2017年3月12日日曜日

ヴィッツGRMN と シビックtypeR

  やっぱり日本メーカーはどっか間違っているのかな〜・・・。「Top Gear JAPAN」第6号の「スポーツ・ウィーク」という「走って楽しいクルマ決定戦」特集に集結した18台の中で日本で生産されるモデルのエントリーは・・・なんとわずかに1台(しかもアバルト124)。2000年頃の「Car」誌の似たような企画には「エボⅥ」「インプWRX」「R34スカG」「セリカ」「インテグラtypeR」「S2000」「MR-S」と7台が選ばれていたのに、日本のスポーツモデルはなんたる没落ぶりなんでしょうか!! 嘆かわしい限りです・・・。

  「そんなの選ぶ側のさじ加減だろ!!」って言われたらそうなんですけども、2000年頃のスポーツモデルは日本車抜きには語れなかったんですけどね〜・・・。当時は1500万円の911ターボ(996)に250万円のインテグラtypeRが、ファイナルラウンドでも肉薄したのですが、今回は911Rと雌雄を決するべく挑んだホンダNSX(アメリカ生産)は、ファイナリストにすらなれず・・・。ホンダが意気揚々と作った中国やアラブのお金持ち向け市場に参入するマシンでしたが、ポルシェの公道最強マシンの前に完敗との評価です・・・。もちろんTop Gearの判断が全てではないですけども、第三者に評価されてこその「商品性」でもあるので、世界に向けて大恥をかく格好になりました(F1でもやらかしてますが・・・)。

  シビックtypeRの日本導入予定モデルがジュネーブMSで公開される!!との報道があったと思ったら、今度はトヨタからヴィッツGRMNも公開されるとのこと。トヨタとホンダのどっちがどっちを意識しているのかわかりませんけども、前哨戦が早くも始まったようです。シビックとヴィッツではクラスが違いますし、スペックでも300ps級と200ps級で別格なので100万円程度の価格差は当然に出てくるはずです。ただしどちらもFF車であることは共通で、これが両者の運命を決するんじゃないか!?という気がしないでもないです。人によって考え方は違うとは思いますが、「MTで走る分にはFF車に300psも要らない」というシビックtypeRの商品性にちょっと疑念があるって人も多いんじゃないですかね。

  「ターボのtypeRなんて認めねー」という人もまだまだいるかも。ポルシェもフェラーリもアストンマーティンもまあ同じような「変化」の時を迎えてますし、1台売って「いくら」の薄利多売メーカー・ホンダだけがいつまでも「Vテック」ってわけにはいかない。・・・まあみなさんそうやって納得してますけど、2.2L自然吸気で280ps出していたS2000の後期モデルに搭載されたユニットは、もうそのものが圧倒的な商品力を持ってましたけど横置き直4の2Lターボ320psなんてどこにでも溢れてますから・・・。アメリカでは2Lターボ280psがボトムグレードというモデルも多いですし。

  それに対してヴィッツGRMNに使われる1.8Lスーパーチャージャーは、トヨタも株主を務めるロータス(親会社はマレーシアのプロトン)のエリーゼに供給するために、トヨタがヤマハの協力を得て1.8Lを自然吸気(140ps)、自然吸気(190ps)、スーパーチャージャー(220ps)と作りわけていたユニットを流用したものみたいです。このシリーズはトヨタのMR-Sやセリカに加えてカローラフィールダーなどにも設定されましたが、特にヤマハが主導して開発された190psの自然吸気モデルは、「トヨタ版Vテック」などと呼ばれてました。

  ホンダのVテックは、9000rpm以上回るロングストロークエンジンという驚異の技術力で、その名を世界に轟かせてました。BMW、アルファロメオ、アウディがプライドを賭けて「最速ピストン」開発競争に挑みましたが、その中で販売が継続されているのはアウディRS5に使われるV8自然吸気のみで、次期RS5もいよいよターボに変わるのでラインナップから消えることになりそうです。フェラーリやランボルギーニのようなショートストロークエンジンあるいは、ロータリーエンジンならばもっと高回転のものもありけど、やはり直4のロングストロークを世界最速レベルで回すホンダとヤマハのクレイジーさが、日本の自動車産業が放つ眩しい輝きだったんですけどね・・・。

  さてVテックを必死に追いすがった「トヨタ版Vテック」も消滅(?)し、トヨタが10年以上前から展開していた「過給」がトレンドになったようで、ホンダも独自にターボを導入したわけですが、レスポンス重視のヴィッツGRMNに対して、ダイナミック感重視のシビックtypeRなので、完全に方向性が違う設計ではあります。レスポンスもダイナミックも今ひとつな欧州のユルいホットハッチ(特定の車種は挙げないですけど)に違いを見せつけるように、それぞれの分野でTop Gearからも評価されるクルマになってほしいです。

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