2017年4月29日土曜日

日産フーガHV 「ついに躍進を始めた栃木ブランド!!」

  世界に実力を轟かせる日本車といえばなんですか? 「GT-R」「NSX」「WRX」といったスポーツモデルはやっぱり日本の自動車産業のレベルを端的に示してくれます。たとえ某大手メーカーがルマンでとうとう勝てなかったりF1で醜態を晒していても、やはり日本製のスポーツカーは素晴らしいです。

  あまり悪口を言いたくはないのですけど、多くの日本人は、日本のスポーツカーよりも、ランボルギーニやポルシェの方が凄いと思っているようです。そして同時に日本のスポーツカーは価格が安い割には高性能だな!!って・・・。でもそれはあくまでイタリアやドイツのスポーツカー文化を最大限に尊重した視点での話です。ランボルギーニもポルシェも欲しいスペックを実現できるエンジンを搭載したクルマを、それぞれの国のルールに従って設計したに過ぎません。日本車ではほとんど見かけない設計なので・・・それだけでスゲー!!って思いますし、「ブッとんでる!!」という興奮を覚えます。

  しかし外国人が見た歴代の日本車もまた「ブッとんでいる」んです。「敗戦国→1億総中流→日本型共産主義」という独自の経済/文化を営んできた日本だからこその「クレイジーな自動車産業」ではあると思います。東京オリンピックの年に行われた伝説の「日本GP」では、ポルシェのGT2ホモロである完全武装の「904」というサーキットモデルに対して、ほぼ市販モデルそのままの「プリンス・スカイラインGT」がまさかの互角の走りをするんです。これで火がついたのかわかりませんが、70年代にはホンダ、スバル、マツダの基幹モデルがとにかくどんどん高性能化します。

  ホンダは伝説のカリスマ社長「オヤジさん」が速いクルマしか認めなかった。スバルはいつしか「世界最速ワゴン」を生み出し、マツダは「風のカペラ」とか「サバンナGT」とかメチャクチャなモデルを安価で市販・・・とにかくこの年代のホンダ、スバル、マツダといった戦後の後発メーカーは理屈抜きで全部欲しいクルマばかり!!これだけメーカーと開発者の情熱が詰まっていれば誰でも納得じゃないですか?

  セダンもハッチバックもクーペもワゴンも高性能。つまり日本車にわざわざ「スポーツカー」を名乗るモデルなんてナンセンスだったのかも。ホンダS800もトヨタ2000GTも、メーカーの意地だけで作ってしまったけどあくまで市販車。通産省が60年代から自動車メーカーの統廃合を進めていたので、独立を守りたいならば、「高性能で輸出して売れる」とお役人に納得させる必要があった!!どのメーカーも手前勝手な「言い訳」を同音異口にしています。とにかくメーカーが力を入れている看板モデルの市販車が、どれもとんでもないスペックで作られていて、それが適度な価格で若者でも買えてしまう。そりゃアメリカ人だって欲しくなりますよ。オイルショックがすっかり収まっても、高性能な日本車が全米で売れすぎちゃって、これがアメリカ人の首を絞めたので、モータウンの街中で撃ち壊しの刑に処せられたりしたわけです。

  もしかしたら間違っているかもしれないですけど、「SUV」「ハイブリッド」「コンパクトカー」「3列ミニバン」・・・これらは日本車の本質ではないと思います。メーカーは開発コストを削減したいですし、高性能でなくても売れてくれるならそれに越したことはないでしょう。全ての日本メーカーがこれらのモデルだけをひたすら作り続けると・・・シャープや東芝になっちゃう!?んじゃないかという気がします。バランスシート上は、プリウス、アクア、シエンタといった量販モデルだけで利益を生み出しているから、他のモデルは統合廃止でいい!!と判断できるでしょうけども、そんな素人でも考えそうな選択にさらなるミラクル(成長)が待っているとは思えないのです。

  「高度経済成長期とバブル経済の二段ロケットに乗っただけ!!」と言う人もいるかもしれないですが、本田宗一郎という経営者の採った「とにかく高性能にしろ」という選択は、現代のMBAホルダーを何人集めたとしても再現不能な・・・非常に高度な経営判断だったと思います。ホンダ、マツダ、スバル、日産、三菱これにトヨタを加えた6メーカーが、北米上位14グループに入っていて、日本勢はもちろん最多です(米3、独3、韓1、英1)。なんでダイハツやスズキ、ルノー、プジョー、シトロエン、フィアットはアメリカで成功できないのか?・・・結論ありきですけども、それは「エンジン」「デザイン」「信頼性」という点で北米のスタンダードになっている日本の6メーカーの基準に達していないから!!

  日本では幸運なことに一人の「奇人」経営者のおかげで、6メーカーが相互に牽制しあって性能を伸ばしました(サプライヤーも同時に成長しました)。最後発のホンダは、出る杭は打たれる「日本的」な環境に苦しみ、エグいほどの他メーカーからの執拗な干渉(イジメ)に耐えて、誰が見ても「最強」と言えるエンジンを作りました。トヨタや日産がホンダ車を潰すために作ったクルマを全部合わせると何台になるのかな?

  日本の自動車産業が今後も成長を続けるためには、売れるクルマをタイミングよく売ることも大切でしょうけども、やはり本田宗一郎氏のような「野心」を各メーカーが持つことができるか!!が鍵になると思います。ランエボを廃止した三菱は求心力を失ってしまいました。スバルもWRXの後継エンジンが無いと、風船のように漂う存在になりそう。マツダはどうも経営陣が安易な選択をしているような気が・・・。トヨタ、ホンダそれから日産は巨大グループにふさわしいラインナップを作っていてそこそこ安泰ですけど。

  その中で目下のところ北米で大ブレーク中なのが、日産の「インフィニティ」ブランドです。3月の販売台数は昨年同月比で66%アップ!!これテスラ以上の急成長です。3LのV6ツインターボで400ps。BMWの直6ターボ(B58)をあざ笑うような高出力、高トルク、高回転、ハイレスポンスこれらを「完全に狙ってやった」と豪語する日産のエンジニアもエグいですわ・・・。さらにはGT-Rの3.8Lツインターボがあって7000rpmまで余裕で回る。ショートストロークNAのV8もあるし、VQ35を使ったハイブリッドユニットの信頼性も高い。これは売れて当たり前ですね・・・。メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェ、レクサス、アキュラ、ジャガー、キャデラックのどこにも負けない実力。



  日本人にはピンとこないかもしれないですが、世界最強のフルサイズ(Eセグ)はフーガだと思います。5er、ギブリ、新型Eクラス、レクサスGSもフーガと比べたら欠点が露呈します。段差を乗り越えても、ハンドリングで少々コジっても、アクセルをガタンとオンしてみても・・・フーガは最初から想定していたかのような身のこなしなのに対して、他の4台は「ちょっと無理っぽい!!」みたいな信号が出ます。ダンパーがザックスとかそんな話はどーでもいいくらいに具合がいい。スカイラインもそうですけども、おそらく世界中のどのモデルが相手でも負けないだろうなー・・・。

  アルファ・ジュリアや、ジャガーXE-Rならもしかしたら「動的質感」で一矢を報いることができるかもしれないです。しかし現実問題として、先代よりも相当に洗練された印象があるEクラスや5erでさえも、8年前にデビューした51フーガになかなか勝てない(勝ち負けではないけど)。日産も慌ててFMCする気配もないまま放置。北米価格は5erもQ70(フーガ)もEクラスも約50000ドル〜で横並びですけどQ70が売れる!!売れる!!46000ドル〜でやや弱気な価格設定のレクサスGSが737台、フーガが1072台(3月北米販売)だってさ。これじゃGS廃止の噂も出てくるよね。2012年に新型シャシー投入してカネかけて作った現行GSでもフーガに勝てないからさ!!やっぱり日本のVIPカーは優秀だ・・・。

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↓3年落ちフーガHVが275万円。これはお買い得だと思います。

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