2016年12月6日火曜日

インプレッサ VS アクセラ のハンドリング論争勃発。

  某有名ライターのマツダアクセラのレビューでの話。2016年の年次改良によってGベクタリング・コントロールが搭載され、エンジンのバリエーションが変わるなど大きく様変わりしたアクセラですが、どうも担当しているライターの心象はそこまで晴れない様子。メーカーの最近のニュースなどを当たり障りなく差し込んで核心に触れないままにお茶を濁した文章が続きます。なんか「らしく」ないなー。何か奥歯に詰まったような感情が伝わってこない文面。好き勝手にブログを書くのとは全然次元が違う仕事なのはなんとなく想像できますけどね。見開き2ページの隅っこに「ホンネ」がちょっと載ってます。そのまま引用すると「ライバルはインプレッサ。ハンドリングは良い勝負で、ややインプレッサが優勢か。」・・・ふーん。

  別の有名雑誌でもアクセラと新型インプレッサの比較記事があり、どうやらそちらの判定もハンドリングに関してはインプレッサに軍配が上がるようです。ただしこのレビューに使われているアクセラは2.2Lディーゼルターボを積むタイプなので、鼻先のヘビー感はかなりのハンデだとは思います。インプレッサは新型になってやはり評価が高いですね。ハンドリングの良し悪しは街中の試乗ではなかなか分らない部分もあるので、インプレッサを購入しようとしている人にとっては興味津々なところだと思いますが、アクセラを越えた!!という評価ならばハンドリングで不満はないだろうな〜・・・と思っていたら、「あの人」がインプレッサのハンドリングを敢然と批判し始めましたよ!!動画があるのでぜひご覧ください。

  動画・インプレッサ、アクセラ&ボルボV40比較

  日本の自動車産業において、もはや誰も追い越すことはできない!?くらいの実績を持っている人だけあって言う事の重みが違いますね。自信満々に言い切りますから、とても説得力があるように聞こえます。この方に言わせればハンドリングはアクセラの方がずっと良いようですね。しかしアクセラも異様に長いボンネットがかなりお気に召さない様子です。「デザイン優先の考えが間違っている」みたいなことを仰りますが、これはマツダの開発者なら即座に反論するでしょう。どうやらアクセラのボンネット長は、マツダが取り組んだ内燃機関の進化の要所ともいえる「4-2-1排気」の設計から来ているとのこと。BMWのボンネット長に関しては苦言の一つも言わないのに、この立ち振る舞いはちょっと看過できないかも。

  この方は呼ばれた講演会ではしばしば日本メーカー全般の仕事ぶりをバカにして、自分の業績を浮き立たせるみたいですが、どうやらそのテンションのままにアクセラの設計をバッサリと斬ってしまったようです。1.5Lディーゼルターボに関しては大絶賛してましたけども・・・。この方は他のマツダ車に対しても、あーだこーだとイチャモンを付けておられます。CX3とロードスター1.5Lに関しても素人にはほとんど意味不明な難癖を付けていて、クルマは素晴らしいけど、マツダの仕事ぶりは三流だと・・・そんなことってあるかー?

  もうご自身の言葉の重荷に押しつぶされてますね。この方は講演会では「人々が興味を失っているのは500万円以下の日本車だけ!!」などと堂々と発言されます。つまり500万円以上のカタログモデルが無いスバル、マツダ、スズキのクルマは全てクソ!!って公言している相当にエグいオッサンです。決して100%間違いとは思いませけども、日本車だけでなくメルセデスもBMWもラインナップの大部分のクルマに関してはみなさまとっくに興味なくなっていると思いますけどね〜。50万円でも売れない2007年製E90を見ても同じことを言いますかね? 日本メーカーほど念入りに各部を仕上げる仕事をする連中もいないと思うんですよ。それなのに縦置きミッション一つまともに自製で作れないBMWをベタ褒めされてもみんなシラケちゃいますって・・・。

  さてカーメディアは一斉にインプレッサの躍進を報じてますが、いまのところ水野和敏さんだけはアクセラ支持のようですね。まあ新型シャシー1年生のインプレッサと、Gベクタリング・コントロール1年生のアクセラですから、勝負はこれからだとは思うんですけど、双方の熟成を2~3年も待っている内に、プリウスが全てをさらっていってしまうかも。インプレッサもアクセラも国内から撤退!!なんて事態も絶対無いとは言い切れないです。気がついたらスバルもマツダもトヨタの海外部門になっていたりして・・・。

  誤解を恐れずに言ってしまうと、スバルもマツダも「日本市場はあまり重要ではない・・・」といった不遜な態度が隠しきれていないと思います。バブルを過ぎてから長らく低迷した両社ですが、海外市場の成長に乗っかる戦略で立て直しを図り、海外で成功したクルマをドヤ顔で日本に出して来る、とっても「関わりづらいメーカー」になってしまいました・・・もはや価格もVWやBMWとそれほど変わらないくらいですし。この様子だと1980年にマツダが出した5代目ファミリア(2年ちょっとで100万台を販売!!)や、1989年にスバルが出した初代レガシィツーリングワゴンのような、日本市場を根底から揺さぶるだけの影響力のあるクルマはもう出てこないかな・・・。

  現行アクセラを5代目ファミリアの生まれ変わりだと熱弁した福野礼一郎さんの想いも虚しく存在感は希薄なまま・・・。初代レガシィツーリングワゴンの強烈なインパクトの再現を狙ったレヴォーグも、上級グレードの限定モデルがチョロチョロ発売されるだけで、スバルが日本での主導権を主張するようなことは今のところは感じられません。日本国内でCセグ人気を二分するアクセラとインプレッサと捲し立てられたって、どっちも地味だしこだわりを感じる点も少ないし、何にもないからとりあえず「ハンドリング対決」で盛り上げよう!!ってカーメディアに気を使わせる始末。ガチでハンドリング対決したいならNDロードスターとBRZでいいじゃん!!

  日本に限らず全世界のメーカーもユーザーもCセグの未来なんてあまり見えてないと思います(もちろん私にもわかりません)。なんとなく欧州の人々が愛用するサイズのオールマイティな中型車で、アメリカでも「スモールカー」としてブランドの最廉価モデルに設定されることが多くなってます。Cセグを堅実な経済感覚で乗っている欧州と米国のユーザーに対して、「ハンドリング対決」などとクオリティを重視して買う日本のユーザーの間にはとてつもなく広いギャップがあるように思います。そこそこ値打ちをつけて売ろうとするメーカーと首を傾げるユーザーのギクシャクした関係・・・これでは5代目ファミリアや初代レガシィTWのようには行かないのも無理ないなーと思う次第です。


  

  

  

  

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