2016年12月13日火曜日

ホンダ・日本最強の「突破力」は健在か? シビック日本導入。

  ホンダというメーカーをナメている輩が多いようですね・・・とても嘆かわしいことです。特に自動車ライターのプロを名乗る連中に多いみたいです。K沢氏は「売れないってわかってるのにシビックを持ってくるホンダwww」みたいなこと書いてましたけどさ、この人は未来を透視できる全知全能の神なのかい?(なんでそんな確信めいたこと言える?)最近はト◯タに召し抱えられたようでC-◯Rのプロモーションを率先して行ってますけど、あのクルマこそ商業主義の権化にしか見えない。売れればなんでもいい!!個性の欠片も感じられない残念過ぎるクルマに見えます。

  ト◯タ自らもそれを自覚しているようで、一生懸命に「スポーティ」なパウダーを振り掛けてますけども、わざわざ車高を下げたプ◯ウスを越えるようなスポーティさにはならないはず。およそト◯タの考えてることを想像するとプ◯ウスでは低過ぎるというオッサンからカネをボッタくるために作ったクルマです。「BMWよりスポーティに走る」だって?そもそもBMWの大部分は全くスポーティでは無いですからね・・・。

  しかもプロモーションを依頼した相手がK沢さんですか!!!これはもう完全に仕組まれてますね。K沢氏が出てくるクルマなんて過去を見てもロクなもんじゃないです。コイツのうっとおしいところはレビューを1つ書くたびにどっかのクルマを蔑んで説得力を持たせようとするところ。頭の中には架空のクルマがいくつもストックしてあって、「日本車の上級セダンで後席の真ん中のヘッドレストが無くて、CVTが全く興ざめで、エンジン音がガンガン室内に入ってきて、排気音も不快に響く」みたいな・・・それ何?ってクルマが登場します。今回も「ホンダの首脳陣は能無し」という架空の設定で話が進んでましたよ・・・。

  とはいえK沢氏が言うようにシビックの日本導入はイバラの道なのも事実です。北米仕様の立派なサイズは、もはや5ナンバー時代のシビックとは全く別もの。全長×全幅はほぼメルセデスCクラスやBMW3erと同等です。アコード欲しいけどちょっと大き過ぎるという人に提案するにはピッタリのクルマかもしれません。K沢さんは日産のシルフィみたいな地味な存在になる!と言いたいみたいですけど、BMWに対抗するような1.5L直3ターボや、HVもあるわけですから、日産シルフィとは意気込みが全く違いますし、Cクラスや3erよりも合理的な提案ができるクルマだと思うのですけどね・・・。

  ホンダは戦後に2輪から始まり、日本の護送船団方式の中でも孤高の進化を遂げたメーカーで、それゆえの逆境の連続でもあったようですけど、このメーカーはなぜか絶対に転ばないんですよね。日本国内ではトヨタとのHV開発競争で壊滅的な敗北を喫したイメージが強く、それ以降は国内では「二流」の印象がありますけども、それはホンダの本当の姿とはかけ離れています。

  しばしばスバルやマツダのV字回復が良く語られてますけど、スバルやマツダをも凌ぐブランドイメージを海外で確立しているホンダは、リーマンショックでも赤字にすらなりませんでした。そしてヒュンダイやVWのように中国でのバカ売れによって驚異的なペースで販売台数を伸ばすグループとは全くの別路線で、アメリカ市場で展開する全てのメーカーのお手本のような存在になっています。

  トヨタとの対立がまだまだ尾を引いているようで、国内に優秀なミッションメーカーがあるのに、ホンダはミッションの調達で苦労している印象があります。トヨタ系列のアイシンAWが世界のFF車に供給する高品質のステップAT。余計なお世話かもしれないですが、これ無しにクルマ作りを続けるのはかなりのハンデなんじゃないか?という気がします。ホンダを上回る規模のVWやPSAだってアイシンAWに落ち着きましたし・・・。

  ホンダは2ペダルに関してはDCTとCVTで全量賄う方針のようです。確かにスバルもCVTのみ(BRZを除く)ですけども、高級志向のモデルに関してはステップATが「大正義」となってきている時代の突風にひたすらに耐えてます。B○Wとか乗ってるようなクルマを知らないアホが、「CVTなんて論外」なんてステレオタイプにホザいていても、「ZFミッションの方がカスだろ!!」と逆にディスられることもない、とってもぬるい世論における「大正義」っていうも、なんだかとってもアホくさい話ですけどねー。

  ちょっと極端に今のホンダは是か?非か?について素人がいくら考えても現状では何も分りません。4輪車のホンダはいったいどこを目指しているんだ?ちょっと価格が高過ぎる不人気なクルマはありますけども、基本的なスペックは恐ろしいほどに高い!!ホンダ・クオリティってヤツですね。

  その一方でホンダが本気出せばF1でも勝てるだろう!!という楽観的な見方がここ数年で吹っ飛んだのもまた事実です。最初にF1で活躍したときのインパクトはスゴかった!!まだ小型車専門メーカーと見做されていたホンダだったからこそ、周囲はノーマークだったですけど、いまじゃ世界中がホンダの技術を注視しています。大絶賛されたS2000もいまだに後継車無しで完全にユーザーはおいてけぼり。高級車をシリーズ化して固定ファンを増やすという気もさらさらない。どうも「人生を賭けて」寄りかかるには頼りないブランドだなーってのはあります。

  ホンダには「ブランドを育てる」という意識は無いのか?おそらく無いのだと思います。奇妙なクルマが作られたと思ったらすぐに消えたり、せっかく人気になったシリーズも峠を越えたらあっさりと捨て去る。単純に他のメーカーよりいくらか破天荒なラインナップ展開をしているように見えます。シビックやオデッセイ、アコードをもっと愛される形に「まとめ上げる」こともできそうですけど、ユーザーの想像の範疇に収まっていることを「否」とするのがホンダの社訓なんでしょうね。

  新型NSXに乗って「やっぱりFRが良かった!」と案直な感想を述べる「プロ評論家」。沖縄の米軍施設建設に抵抗する「プロ市民」のように、日本の大手メーカーにことごとく立ちはだかります。FRなら作る意味ないじゃん。SHーAWDというホンダ独自の「プロ技術」を導入しているから2000万円以上の価格に見合うわけで、フェラーリのミッドシップの焼き直しなら、初代NSXくらいの価格が妥当じゃないの?ホンダを俗物として評価している限りは何も見えてこないと思いますよ。

  さて期待と不安が相当に入り交じりつつも多くの人が待望しているシビックがどうやら日本に帰ってくるようです。近年のホンダの日本のラインナップにはなかった「GTカー」要素を持つモデルです。1.5L自然吸気の6600rpmでも1.5Lターボの5500rpmでもメルセデスやBMWには無くなったキレのあるエンジンが搭載されています。北米に上陸したフォード・エコブーストもターボなのに6300rpmがピークとなっていて、今じゃホンダ、フォード、ヒュンダイが争う北米向けターボの方が欧州車よりもずっと気持ちよかったりするんです。

  シビックが導入される!!BMWと乗り比べが行われホンダのターボの優秀性が証明される!!BMWやメルセデスがホンダに負けないいいターボエンジンに取りかかる!!シビックが結果を出したら、同じ北米のターボ陣営として、日本からの撤退を決めているフォードが再び戻ってくるかも!!まあ勝手な妄想に過ぎないですけども、このクルマが日本で成功すれば日本で売られるクルマの質が数段良くなるんじゃないか?と期待してしまうモデルでもあるんですよねー。K沢氏の決めつけなんぞに負けずに思いっきりド派手にシビックを日本で売り出してほしいものです!!


2016年12月6日火曜日

インプレッサ VS アクセラ のハンドリング論争勃発。

  某有名ライターのマツダアクセラのレビューでの話。2016年の年次改良によってGベクタリング・コントロールが搭載され、エンジンのバリエーションが変わるなど大きく様変わりしたアクセラですが、どうも担当しているライターの心象はそこまで晴れない様子。メーカーの最近のニュースなどを当たり障りなく差し込んで核心に触れないままにお茶を濁した文章が続きます。なんか「らしく」ないなー。何か奥歯に詰まったような感情が伝わってこない文面。好き勝手にブログを書くのとは全然次元が違う仕事なのはなんとなく想像できますけどね。見開き2ページの隅っこに「ホンネ」がちょっと載ってます。そのまま引用すると「ライバルはインプレッサ。ハンドリングは良い勝負で、ややインプレッサが優勢か。」・・・ふーん。

  別の有名雑誌でもアクセラと新型インプレッサの比較記事があり、どうやらそちらの判定もハンドリングに関してはインプレッサに軍配が上がるようです。ただしこのレビューに使われているアクセラは2.2Lディーゼルターボを積むタイプなので、鼻先のヘビー感はかなりのハンデだとは思います。インプレッサは新型になってやはり評価が高いですね。ハンドリングの良し悪しは街中の試乗ではなかなか分らない部分もあるので、インプレッサを購入しようとしている人にとっては興味津々なところだと思いますが、アクセラを越えた!!という評価ならばハンドリングで不満はないだろうな〜・・・と思っていたら、「あの人」がインプレッサのハンドリングを敢然と批判し始めましたよ!!動画があるのでぜひご覧ください。

  動画・インプレッサ、アクセラ&ボルボV40比較

  日本の自動車産業において、もはや誰も追い越すことはできない!?くらいの実績を持っている人だけあって言う事の重みが違いますね。自信満々に言い切りますから、とても説得力があるように聞こえます。この方に言わせればハンドリングはアクセラの方がずっと良いようですね。しかしアクセラも異様に長いボンネットがかなりお気に召さない様子です。「デザイン優先の考えが間違っている」みたいなことを仰りますが、これはマツダの開発者なら即座に反論するでしょう。どうやらアクセラのボンネット長は、マツダが取り組んだ内燃機関の進化の要所ともいえる「4-2-1排気」の設計から来ているとのこと。BMWのボンネット長に関しては苦言の一つも言わないのに、この立ち振る舞いはちょっと看過できないかも。

  この方は呼ばれた講演会ではしばしば日本メーカー全般の仕事ぶりをバカにして、自分の業績を浮き立たせるみたいですが、どうやらそのテンションのままにアクセラの設計をバッサリと斬ってしまったようです。1.5Lディーゼルターボに関しては大絶賛してましたけども・・・。この方は他のマツダ車に対しても、あーだこーだとイチャモンを付けておられます。CX3とロードスター1.5Lに関しても素人にはほとんど意味不明な難癖を付けていて、クルマは素晴らしいけど、マツダの仕事ぶりは三流だと・・・そんなことってあるかー?

  もうご自身の言葉の重荷に押しつぶされてますね。この方は講演会では「人々が興味を失っているのは500万円以下の日本車だけ!!」などと堂々と発言されます。つまり500万円以上のカタログモデルが無いスバル、マツダ、スズキのクルマは全てクソ!!って公言している相当にエグいオッサンです。決して100%間違いとは思いませけども、日本車だけでなくメルセデスもBMWもラインナップの大部分のクルマに関してはみなさまとっくに興味なくなっていると思いますけどね〜。50万円でも売れない2007年製E90を見ても同じことを言いますかね? 日本メーカーほど念入りに各部を仕上げる仕事をする連中もいないと思うんですよ。それなのに縦置きミッション一つまともに自製で作れないBMWをベタ褒めされてもみんなシラケちゃいますって・・・。

  さてカーメディアは一斉にインプレッサの躍進を報じてますが、いまのところ水野和敏さんだけはアクセラ支持のようですね。まあ新型シャシー1年生のインプレッサと、Gベクタリング・コントロール1年生のアクセラですから、勝負はこれからだとは思うんですけど、双方の熟成を2~3年も待っている内に、プリウスが全てをさらっていってしまうかも。インプレッサもアクセラも国内から撤退!!なんて事態も絶対無いとは言い切れないです。気がついたらスバルもマツダもトヨタの海外部門になっていたりして・・・。

  誤解を恐れずに言ってしまうと、スバルもマツダも「日本市場はあまり重要ではない・・・」といった不遜な態度が隠しきれていないと思います。バブルを過ぎてから長らく低迷した両社ですが、海外市場の成長に乗っかる戦略で立て直しを図り、海外で成功したクルマをドヤ顔で日本に出して来る、とっても「関わりづらいメーカー」になってしまいました・・・もはや価格もVWやBMWとそれほど変わらないくらいですし。この様子だと1980年にマツダが出した5代目ファミリア(2年ちょっとで100万台を販売!!)や、1989年にスバルが出した初代レガシィツーリングワゴンのような、日本市場を根底から揺さぶるだけの影響力のあるクルマはもう出てこないかな・・・。

  現行アクセラを5代目ファミリアの生まれ変わりだと熱弁した福野礼一郎さんの想いも虚しく存在感は希薄なまま・・・。初代レガシィツーリングワゴンの強烈なインパクトの再現を狙ったレヴォーグも、上級グレードの限定モデルがチョロチョロ発売されるだけで、スバルが日本での主導権を主張するようなことは今のところは感じられません。日本国内でCセグ人気を二分するアクセラとインプレッサと捲し立てられたって、どっちも地味だしこだわりを感じる点も少ないし、何にもないからとりあえず「ハンドリング対決」で盛り上げよう!!ってカーメディアに気を使わせる始末。ガチでハンドリング対決したいならNDロードスターとBRZでいいじゃん!!

  日本に限らず全世界のメーカーもユーザーもCセグの未来なんてあまり見えてないと思います(もちろん私にもわかりません)。なんとなく欧州の人々が愛用するサイズのオールマイティな中型車で、アメリカでも「スモールカー」としてブランドの最廉価モデルに設定されることが多くなってます。Cセグを堅実な経済感覚で乗っている欧州と米国のユーザーに対して、「ハンドリング対決」などとクオリティを重視して買う日本のユーザーの間にはとてつもなく広いギャップがあるように思います。そこそこ値打ちをつけて売ろうとするメーカーと首を傾げるユーザーのギクシャクした関係・・・これでは5代目ファミリアや初代レガシィTWのようには行かないのも無理ないなーと思う次第です。


  

  

  

  

2016年11月28日月曜日

マツダ・ロータリー復活!?虫の知らせが・・・(ガセだったら失礼)

  毎年この時期に発売される「ワールドエンジン・データブック」の2016-2017版が登場しました。おそらく一冊にまとまっている本としては世界の主要メーカーの実力が最もよくわかる素晴らしい刊行物なので、毎年楽しみで欠かさず買ってます。今回は新たに日産の3LのV6ターボ[VR30DETT]や、ポルシェの2.5Lフラット4ターボ[2.5DDN]といった、「ターボ=回らない」という固定概念すら変えてしまうであろう素晴らしい次世代エンジンが新たに掲載されています。さらに嬉しいのはこれまでベールに隠されていたヒュンダイのエンジンが復活して掲載されるようになりました。話題のメルセデス3L直6ターボは詳細スペックが「NO DATE」となっていて、ちょっと残念な部分もありますが、届いたその日から夜更かし気味に読みまくっております。

  さて密かに期待していたマツダの2.5L直4ターボも今回から掲載されるようになりました。詳細スペックを改めて見てみるとなんだか裏切られた気分です。日産やポルシェがベースエンジンで6400~6500rpmというキレキレの出力ピークを設定しているってのに、マツダのターボは「レギュラー対応」ということもあってか、なんとも平凡な5000rpmピークの典型的な欧州的ターボです。こんなエンジンは今ではそこら中に溢れてるし、もう「今更な感じ」しかしなくて反吐が出そうです・・・。あんまり言いたくはないですけど、これではクルマ音痴が大好物な、超絶つまんねードイツ車に載ってるエンジンと同等じゃんか・・・。マツダはやっぱりバカなのか!?レクサス&トヨタの2L直4ターボですら5800rpmまで頑張ってんのに・・・。

  レギュラー対応したからには、日本で発売することも視野に入っているんでしょうけど、SUV専用エンジンなのかわかりませんが、あんまりにも酷いスペックなので特に走らせたいとか思わないです。スペック的には悪名高かったBMWの「N20」みたいなヤツです・・・いらね。BMWも今年からエンジンをモジュラー化したB48に置き換え始めていて、一応5200rpmまで上げているんですけどね。それでもBMW&MINIが2L直4ターボの底辺という認識はまったく変わらないですけども。まさかマツダがそれ以下のガソリンターボを作ってくるとは・・・2.5Lだから回転は不利だって?そんなの言い訳だ!! BMWに対して「燃費勝負」でも仕掛けるつもりか!?BMWとマツダの「燃費対決」なんて誰も見たくねーって!!

  プレミアムモデル用の「クソ」2L直4ターボ・ランキング!!!(回らないエンジン)
1位BMW・N20(5000rpm)
2位BMW・B48(5200rpm)
3位VW・TFSI、メルセデスM274、GMエコテック、フォードエコブースト、ジャガー・インジウム、ルノーF4Pt(5500rpm)
7位スバルFA20DIT(5600rpm)
8位ボルボT5(5700rpm)
9位トヨタ8AR-FTS(5800rpm)
10位ヒュンダイ・シータ(6000rpm)
11位スバルEJ20DIT(6400rpm)
12位ポルシェ2.0DDP(6500rpm)、ホンダK20C(6500rpm)

  いざ表にしてみると、9位トヨタや10位ヒュンダイは、米国で着実に地盤を築くだけあってバランス感覚に優れたエンジン開発をしてますねー。11位はWRX-STI、12位は718ボクスター/ケイマンとシビックtypeRなので、ベース車用ではヒュンダイがベスト・エンジンの可能性もあります(このエンジンが実は直噴ターボのオリジナルでヒュンダイというよりは三菱のエンジンですが)。排気量こそ違いますが、マツダの直4ターボ(2.5L)はレギュラー対応で5000rpm。日産の新型V6ターボ(3L)は6400rpm。それぞれメーカーの思惑を感じるスペックです。前者は経済性とトルク重視で大型SUV用エンジンに、後者は次世代のGTサルーン&クーペ向けでドライブフィールをかなり重視しています。

  日産はさらに来年以降に2L直4ターボの新型エンジンもすでに完成しているようで、「可変圧縮比」という乗り味が想像もつかない新機構が盛り込まれているようです。もしかしたらランキングの1位から12位までの領域を数値上ではカバーしてしまうターボエンジンになるのでは?という気もします。BMWを見ても新旧の交代で若干は高回転の方向にシフトしているので、これら上級モデル用エンジンに関しては、行き過ぎたダウンサイジングから再び走りを楽しくするフィールを取り戻そうとしているのかもしれません。ちなみにターボ化が話題になったフェラーリでは3.9LのV8ターボで8000rpmと貫禄の数字を出しています。さすが3000万円するクルマは違いますね・・・。

  さてマツダはなんでBMWばりのへっぽこエンジンを作ったのか? プレミアムブランド向けターボエンジンにおける「エコ番長」を、あのBMWとマツダが争っていますよ・・・。2012年くらいまで遡るとE90系M3の「BMW・S65B40(8300rpm)」とRX-8の「マツダ13B-RENESIS(8500rpm)」がポルシェのフラット6(シリーズ最高で7200rpm)を越える次元で頭角を顕していたんですけどねー。気がつけばトヨタやヒュンダイよりもつまんないエンジン作ってます。どちらもSUVで稼ぐようになってからちょっと変調気味です。

  このままマツダとBMWのスポーティカーに対する情熱の炎は消えてしまうのか?・・・もしそうだとしたらカスです。過去の栄光にすがりついてエコなクルマを「スポーティ」と称して販売するバッタものブランドです!! ただし・・・まだモデル廃止から4年程度ですから、これは充電期間と見做すべきじゃないかと。スポーツカーなんか売れる時代じゃねー!とか言われてましたけど、いやいやそんなこと無いみたいです。自動運転が始まろうとしている時だからこそ、徹底的に運転が楽しいクルマが売れるようになるんじゃないの?いやもうすでにスポーツカーへの注目は最高潮に高まっているような・・・。アストンマーティンDB11もブガティ・シロンも売れるよ!!きっと!!

  マツダもBMWも専用設計の新型スポーツカーの開発がすすんでいて、すでに市販一歩手前まできていることが公然の事実となっています。もうこれは「やる!!」しかないでしょ。実用モデルはどちらも「わざとらしい」までに低調なエンジンになってますが、それもすべてこれから登場するキッレキレなハイチューン・ユニットがそれぞれRX-9とZ5の最上級モデルには用意されるからなのでは(と思いたい)!? せっかくの専用スポーツカーですから、軽くフェラーリ越えの高回転エンジンを用意しているはず!!BMWはトヨタと共同とはいえ、せっかくのスポーツカー専用シャシーなのに、Z4と同じの相変わらずの5000rpmエンジンだったら、間違いなく失敗しますよ(Z4で懲りただろ)。

  8000rpmオーバーで勝負するなら、もうマツダはロータリーしか手段は無いっすかね。レシプロは直4に一本化しているので、改良の余地は限られてるし・・・。そしてBMWは再びショートストロークのV8自然吸気へと回帰する? 2000年頃に時代を象徴する存在にまでなったE39系・M5のようなスーパーBMWによるエクセレントなGTカーの復活はあるのかな?あのクルマはフルサイズセダンのボデーながら996ターボや360モデナよりも「GTカー」の究極形として輝いていたっけな・・・。まああくまで妄想です。ほどほどに期待して待ちましょう。



  

  

  

2016年11月12日土曜日

マツダのジレンマ・SUVと既存モデルが並び立たない様子・・・

  ミニバン廃止!!!考えようによっては「日本市場切り捨て」と受け止められる決断をしたマツダです。大丈夫かな? 最近のスクープによると後継ピープルムーバーとして3列SUVを国内市場にエントリーする見込みだそうです。北米にはすでに3列のCX9が配備されていますが、日本向けには新たに1800mm程度の幅に抑えたCX6になるんだとか・・・。BMWと同じ設定で偶数番号のSUVはクーペ調になるならば、SUVとトヨタ・エスティマの中間ぐらいの魂動デザインがちょいと頭に浮かびます。まあマツダなら上手くやるでしょうが・・・。

  メチャクチャ失礼なこと言いますけど、才能の無いデザイナーのやっつけ仕事で次々出てくる「クーペ調SUV」のデザインはとんでもなくドイヒーですね。メーカーの上層部は早く作れ!って圧力をかけるんでしょうけど、未だかつて成功と呼べるデザインが「ほとんど」出てきていないジャンルですから、請け負うデザイナーも混迷を極めているんじゃないでしょうか?

  このジャンルで結果を出したのは知る限りではほんの2例だけです。現在はマクラーレンのチーフデザイナーを勤めるロバート=メルビルがジャガーランドローバー時代に手がけた「レンジローバー・イヴォーグ」と、中村史郎監修の日産でとんでもないアヴァンギャルドに突き抜けた・・・「ジューク」(欧州車を根底から変えた名車として記憶される?)。正統派で見事なまでに結果を出したイヴォーグの真似をしようとしたのか、ドイツの名門2ブランドのデザイン力の無さにはホトホトあきれましたよ。もっとマトモかと思ってましたが・・・。

  マツダのCX4は日本未導入が悔しいですが、中国向けとはいえこのクルマがクーペ調SUVの3例目の成功になるんじゃないでしょうか?他のモデルもですが、2016年の世界カーオブザイヤー・デザイン賞のノミネートを完全に独占したジャガー・ランドローバーとマツダのデザイン力は現状では群を抜いているように思います。デザイナーの実力も当然にあるでしょうが、これはやはりGOサインを出す上層部の人々にどれだけセンスがあるか?という部分も非常に大きい気がします。

  マツダもジャガー=ランドローバーも(ボルボもアストンマーティンも)生粋のクルマ好きばかりが経営陣に連なることで有名なフォード陣営に割と最近まで属していたことが、最近の成功にとって大きいのかもしれません。マツダにRX8を作らせたり、「ZOOM-ZOOM」のコンセプトと世界的大ヒットの初代アテンザを送り出した、親日家でスポーツカー大好きロータリー大好きのマーク=フィールズが、いよいよフォードのCEOにまで登り詰めたことで新たなる展開を期待したのですが、まさかの日本市場からの撤退・・・。

  さて「プレミアム」に一歩一歩近づいている意図は伝わってくるマツダですが・・・日本市場ではどんどん期待感が↘になっているように思います(数年前が高過ぎた)。まだ期待している人います? SUVに関してはマツダは後発の部類に入りますけど、CX5が日本で、CX3がイギリスで売れてブランドの重心が変わってきてしまいました。マツダのSUVが短期間でここまで目立ってくると、どうしても晴れやかで目新しいSUVモデルに対して既存のデミオやアクセラは「魂動」デザインをまとっていても、なんだか物足りなく感じてしまいます。

  アウディA1を彷彿させるような作り込みのデミオは果たして狙い通りのユーザーに届いているのでしょうか(そもそもアウディA1が定番モデルとしての地位を確立できてないですけど)。新型デミオはどうも街中で見ているととても地味な使われ方してます。そしてやたらと彩度が高いピンクやブルーをチョイスして、デミオにドヤ顔で乗っているオッサンのセンスはちょっと理解不能です(人のセンスをどーこー言うものじゃないですが)。マツダはおそらく当初は全く違うユーザー像のイメージで、デミオを売り出していくつもりだったと思うのですが、現実に高齢者がピンクやブルーのデミオを街中で乗り回すようになってしまいました。果たしてこの事態は想定されていたのでしょうか?この状況がブランドイメージにどんな悪影響があるのか?そこまでしっかりと考えていたのか・・・これじゃ若者はなかなか関心を持ってくれないですよ。

  デミオの伸び悩みの原因は間違いなく「カラー・ヴァリエーション」です。近年稀に見るマツダの失態だと断言します!!やや高過ぎると言われる価格なんてクルマさえまとまっていれば二の次です。もちろんマツダの藤原本部長が恨めしく語っていた「先代デミオ=98万円」という世間イメージがかなりの足枷にはなっていますが・・・。経営陣はそのことが分っているなら、もっと建設的で前向きな、かつ綿密な販売計画を策定しても良かったのでは?

  もっと「アースカラー」中心の展開にしてさえいれば結果は変わったのでは?・・・例えばMINIの伝統カラーになっている「ブリティシュレーシンググリーン」みたいな色があればだいぶ違った気がします(パッソを見る限りあまり自信ないですが)。そんなのはマツダではない!!ストリートで圧倒的な存在感を発揮してこそマツダ!!!というコンセプトなんでしょうね。「塗り」に自信があるから彩度が自然に上がっちゃうんですね・・・。

  デミオ・ユーザーは地味。しかしこれ以上に計算外だったのがアクセラ・ユーザーの地味さ・・・。ライトなユーザーが食い付くモデルというとマツダらしいですけど、デミオもアクセラもキレイに作ってそれで満足しちゃったところに、作り手の想像力の欠如が出てしまったか?トヨタ・ヴォクシーのようなアグレッシブさ!というと語弊があるかもしれないですけど、もうちょっとあえての「隙」のあるデザインだったらいろいろ「味」があるな〜・・・とアクセラもデミオを見る度に思うのですが。

  それに対してマツダのSUVは、クロスオーバーのアグレッシブさとマツダデザインの過敏な上品さがとても良い塩梅に「クロスオーバー」してるんですよねー・・・。デミオやアクセラよりも目立ってる!!というよりもマツダでのカーライフをリアルに想像すると、自然にSUVのモデルが選ばれちゃいます。より単価の高い方が売れて短期的には結果オーライなんだろうけど、デミオとアクセラのステータスは世間でもて囃されるよりずっと下になってしまいました・・・。

  マツダも相当に意識しているであろうメルセデスが、この件に関してはいくらか参考になるのかも? 小型車の販売を延ばしてここ数年でそれなりの足場を築いたのはメルセデスだけです。基本となるハッチバックのAクラスからSUV(GLA)と4ドアクーペ(CLA)を派生させてます。マツダと違ってSUVが下手くそで全く存在感出せてないので全然人気ないですけど、4ドアクーペのCLAはAクラスよりもハッキリと日本市場では売れているのだとか・・・。

  メルセデスをお手本にして、アクセラから全高を下げた4ドアクーペを作る、あるいはアクセラ自体をFMCでその方向へ転向させる・・・これが離れたファンを戻す最良の手段? あるいはSUVで結果を出して満足の日産やホンダに倣って、いまさら4ドアクーペ路線には乗っても無理だから諦めるべきなのか。はたまたBMWをお手本にして、SUV(X1)とクーペ(2erクーペ)を両方ともに成功させるか?マツダのこれまでの歩みや狙っているコンセプトを考えれば、おのずと決まってくると思うのですけどね。


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↓マツダ車はマイナーチェンジでも発売されるようになってますね!!!
  

2016年10月24日月曜日

新型マーチと日産デザイン

  コンパクトカーのデザインと言えば「日産」。クルマにあまり詳しくない人に試しに言ってみると、「へ?日産?ぜんぜんそんなイメージないよ〜」なんて返事が返ってきました。どうやら世間ではそんなイメージは定着していないみたいです。2016年のトヨタ最高の自信作と言われるCH−Rの斬新なデザインも、明らかに7年前に出た日産ジュークが切り開いたコンパクトSUVデザインの延長にあるんですけどね。また軽自動車からプチバンまで「箱型デザイン」は大流行中ですが、その源流にあるのはトヨタbBと並んで日産キューブですね。そしてコンパクトハッチバックが特に秀逸で歴代マーチとノートの水準は高いです。

  どう考えてもコンパクトカーデザインの進化にとって、世界でもっとも貢献してきたメーカーは「日産」だと思うのですが、残念ながらその印象が世間にさっぱり伝わっていないのですから、昔から言い続けられて来たことですけども、やはり日産のイメージ戦略が下手なんですかねー。そしてもう一つ気になって仕方ないのは、せっかく殻を破ってポップに弾けた斬新なデザインなのに、なんとも真面目でシンプルな「NISSANマーク」がせっかくの世界観をぶちこわしているんじゃないの?ってことです。場違いな外部パーツが一つ付くだけで、繊細なカーデザインは脆くも崩壊するものです。現行のノートもそれでだいぶ損をしているのかなー・・・と。

  そんな中、日産の新型マーチ(欧州名マイクラ)がいよいよ発表されました。同じグループの兄弟車ですから当然ではありますが、ルノー・ルーテシアに非常によく似たフォルムになっていて、ルーテシア譲りのBセグ超のサイズ感を主張しています。サイドデザインは新傾向のフランス車なのに、フロントマスクは・・・これがとっても日産らしい「やや」強めの顔つきです。コンパクトカーにはやや「強過ぎる」んじゃないかという感じすらします。

  フランス車っぽい斬新なサイドラインはシトロエンの上級ブランド「DS」を彷彿とさせます。世間では新型プリウスの破天荒なデザインに賛否両論渦巻いていますが、例えばシトロエンなどは、個性的なスタイリングを追求し続け、今日のドイツとも日本とも違う独特の、日本人から見ると少々アクの強いスタイルを貫いてきました。新型プリウスのデザインをトヨタの社長も「ダサい」と断じているようですが、声高にそういうコトを言うヤツに限って、ろくにカッコいいとされるクルマの名前を知らなかったりするので始末が悪いです。見る側の人間の見識って大事だと思いますよ。「ダサい」って表現は見る側が受け止められない=スペックを越えたところにそのデザインがあるので、単に「嫌悪感」をダサいと表現しているだけだと思うのです。

  新型マーチはサイドデザインで先進性を見せていますが、特にCピラーを黒くするのはエルグランドや新型セレナにも見られる最近の日産のこだわりみたいです。。これに中村史郎デザインらしい抜けの効いたフロントデザインを持ってくれば・・・単なるフランス車なんですけども、そこにドイツ車的な「顔面神経麻痺」したような硬直フロントが付きます。サイドは先進性に溢れていて、フロントは既視感に満ちている・・・。マツダと方法論が近似している!?

  ちょっと難癖をつけると、フロントデザインだけでブランドを主張する!!なんてセオリーがいつ頃からかブランド戦略の「いろは」として語られる風潮があるようですが、フェラーリの各モデルに共通のフロントのモチーフなんてあるか?って言えば無いです。ブランド内の各モデルが個々に「存在感」を放つように緻密に設計されていればそれで十分にブランドへの注目は集まると思うのです。トヨタのシエンタ、プリウス、C-HR、プリウスPHVの流れはそういう意味でとても健全だと感心しています。

  年間にブランド全体で1万台売れば十分なフェラーリに対し、一般的なメーカーは同一車種で年間40万台売らないと利益が出ないのが実情だそうです。ゆえに繊細なクルマ作りなんて言っている場合ではないですし、これはメルセデスやBMWといったプレミアムブランドでも状況が同じで、共通設計&共通ユニットのオンパレードに成っています。一つ一つの車種に魂を込めることが出来なくなった機能不全のブランドが、特別な記号的価値を与えるために、全ラインナップを「同じ顔」を与えたがる。これはもはや病気といっていい現象です(クルマに冷める瞬間だなー)。

  簡単に言ってしまうと、ブランド内でフロントデザインがどれも同じに似てきたら、このブランドは既につまんないクルマを作り始めているというフラグです。少々思い当たるのが、メルセデス、BMW、アウディ、スバル、マツダ・・・辺りじゃないでしょうか。果たしてこれらのブランドの現在の姿は、その歴史の中で今がもっとも良い時期と言えるのでしょうか?

  素人が生意気を言わせてもらうと、どのメーカーももっともっと自由にフロントデザインを作った方がいいんじゃねーの!東南アジアや中国で売るためには必要!という判断はなんだか安易過ぎじゃないですか?うるせー!!素人が口出しすることじゃねー!!!ってことなら俺は徹底的にアンチになるぞー(面倒くせー奴ですみません)。

  マーチなんて・・・とか言ってしまうと怒られてしまいますが、ほどほどじいさん・ばあさんが愛用するクルマであることは否めないわけですが、これも日本特有の変に世代や性別でクルマの趣味を分けたがるお国柄のフィルターが存在してます。女性向けにとりあえず「ピンク」を多用するなどして、ユーザーの嗜好にわざわざ迎合するメーカーの下世話な姿勢に問題があるのかもしれません。もちろん需要に応えてクルマを作ってなにが問題なのか?あくまで輸入ブランドと比較しての評価に過ぎませんが、メーカーの開発担当者にもまだまだ「男女同権」の意識が極めて低いのか!?

  VWにピンクピンクなモデルなんてあるか?って無いわけですよ。性別なんて意識してクルマ作ってないです。・・・というか性別を意識する製品を、無遠慮に市場に投入したら本場欧州の市民団体(プロ市民)が黙っちゃいないですね。メーカーのコンプライアンス意識にそれが刷り込まれているようです。今回のマーチは(厳密に言うと現行のマーチからですが)、東南アジアでの拡販を期待して男性的な強さを感じさせるデザインに意図的に切り替えたと中村史郎チーフがその著書でハッキリと断言しています。ユニバーサルデザインとでも言うべきVWと同じ土台でデザインされて、2代目となるマーチの国際的な評価が高いようですが、日産は日本では売れないと判じているようで日本導入は未定とのこと。インフィニティのQ30、Q60(スカイラインクーペ)に続いて日本未導入車種になってしまうのでしょうか?

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新型日産マイクラ(マーチ)動画
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2016年10月7日金曜日

アバルト124スパイダー 「これこそが日本車に対する最大の讃辞」

  カーグラフィック編集長の渡辺慎太郎氏がCG11月号でアバルト124スパイダーに対して何やら書いてます。うーんさすが意味不明だ・・・何が言いたいのか?いや何も言いたいことが無いからこういう文章になるんだろうな。ちょっと書き出しを引用してみると「もし『アバルト124スパイダー』というクルマが、マツダロードスターをベースにしたという事実を隠されたまま、こういうクルマとしてある日ひょっこり登場していたら、果たしてこのクルマに対する印象は変わっていただろうか。」

  あーあ・・・って感じですね。「マツダが関与したら価値が落ちるよー」とでも言いたいのでしょうけども、なんだかなー。ブランドで区別すんなよ!クルマそのものを見ればいいじゃん! この編集長はマツダ・ロードスターの長期テスト担当(女性)に「クルマの変化に気付け!」とかエラそうなパワハラまがいな発言をしていたそうですけど、本人がブランド抜きにはクルマの価値が正確に測れないブレブレなその辺のオッサンだったなんてー・・・ってオチですか。

  どーでもいいけど、おたくらの雑誌(CG)でちょっと前に盛り上がっていたゼノス(英国製新鋭ライトウエイト)もマツダのエンジン使ってますけど全くスルーしてましたよねー。来年に復活が噂されるアルピーヌ(間違えたTVRタスカンだった)も同じくマツダエンジンになる予定だそうですよ!ケータハムのベースモデルはスズキエンジンですけど、最上級グレードはマツダのエンジンなんですけどね。カーグラフィックっていう雑誌は日本の技術が輸入車に関与していることを徹底的に隠す傾向があるなーとは思ってましたけども。

  別にクソジジイ・ライターが、日本の自動車産業に散々偏見を持っていても、まったく構わないですけど、プロのメディア人を自認するのであれば、このような「あーあ」な書き方は残念過ぎる。イスラム教を嗤うフランスメディアのような醜悪さを感じます。こんなレビューを当たり前に続けていればリベラルな若年読者層にはどんどん煙たがられますよ。好きとか嫌いとかではなくて、フェアなモノの見方が備わっていない偽評論家の文章に誰が好き好んで金を払うのかって・・・話です。まあブログネタの為に買うっていう人はココにいますけど。

  来年に登場する予定のトヨタ・スープラが出て来たら、CGでは一体どんなレビューが展開されるんでしょうか?間違っても「BMWが関与したから価値が下がる」みたいなニュアンスはやめてもらいたい!!! さて今も尚セダン、ワゴン、SUVを中心に「グランドツアラー」の第一人者を力強く自認するBMWですが、いよいよトヨタとの共同開発による待望の専用シャシーのスポーツカーであるスープラ/Z5がほぼ完成したようです。シルエットを見ると何だかスープラとZ4の遺伝子を半々ずつ受け継いだ感じでしょうか? BMWの一般的なモデルよりも、さらにスポーティな装いになった2シーター・クーペで、Z4の後継車ですからおそらくオープンモデルも追加されることでしょう。

  マツダとフィアットのロードスター/124スパイダーでは、ユニットはそれぞれのメーカーが用意してブランド間の差別化をしていますが、BMWとトヨタの間でもそれぞれBMWのモジュラー直4、直6と、トヨタの直4ターボ・直4ハイブリッドという無難な決着になると言われていますが、今のトヨタの感覚だと専用設計スポーツカーに燃費重視に設計したハイブリッド・ユニットをそのまま使うような愚は冒さないと思いたいですが・・・。これからはスポーツカーも電動化の時代みたいですが、あくまでEVスポーツか電動ターボといったスポーティなモーターの使い方をすればいいのですけど、トヨタの既存ユニットはそういう用途には向かない気が。それでも新規モデルでユニットが4つも選べるなんてとても豪華です!マツダ・フィアットももっといろいろ載せたらいいのに(ディーゼルはとりあえず要らないけど)。

  シリンダーがモジュラー化されているとはいえ、BMWの貴重な直6ターボ搭載モデルはいったいどれくらいの価格からスタートなのか?500万円前後なんていう「戦略価格」が発動するのか? いやいや富裕層はセコい2シーターなんて見向きもしないから、安易な廉売などしても実りは少ないかもしれません。いっそのこと直3ターボ積んで限界価格で勝負したらどうでしょうか?

  BMWにとっても某・日本メーカーが仕掛けたオープン&ライトウエイトスポーツ・ブームにホイホイとのっかって作った先代までをいつまでも引き摺りたくはないでしょう。汎用の3erシャシーをそのまま安直にスポーツカーに転用!骨は重いし、サスはズブいし、まるでロードスターとはかけ離れた乗り味の全く「意味不明」なクルマに仕上がりましたが、そんなこんなで「BMWわかってねー」と嗤われて、存分に評判を落としたZ3、Z4の黒歴史をさっさと回収したいでしょうけどね(あのバングルデザインは今となっちゃいい味出してる?)。ちなみに発売が終了しましたがZ4なんてアメリカでは定価300万円くらいでずっと叩き売りされてます(エンジンスペック考えると、マツダMX5と大差ない)。日本で売られている600万円という価格が、ボッタクリ過ぎで俄には信じられないわけですけども、クルマにかかる費用なんて国によってまちまちですから(シンガポールよりマシ?)。

  さてメイドインジャパンになったアバルト124スパイダーとそのベースモデルのフィアット124スパイダーは、ブランドにとっての本国であるイタリアで既に販売が開始されていて、フィアット版はマツダロードスター(1.5L)よりもいくらか安く設定されてます。CG編集長のテンションはイマイチ上がらないようですが、多くのイタリア人にとっては、この新たなラインナップはデザインも魅力的ですし、中身もこれまでのフィアットやアバルトでは考えられないほどの本格志向ですから、当然に喜んでいると思いますよー。

  フィアットにしてもBMWにしても、日本製の専用設計スポーツカーが欧州でそれなりの需要を誇ることは十分に折り込み済みなはずです。日本の自動車産業が生み出すシャシーの中でもライトウエイトスポーツ用は世界のメーカーにとって別格の価値があるのでしょう。例えば日本にはパジェロやランクルのような本格クロカンのラダーフレーム&AWD用縦置きシャシーなんてのもあって、これも圧倒的な世界シェアを誇っていますが、この手のシャシーはBMWはランドローバーから拝借しましたし、フィアットは傘下にジープがあるので間に合っていますから特に欲しくないようです。もちろん欧州にもロータスのようなミッドシップのシャシーがあるわけですが、それでもなお日本のFRスポーツの地位は日本のクルマ好きが思っているよりも高いところにあるのかもしれません。

  「せっかく大金出してクルマ買うならば、十分に価値の裏付けが欲しい!」っていう人も多いでしょう。特に趣味性の高いクルマにはコレを求めてしまいます。アバルト124スパイダーがおよそ400万円です。同価格帯のスバルWRX、ゴルフGTI、メガーヌRS、308GTiといったホットなモデルに比べてスペック面ではやや貧弱な印象ですが、「日本の自動車技術が海外で高く評価された!その結実した証拠!」という意味では、非常に感慨深いクルマではないでしょうか。さらには1000kgの車体に160psのエンジン。1980年代のスポーツカーを思わせるクラシカルなパワーバランス。みなさん!まさにこれを待っていたんじゃないですか?

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↓編集長のレビューが一番手抜き感があるな。ほぼ素人の伊藤より酷い。
 大谷秀雄さんが唯一の希望だなー・・・と勝手なこと言ってみました。
 

2016年9月6日火曜日

レクサスに対してカーメディアが冷ややかな理由

  2005年にレクサスが日本での展開をはじめてから、まだ10年そこそこしか経っていません。導入当初は当たり前ではありますが、新参高級ブランドに対するある種の懐疑の眼に晒されて様子見が続き、その後間もなくリーマンショックが起こり、さらに追い打ちをかけるように東日本大震災がありました。それから未曾有の円高が続き・・・とこれだけ想定外のことが連続して起こってはさすがのトヨタも赤字転落やむなしですね。日本生産にこだわっていたトヨタ、マツダ、スバルの状況は悲惨で、既にグローバル生産率が高かったホンダ、スズキ、日産はなんとか逃げきったようですが・・・。

  そんな「三重苦」がトヨタ、レクサス、マツダ、スバルの強靱な成長に貢献したようです。そんな中でレクサスはトヨタ全体の利益を押し上げる「切り込み隊長」ですから、トヨタも本体ブランドを差し置いて次々と手を打ってきました。GS/IS/RC向けの新型シャシーはその限界性能においてトヨタブランドと一線を画したスペックが世界中のメディアで認知され(日本は微妙?)、SUVラインナップの拡充により北米市場で大ブレイクを果たしました。2005年の段階では本国での実績はほとんど無しの状況から見れば日本市場でも大きく躍進しました。レクサスの日本登場後に、廉価モデルを一気に充実させたメルセデスとBMWもトヨタから顧客を奪うなど巧みな戦略をとってはいますけども。

  日本でのブランド開始当初は、セルシオ、ソアラ、アリスト、アルテッツァをトヨタから移管した形だったために、「単なる値上げ」ととらえられた部分がありました。しかしいずれのモデルも、元々は1989年のレクサス開始以来に北米レクサス向けに新たに開発されたモデルであり、メルセデスやBMWの同クラス車を想定して作られていたわけですから、「安売り」が終了しただけとも言えます。それとは別に日本でのプレミアムブランドの価格はちょっとやり過ぎな感もありますが・・・。

  しばしば日本でのラウンチ時のイメージの悪さをネタにして、レクサスに冷淡な姿勢をみせる「時間の止まった」ライターを今も多数見かけます。10年前と同じこと言ってるのはK沢M宏氏だけでなく、初老のライターはだいたいそんなもんですね。ジャガーを語るときは必ず「Xタイプ」を挙げたり・・・(ライターとして本質的にダサい)。「レクサスwジャガーwマツダw」なジジイはさっさとくたばれ!!!そんなクソが溢れていてウンザリなんですけども、どうやら良識的なライターはレクサスの別の部分にネガティブさを感じているようです。

  その一つがやはり「開発姿勢が受け身過ぎる」でしょうか。トヨタグループの最大の強みは「営業力」で、どっかで聞いた話によると三菱アウトランダーPHEVやマツダアクセラをトヨタ系列ディーラーで売れば月に2万台売れるとか販売部門は豪語するくらい自信を持っているらしいです。それゆえによっぽどの失敗作を作らない限りは後でどうにでもなる。これまでもホンダの革新的なクルマを「後出しジャンケン」で追い落としてきた自信があるんでしょうね。そのためか他のプレミアムブランドに先駆けて新しいモデルを作ろうという姿勢が薄いようです。

  BMWやメルセデスの経営母体よりも一回り以上の圧倒的な規模を持つトヨタグループですから、もっともっとプレミアムブランドの可能性を広げるモデルに着手できるだろうに。だけど作られるクルマは「石橋を叩いて渡る」ような定番のモデルばかりです。同じように巨大なVWグループをバックに持つアウディだと、ランボルギーニを傘下に収めてV10をミッドシップに収めるモデルをプロパー(LFAのように限定ではない)で売っていたり、VWの小型車をベースにハイパワーユニットとアウディの代名詞クワトロを組み合わせ、MTで走る楽しみを演出した「アウディS1」など日本でも個性的なクルマを販売しています。R8やS1が新機軸か?っていわれると確かに微妙ですし、一部のマニア向けではありますが・・・。

  レクサスにもGS-FやRC-Fといった「独自路線」のモデルがありますが、カーメディアではその「独自性」を積極的に評価する空気がなかなか無いです。ちょっと前のドイツ車のパクリだと断罪しています。V8自然吸気を全身全霊で愉しむスポーティなグランドツアラーは欧州車では確実に絶滅の方向に向かっていて、新しいアウディRS5がターボ化されればドイツ車では全滅。フェラーリ・カリフォルニアもすでにターボ化され、マセラティ・グランツーリズモやアストンマーティンV8ヴァンテージなど型式の古いモデルが残るだけになっています。そんな昔日の欧州V8NAグランツアラーに想いを馳せるレクサスの「Fシリーズ」なんですけども、意地悪い日本のカーメディアがその美点を持ち上げることはしないですね・・・。レクサスFやホンダNSXが欧州の自動車文化をリスペクトし、欧州陣営も日本のランエボやスカGをリスペクトするようなモデル(ゴルフR、M4)作っていて、とても健全な関係なのになー。

  アウディの「R8」や「S1」あるいはレクサスの「F」はあくまでスペシャルモデルであって、プレミアムブランドであるならばベースになるモデルで「キラリ」と光る飛び道具があって欲しいものです。トヨタブランドではランクルを除いてV8は廃止されているので、FとLS用のV8はレクサスのエンジンと位置づけられますが、それ以外のモデルはトヨタと共通のユニットという辺りが、カーメディアやクルマ好きの温度を下げているのは確かです(V8以外は買いたいという気が起こらない)。

  メルセデスやBMWと横並び感が強い2L直4ターボ。ミッションがCVTになってしまう2.5L直4ハイブリッド。そして経年でそろそろ環境性能的に限界な3.5LのV6自然吸気。さらにその上にGS/RXには3.5Lハイブリッドが用意されていますが、やはりCVTになる。どれもクルマにこだわる人にはイマイチな印象を与えますし、さらにライバルとの比較を考えると、ポルシェの2L直4ターボ(水平4ターボ)、BMWの直6ターボ、日産の3.5Lハイブリッド&7ATがそれぞれ600万円台で売られていて、レクサスにアドバンテージは無いように思います。それでも何となく売れている現状から、ユーザー層のクルマ偏差値が伺い知れてしまうことで・・・そんなこんなで結局はカーメディアはレクサスに対してしょっぱい対応なんだろうなー。

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↓このような「血統書」が付けられているモデルはいいんですけどねー。