2017年1月30日月曜日

マツダに一言・・・もっと「偉大な過去」に学べばいいのでは?

  前回に引き続いて、もっともっと頑張ってもらいたいマツダに「為になる批判」をしてみたいと思います。今年(2017年)になってドイツのネットメディアのヘッドラインとして報道されていましたが、2018年末頃には新型MAZDA3(アクセラ)が投入されて、早くも全く新しいガソリンエンジン(第二世代スカイアクティブ)が搭載されるとのことです。

  日本のカーメディアではまったく情報が上がってこないですけども、マツダの扱い方をみても日本のカーメディアってなんだかなー(まずは基本的な仕事しろよ)って思ってしまいます。というよりもうどっぷりネット時代なのだからドイツのカーメディアにアクセスした方が圧倒的に早いです。「シルバー民主主義」ならぬ「シルバーカーメディア」ですからね・・・。1950年代と変わらずにVWは「神」扱いですし・・・。

  そんな「シルバーカーメディア」にわざわざ寄り添っていったのが、マツダのこれまでの「スカイアクティブ」活動だったんじゃないかと思います。国沢さんや清水さんが第一線で活躍しているのは結構なことですが、還暦前後のライターさんの文章を読んでいると、取材対象がドイツ車であってもどうもあまり気分は良くない様子が伺えます。BMW・M4は速過ぎる。M2も速過ぎる。ゴルフRも速過ぎる。911ターボは速過ぎて意味分んない。アウディR8とかもはや意味不明・・・。

  欧州のように圧雪された道路を100km/h前後ですっ飛ばす次元のドライビングスキルが無いと、もはや操ることが不能!!ってくらいにエゲツナイ走りをするモデルがドイツブランドでは一気に増えました。それがジャガーやアルファロメオなど他の国のブランドにも当然に飛び火していって、新型ジュリアの最上級グレードが510psだとしても、それほど驚かなくなりました。

  そういった日本の道路環境では完全にオーバースペックで、日本でドライブを愉しむ我々には特殊な訓練でも受けない限りは到底に御すこともできない「広告用グレード」を取っ払うと、残ったベースモデルはほぼ「あり合わせ」の「残飯」みたいだったりするわけです。金持ち用のクルマ(BMW7erやM4)はどんどん進化し、貧乏向けのクルマ(BMW1,2,3er)はどんどん粗末になっていく・・・、アメリカ=中国で横断的なグローバリズムに対して日本のカーメディアはかなりイライラしているのを感じます。

  そんなスッカスカになった中間ゾーンを「埋める」というマツダの取り組みは、一見とても良いように思いますが、喜んでいるのは「シルバーカーメディア」と同じ感性を持っているシルバーなドライバーが中心なわけです。貧乏人向けのBMW(1~3er)やメルセデス(A~Cクラス)の素材より良いものを使って、より良いディーゼルエンジン作って、絶妙な乗り心地のミッション(トルコンAT)をデミオに至るまで配備した・・・とはいえ、ディーゼルエンジン以外は以前のマツダ車にも共通する美点ではあるんですけどね。

  それでもその立ち位置はカーメディアにとっては好ましいものだったようです。「Eクラス買うくらいならアテンザで良くない?」とか「320dなんかよりアテンザXDのエンジンの方が圧倒的に優れているよね」とかおおよそこれまでのカーメディアにはあり得なかった文言が出てきました・・・これは本音だと思いますよ。700万円出して下品なメルセデス直4ターボのEクラスはともかく、500万円出してポンコツなBMWの出来損ないディーゼルとかどんな罰ゲームだよ・・・(そもそも1000万円以下のメルセデスとBMWなんてさ)。

  それにしても相手が悪いですよ。メルセデスにBMW。片方は三菱自動車に買収を持ちかけて、ターボやAWD、さらにはEV技術まで持ち去ってブランド再建のコンテンツにした盗人ブランド。もう片方はMINIとかマグナシュタイナーとか外部に開発を丸投げして高級モデル用の縦置きミッションすら作らなくなった徹底的に「エア」なブランドです。BMWなんてドイツ国内では完全に素性が割れてますからメルセデスやアウディに比べて売れてない。とにかくマツダはこんな「(残り)カス」ブランドをマトモに相手にして「こっちの方が良いクルマですよ!!」なんて吹聴すべきでもないと思うんです。

  「マツダはかっこいい!!」と言われてちょっといい気になってますよね。確かに見た目はそれなりにいいのかもしれませんけども、ルックス重視のアイドルをたくさん集めて番組作ったって、そう簡単には面白いものは作れないですよ。果たして新しいマツダ車でどれだけの人のカーライフが変わったというのか!? 誰かハッキリ言ってやればいいと思うんですが、スカイアクティブが展開された5年間の日本市場において、クルマに興味がなかった20代、30代に「このクルマは良さそうだ!!」と重い腰を上げて購入に向かわせた新型モデルといえば・・・①アクア②ヴェゼル③ハスラー④ノート⑤86です。

  トヨタ、日産、ホンダ、スズキはいずれも世界のトップ10に入る「ジャイアント」です(他は米GM、米フォ、伊フィ、独VW、韓ヒュ、仏PSA)。マツダの藤原常務がインタビューで仰っているように、この4強と張り合って似たようなクルマを作っていては勝ち目はないのでしょうけども、マツダらしさが満載の尖ったモデルで、あの5代目BDファミリア(1980年6月発売)のように、ライバル車を切り裂いて欲しいものです。BDファミリア発売時はまだ0歳でしたがよーく覚えてますよあのデザイン!!決してフロンテやシビックのパクリではない!!0歳でもハッキリ区別できました(笑)

  私個人はマツダといえばアテンザなんですけども、大学卒業の頃に登場したGGアテンザ&RX8もかなりインパクトデカかったなー。頑張って働いてこれに乗ろう!!って思いましたよ(実際はE39M5に憧れてましたが)。BDファミリアとGGアテンザというマツダ(東洋工業)を救った伝説的モデルに共通するのは、何と言っても「ハンドリング」だと思うんですよね。サスペンション設計からライバル(ホンダ)をリードして行く!!という前向きな姿勢がそのまま評価されてドイツでバカ売れしたと思います・・・そんな偉大なモデルが切り開いた虎の子の欧州市場を引き継ぐモデルとしてスカイアクティブの各モデルは果たして相応しいのでしょうか?



  

  

  



 

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