海外サイトでは新型マイクラ(マーチ)のレビューが次々出ていますが、現状ではフランスのルノー工場のみでの生産になっているようで、日本市場に入れようという考えはないようです。現行マーチはタイ工場の生産モデルが日本向けにも充当されていますが、成長著しいアジア市場もこのモデルで飲み込むべくタイ生産も遅滞なくFMCかな?と思ってましたが、どうやらアジアは後回しにされたようです。日本市場では目下のところノートe-POWERが大ヒットしていて、200万円もするコンパクトカーがバカ売れしているという世界でもまれな「確変」状態なので、しばらく知らんぷりをしているつもりでしょうか?
ジュークやキャッシュカイといった新型SUVを日本と欧州で同時に仕掛けたら、圧倒的に欧州でウケた!!しかし日本ではスベりまくった!!そんなトラウマのせいか、完全に「アンテナ市場」としての日本を信頼しなくなった日産。欧州や北米で予想外に好評のQX30や、Q60を頑固として日本では売らない!! そりゃあれだけ3世代のスカイラインをボロクソに言われ続けて、あまりにも露骨に冷淡な日本のカーメディアとそれに安易に誘導されてしまった、車の良し悪しすらもわからない「無能」なユーザーには、確かにお灸を据える必要があるわけですけど。
いつだったか?現行のスカイラインをブログで絶賛したら、オウム返しのように「独特な感覚の持ち主ですね」と、ドイツ車ユーザー(自称)という圧力団体の構成員から完全に上から目線で揶揄されました・・・終わってんなーと思いましたね。そりゃE90ユーザーから見ればスカイラインの完成度は異次元かもしれないですけど、フェアに考えてありえねー(いらねー)のは・・・E90の方だろ。ドイツ車と南アフリカ車の区別もつかない輩には、栃木車の良さなんてわからねーだろーよ。
そんな日本市場に対して冷淡でやや「へそ曲がり!?」な感じの最近の日産。この新型マイクラはデビュー間もないですが、英国でもドイツでもすでに大人気なようです。今やルノー日産は、ロシアメーカー(アフトヴァース)や三菱の買収による規模拡大ももちろんありますが、いよいよグループ全体で年産1000万台とともにトヨタ/VW/GMの背中がはっきりと見えるほどに急成長中です。もはや日本市場なんかにいちいち構ってられないようですね。
非常に合理的だと感じるのは、SUVやコンパクトカーなどの「実用車」に関しては主に欧州のメディアを通してブランディング展開しますが、GT-RやフェアレディZ、ルノースポールの各モデルや、ルノー傘下で復活を果たすアルピーヌA110といった、歴史を刻んできたスポーツカーは、「世界一の高齢化率」を誇る日本で展開するなど、非常に巧妙です。年内に噂されるファン待望の「シルビア後継車」は日本で真っ先に発売されそう・・・。なんともステレオタイプなマーケティングにちょっとイラっとしますね。
新型マイクラですが、某英国メディアでは多少は厳しい評価もされていました。新型マイクラと同クラスの「VWポロ」「シトロエンC3」との3台比較では、なんと屈辱的な最下位の評価に・・・。兄弟車のルノー・クリオ(ルーテシア)はローレンス=ヴァン・デン・アッカー(元マツダ)をデザイナーに迎えて新デザインになってから、本国フランスではナンバー1ヒットを独走するシリーズに成長しました。しかしどうもイギリスメディアからはあまり芳しい評判ではなく、新型マイクラの評価にもその影響がいくらかあったように思います。
詳しく比較レビューを読んでみると日産が新しく取り組んだ0.9L直3ターボの出来栄えがいまひとつなんだとか。VWのエンジン(1.2L直4ターボ)の出力はキャッチアップしたものの、排気量が小さいゆえにトルクは不足気味。そして渾身の新型エンジン(1.2L直3ターボ)を搭載してきたPSAグループのシトロエンC3には、スペック面で格負けしている!!とのことです。イギリス人ってのはさ・・・計算が苦手なのかな!?
このクルマは先代マイクラ(4代目=現行マーチ)の欧州での存在意義である「日産のエントリーカー」という立場を引き継いでいません。2010年に登場した4代目マーチは、日本に続いて英国工場でも間も無く生産中止に追い込まれ、生産ラインをジュークに明け渡しました。日本向けマーチはタイ工場、欧州向けマイクラは先代まではインド工場で生産されていましたが、日産はこれらのアジア地域では「ダットサン」ブランドを新たに展開していて、4代目マーチをベースに、その後継モデル(派生モデル)として「ダットサンGO」と「ルノー・パルス」(パルサーじゃないよ!)がすでに生産されています。
ルノー・パルスは日産マーチのデザインがそのまま流用された「ルノーブランド車」みたいですね。2013年発売でこのデザインなのですが、昨年の暮れに慌ただしく発売された某メーカーの同クラス車にもなんだかよーく似てます(これはやったな!?)。そのまま欧州に持って行っても売れそうな感じですけども、ルノーにはメルセデスと一緒に作ったトゥインゴがあるので、現状ではインド専売になっているみたいです。実は2012年にもEU-インド間のFTAが発効する見通しだったのですが、なんと交渉がまとまらずに現在に至っているのですが、どうやらルノーと日産の目論見が外れたみたいですね。
予定通りならば、ダットサンGOとパルスを欧州へ入れる。そして欧州の4代目(先代)マイクラはお役御免になり、新たに日産が全力を挙げて「欧州向けBセグスポーツハッチ」として生まれ変わる!!フィットをパクったようにキャビンが大きくて実用性の高さを見せるノートと、スポーティなデザインと高性能エンジンの搭載にも耐えられる新型シャシーのマイクラの2本立てで、EU圏で非欧州系ナンバー1ブランドを狙う計画だったんですかね。
誤算があったのかもしれないですが、とりあえず5代目となる新型マイクラは、デミオ、スイフト、そしてWRC参戦のヤリス(ヴィッツ)に続く、本格派の日本勢スポーツハッチの第四弾!!といった扱いになったようです。欧州的な走りをするBセグ車の中核を担うポロ、フィエスタ、208/c3に対抗できるモデルへと変貌を遂げたました。4代目は、5ナンバー幅ギリギリですらなく、さらに一回り小さいAセグ(マイクロカー)扱いだったのが、ライバルに伍して一気に3ナンバー幅にまで拡大しました。
年内にもトヨタが欧州で製造を予定している「ヴィッツGRMN」には、ロータスに供給している1.8Lスーパーチャージャー(220ps)が搭載されるようです。これに対して日産もほぼ同時期頃には、フランス?で製造される「マイクラNISMO」には、欧州ジュークターボに限定設定されている1.6L直6ターボの220psバージョン(ルーテシアRSにも使ってますね)を搭載して、ガチンコの「ホットハッチ対決」が、とうとうトヨタと日産の間で起こるのか!?現状ではMINIジョンクーパーワークスがBMWの2Lエンジンを231psで搭載してますが、車重は1280kgもあります。これが1100kg台で実現したら・・・世界中の公道がアクティブになる!?2013年に発売されたマーチNISMO・Sは1.6L(NA)で187万円でしたけど、この危険な香りが漂う「マイクラNISMO」は限定発売になって、MINI・JCWと変わらない400万円近くもぼったくるのかな!?
ルノー日産の急成長は、想像を絶するペースで進んでいますが、これを警戒するトヨタは系列サプライヤーのアイシンAWの横置きATを、VWやPSAにも提供していて(すでにルノーにも供給)、欧州や周辺地域での大きな市場変動を抑え込もうという狙いがあるのかもしれないです。・・・トヨタと日産は、日本のBセグ市場で見事な大ヒットを記録した「アクア」を日産が執念で投入した「ノートe-POWER」でこちらも見事に撃ち落とすなど『熱い』です。この2メーカーが争うことが、自動車産業全体にとっても価値あるイノベーションになるはずですが、欧州で実績を築いてきたマツダやスズキを踏み潰す結果になる可能性もあります。
スイフトやデミオ(フィエスタの兄弟車)が頑張ってきた市場に、規格外の巨大グループが2つも参入してくるなんて!!PSAとボクスホール/オペルも統合を果たして、巨大欧州系グループが出来上がりましたし、VWはまだまだ元気・・・マツダとスズキの今後がちょっと心配です。そして日産は日本市場でそのような判断を下すのか!?4代目マーチの販売が激減した理由は、3代目マーチみたいな個性的と言える「可愛いデザイン」ではなくなったことと、MTを廃止して注目度が一気に下がったことにあるわけですから(タイ生産はあまり関係ないと思う)、マーチの後継がマイクラになるのかダットサンGOになるのかわかりませんが、NISMO以外のベースモデルでもMT復活を期待したいですね。両方入ってきたら車名はどうなるんだろう!?
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