2017年7月11日火曜日

レクサスRX 「トヨタがやりたいこと」

  輸入車ブランドやマツダなどが好きな人にとっては、トヨタってなんだかぼやけたクルマ作りをしているメーカーに見えるかもしれませんが、トヨタにも『らしさ』ってのがあります。VWやホンダの動向を見ながら、オーリスやウィッシュなど他社のコンセプトをそのまま頂戴しているようなクルマもありますけども、いい意味でトヨタの独創性が現れているケースもあります。その中で最もユーザーからその価値が認められているのが『レクサスRX』じゃないか!?と思います。



  『お金持ちが通りまーす』・・・レクサスのファミリーカーくらいでそんなに騒がないよ!!っていう声もあるでしょうけど、レクサスRXはとりあえず『世帯年収1800万円です!!』みたいなオーラは周囲に十分発散します。でかくて重厚感がある!!これはCX5、エクストレイル、アウトランダー、XVではなかなか真似できないです!!不思議なことにトヨタ&レクサスのSUVはやたらとリッチに見える(NXを除く)。RX、ハリアーもそうですが、C-HRもコンパクトSUVにしてはリッチな雰囲気出てる。エクステリアの表現で『遊んでる』のがポイント高いですね。余裕!!

  SUVを当初から安っぽい大衆モデルの感覚で作ってしまったマツダ、日産、三菱は慌てて「高級仕様」への切り替えを行っています。でも難しいと思います。ユーザー層の『所得』に大きく変化ないですし、そもそも「高級』とはどういうものなのか!?の定義すらない(カーメディアはあるかのように書くけど)。キャンバス地のシートより、レザーのシートの方が「高級」だろうけど、品質管理が難しくて、ドイツのプレミアムブランドを試すと大体これが不満のタネになります。ましてやファミリーユースなSUVですから、とにかくたくさん売ってユーザーのリアクションを得るしか「正解」には近づけないです。

  『Lパケ』『モード・プレミア』『Sスペシャル』がどれだけ売れているのかわからないですけど、グレードについて検討される前に、過当競争気味のSUVだから下取りも二束三文だろうな〜・・・とあっさり切られてしまうよ。多分。もちろん納得して買ってくれる人は、それなりにいるでしょうから当分は安泰だとは思いますが・・・。なんだろうな!?誤解を恐れずに言えば、マツダ、日産、三菱はSUVユーザーをちょっとバカにしているところがあるように思います。SUVなんてチャラチャラしたようなクルマを選ぶ輩にはクルマの良し悪しなんてわからないだろう!?みたいな思い違いがあるのでは!?開発者は「俺は別に欲しくないけど。こーいうのが売れるんでしょ!!」みたいなノリで作ってるんじゃないの!?

  それに対して、トヨタは開発者はそもそもあまりクルマに興味がない!?ということがSUVを高級に仕上げるには吉と出ているのかも。トヨタというメーカーは、開発者の肩身がとにかく狭いらしい(本人達がインタビューでほのめかしている)。そしてどんなトヨタ研究本にも書いてありますけども、この会社の花形はマーケット部門と購買部門なんです。当然ながら開発者を志す優秀な人材は、入社段階からホンダ、日産、マツダ、スバル、スズキへと流れます。トヨタはリストラに否定的だったらりと勤めるには良い企業なんでしょうが、安定と高い給与水準がトヨタの開発者にもたらす『余暇』は、他のメーカーとは違うのでしょね。余裕ある日々を過ごす中で『SUVのあるリッチな生活』のイメージが固まったのかもしれません。失礼ですが、ほんの数年前まで倒産の恐れすらあったスバルやマツダからは、こういった発想はなかなか出てこないよなー。

  トヨタと同じようにSUVの『高級レンジ』で目を見張る動きを見せているのが、ボルボです。XC90はまさにハイソサイエティなライフスタイルにマッチするSUVでしたし、V40クロスオーバーや、新型XC60もそれぞれにライバル関係を見据えた「こだわり」のある(=買う理由のある)1台になってますねー。なんでトヨタとボルボは・・・案外、企業風土や労働環境が似通ったところにあるから!!なのかもしれません。

 

  トヨタもボルボも『本気』になってスポーツカーを作ったりしたら、他のブランドのファンからボロクソに言われて、もう目も当てられないようなモデルが出てきそうです。そもそもトヨタやボルボにピュアスポーツなんて誰も期待していないです。そんなトヨタ&ボルボに対して、RX7、ランエボ、GT-Rを絶えず世界から期待されているメーカーは、やっぱりあらゆる点で根本的に違うんでしょうね。

  マツダの開発者は専門誌「MAZDA FAN BOOK」で、盛んにトヨタとは別の路線を目指すことがマツダの生きる道だ!!みたいなことを言ってます。トヨタとは違う!!というプライドだけでやってるのか!? しかしトヨタと『別の路線』には死屍累々と日産、ホンダ、三菱、スバルが横たわっているわけです。だからトヨタとそれ以外が半分ずつシェア取ってるんですね。そしてマツダ期待の新型CX5はというと・・・あれれ!?なんだかレクサスRXやハリアーをかなり意識しているような!?SUVに関してはトヨタと同じ道を辿っていますね。これはなんか違うんじゃない!?新型CX5の販売にもやや影響が出ていますね。まあ大成功モデルの後の二代目というのは、最初からえげつないハンデを抱えたみたいなものですが・・・。

  ハリアーにもレクサスRX/NXと同じターボが追加されましたが、レクサスのHV(3.5L/2.5L)とターボ、マツダのディーゼル、三菱のPHEVが現行では『指名買い』できるユニットでしょうか。これに対して出遅れ気味の日産は、エクストレイルにe-POWERを追加して対抗するようです。もう日本では当たり前になってますけども、これメルセデスやBMWが喉から手が出るくらいに欲しい贅沢なユニットばかりですよ!!こんな過当競争が起こっているのも、トヨタ&レクサスがやたらと完成度の高いファミリーSUV作っちゃったから!!しかもそこはマツダ、日産、三菱にとっては国内で最も稼いでいる車種のゾーンのど真ん中!!

  マツダも日産も三菱もSUVのシェアを『絶対に死守』しなければならないので、なかなか『攻め』の姿勢に踏み切れないです。それに対してSUVに依存しないトヨタは、RX、ハリアー、C-HRのどれも余裕ですね。デザインで遊んでます!!どれだけグリルを大きくできるか!!のチキンレース!?黒に金を配色した禁断のカラーリング!!そしてどれだけライオンぽくなるか!?・・・なんじゃこれは!!国内メーカーの格差は広がるばかり。マツダは果敢にチャレンジしましたけど、他のメーカーは中型SUVでトヨタに挑む勇気はあるのかな!?

  カーメディアではそれほどトヨタのSUVについての『優位』はあまり伝わってこないですけども、まともなユーザーが判断すれば、輸入車SUVの全モデルともう勝負はついてます!!いくら水野さんがベストカーでメルセデスGLEの素晴らしさを訴えたところで、RXの優位は変わりません。ドイツメーカー、ジャガー、アルファロメオ、マセラティ、ベントレーが出てきたところで、レクサスRXを叩き潰すのは無理だと思います。唯一可能性を残しているのは『あの』輸入車ブランドだけ!!ヴェラールが間も無く日本上陸してRXに挑みます。699万円〜でサイズもRXとガチンコ!!果たして日本でどれだけ売れるのか!?


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