードが出てくるのが心配です。

  

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