ミニバン廃止!!!考えようによっては「日本市場切り捨て」と受け止められる決断をしたマツダです。大丈夫かな? 最近のスクープによると後継ピープルムーバーとして3列SUVを国内市場にエントリーする見込みだそうです。北米にはすでに3列のCX9が配備されていますが、日本向けには新たに1800mm程度の幅に抑えたCX6になるんだとか・・・。BMWと同じ設定で偶数番号のSUVはクーペ調になるならば、SUVとトヨタ・エスティマの中間ぐらいの魂動デザインがちょいと頭に浮かびます。まあマツダなら上手くやるでしょうが・・・。
メチャクチャ失礼なこと言いますけど、才能の無いデザイナーのやっつけ仕事で次々出てくる「クーペ調SUV」のデザインはとんでもなくドイヒーですね。メーカーの上層部は早く作れ!って圧力をかけるんでしょうけど、未だかつて成功と呼べるデザインが「ほとんど」出てきていないジャンルですから、請け負うデザイナーも混迷を極めているんじゃないでしょうか?
このジャンルで結果を出したのは知る限りではほんの2例だけです。現在はマクラーレンのチーフデザイナーを勤めるロバート=メルビルがジャガーランドローバー時代に手がけた「レンジローバー・イヴォーグ」と、中村史郎監修の日産でとんでもないアヴァンギャルドに突き抜けた・・・「ジューク」(欧州車を根底から変えた名車として記憶される?)。正統派で見事なまでに結果を出したイヴォーグの真似をしようとしたのか、ドイツの名門2ブランドのデザイン力の無さにはホトホトあきれましたよ。もっとマトモかと思ってましたが・・・。
マツダのCX4は日本未導入が悔しいですが、中国向けとはいえこのクルマがクーペ調SUVの3例目の成功になるんじゃないでしょうか?他のモデルもですが、2016年の世界カーオブザイヤー・デザイン賞のノミネートを完全に独占したジャガー・ランドローバーとマツダのデザイン力は現状では群を抜いているように思います。デザイナーの実力も当然にあるでしょうが、これはやはりGOサインを出す上層部の人々にどれだけセンスがあるか?という部分も非常に大きい気がします。
マツダもジャガー=ランドローバーも(ボルボもアストンマーティンも)生粋のクルマ好きばかりが経営陣に連なることで有名なフォード陣営に割と最近まで属していたことが、最近の成功にとって大きいのかもしれません。マツダにRX8を作らせたり、「ZOOM-ZOOM」のコンセプトと世界的大ヒットの初代アテンザを送り出した、親日家でスポーツカー大好きロータリー大好きのマーク=フィールズが、いよいよフォードのCEOにまで登り詰めたことで新たなる展開を期待したのですが、まさかの日本市場からの撤退・・・。
さて「プレミアム」に一歩一歩近づいている意図は伝わってくるマツダですが・・・日本市場ではどんどん期待感が↘になっているように思います(数年前が高過ぎた)。まだ期待している人います? SUVに関してはマツダは後発の部類に入りますけど、CX5が日本で、CX3がイギリスで売れてブランドの重心が変わってきてしまいました。マツダのSUVが短期間でここまで目立ってくると、どうしても晴れやかで目新しいSUVモデルに対して既存のデミオやアクセラは「魂動」デザインをまとっていても、なんだか物足りなく感じてしまいます。
アウディA1を彷彿させるような作り込みのデミオは果たして狙い通りのユーザーに届いているのでしょうか(そもそもアウディA1が定番モデルとしての地位を確立できてないですけど)。新型デミオはどうも街中で見ているととても地味な使われ方してます。そしてやたらと彩度が高いピンクやブルーをチョイスして、デミオにドヤ顔で乗っているオッサンのセンスはちょっと理解不能です(人のセンスをどーこー言うものじゃないですが)。マツダはおそらく当初は全く違うユーザー像のイメージで、デミオを売り出していくつもりだったと思うのですが、現実に高齢者がピンクやブルーのデミオを街中で乗り回すようになってしまいました。果たしてこの事態は想定されていたのでしょうか?この状況がブランドイメージにどんな悪影響があるのか?そこまでしっかりと考えていたのか・・・これじゃ若者はなかなか関心を持ってくれないですよ。
デミオの伸び悩みの原因は間違いなく「カラー・ヴァリエーション」です。近年稀に見るマツダの失態だと断言します!!やや高過ぎると言われる価格なんてクルマさえまとまっていれば二の次です。もちろんマツダの藤原本部長が恨めしく語っていた「先代デミオ=98万円」という世間イメージがかなりの足枷にはなっていますが・・・。経営陣はそのことが分っているなら、もっと建設的で前向きな、かつ綿密な販売計画を策定しても良かったのでは?
もっと「アースカラー」中心の展開にしてさえいれば結果は変わったのでは?・・・例えばMINIの伝統カラーになっている「ブリティシュレーシンググリーン」みたいな色があればだいぶ違った気がします(パッソを見る限りあまり自信ないですが)。そんなのはマツダではない!!ストリートで圧倒的な存在感を発揮してこそマツダ!!!というコンセプトなんでしょうね。「塗り」に自信があるから彩度が自然に上がっちゃうんですね・・・。
デミオ・ユーザーは地味。しかしこれ以上に計算外だったのがアクセラ・ユーザーの地味さ・・・。ライトなユーザーが食い付くモデルというとマツダらしいですけど、デミオもアクセラもキレイに作ってそれで満足しちゃったところに、作り手の想像力の欠如が出てしまったか?トヨタ・ヴォクシーのようなアグレッシブさ!というと語弊があるかもしれないですけど、もうちょっとあえての「隙」のあるデザインだったらいろいろ「味」があるな〜・・・とアクセラもデミオを見る度に思うのですが。
それに対してマツダのSUVは、クロスオーバーのアグレッシブさとマツダデザインの過敏な上品さがとても良い塩梅に「クロスオーバー」してるんですよねー・・・。デミオやアクセラよりも目立ってる!!というよりもマツダでのカーライフをリアルに想像すると、自然にSUVのモデルが選ばれちゃいます。より単価の高い方が売れて短期的には結果オーライなんだろうけど、デミオとアクセラのステータスは世間でもて囃されるよりずっと下になってしまいました・・・。
マツダも相当に意識しているであろうメルセデスが、この件に関してはいくらか参考になるのかも? 小型車の販売を延ばしてここ数年でそれなりの足場を築いたのはメルセデスだけです。基本となるハッチバックのAクラスからSUV(GLA)と4ドアクーペ(CLA)を派生させてます。マツダと違ってSUVが下手くそで全く存在感出せてないので全然人気ないですけど、4ドアクーペのCLAはAクラスよりもハッキリと日本市場では売れているのだとか・・・。
メルセデスをお手本にして、アクセラから全高を下げた4ドアクーペを作る、あるいはアクセラ自体をFMCでその方向へ転向させる・・・これが離れたファンを戻す最良の手段? あるいはSUVで結果を出して満足の日産やホンダに倣って、いまさら4ドアクーペ路線には乗っても無理だから諦めるべきなのか。はたまたBMWをお手本にして、SUV(X1)とクーペ(2erクーペ)を両方ともに成功させるか?マツダのこれまでの歩みや狙っているコンセプトを考えれば、おのずと決まってくると思うのですけどね。
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↓マツダ車はマイナーチェンジでも発売されるようになってますね!!!
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